インドネシアの教師の待遇問題「非常勤講師の74.3%は月給2万円以下」
- 公開
- 2024/09/02
- 更新
- 2025/03/22
- この記事は約3分23秒で読めます。
インドネシアでは、学校の教師たちの給与の低さが以前から問題視されています。少し前には給与の低さゆえに「大学教授になるな」というハッシュタグが流行ったほどで、非常勤講師ならなおさらのこと。教師の待遇は子どもたちの学力を高める上でも重要な要素ですが、そこがないがしろにされている実態が長年変わっていません。
本記事では、特に弱い立場にある非常勤講師の給与に関する調査結果をもとに、非常勤講師の待遇や、彼ら彼女らの生活について紹介します。
※円表記は、2024年6月20日のレート(1ルピア=0.0097円)で換算したものです。
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数字でみるインドネシアの非常勤講師の給与
非常勤講師の74.3%が「月給2万円以下」
リサーチ機関IDEASは、慈善団体Dompet Dhuafaの教育プログラム「GREAT Edunesia」と協力して、2024年5月の第1週にインドネシアの教師の福祉に関する調査を実施。様々なステータスの教師403人が回答し、そのうち117人は非常勤講師でした。
調査結果によると、教師全体の42.4%、非常勤講師の74.3%が月給200万ルピア(1万9,310円)以下であることが明らかになりました。教師全体ではこの給与額は県・市ごとに設定される最低賃金のうち、もっとも低い額を下回っています。
さらに、非常勤講師のうち20.5%が50万ルピア(4,830円)未満の給与しか受け取っていないこともわかりました。一方、収入が500万ルピア(48,300円)を超える非常勤講師の数はわずか0.8%に過ぎません。
「非常勤講師の月給」(2024年5月)
- 50万ルピア(4,830円)以下:20.5%
- 50万ルピア(4,830円)~100万ルピア(9,650円):26.4%
- 100万ルピア (9,650円)~150万ルピア(14,480円):10.2%
- 150万ルピア (14,480円)~200万ルピア(19,310円):17%
- 200万ルピア (19,310円)~300万ルピア (28,960円):12.8%
- 300万ルピア(28,960円)~400万ルピア(38,620円):7.6%
- 400万ルピア(38,620円)~500万ルピア (48,300円):4.2%
- 500万ルピアを超える(48,300円)::0.8%
なお、公立学校の場合、最低位の教師の月給は低い人で約160万ルピア(15,450円)で、最高位になると高い人で630万ルピア(60,820円)程度です。様々な手当があることをふまえても決して高いとは言えない給与ですが、これと比べても非常勤講師の待遇が極めて悪いことがわかります。
参考:
IDEAS「Survei IDEAS: 74 Persen Guru Honorer dibayar Lebih Kecil dari Upah Minimum Terendah Indonesia」
SERAYUNEWS「Gaji Guru PNS 2024 Setiap Golongan: Ada Tambahan Tunjangan!」
「死んだ時間」と呼ばれる非常勤講師の給与体系
非常勤講師の給与の低さの原因としては、担当する授業を行った分しか給与が出ない時給制であることが挙げられますが、それだけではありません。そもそも時給の設定が低かったり、「Jam Mati(死んだ時間)」と呼ばれる給与体系を採用している学校があることも影響しています。
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