金埋蔵量世界第4位のインドネシアが金銀行サービスを開始
- 公開
- 2025/04/09
- 更新
- 2025/04/09
- この記事は約3分26秒で読めます。
インドネシアは豊富な天然資源を有する国の一つであり、中でも金の埋蔵量は世界第4位を誇ります。そのポテンシャルを活かし、国内の金市場を活性化するため、インドネシアは新たに「金銀行」サービスを開始しました。
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はじめに
金は世界中で価値のある資産とされ、多くの国で経済の安定や通貨の信頼性を支える役割を果たしています。インドネシアは世界有数の金埋蔵国でありながら、これまで金の流通や管理には十分な制度が整っていませんでした。
本記事では、そんなインドネシアと金にまつわるデータや動画を紹介しながら、同国で初めて金銀行サービスが始まったというニュースをお届けします。
【補足】
本記事の円表記は、2025年3月28日のレート(1ルピア=0.0091円)で換算したものです。
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数字でみるインドネシアの「金」と「金銀行」
インドネシアの「金」:埋蔵量4位、産出量8位
米国地質調査所(USGS)によると、インドネシアの金埋蔵量は、2024年時点で約3,600トンでした。1万2,000トンのオーストラリアとロシア、5,000トンの南アフリカに次ぐ世界第4位です。また同年の金産出量は年間100トンで、世界8位となっています。
なお、特に埋蔵量については新たな採掘場所の開拓などによって数字が大きく変化するため、毎年順位に変動があります。
金埋蔵量が多い国(2024年)
1位 オーストラリア・ロシア:12,000 t
2位 南アフリカ:5,000 t
3位 インドネシア:3,600 t
4位 カナダ:3,200 t
5位 中国:3,100 t
6位 アメリカ:3,000 t
7位 ペルー:2,500 t
8位 ブラジル:2,400 t
金の産出量が多い国(2024年)
1位 中国:380 t
2位 ロシア:310 t
3位 オーストラリア:290 t
4位 カナダ:200 t
5位 アメリカ:160 t
6位 カザフスタン・メキシコ・ガーナ:130 t
7位 ウズベキスタン:120 t
8位 南アフリカ・インドネシア:100 t
インドネシアが金銀行サービスを開始
世界有数の金埋蔵量を誇るインドネシアですが、金準備(所有量)は世界でも40位台と、あまり多くありません。また、金の流通を一元的に管理する制度が未整備でした。
そこでインドネシアは、2025年2月、「金銀行」サービスを開始しました。金埋蔵国としてのポテンシャルを活かし、経済発展、通貨の信頼性の向上、金融政策の安定性の向上などに繋げることが目的です。
この時点で金融サービス庁(OJK)から営業認可を得たのは、ともに国営のBank Pegadaian (ぺガダイアン銀行)とBank Syariah Indonesia(インドネシアシャリア銀行)です。
金銀行サービスとは、金の貯蓄、融資、取引、保管などの金融サービスを含む事業活動を指します。ここで取り扱われる金は、インドネシアの国家基準を満たす最低99.9%の金含有量で、延べ棒や板の形をした金地金(インゴット)です。
金銀行の開業に立ち会ったPrabowo(プラボウォ)大統領は、金銀行サービスにより、国内総生産(GDP)が245兆ルピア(2兆2,257億8,580万円)増加し、180万人の新規雇用が創出されるとしています。また大統領は、金銀行により国民の金取引が促進されることや、国の金準備が増えることで国家の経済構造が強化され、インドネシアの財政的自立を強めることを期待すると述べています。
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