インドネシア・マラン:成長率0.89%に低迷する農業分野のエコシステム改革

更新
2025/06/23
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インドネシア東ジャワ州マラン県では、製造業やサービス業が成長を続ける一方、農業分野の成長率は0.89%と低迷しています。地域の食と暮らしを支える農業の再生に向けて、マラン県は「Kembange Tani Bersiul」と呼ばれる統合型農業エコシステムの改革に取り組んでいます。

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はじめに

豊かな自然環境に恵まれたマラン県では、多彩な農作物が生産されています。しかし経済統計を見ると、農業分野の成長は遅れています。こうした課題を打開すべく、県当局や農家、民間企業が連携し、新たな農業モデルの構築が進められています。

本記事では、2023年に始まったマラン県の農業エコシステム改革「Kembange Tani Bersiul」について取り上げます。また後半では、マラン県の農家の様子を動画で紹介します。

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数字でみるマランの農業

域内総生産3位、成長率最下位のマランの農業

2024年、マラン県は東ジャワ州の経済成長率(4.93%)をやや上回る、4.96%の経済成長を遂げました。マラン県の産業別域内総生産(PDRB)を見ると、全体に占める割合が高い順に製造、卸売・小売・自動車およびオートバイの修理、農林水産、建設、情報となっています。

一方、成長率では、輸送および倉庫、政府行政・防衛・社会保障、その他サービス、情報、医療サービス・社会活動が高く、PDRBの割合が3位の農林水産業は成長率0.89%で最下位でした。

なお、マラン県のこの状況は、インドネシア全体の状況に似ています。インドネシアの2024年の産業別GDPの上位は製造業、商業、農業で、農業の成長率は全産業分野の中でもっとも低く、0.67%に留まりました。

資料:

マラン県の農業改革「Kembange Tani Bersiul」

マラン県食糧作物・園芸・プランテーション局(DTPHP)は、農業によって人々の生活を豊かにすることを目指し、最大限に成果を上げられる「統合型農業エコシステム」の構築に乗り出しています。

DTPHPが構築を目指すのは、「Kembange Tani Bersiul(口笛を吹く農夫の花)」と呼ばれる農業モデルです。これは、「地域の強みを活かした農業エコシステムの構築による協働開発」を意味し、地方政府、農業団体、民間企業、学術界などの協業が含まれます。このエコシステムでは、農家は、優良な種の提供、栽培技術の指導、収穫後の処理や販売に至るまで、さまざまな関係者と協力します。また、肥料の費用の補助や「ミレニアル農家」とよばれる若い農業従事者に対する助成金の支給なども進んでいます。

このエコシステムは2023年、まずジャガイモ農家とタバコ農家で導入されました。

例えばジャガイモは、マラン県の主要農作物の一つでありながら、地域の需要に生産量が追い付いていません。生産の中心地であるマラン県ポンチョクスモ郡ンガダス村では、約350ヘクタールの農地でジャガイモの栽培が行われており、1年に2回の作付けが可能ですが、種イモの品質が古く、生産性が低いことが課題でした。

そのためマラン県では、優良品種の種イモを農家に提供することで、収穫量を以前の4倍に増やすことに成功しました。加えて、種苗生産者の育成も行っています。

2024年には他の農作物でも「Kembange Tani Bersiul」の導入が進み、特にコメ、トウモロコシ、サトウキビ、コーヒー、トウガラシ各種、赤タマネギ、バナナ、アボカド、ミカンで、作付面積と収穫量が大幅に増加しました。このような取り組みが、生産量の増加と農家の生活水準の向上に繋がることが期待されています。

参考:


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映像でみるマランの農業

山地のレタス農家

マランのレタス農家

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