インドネシアで食品・飲料をどう届ける?コールドチェーンの現状と課題

公開
2026/08/21
更新
2026/08/26
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インドネシアのコールドチェーンはどの程度整備されていますか?

B2B向けでは冷蔵・冷凍の保管・輸送サービスがすでに存在し、日系物流企業も参入しています。一方、事業者や地域によって品質にばらつきがあり、特に個人向け配送やラストマイルでは温度管理などに課題が残っています。

インドネシアで冷蔵・冷凍食品を販売する際に注意すべきことは何ですか?

配送距離や対応温度帯だけでなく、保管から配送、受け渡しまで一貫して温度を維持できるか確認することが重要です。地域や物流会社によってサービス水準が異なるため、自社商品に合う物流事業者や販売エリアを見極める必要があります。

インドネシアのコールドチェーン市場には日本企業のビジネスチャンスがありますか?

EC市場の拡大や冷蔵・冷凍食品への需要増加を背景に、インドネシアのコールドチェーン市場は拡大の余地があります。食品販売だけでなく、低温物流、保冷梱包、温度管理・追跡など、日本企業が培ってきた品質管理のノウハウを生かせる可能性があります。

インドネシアの物流を相談

インドネシアで食品・飲料事業を展開する際、商品の味や価格と同じくらい重要になるのが、「販売先まで品質を維持したまま届けられるか」という視点です。特に冷凍食品、乳製品、スイーツ、生鮮食品などは、物流環境によって販売できる地域や販売方法そのものが左右されます。

さらに、1万7,000以上の島々からなるインドネシアでは、ジャカルタなどの大都市圏と地方、都市内と都市間でも物流事情が異なります。そのため、日本で利用している物流モデルをそのまま当てはめるのではなく、現地のサービス水準やラストマイルの実情を把握したうえで事業設計を行うことが重要です。

本記事では、B2B・C2Cそれぞれのコールドチェーン事情から、現場で見られる課題、市場拡大によって生まれる事業機会まで紹介します。

インドネシアのコールドチェーンの現状

インドネシアのスーパーの生鮮魚介売り場
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B2B向け物流インフラの現状

B2B向けの冷蔵・冷凍物流サービス自体は、インドネシアにおいて以前から存在しており、大手小売や食品メーカー向けに一定のインフラが整えられてきました。日系の物流企業も参入しており、低温保管・輸送サービスを手掛けています。

こうした企業では、精肉・鮮魚・乳製品といった温度管理が必要な商材について、保管から配送までを一貫して請け負う体制が整いつつあります。

統一規格の不在でサービス品質にばらつき

ただし、サービスの品質が常に日本と同水準というわけではありません。例えば、ジャカルタにある大手スイーツブランドの店舗で購入したアイスクリームに、一度溶けた形跡があるということもあります。

配送業者側の温度管理の問題のほか、店舗での保管状況や受け渡し前後の扱いの問題の可能性もありますが、日本ほど品質管理が徹底されていない場面に出くわすことは珍しくありません。

この背景には、インドネシア国内でコールドチェーンに関する統一規格が整っておらず、輸送中の温度管理が不十分なために流通段階で食品が劣化してしまうという構造的な課題があります。JETROが採択した実証事業を紹介する記事によれば、統一規格の不在や温度管理不足により、流通段階で食品の40%が腐敗しているとされています。

統一規格やサービス品質に課題があるからこそ、物流会社を価格だけで選ぶのはリスクがあります。自社商品に適した物流方法や現地パートナーの選定にお悩みの方は、弊社の月額5万円のインドネシア進出支援サービスでご相談いただけます。

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個人向け(C2C)コールドチェーンサービスの拡大

こうしたB2B向けのインフラに対し、個人向け(C2C)の冷蔵・冷凍配送は、ここ数年で新たに登場してきた領域です。ShopeeやTokopediaといったECプラットフォームの浸透により、個人向けに冷蔵・冷凍商品を配送したいというニーズが急速に高まりました。

この需要に応える形で、個人向け配送に対応するコールドチェーンサービスも登場しています。

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Paxelの配送サービス

代表的な存在がインドネシアの物流企業Paxelでしょう。都市間の個人向けコールドチェーン輸送に対応しており、常温だけでなく冷蔵・冷凍食品の配送も可能なサービスとして、サービス開始当初から展開されています。

拠点間の配送スピードを重視したサービス設計になっている点も特徴の一つです。

Cool Jekなど新興プレイヤーの参入

近年では、こうした個人向けサービスの担い手として、Cool Jekのような新しい事業者も登場しています。Cool Jekは、保冷剤や保冷梱包資材のメーカーとして約20年の実績を持つ現地企業が母体となり、2022年にラストマイル配送サービスとして設立された企業です。

個人向けと法人向けの両方に対応しており、バイクや三輪車での配送に加え、幅広い温度帯に対応した保冷ボックスを扱っている点が特徴です。Paxelと並ぶ選択肢として、今後の動向が注目されるプレイヤーの一つと言えるでしょう。

インドネシアでは物流サービスの選択肢も変化しています。現地事業者へのヒアリングやサービス比較、連絡・調整が必要な方は、弊社の月額5万円のインドネシア進出支援サービスで対応可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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インドネシアのコールドチェーンが抱える課題

インドネシアのコールドチェーンが抱える課題
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物流側の課題:ラストマイルの壁

物流は一般的に「ファーストマイル」「ミドルマイル」「ラストマイル」に分けて語られますが、インドネシアの個人向けコールドチェーンでは特にラストマイルに課題があるとされています。

配送中に保冷ボックス内の温度が徐々に常温へ近づいてしまったり、受け取り主が不在の場合に商品がそのまま屋外に置かれてしまったりするケースが見られます。日本の「置き配」とは異なり、事前の合意なく荷物が置かれてしまうことも珍しくないため、手元に届く頃には冷凍・冷蔵状態が保たれていないという事例も指摘されています。

