インドネシアにおける中小企業と一般納税企業の法人税について
- 公開
- 2024/01/01
- 更新
- 2026/06/21
- この記事は約4分34秒で読めます。
インドネシアの企業が支払う法人税は企業規模によってどのように異なるのでしょうか。
企業規模は、主に企業の資本金と年間売上によって判断され、一般的には「中小企業」と「一般納税企業」の2つに分けることができます。
中小企業は、資本や年間売上が比較的小さな企業を指します。一方、一般納税企業は、資本や年間売上が比較的大きな企業を指しますが、どんな企業でも一般納税企業として登録することは可能です。税率は一般的に高くなる傾向がありますが、その分メリットもあります。
企業規模によって税制上の扱いが異なることから、企業は自身の規模を正確に把握し、適切な税務戦略を考えることが重要です。
今回の記事では、「中小企業」と「一般納税企業」の法人税の違いや申請方法について紹介します。
納税義務を負う対象者
納税義務を負う対象者は、インドネシアで設立されたもしくはインドネシアに住所をもつ内資・外資の法人です。これらの法人は税務上の居住者として扱われます。また、インドネシアで恒久的施設(Permanent Establishment、PE)を通じて事業活動を行う外国法人は、居住納税者として税務上の居住者と同様の納税義務を負います。
中小企業とは
中小企業とは、資本金の上限が10億ルピア(約1,000万円)、または年間売上が48億ルピア(約4,800万円)未満の企業を指します。
株式会社の場合、中小企業として活動できる期間には3年間の有効期限があり、この減税期間を過ぎると「一般納税企業」へと自動で変更されます。減税期間内に「一般納税企業」へと企業形態を変更することもできますが、一度を変更すると中小企業に戻ることはできません。
中小企業の法人税について
中小企業の法人税は、月次の総売上に対して 0.5%(※1)の最終課税/源泉分離課税が課せられます。
中小企業の法人税の特徴は、納付の頻度が毎月ということです。たとえその月の利益が赤字でも法人税を納付しなければなりません。しかし、税率が低いため、企業は税負担を軽減することができるというメリットがあります。
※1: PPh4-2の「年度で総売上が48億ルピアを超えない個人及び会社(恒久的施設を除く)が受領する特定の所得」の税率に該当します。
中小企業が支払う法人税の計算式
- 法人税=毎月の総売上×0.5%
例)A社がB社から1,000万ルピア(約10万円)、C社から2,000万ルピア(約20万円)の売上があった場合
その月の法人税=(1,000万ルピア+2,000万ルピア)×0.5%=150,000ルピア(約1,500円)
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
一般納税企業とは
一般納税企業とは、資本金や年間売上の額に縛りはなくどんな企業でも登録できる企業規模です。大手の有名企業あるいは48億ルピア(約4,800万円)以上の利益を持つ企業が多いため、「信用されている企業だ」という印象を与えることができます。
一般納税企業の法人税について
一般納税企業は、1年間の事業所得により確定した税額を年次に納付します。一般納税企業の法人税の特徴は、中小企業と異なり事業所得が赤字の場合は納税不要であることと税率が事業所得の金額によって分けられていることです。
一般納税企業が支払う法人税の計算式
- 法人税=1年の事業所得×税率(11%〜22%)−予納額(取引先によって納付されたPPh22(※2)とPPh23(※3))
※2:輸入時の源泉徴収税
※3:サービス対価等にかかる源泉徴収税
税率は、各事業年度に得た事業所得によって以下のように定められています。
- 赤字:納税不要
- 48億ルピア(約4,800万円)以下:11%
- 48億ルピア〜50億ルピア(約4,800万円~5,000万円): 11.1%〜21.9%
- 50億ルピア以上(約5,000万円):22%
例)A社の法人税
- 年間売上が50億ルピア(約5,000万円)
- 総営業費用が10億ルピア(約1,000万円)
- PPh22とPPh23の合計額が1億ルピア(約100万円)
A社の法人税=事業所得(50億ルピア−10億ルピア)×11%−1億ルピア=3億4000万ルピア(約340万円)
インドネシアで新たな事業を展開する場合、ご存じのとおり、KBLI(事業コード)の追加が必要になります。外資系企業の場合、KBLIを1つ追加するごとに100億ルピアの追加投資が求められるため、新規事業への参入ハードルは決して低くありません。
そこで一つの選択肢として、必要なKBLIやライセンスを弊社側で新規取得し、お客様から弊社へ業務を委託する形で、新規事業をスモールスタートしてみてはいかがでしょうか。
例えば、以下のような形で事業のテスト運営が可能です。
- 既存事業とは異なる新カテゴリーの商品を、弊社がECサイト上で販売代行。商品ページの制作や広告運用などを実施し、「どの商品が売れるのか」「どの価格帯が受け入れられるのか」を検証した上で、本格参入を判断する。
- 実店舗やポップアップストアを活用し、弊社がテスト販売を代行。現地消費者の反応や購買データを収集するとともに、必要に応じてEC販売も並行して実施し、最適な販売チャネルや販売戦略を見極める。
- 新カテゴリーの商品を弊社が輸入し、現地小売店や販売代理店への卸売営業を代行。販路開拓や商談、初回導入までを支援し、市場からの評価や継続受注の可能性を確認した上で、自社による本格展開へ移行する。
納税と申告について
納税者は、法人税を月次あるいは年次で納税し、納税申告書を提出しなければなりません。 納税と申告書の提出は、一般的に税務署のウェブサイト(DJP Online)から行うことができます。
- 税務署のウェブサイト:https://djponline.pajak.go.id/account/login
企業規模ごとの納税期限と申告書提出期限
企業規模によって異なる納税期限と申告書提出期限は以下の通りです。

税金の支払遅延には罰則が設けられており、最大24か月分が課されます。1日でも遅延した場合は1ヶ月以内の遅れとみなされ、遅延利息計算上1か月分の罰金を支払わなければなりません。
罰金の計算式
- 罰金=税率(※4)×遅れた月数×納税するべき税額
※4:税率は毎月更新される月次財務省利率を適用して計算します。
また、申告書の提出遅延や不履行には以下の罰金が課されます。
- 月次法人所得税申告書:10万ルピア(約1,000円)
- 年次法人所得税申告書:100万ルピア(約10,000円)
確定申告について
中小企業は月次に全ての納税を行なっているので、年度末の確定申告の際は年次申告書の提出のみが必要となります。年次に支払う税金はありません。
一方、一般納税企業は、年度末の確定申告の際に法人税の精算を行わなければなりません。
一般納税企業が確定申告時に支払う税金の計算式
- 確定申告時に支払う税金=法人税
=1年の事業所得×税率(11%〜22%)−予納額(取引先によって納付されたPPh22とPPh23)
計算した金額がマイナスであれば還付(PPh28:納付超過の当該還付額)を受けることができ、プラスであれば不足額(PPh29:法人税の不足分を補う納税額)を納付することになります。不足額は年度末の4か月後までに納付しなければなりません。
― ビジネス最前線の声
まとめ
インドネシアでの法人税ついては、まず、中小企業と一般納税企業の税率やメリットについて理解し、適切な登録形態を選択することが重要です。
さらに、法人税の適正な管理と支払いには、適切な税金対策と専門家の助言が不可欠です。税務上のリスクを最小限に抑えることで、企業は安定的な成長を遂げ、経済的な信頼性を築くことができるため、どの企業規模であっても積極的に税務署や税理士へ相談することを推奨します。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
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