インドネシアの販促キャンペーン事例。カードプレゼントで売上げ154.9%増

公開
2025/04/02
更新
2025/09/15
この記事は約4分24秒で読めます。

インドネシアでは韓国の歌手や俳優が大人気です。ショッピングモールでは頻繁にポップアップストアが出店したり、イベントが開かれたりしますし、有名企業のCMにもよく登場します。

インドネシアに進出する際の
外資規制が大幅に緩和
2025年10月2日、外資企業に関する最低払込資本金の要件が改正され、払込資本金が資本金の25%に引き下げられました。これにより、インドネシアで外資企業を設立する際には、これまで払込資本金が最低100億ルピア(約9,200万円)必要でしたが、25億ルピア(約2,300万円)で設立が可能に。10年に1度のチャンスだと考え、無料のセミナーでも詳しく情報を共有しているので是非ご参加ください。

はじめに

韓国の有名人とインドネシア企業のコラボレーション企画には枚挙にいとまがありません。例えば2022年には、K-PopグループNCT Dreamと健康志向のインスタント麺Lemoniloのコラボレーションが話題になりました。

本記事ではこのコラボレーションの影響について、データと動画で紹介します。

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ガチャガチャを使った店舗集客について

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数字で見るインドネシアの韓国アーティスト販促キャンペーン

NCT Dreamの写真カードプレゼントでインドネシアのインスタント麺Lemoniloの売上げが154.9%増加

K-PopやK-Dramaが世界中でブームになる中、インドネシアでも韓国の歌手や俳優が大人気です。そこで、多くのインドネシア企業が、韓国のアーティストをブランドアンバサダーやCMキャラクターに起用しています。

最近では、2022年、K-PopグループNCT Dreamと健康志向のインスタント麺Lemoniloのコラボレーションが話題になりました。ECの販売促進ソリューションを提供するCompas Dashboardの調査によれば、2022年2月にNCT Dreamの写真カードをプレゼントするキャンペーンを行ったところ、Lemoniloの売上げは前月比で154.9%増加しました。

韓国のアーティストと連想する飲食品ランキング

調査会社Katadataは2022年6月、韓国のエンターテインメントファンを対象に調査を実施。その中で、特定の飲食品または関連企業とアーティストを関連付けて思い出せるかどうか尋ねた質問の結果が以下のランキングです。調査実施時期の直前に上記のキャンペーンを行っていたLemoniloとNCT Dreamの組み合わせを思い出せた人は全体(何らかの答えを書けた人)の21.3%で、1位でした。

2位は、インスタント麺Mie Sedapと、2019年からブランドアンバサダーを務めるチェ・シウォン氏(SUPER JUNIORのメンバー)の組み合わせ。3位はMc Donald’sとBTSの組み合わせで、これは大人気だった2021年のコラボレーションを連想していると考えられます。コロナ禍で外食が制限される中、注文を受けたオンラインフードデリバリーの運転手たちが各地のマクドナルドの店舗に殺到して騒ぎとなりました。

4位のLuwak White Koffieはインドネシアで人気のインスタントコーヒーで、2015年、同国で初めてイ・ミンホ氏をブランドアンバサダーに起用し注目されました。このコラボレーションはすでに終了していますが、今もファンたちの記憶に強く残っているようです。

  1. Lemonilo(インスタント麺) – NCT Dream:21.3%
  2. Mie Sedap(インスタント麺) – Choi Shiwon(チェ・シウォン):19.5%
  3. Mc Donald’s – BTS:7.6%
  4. Luwak White Koffie(インスタントコーヒー) – Lee Min Ho(イ・ミンホ):7.4%
  5. Neo Coffee(インスタントコーヒー) – Lucas (ルーカス:元NTCメンバー):6%
  6. Nu Green Tea(ペットボトル入りお茶) – NCT Dream:3.8%
  7. Mister Potato(ポテトチップス) – Cha Eun Woo(チャ・ウヌ:ASTROのメンバー):3%
  8. Coca Cola – BTS:2.2%
  9. Cold Brew Coffee(限定ボトルコーヒー) – BTS:2%

