インドネシアの化粧品市場における日本製品の可能性
- 公開
- 2022/07/11
- 更新
- 2026/06/21
- この記事は約8分59秒で読めます。
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インドネシアで日本の化粧品は人気がありますか?
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日本製化粧品には、安全性や品質面で一定の信頼があります。ただし、近年はローカルブランドと韓国ブランドの勢いが強く、日本ブランドの存在感は相対的に弱くなっています。価格、成分訴求、SNSでの見せ方、現地消費者に合う商品設計まで含めた戦略が必要です。
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インドネシア人は化粧品にどのような効果を求めていますか?
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ブライトニング、UVカット、保湿、ニキビ対策、ニキビ跡、毛穴ケアなどへの関心が高いです。特に若年層では、ニキビ跡や毛穴、皮脂、早期のアンチエイジングなど、細かな肌悩みに対応する商品も求められています。
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日本の化粧品をインドネシアで販売するには何を確認すべきですか?
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まずは、BPOM登録、ハラール対応、輸入・販売スキーム、価格帯、販売チャネル、SNSでの訴求方法を確認する必要があります。現地法人を設立するか、輸入業者・販売代理店・業務提携先を活用するかによって、進め方も変わります。
インドネシアの化粧品市場を見るとき、以前は「人口が多い」「中間所得層が増えている」「日本製品への信頼がある」といった点から、成長余地の大きい市場として語られることが多くありました。
しかし現在は、消費者の選び方も競合環境も大きく変わっています。
ローカルブランドは価格だけでなく品質や成分訴求を強め、韓国ブランドは、ドラマやK-POP、SNSを通じて若年層へ深く浸透しています。日本ブランドが持つ品質イメージは今も強みになり得ますが、それだけで棚を取れる、指名買いされる、継続購入されるとは限りません。
本記事では、最新データをもとに、インドネシアの化粧品市場の現状と、日本企業が販売を検討する際に見るべきポイントを整理します。
インドネシアの化粧品市場

化粧品市場の動向について
インドネシアでは、近年の経済成長や都市部を中心とした中間所得層の拡大により、美容・パーソナルケアへの関心が高まっています。
かつては「とにかく安い化粧品でかまわない」という選び方も少なくありませんでしたが、現在は「自分の肌に合うか」「成分は何か」「安全性は担保されているか」「価格に見合う効果があるか」といった点を重視する消費者が増えています。
実際に、インドネシアの美容クリニックZAPがまとめた美容調査「ZAP Beauty Index 2023」では、インドネシア女性がスキンケアを選ぶ際の主な判断基準として、製品の安全性、成分、手頃な価格が上位に挙げられています。さらにZAP Beauty Index 2024でも、ブランド名そのものよりも成分を重視する傾向が見られます。
つまり、現在のインドネシアの化粧品市場では、「有名ブランドだから」「外国製だから」という理由だけでは選ばれにくくなっています。
このような消費者の意識の変化を背景に、近年特に存在感を高めているのは、インドネシアのローカルブランドです。
インドネシア工業省によると、化粧品分野の事業者数は2020年の726社から2024年には1,292社へと増加しました。ローカルブランドは、価格の手頃さに加え、品質改善、SNSでの発信、ハラール対応、現地の肌悩みに合わせた商品開発などを進めており、以前よりも消費者から選ばれやすくなっています。
そのため、インドネシアの化粧品市場は成長余地のある市場である一方、日本ブランドを含め、海外ブランドにとっては簡単な市場ではありません。
日本製化粧品には品質面で一定の信頼がありますが、「日本製だから売れる」という時代ではなくなっています。現在は、ローカルブランドの品質向上や韓国ブランドの強いマーケティング力に押され、日本ブランドの立ち位置が相対的に難しくなっているのが実情です。
インドネシアでの化粧品販売は、市場の伸びだけで判断すると失敗しやすい分野です。商品特性、価格帯、BPOM登録、ハラール対応、販売パートナーの有無によって進め方が変わります。具体的な販売可能性を確認したい方は、こちらからご相談ください。
【国別比較】インドネシアで人気の化粧品
| 項目 | インドネシア | 韓国 | 日本 |
|---|---|---|---|
| 使用しているスキンケアの国・地域 | 87% | 31% | 16% |
| スキンケアトレンドへの影響力 | 27% | 72% | 23% |
| 試してみたい外国スキンケア | - | 66% | 35% |
※複数回答を含む調査のため、市場シェアではなく、消費者の使用・関心・影響力の目安として見る必要があります。
調査会社Populixが2024年9月に実施したZ世代・ミレニアル世代向けのスキンケア調査では、スキンケア利用者のうち、87%がインドネシア国内製品を使用していました。韓国製品は31%、日本製品は16%です。
この結果から、インドネシアではすでにローカルブランドが日常的な選択肢として深く浸透していることがわかります。
