インドネシアでのフェイスブック(Facebook)の利用状況と企業の活用事例

公開
2022/09/15
更新
2024/11/27
この記事は約8分37秒で読めます。

インドネシア進出をする際に考えておきたいのがWebでのマーケティングによる集客です。世界で最もユーザー数の多いSNSであるFacebookは、重要なマーケティングチャネルの1つ。とはいえ、身近にインドネシア人がおらず、Facebookをめぐる状況についていまいちピンときていない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、インドネシアにおけるFacebookに関する最新情報から、日系企業の活用事例まで幅広く紹介します。インドネシア進出をお考えの方はぜひご覧ください。

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インドネシアにおけるフェイスブック(Facebook)の利用状況

Facebookはユーザー数世界一のSNS

Facebookは現在、世界のインターネットユーザーの60%が利用する、ユーザー数世界一のソーシャルメディアです。

しかし、InstagramやTikTokが台頭しつつある一方、Facebookのユーザーの増加率やシェアは徐々に低下しています。日本においても、若者の間でFacebook離れが進んでいます。

では、インドネシアはどうでしょうか。

以下では、インドネシアにおけるFacebookをめぐる現状について解説します。

参考:Semrush BlogThe Top 25 Most Popular Social Media Platforms in the World

インドネシアのFacebookユーザー数

世界のFacebook利用者数

出典:Good News From Indonesia「Pengguna Facebook Indonesia dalam Bingkai Statistik」から弊社作成、アメリカ・ブラジル・メキシコは2020年Q3の情報

Internetworldstatsのデータによると、インドネシアのFacebookユーザー数は1億7,650万人で、インド、アメリカに続いて世界3位です。インドネシアの人口は約2.7億人ですから、国民の約65%がFacebookに登録していることになります。

またMeta社によると、2022年1月時点のインドネシアにおけるFacebookの広告リーチは、インターネットユーザーの63.4%に上っているとのことです。

インドネシアのFacebook投稿頻度

一方で、利用頻度は減少しつつあるというデータもあります。以下は、Facebookでの情報共有頻度についてのデータです。

Facebookの投稿頻度

出典:databoks「Survei: Frekuensi Penggunaan Facebook Menurun dalam Setahun Terakhir」から弊社作成

このデータから、わずか一年で、Facebookの投稿頻度を「まれ」「かなりまれ」と答えた人が5%も増えていることがわかります。インドネシアのネットユーザーの意見を見ると、この背景にはやはり若者のFacebook離れがあるようです。

インドネシアのFacebookユーザー数は世界第3位と紹介しましたが、そのユーザー数の多さよりは、上記データのような特徴(投稿する人が減っている)方がインドネシアで暮らしているとより体感的な納得感があります。

インドネシアのFacebookユーザーの性別と年齢

性別構成比
男性54.1%
女性45.9%

出典:DataReportal「DIGITAL 2022: INDONESIA」

上の表からわかる通り、インドネシアのFacebookユーザーは、女性よりも男性の方が多いという特徴があります。これに対し、日本では男女の割合にあまり差がありません。

インドネシアのFacebookユーザーの年齢層別割合
インドネシアのFacebookユーザーの年齢層別割合

出典:Good News From Indonesia「Pengguna Facebook Indonesia dalam Bingkai Statistik」

こちらのグラフからは、インドネシアのFacebookユーザーは、18〜34歳の若年層が圧倒的に多いことがわかります。ただし若者層は、登録をするだけでFacebookをあまり頻繁に利用しない傾向があります。むしろ利用頻度が高いのは、31~60歳の男性ユーザーです。ここらへんは日本の状況と似ています。

インドネシアにおけるフェイスブック(Facebook)のイメージ

先程紹介した通り、Facebookはかつて、インドネシアにおいて若年層を中心に高い利用率を誇っていました。一方で、他のSNSの台頭により、ユーザー数の減少が始まっているのも事実です。

実際のところ、インドネシア人はFacebookについてどのような印象を抱いているのでしょうか。現地の声をまとめてみました。

プラスイメージ

旧友とコミュニケーションがとれる

Facebookは実名制ということもあり、知り合いとつながることの多いSNSです。

インドネシアではよくFacebook上で同窓生グループが結成され、旧友たちが交流する場となっています。その結果、比較的年齢の高いユーザーの方が、Facebookをアクティブに利用するようになりました。前述の「利用頻度の高い31~60歳の男性ユーザー」の多くが、Facebookを旧友との交流のために使っています。

反対に、こうした傾向を嫌う若年層が他のSNSへと流れていることが、若者のFacebook離れを加速させています。

商品購入前後の情報収集ができる

以下のグラフは、インドネシア人がオンラインショッピングにFacebookを利用する理由の調査結果です。

インドネシア人がオンラインショッピングにFacebookを利用する理由

出典:databoks「Ini Alasan Konsumen Gunakan Facebook saat Belanja Online」

  1. 売り手とのコミュニケーション(78%)
  2. 商品を購入する(79%)
  3. 情報収集(69%)
  4. 他の(商品・サービスの)選択肢を探す(68%)

