インドネシアのKopi Luwak「東南アジアのベストコーヒー」ランキングで4位
- 公開
- 2024/04/07
- 更新
- 2024/09/17
- この記事は約4分41秒で読めます。
世界第3位のコーヒー生産国であるインドネシアには、各地方にユニークなコーヒーやコーヒーの飲み方があります。そのうちの1つ、世界的な人気を誇るKopi Luwak(コピ・ルアク)が、「東南アジアのベストコーヒー」ランキングで4位に選ばれました。
今回は、ランクインしたコーヒーとその生産方法や飲み方を通して、インドネシアのコーヒー文化の奥深さを紹介します。
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数字でみる「インドネシアのベストコーヒー」
コピ・ルアクが東南アジア4位に
オンライングルメ・旅行ガイドTaste Atlasが2024年3月にまとめた「東南アジアのベストコーヒー」ランキングによると、ベスト8にインドネシアのコーヒーが3つ含まれています。
そのうちの1つはKopi Luwak(コピ・ルアク)。スコアは5点中4.1点で4位でした。他に、5位にはKopi Tubruk(コピ・トゥブルク)、7位にKopi Joss(コピ・ジョス)が入っています。
Kopi Luwakは近年日本でも高級コーヒーとして知られるようになった、luwakと呼ばれるジャコウネコの排泄物から採取したコーヒー豆を使ったコーヒー。Kopi Tubrukは細かく挽いたコーヒー豆が入ったカップに熱湯を注ぎ、上澄みを飲む、インドネシア各地で親しまれる伝統的な飲み方のコーヒーです。
Kopi Jossはジョグジャカルタの伝統的なコーヒーで、ホットコーヒーのカップに熱く熱した木炭を入れて飲みます。Jossとは、木炭をコーヒーに入れたときの音。熱した木炭はコーヒーの酸味を抑え、滑らかでユニークな味わいが楽しめます。
一方、最も多くのコーヒーがランクインしたのは、コーヒー生産量世界第2位のベトナム。ベスト8の中に、有名な「ベトナムコーヒー」を含む4つのコーヒーが入りました。ベトナムコーヒーはインドネシアでも人気で、カフェのメニューとしても時々見かけます。お茶やコーヒーに練乳を入れる飲み方はインドネシアでも一般的なので、インドネシア人の味覚に合うのでしょう。
「東南アジアのベストコーヒー8選」(Taste Atlas、2024年3月)
- アイスベトナムコーヒー(ベトナム):4.3点
- イポー・ホワイト・コーヒー(マレーシア):4.2点
- ホットベトナムコーヒー(ベトナム):4.2点
- コピ・ルアク(インドネシア):4.1点
- コピ・トゥブルク(インドネシア):4.0点
- エッグ・コーヒー(ベトナム):3.8点
- コピ・ジョス(インドネシア):3.2点
- ベトナムヨーグルトコーヒー(ベトナム):3.1点
※Taste Atlasのランキングは通常、読者投票を元に作成され、定期的に更新されます。
参考:Indonesiabaik.id「8 Kopi Terbaik di Asia Tenggara」
映像でみる「インドネシアのベストコーヒー」
コピ・ルアクの製造工程を見学
Kopi Luwakの起源はオランダ植民地時代にさかのぼるとされています。
一説によると、自分たちで消費するためにコーヒーの実を摘むことを禁止されていたコーヒー農家の人が、Luwakなどジャコウネコがコーヒー豆の外皮のみを消化して残りを排泄することに気づき、それを使おうと思い立ったとされます。
こちらの動画で紹介されているように、Kopi Luwakはジャコウネコの排泄物に交じるコーヒー豆を洗浄し、焙煎して作ります。一口にKopi Luwakと言っても、その味や品質は、ジャコウネコが食べるコーヒー豆の種類やジャコウネコの生息地などにより異なります。
近年は国内外でKopi Luwakの人気が高まっており、多くの事業者が独自の特性を持つユニークなKopi Luwakを作ろうと努力しています。もともとはジャコウネコが意図せず食べて排泄されたコーヒー豆を使っていたようですが、製品化するようになってからは、通常、ジャコウネコを飼育して生産しています。
さらに、動物愛護の観点などから、ジャコウネコがコーヒー豆を消化する間に豆が発効するプロセスを人工的に行うことを研究する人もいます。とはいえやはり、「野生のジャコウネコから取ったものは味が違う」というツウもいるそうです。
なお動画の撮影場所のようなコーヒーの観光農園、または農園・工房併設カフェはインドネシア各地にあります。訪問者は無料またはわずかな入場料金でコーヒー畑やジャコウネコ飼育の様子、コーヒー焙煎の様子などを見学できます。
伝統のコピ・トゥブルク
インドネシアのコーヒーを語るうえで、Kopi Tubrukは外せません。
ジャワ語で「ぶつかる」を意味するTubrukという名称は、コーヒー、熱湯、そして砂糖がぶつかり合うようにして一体化するこのコーヒーを象徴しています。特徴は、シンプルで力強い香りと味。
もちろんブラックでも飲めますが、インドネシア人の多くは動画のように、多めの砂糖を加えて飲みます。粉を沈殿させるKopi Tubrukはトルコやギリシャのコーヒーと似ているため、中東の貿易商がもたらした文化と考えられています。
コンビニやスーパーで売られているインスタントコーヒー、観光地で売られているお土産のコーヒー、伝統的な喫茶店や食堂で提供されるコーヒーの多くは、このKopi Tubruk。エスプレッソやコールドブリューなど西洋風の飲み方が流行り、モダンなカフェが増えている中、Kopi Tubrukは今もなおインドネシアの人々に愛されており、その伝統を守ろうとする事業者や愛好家も大勢います。
動画では熱湯を注いで粉を沈殿させたあと、ソーサーに上澄みを移しています。これは粉を飲まないための工夫。日常的にこの飲み方をする人ばかりではありませんが、全国的に一般的な飲み方です。
なおKopi Tubrukを飲む際は、粉がしっかり沈殿するまで、根気強く待つのがポイントです。砂糖の他、ミルクを混ぜて飲むこともあります。
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インドネシアのコーヒーと砂糖
上掲のKopi Tubrukの動画を観て、「砂糖をそんなにたくさん入れるのか」と驚かれた方もいるでしょう。インドネシアのコーヒー豆は多くがロブスタ種であり、苦みが強いこともあってか、コーヒー愛好家であっても砂糖を大量に投入する人は少なくありません。市販のインスタントKopi Tubrukにはたいてい砂糖が入っています。
動画では白い砂糖を入れていましたが、茶色の椰子砂糖を好む人もいます。椰子砂糖はまったりとした独特の甘みがあり、いわゆるブラウンシュガーとも一味違います。インスタントコーヒーのパッケージやカフェのメニューに登場する「gula aren(グラ・アレン)」や「gula merah(グラ・メラ)」は、いずれも椰子砂糖の一種。機会があれば、ぜひお試しください。
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