また、前述のZAP Beauty Index 2023でも、インドネシア女性の96.8%がローカルスキンケアブランドを使用しているとされています。内訳を見ると、ローカルブランドのみを使用する人が19.0%、ローカルブランドと海外ブランドを併用する人が77.8%、海外ブランドのみを使用する人は3.2%でした。
つまり、インドネシアの消費者は海外ブランドを拒否しているわけではありません。しかし、海外ブランドのみを使用する人は少なく、多くの人はローカルブランドを日常使いしながら、必要に応じて韓国製品や日本製品などを組み合わせています。この点は、日本ブランドがインドネシア市場を考えるうえで重要です。
韓国ブランドについては、実際の使用率だけでなく、トレンドを作る力が非常に強い点も特徴です。
Populixの調査では、世界のスキンケアトレンドに最も影響を与えている国として、韓国を挙げた回答者が72%に上りました。日本は23%で、品質や技術へのイメージは一定程度あるものの、トレンド形成力では韓国に大きく差をつけられています。
また、外国スキンケアに関心があるZ世代・ミレニアル世代のうち、試してみたい国として韓国を選んだ人は66%、日本を選んだ人は35%でした。
一方、日本製化粧品もまったく支持されていないわけではありません。品質、安全性、丁寧なものづくりといったイメージは今でも一定の評価があります。ただし、現在のインドネシア市場では、それだけでローカルブランドや韓国ブランドに勝つことは難しくなっています。
- 参考:
Databoks「Gen Z dan Milenial Akui Skincare Luar Negeri Punya Daya Tarik」、「Survei: Mayoritas Anak Muda RI Pakai Produk Skincare dalam Negeri」
ZAP「ZAP Beauty Index 2023|P.30」、「ZAP Beauty Index 2024|P.3」
インドネシアでは、ローカルブランドと韓国ブランドの存在感が大きく、日本ブランドは「品質が高い」だけでは選ばれにくくなっています。自社商品が現地消費者にどう受け止められるかを事前に確認したい方は、弊社のインドネシア市場調査サービスをご覧ください。
韓国・インドネシア・日本ブランドの特徴

韓国ブランド:トレンドを作る力とSNSでの見せ方が強い
韓国ブランドの強みは、単に製品の品質だけでなく、韓国ドラマやK-POP、SNSを通じて美容トレンドを作る力にあります。韓国ドラマ、K-POP、インフルエンサー、SNS上のレビューなどが連動し、若年層を中心に「試してみたい」「話題の商品を使ってみたい」という需要を生み出しています。
価格帯も幅広く、手に取りやすい商品からプレミアム感のある商品まで展開されているため、初めて海外コスメを試す層にも受け入れられやすいのが特徴です。
つまり、韓国ブランドは「品質が良い」だけでなく、「今っぽい」「SNSで見かける」「憧れのイメージと結びつく」という売れ方をしている点が大きな強みです。日本ブランドがインドネシアで競争する際には、このマーケティング力の差を意識する必要があります。
インドネシアブランド:価格だけでなく品質・成分・ハラール対応で選ばれる存在に
インドネシアのローカルブランドは、以前は「安い化粧品」という印象が強かったかもしれません。しかし現在は、価格の手頃さに加え、品質、成分、ハラール対応、現地の肌悩みに合わせた商品設計などを強みに、消費者から広く選ばれる存在になっています。
前述の各調査結果からもわかるとおり、インドネシアの消費者は海外ブランドに関心を持ちながらも、日常使いではローカルブランドを重視しています。ローカルブランドは、価格感覚、肌質、宗教的配慮、販売チャネル、SNSでの発信などを現地市場に合わせやすく、日本ブランドにとって非常に強い競合になっています。
日本ブランド:品質イメージはあるが「日本製だから売れる」市場ではない
日本製化粧品には、品質、安全性、丁寧なものづくりといったポジティブなイメージがあります。実際に、SK-II、SHISEIDO、雪肌精、専科、肌ラボなど、日本発のブランドはインドネシアでも一定の認知があります。
ただし、繰り返しになりますが、現在のインドネシア市場では、「日本製だから売れる」とは言いにくくなっています。日本ブランドは品質面では評価されやすい一方、価格が高い、訴求が控えめ、SNSでの話題化が弱い、現地向けの商品設計やハラール対応が十分に伝わりにくいといった課題があります。
今後参入する場合は、品質の高さだけでなく、なぜローカルブランドや韓国ブランドではなく自社商品を選ぶべきなのかを、現地消費者にわかりやすく示す必要があります。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
インドネシア人が化粧品に求める効果

インドネシアの消費者がスキンケアに求める効果として、特に強いのはブライトニングとUVカットです。ZAP Beauty Index 2023では、女性全体で最も多く選ばれた効果が「肌を明るく見せること」で76.4%、次いで「紫外線から肌を守ること」が60.0%でした。保湿も60.0%と高く、ニキビ対策を求める人も50.7%に上ります。
また、対象をZ世代に絞ると、ブライトニングやUVカットに加え、ニキビ跡を目立たなくする効果、保湿、クレンジング、毛穴ケアなどが幅広く求められています。
カジュアルにインドネシア進出を試した小売企業様の事例
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ドラッグストアやショッピングモールでの市場調査、競合商品の価格調査、現地消費者へのインタビューを実施。市場性を確認した上で、正式なインドネシア進出を決定した。(化粧品企業様)