多くのインドネシア人ユーザーは、販売者とコミュニケーションを行うためにFacebook を使用しています (79%)。また、78%のユーザーがFacebook上での商品・サービスの購入経験があります。

これらのデータから、 Facebookは商品の宣伝・販売だけでなく、顧客との関係を構築する上で重要なプラットフォームになっていると言えます。

マイナスイメージ

デマ・フェイクニュースが多い

デマやフェイクニュースが多いメディアといえば、Twitterを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、多くのインドネシア人は「デマやフェイクニュースの多いSNS=Facebook」というイメージを抱いています。

以下はインドネシアで使われているSNSごとにコロナ関連のデマの数をまとめたグラフです。Facebookの数が圧倒的なのは一目瞭然です。

新型コロナウイルスに関するデマが多かったSNS

出典:databoks「Konten Hoaks Covid-19 Terbanyak di Facebook」

日本と比べてTwitterの利用者数が少なく、Facebookの利用者が多いことが原因の1つとも言えそうですが、インドネシアにおいてFacebookは「デマが多い」というイメージがあることは知っておいて損はないでしょう。

政治プロパガンダに利用されている

Facebookの政治利用は世界で度々議論を巻き起こしており、インドネシアも例外ではありません。特に、選挙期間は政治的な投稿が活発になります。日本ではSNSで政治関連の発言をすることを好まない人が多いこともあり、少々意外に感じるかもしれません。

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インドネシアにおける日系企業のフェイスブック(Facebook)活用事例

先程お伝えしたとおり、インドネシア人は商品の購入前後によくFacebookを閲覧しています。さらに、売り手と買い手をつなげるプラットフォームとして独自の地位を築いているということも紹介しました。

では、実際のところ企業はどのようにFacebookを活用しているのでしょうか。日本企業のFacebook活用事例を紹介します。

ユニクロ(Uniqlo Indonesia)

今や世界的アパレルブランドとなったユニクロは、インドネシアでも大人気です。そんなユニクロはFacebookページを活用している代表的な企業と言えます。

通常の投稿で新商品やセールに関する情報を提供するだけでなく、プロフィールの「アプリを利用」というCTAで、アプリダウンロードまでの導線を確保しています。(上図参照)

さらに、商品の購入前後にFacebookをよく利用するというインドネシア人の傾向に合わせて、Facebookショップを開設しているのも特徴的です(下図参照)。ユニクロは日本向けにはFacebookショップを開設していないことから、それぞれの国に適した施策をとっていることがわかります。

ユニクロ・インドネシアのFacebookショップ

SK-Ⅱ(SK-II Indonesia)

SK-ⅡインドネシアのFacebookページ

こちらは日本の代表的な化粧品ブランド「SK-Ⅱ」のFacebookページです。経済発展が急速に進むインドネシアでは、「高品質・安全」が売りの日本化粧品の人気も高まりつつあります。

ユニクロと同様にCTAでウェブサイトへ誘導しているだけでなく、化粧品選びにとって重要な、一般ユーザーが投稿したレビューを閲覧できるようになっているのがポイントです。

さらに特筆すべきは、ページに訪れると自動でMessengerが展開される点です(下図参照)。ページには「通常1日以内に返信」と記載があることから、カスタマーサポート体制が充実していることがわかります。インドネシアではFacebookが売り手と買い手をつなぐ重要なツールとなっていることから、顧客からの問い合わせを積極的に受けようとする姿勢が伺えます。

SK-ⅡインドネシアのFacebookページの特徴

インドネシアの化粧品市場について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

インドネシアの化粧品市場における日本製品の可能性

インドネシアの化粧品市場について、日本、インドネシア、韓国の化粧品のイメージを比較することで、日本製品の可能性を探ります。

続きを読む

トヨタ(ToyotaID)

トヨタ・インドネシアのFacebookページ

こちらはトヨタのFacebookページです。インドネシアでは日本車が大人気で、なんと自動車市場の9割近くを日本車が占めていると言われるほどです。

CTAでは公式のYouTubeチャンネルに誘導しており、動画を見て自社の車の良さを知ってもらおうという意図が感じられます。

また先程紹介したSK-Ⅱと同様に、トヨタのFacebookページも自動でMessengerが開く仕様になっています。さらに、投稿についた一般ユーザーからのコメントに返信しているのも特徴で、Facebookを通したユーザーとの関係構築を大切にしているのがわかります。

トヨタ・インドネシアのFacebookページの特徴
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インドネシアのフェイスブック(Facebook)で使えるEC関連機能

