インドネシアの化粧品市場における日本製品の可能性

公開
2022/07/11
更新
2022/08/09

インドネシアにおける美容業界には、日本企業が参入する大きなビジネスチャンスがあります。その理由として、中間所得層が拡大していることや働く女性が増加していることがあげられます。

中間所得層が拡大していると言っても、「インドネシアの平均月給は3万円くらいと聞いたことがある」という方もいると思います。

インドネシア全体で見ればその通りですが、都市と地方では日本と同じように給与に差があり、その差は日本のそれよりもはるかに大きく異なっています。

そういったインドネシアの経済状況を場合分けしながら俯瞰していき、それを踏まえた上で、インドネシアの化粧品市場の実態や日本の化粧品市場との違いについて説明していきます。

インドネシアの経済状況

海外でビジネスを行うにあたり、欠かせないのが現地についての市場理解です。

インドネシアは日本と比べて、物価が低いというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、具体的にどの程度違うのかは分かりづらいと思います。衣食住の観点でまとめた物価差については下記の記事をご参照ください。

日本とインドネシアの物価を衣食住で比較

日本とインドネシアの物価を衣食住の観点で比較しています。全体で比較してもボヤけてしまうので、比較対象はインドネシアの中間所得層に焦点を当てています。

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日本とインドネシアの物価差については上記の記事をご覧いただき、この記事では日本とインドネシアで平均給与にどれくらい差があるか。また、同じインドネシアでも首都ジャカルタとその他の地域とでは平均給与にどれくらい差があるかを説明していきます。

インドネシアと日本の平均給与の違い

国税庁のレポートによると、日本の1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与(賞与を含む)は461万円であり、月収にして約32万円であることがわかります。

出典:平均給与|国税庁

それに対して、インドネシアの平均年収は日本円で約32万円であり、月収にして日本円で約2万6千円と言われています。

出典:Badan Pusat Statistik

単純に全国民の平均給与を比較するとインドネシアの平均給与は日本の1/12であり、日本に比べてかなり低いことがわかります。これが多くの人が「インドネシア人の人件費は安い」とイメージされている根拠の元となる部分です。

ジャカルタとその他の地域の平均給与の違い

日本とインドネシア全体の平均給与には大きな違いがあることが分かりましたが、経済発展が著しいジャカルタではどうでしょうか。

ジャカルタでは、一般的なオフィスワーカーの平均月収が4〜7万円、マネージャークラスになると16〜24万円、経営者クラスになると75万円以上の給与になることもめずらしくありません。

出典:Gaji General Manager di Jakarta

インドネシア全体の平均月収である3万円と比較すると、いかにその違いが大きいかが分かります。インドネシアのジャカルタへ現地視察に赴き、市内のショッピングモールで買い物をしているインドネシア人を観察すると上記の平均月収も頷けると思います。

多くの一流ブランドがショッピングモール内に店舗を構え、ランチを食べれば1,000円を超えて(日本食店も多数)、映画館のチケットも日本より少し安い程度ですが、週末は多くのインドネシア人買い物客で賑わっています。

インドネシアの化粧品市場に進出して自社商品の販売をするなら、まずはジャカルタを含む首都圏での販売計画を検討することをおすすめします。

インドネシアの化粧品市場

化粧品市場の動向について

インドネシアでは、近年の著しい経済成長により国内における中間所得層が増加しています。それに伴って彼らのライフスタイルが変化し、国内では消費が活発化しています。

化粧品に関する消費選択においても、この中間所得層の増加により、これまでは「とにかく安い化粧品で構わない」であったのに対し、「より質の高い化粧品や自分に適している化粧品」を選択する傾向に変化してきています。

このような現状から、インドネシアの化粧品市場には将来性があると考えたユニリーバ、P&G、ロレアルといった世界的化粧品メーカーもインドネシアに参入をしています。

国別インドネシアで人気の化粧品

現在のインドネシアの化粧品市場は大きく分けて国内製品、韓国製品、日本製品の3勢力に別れています。それぞれには異なる特徴があり、複数の国の製品を使っている人もいます。

実際に、インドネシア人女性から人気の高いスキンケアブランドであるZAPCLINICが実施した「Beauty Index」調査の結果によると、以下のような内容が分かりました。

ZAP_Beauty_Index_Agustus_2020

出典:ZAP_Beauty_Index_Agustus_2020

また、同調査の2019年と2020年の結果を比較すると下記のようになり、韓国製品の人気が高さが分かります。化粧品だけに限らず、音楽、ドラマ、ファッションなどのK-POP文化の勢いはすさまじく、インドネシアの若者の間において絶大な支持を得ています。

2019年(%)2020年(%)
韓国46.657.6
インドネシア34.137.4
日本21.122.7
米国20.1
ヨーロッパ13.0
タイ2.8

日本製の化粧品も一定のシェアを確保していることが分かる通り、インドネシア市場におけるマーケティングの展開次第では十分に勝てる余地があります。

なお、各年の合計が100%を超えているのは、「それぞれの国のお気に入りのスキンケアブランドがありますか?」という問いについて回答形式が「はい」「いいえ」の2択のうち「はい」と答えた割合を示しているためです。