このようにインドネシアでは、国内外の多くの飲食品ブランドや関連企業が、韓国アーティストを起用したプロモーションやキャンペーンを実施しています。また、化粧品や服飾品のプロモーションでも、韓国人アーティストが活躍しています。上記のランキングに入ったのはすべて男性や男性グループですが、女性アーティストも同様に人気があります。

参考1:databoks「Ini Merek Makanan yang Sukses Branding Lewat Idol K-Pop」
参考2:databoks「Gaet NCT, Compas Dashboard Temukan Penjualan Mi Instan Lemonilo Melonjak 154%」

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インドネシアでは、日本のアニメやマンガ、ゲームが長年にわたって人気を集めてきました。

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NCT Dreamが出演したLemoniloのテレビCM

NCT Dreamが出演したLemoniloのテレビCM

動画は、2022年、NCT Dreamが出演したLemoniloのテレビCMです。

このインスタント麺は、2016年に設立されたPT Lemonilo Indonesia Sehat(レモニロ・インドネシア・セハット)の代表的な製品です。同社は健康的な食品を製造するメーカーで、インスタント麵の他にもスナック、飲料、調味料も出しています。

Lemoniloが初めて登場したのは2017年。防腐剤、風味増強剤、人口着色料不使用の揚げない麺が特徴の、低カロリー、低糖質、低塩分、低脂質、低グルテンのヘルシーなインスタント麺です。

そんなLemoniloと、インドネシアに多くのファンを持ち、若くてヘルシーなイメージのNCT Dreamとのコラボレーションは、前述のように大きな効果をもたらしました。しかしカードプレゼントのキャンペーンが終了した2022年3月には売り上げはキャンペーン前の水準に戻っており、それ以来低迷しています。

Lemoniloの値段は、1袋6,200ルピア。インドネシアのインスタント麺の代表格であるIndomieやMiesedapが3,000ルピア以下であることを考えると、比較的高価なインスタント麺です。

健康志向が高まっているとはいえ、日常的に食べるものを値段が2倍のものと置き換えることには、躊躇する人が多いのでしょう。

NCT Dreamの写真カードのためにLemoniloをまとめ買い

NCT Dreamの写真カードのためにLemoniloをまとめ買い

NCTZENと呼ばれるNCT DreamファンたちのSNS投稿を見てみると、キャンペーン期間中、NCT Dreamのメンバーの写真カードを手に入れるためにLemoniloをまとめ買いする人は多かったようです。

こちらの動画は、そんなファンの1人がNCT Dreamの写真カードほしさに箱買いしたLemonilo開封の様子をレポートしたもの。

この写真カードキャンペーンの特徴は、「すべてのパッケージに写真カードが入っているとは限らない」ということです。動画からもわかるように、一部は別のもの(健康になるためのヒントが書かれたカード)になっています。

そのため、購入したLemoniloの数に対して手に入れた写真カードの数が少なく、落胆したファンも少なくないでしょう。動画の投稿者も、数十袋開けて、手にした写真カードは、たった4種類7枚でした。

Lemoniloの売上げ154.9%増は、この戦略の成果ともいえるかもしれません。

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インドネシアにおけるK-Popアーティストのプロモーション効果

2022年のTwitterによる調査報告では、インドネシアは世界で一番K-Popファンが多い国とされています。なお、日本は2位。3位以下は、フィリピン、アメリカなどとなっています。

そんなインドネシアでは多くの企業が、韓国アーティストとコラボレーションすることで、販売促進や認知度アップを実現しています。Lemoniloの売上増加に対するNCT Dreamのプロモーション効果は一時的でしたが、キャンペーン期間中、テレビCMを目にしたり、店舗でLemoniloをまとめ買いする人を見かけたりしたファン以外の人たちに対しての認知度アップも、ある程度はできたのではないでしょうか。

日本のアーティストでNCT DreamやBTSほど人気のある人はなかなか出てきませんが、代わりに人気なのは漫画やアニメのキャラクターです。今後もだれを起用したどのようなマーケティングが功を奏するのか、要注目です。

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