実際、現地の消費者からも「梱包はきれいだったが、中身の冷凍野菜が傷んでいた」といった声が聞かれます。最近ではEC事業者側もこうした配送品質のばらつきを理解しているためか、遠方への冷蔵・冷凍配送は思うようには広がっていないのが実情です。

消費者側の課題:温度管理に対する意識の違い

配送側の課題だけに目が向きがちですが、受け取る消費者側の食品に対する考え方も、サービスの成熟度に影響している可能性があります。

日本では温度管理によって食品の質を保つという考え方が消費者の間でも広く共有されていますが、インドネシアでは地域や個人によって、その意識の度合いに差があります。

例えば、「ケーキなどの冷蔵品が多少温かくなってもあまり気にならない」「一度溶けてしまった冷凍食品を再冷凍しても問題ない」と考える人もいます。ジャカルタのような都市部と地方とではもちろんのこと、ジャカルタ市内に限っても、消費者ごとの温度管理への関心にはばらつきがあるというのが実感です。

これは良し悪しというより、冷蔵・冷凍食品の温度変化をどこまで問題と考えるかという感覚が、日本とは異なると捉えるのが適切かもしれません。電気などインフラの整備状況、冷蔵庫の普及状況、食品衛生に関する知識の浸透状況など、さまざまなことが影響しているのでしょう。

サービスの品質向上には物流事業者側の努力はもちろん重要ですが、それを求める消費者側の意識の高まりも、いわば両輪として必要と言えます。実際、コールドチェーン物流の普及にあたっては、荷主・消費者双方の意識啓発が課題として挙げられることもあります。

カジュアルにインドネシア進出を試した飲食店様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
  • 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
  • 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。

上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。飲食業であれば、貴社でもそれが可能です。

インドネシアでコールドチェーンを活用する際の確認ポイント

インドネシアのコールドチェーン市場

食品・飲料事業でコールドチェーンを利用する場合は、物流会社の有無だけでなく、対応温度帯、配送可能エリア、都市間輸送の品質、ラストマイルの受け渡し方法まで確認することが重要です。

特にインドネシアでは、地域や事業者によってサービス品質に差があるため、日本国内と同じ感覚で物流会社を選ぶと、想定した品質を維持できない可能性があります。

また、冷蔵・冷凍食品を全国へ配送するのか、まずはジャカルタなど特定都市に絞るのかによって、必要な物流体制も変わります。進出時には、商品の特性や販売地域に合わせて、物流方法を設計することが重要です。

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インドネシアのコールドチェーン市場が持つポテンシャル

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EC・デリバリーの普及がコールドチェーン需要を後押し

インドネシアでは、ECやフードデリバリーが生活に浸透し、消費者がオンラインで商品や食品を注文し、自宅まで届けてもらうことが身近になっています。こうした消費行動の変化は、常温商品だけでなく、冷蔵・冷凍食品を取り寄せたいという需要が広がる土台にもなります。

また、地域差はあるものの、コールドチェーンの普及に欠かせない電力インフラも改善しています。農村部への電気の普及が進んでいることに加え、都市部でも「停電が減った」など電力が安定的に供給されるようになったことが実感できる地域もあります。

ECやデリバリーの普及、電力インフラの整備が進むことで、冷蔵・冷凍商品の保管・輸送を必要とする場面は今後さらに増えると考えられます。物流会社だけでなく、冷凍・冷蔵倉庫、保冷資材、温度管理システム、配送管理など、コールドチェーンを支える周辺分野にも事業機会が広がる可能性があります。

地方の特産品を全国市場へ届けられる可能性

インドネシアは大小1万7,000以上の島々からなる群島国家で、地域ごとに特色ある農水産物や食品があります。一方、冷蔵・冷凍状態を保ったまま遠距離輸送する仕組みにはまだ課題があり、産地から離れた消費者へ商品を届けにくいケースもあります。

例えば、カリマンタン島でとれた新鮮なカニをジャカルタの消費者が個人向け配送で取り寄せようとしても、現状では配送中の品質に不安が残ります。

コールドチェーンがさらに整備され、個人向けでも遠距離の冷蔵・冷凍配送が利用しやすくなれば、地方の生産者や食品事業者は、地元だけでなくジャカルタなど遠方の大消費地へ販路を広げられるようになります。また、消費者にとっても、これまで現地に行かなければ入手しにくかった食品を購入できるようになります。

つまり、コールドチェーンの整備は単なる物流の効率化ではなく、地方産品の市場拡大、消費者ニーズの充足、新たな食品ビジネスの創出につながる可能性があります。

ポテンシャルを秘めたインドネシアのコールドチェーン業界

インドネシアのコールドチェーンは、B2B領域では一定の実績があるものの、個人向け配送はまだ発展途上にあります。ラストマイルの品質にはばらつきがあり、消費者側の意識も含めて、業界全体がこれから成熟していく途上にあると言えるでしょう。

一方で、群島国家ならではの潜在的なニーズや、今後のEC市場の拡大を踏まえると、コールドチェーンが整備されることで開拓される市場の余地は決して小さくありません。日本企業にとっては、品質保証やリアルタイムでの温度トラッキング、丁寧な梱包など、日本で培ったノウハウを生かして差別化を図れる領域です。もちろん、食品を扱う企業にとっても、進出機会が増えていく可能性があります。

インドネシアでのコールドチェーンを活用した事業展開をご検討の際は、ぜひこちらからお問い合わせください。月額5万円で壁打ち相談、規制や法律に関するリサーチ、現地パートナー企業の紹介など、インドネシア進出準備をお手伝いしております。

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