3つの国それぞれの製品の特徴

韓国製品

3つの勢力の中で最もシェアを拡大し、支持を集めているのが韓国製品です。その理由は、お手軽さと韓国ブームであるといわれています。

韓国製品はインドネシア市場において低価格帯から高価格帯と幅広い価格帯の製品を展開しています。低価格帯の品揃えがあることによってお試し価格で海外美容品を購入し易くなっています。

また、若者が多いインドネシアでは近年の「韓国ブーム」から韓国製品の人気が急激に高まってきており、今後も韓国製品のシェアが伸びることが予想されます。

インドネシア製品

インドネシア製品は群を抜いて安いのが最大の特徴です。平均価格は日本円にして500円〜1,000円程度ですが、品質を問わない最安値の化粧品では100円といった製品もあります。

インドネシア製品は低価格でありながら、インドネシア人の肌に合うように開発されているため、高いシェアを誇っています。

製品の特徴としては、小容量かつ低価格が主流であり、色んな化粧品を試したいと考えるインドネシア人の性格に合わせています。また、ほとんどがハラル製品であることも現地消費者の安心感につながっています。

日本製品

インドネシアの消費者が日本製の化粧品に対して持つイメージは非常にポジティブです。その理由は、インドネシア製品と日本製品とでは使用後の効果に大きな違いがあるからです。日本の製品は、総じて品質が高く効果を実感しやすいため、インドネシア市場においてもシェアが広がっています。

具体的にシェアを広げているブランドとしては、「SKⅡ」「雪肌精」「SHISEIDO アルティミューン」といった高価格のものから、「専科」「肌ラボ」といった低価格のものまであり、韓国製品同様、幅広く進出していることがわかります。

近年のジャカルタでは、日本製品を愛用するオフィスワーカーも増加傾向にありますので、日本製品に求められる「高品質」「安全性」を武器にインドネシア進出を考えてみるのもよいでしょう。

インドネシア人が化粧品に求める効果

インドネシアでは日本製品に「安全」「高品質」といったイメージがあることを上述しましたが、具体的にどんな効果・効能が期待されているのでしょうか。製品に求められることについて説明します。

インドネシア人が化粧品に求める効果について、ZAP CLINICが実施した調査結果が下記です。

スキンケアに対しどのような効果を期待するか

出典:ZAP_Beauty_Index_Agustus_2021

インドネシア人が化粧品に求める効能は下記の通りです。

  1. 美白
  2. UVカット
  3. 美肌
  4. ニキビ予防
  5. うるおい
  6. にきび跡を消す
  7. 毛穴を目立たなくする
  8. 肌の色ムラをなくす
  9. アンチエイジング
  10. 黒ずみ除去

現在インドネシアで人気の商品の特徴が「美白効果のある」美容液や「UVカット効果のある」日焼け止めといった商品が人気であることからも(SKⅡやイニスフリーなど)、日本や韓国製品についても同様のニーズがあることが分かります。

効果・効能そのものの違いというよりは品質に伴う効果の大小に、日本製品へのニーズがあると言えるでしょう。

インドネシア人の化粧品の購買動向

2019年〜2021年のZAPCLINICの統計データにより、インドネシア人が化粧品(スキンケア、ボディケア、ヘアケア、メイクなど)を購入する場所を把握することができます。

2019年(%)2020年(%)2021年(%)
メーカー・ブランドの店舗52.955.918.0
ドラッグストア44.757.21.7
スーパー33.825.8
E-Commerce27.555.857.1
SNS20.423.56.9
メーカー・ブランドのサイト0.3
クリニック17.8

出典1:ZAP_Beauty_Index_Agustus_2019

出典2:ZAP_Beauty_Index_Agustus_2020

出典3:ZAP_Beauty_Index_Agustus_2021

上記の表より、過去3年間の化粧品の購入場所が大幅に変化したことが分かります。なお、各年の合計が100%を超えているのは、「化粧品をどこで購入しますか?」という問いについて、各項目に対して「はい」「いいえ」の2択のうち「はい」と答えた割合を示しているためです。

2020年までは50%以上のシェアを誇っていた店舗での購入の割合が大きく減っています。それに対して、E-Commerceでは2020年に前年からの購入が約2倍以上に増え、2021年にはそれまで圧倒的なシェアを誇っていた店舗を大きく上回り1位になっています。

この原因はコロナによる外出制限であると考えられるでしょう。コロナ前まで主流であった店舗、ドラッグストア、スーパーでのオフラインでの購入が大幅に下がったおかげで、E-Commerceでのオンラインでの購入に転じたことが読み取れます。

今後ECでの商品購入が更に増えることはあっても減ることは予想しづらいので、インドネシア市場に進出する際はECでの化粧品販売は必須だと言えます。

まとめ

本記事では、インドネシアの化粧品市場について現地の統計データを用いながら説明しました。

日本とインドネシアの平均月収の違いや、インドネシア市場で日本製品が人気であることについて理解することができたと思います。

インドネシアは世界で最も可能性のある市場の1つなので、越境ECや海外展開を考えている企業様には是非ご検討をいただきたい市場です。

その際に弊社ではインドネシア進出前後のサービスをトータルでご提供しているので、是非お気軽にご相談をいただければと思います。

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