- 営業経験のあるインドネシア人を2名チームで雇用し、スポーツジムや病院、リハビリ施設などへの営業活動を実施。販売代理店候補の開拓や市場ニーズを調査し、調査後に販売体制を構築した。(健康器具メーカー様)
- EC運営経験のあるインドネシア人チームを雇用し、現地ECモールへの出品やSNSを活用したテストマーケティングを実施。売れ筋商品やターゲット層を分析し、本格的な販売開始につなげた。(総合雑貨メーカー様)
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。小売関連のビジネスであれば、貴社でもそれが可能です。
インドネシア人の化粧品の購買動向
インドネシアでは、化粧品の購入場所としてECの存在感が非常に大きくなっています。
ZAP Beauty Index 2023では、スキンケアをECで購入する女性が81.9%に上り、2021年の57.1%から大きく伸びました。コロナ禍をきっかけにオンライン購入が広がっただけでなく、その後もECで比較・購入する行動が定着していると考えられます。
ただし、購買行動はECサイト内だけで完結しているわけではありません。2023年時点で、美容情報の収集先としてInstagramは94.6%、TikTokは51.9%、美容系の口コミサイトやオンラインコミュニティも66.9%が利用していました。
また、2024年の調査でも、Instagramで美容情報を探す人は76.4%に上りました。さらにZ世代では、30.4%がライブショッピングでスキンケアを購入すると答えています。
このように現在のインドネシアでは、SNSで商品を知り、レビューやライブ配信で使用感を確認し、ECで購入する流れが一般化しています。
インドネシアでは、SNSやECで化粧品を購入する動きが広がる一方で、ショッピングモール、ドラッグストア、化粧品専門店、クリニックなどの売り場を実際に確認することも重要です。ローカルブランドや韓国ブランドがどのように陳列・販売されているのかを知りたい方は、弊社のインドネシア現地視察支援サービスをご覧ください。
インドネシアで化粧品を販売する上での参考情報
平均賃金
インドネシアで化粧品を販売する際は、市場規模や美容トレンドだけでなく、現地消費者の所得水準を踏まえた価格設計が重要です。インドネシア中央統計庁(BPS)によると、2025年8月時点のインドネシアの従業員平均賃金は月333万ルピア(約3.0万円)です。
一方、日本の一般労働者の賃金は月34万600円です。調査対象や賞与・手当の扱いが異なるため厳密な比較ではありませんが、単純比較ではインドネシアの平均賃金は日本よりかなり低い水準にあります。
そのため、日本で販売している価格をそのままインドネシアに持ち込むと、現地消費者にとって高価格帯の商品と受け止められる可能性があります。
賃金の地域差
ただし、インドネシア国内でも所得水準には大きな差があります。
全国平均が月333万ルピア(約3.0万円)であるのに対し、ジャカルタ特別州は月488万ルピア(約4.4万円)と、全国平均の約1.5倍です。西ジャワ州は月377万ルピア(約3.4万円)、バリ州は月364万ルピア(約3.3万円)、東ジャワ州は月290万ルピア(約2.6万円)となっています。
このように、インドネシアでは全国平均だけを見ると購買力が低く見えますが、ジャカルタを中心とする首都圏や大都市部には、化粧品に一定額を支出できる中間所得層・高所得層も存在します。実際、ジャカルタの大型ショッピングモールには海外ブランドや日本食店、高価格帯の商品・サービスが並び、週末には多くの消費者で賑わっています。
そのため、日本の化粧品ブランドがインドネシア進出を検討する場合、まずはジャカルタを含む首都圏や大都市部を中心に、ターゲット層を明確にした販売計画を立てることが現実的です。
特に、ローカルブランドや韓国ブランドとの価格差が大きくなりすぎないか、少量サイズやお試し価格を設定できるか、ECやSNSで価格に見合う価値を伝えられるかが重要になります。
- 参考:
BPS「Rata-rata Upah/Gaji Bersih Sebulan Buruh/Karyawan/Pegawai Menurut Provinsi dan Jenis Pekerjaan Utama (Rupiah), 2025」、「Tingkat Pengangguran Terbuka (TPT) sebesar 4,85 persen. Rata–rata upah buruh sebesar 3,33 juta rupiah.」
e-Stat「賃金構造基本統計調査概況|P.6」
【補足】
円表記は、2026年6月15日のレート(1ルピア=0.0090円)で換算したものです。
日本製だけでは選ばれにくい市場へ
インドネシアの化粧品市場は、人口規模や美容意識の高まりを背景に成長が期待できる分野です。
一方で、参入すれば自然に売れる市場ではありません。ローカルブランドは品質・価格・ハラール対応・販売チャネルで存在感を高め、韓国ブランドはトレンド形成力とSNSマーケティングで強い支持を集めています。
日本ブランドには品質や安全性への信頼がありますが、価格、成分訴求、BPOM登録、ハラール対応、EC、SNSでの見せ方まで含めて戦略を設計する必要があります。まずはターゲット層、販売エリア、競合商品、現地での訴求軸を整理し、小さく検証しながら進めることが重要です。
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