Facebookはビジネスユーザー向けの機能を多数実装していますが、国によって提供範囲は異なります。以下では、インドネシアで提供されているEC関連機能をまとめました。

Facebook ショップ(Shop)

Facebookショップとは、FacebookやInstagram上で商品を掲載できるサービスです。商品のリンクをクリックすると、ShopeeやTokopediaなど外部のECサイトにスムーズに遷移できます。先程紹介したユニクロの場合、公式オンラインショップに遷移しました。

Facebookショップを開設することで、商品の発見から購入までの流れが非常にスムーズになります。また、ECサイト単体だと集客が難しい場合でも、運用次第ではFacebookを強力な集客チャネルにすることができます。Facebook上での顧客のやりとりや、データ分析ができることも魅力の一つです。

商品の掲載も非常に簡単で、運用に大きなコストはかからないため、ECサイトを運営している企業にはおすすめの機能です。

Facebook ライブ(Live)

Facebookライブとは、Facebook上でライブ配信ができる機能のことです。

「Facebookライブショッピング(Live Shopping)」というライブコマースに特化した機能もありますが、こちらは2022年10月にサービス終了予定です。商品プレイリストの作成や、商品のタグ付けなどが可能でしたが、今後この機能は使えなくなります。

Facebookライブ自体は残るようですが、「Shopee Live」や「Tokopedia Play」のようなライブコマースサービスには機能面で劣ります。

インドネシアではライブコマースが活発に行われているため、ライブコマースを検討している方は別のサービスを探すことをおすすめします。

Facebook マーケットプレイス(Marketplace)

Facebookマーケットプレイスとは、アメリカを中心に展開されている中古品売買サービスです。現在日本では利用することができません。

個人間およびビジネスでの利用が可能で、個人間の場合は手渡しで商品を売買するケースが多くなっています。

特筆すべきは、販売手数料が0円であること。他のフリマアプリはどこも手数料がかかるため、Facebookマーケットプレイスは売り手にとってお得なサービスと言えるでしょう。また、Facebookは実名制のためトラブルに発展しにくいのも強みです。

ただし、ビジネス利用の場合、インドネシアでは自動車のみ売買可である点は注意が必要です。

出典:Meta「Facebook Marketplace: 商品を出品する」

Facebookの運用は信頼できる外部業者に

本記事では、インドネシアにおけるFacebookの利用目的やユーザー属性などについて解説してきました。

商品購入のための情報収集用として使われていたり、マーケットプレイス機能が利用できたりなど、日本とは異なる点が多々あることもご理解頂けたことかと思います。

ただ、実際にインドネシアでFacebook運用をしたりSNS広告を出稿するためには、インドネシア語を使う必要があります。弊社では日本語が話せるインドネシア人従業員が各種の業務を行っているので、安心して業務をお任せいただけます。

インドネシアへの進出を検討されている企業様は、是非お気軽にご連絡をいただければと思います。

インドネシアでのビジネスにお悩みの方へ

最後まで文章を読んでいただきありがとうございます。ここまでご覧いただいたということは、記事の内容に対して一定の信頼感や満足感を得ていただいたのかなと推測しています。
もし宜しければ、現在抱えているお悩みを弊社に壁打ち的に相談してみませんか。何かしらお役に立てる情報を共有できる自信があります。

インドネシアにおけるFacebookユーザー数は何人ですか。

Internetworldstatsのデータによると、インドネシアのFacebookユーザー数は1億7,650万人で、インド、アメリカに続いて世界3位です。インドネシアの人口は約2.7億人ですから、国民の約65%がFacebookに登録していることになります。

インドネシアのFacebookユーザーにはどのような特徴がありますか。

インドネシアのFacebookユーザーの中で圧倒的機に多いのは18〜34歳の若年層です。一方で利用頻度が高いのは、31~60歳の男性ユーザーです。

インドネシアのFacebookではどのようなEC機能が使えますか。

2023年1月時点で、インドネシアのFacebookではFacebookショップやFacebookライブといったEC機能が利用できます。

読後のお願い

弊社で公開している記事の1つ1つは、日本人とインドネシア人のライター、日本人とインドネシア人の編集者がそれぞれ協力しながら丁寧に1記事ずつ公開しています。

記事の内容にも自信がありますし、新しい情報が入り次第適宜アップデートもしています。これだけ手間ひまかけて生み出した記事はできれば一人でも多くのインドネシアのビジネス関係者に読んでもらいたいです。

そこで、弊社からの不躾なお願いになってしまうのですが、是非SNSでこちらの記事をご紹介いただけないでしょうか。一言コメントを添えてシェアしていただけると本当に嬉しいです。そうやってご紹介いただくことで関係者全員の励みにもなりますので、どうか応援宜しくお願いします!

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