【インタビュー】お客さんやスタッフとの綿密なコミュニケーションが成功の鍵。インドネシアで洗車とコーティングを提供する「SENSHA」が歩んだ道のり

公開
2023/05/30
更新
2026/01/01
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人口の増加、それに伴い経済成長も著しいインドネシア。様々な日本企業が好機を見出し、インドネシアに進出しています。一方、習慣や嗜好が異なるため、インドネシアのトレンドやマーケティングについてまだ知られていないことも多いと考えています。本連載は実際にインドネシアに進出している日系企業のマーケティング担当者に戦略や戦術などをお伺いする企画です。

今回お話をお伺いしたのは、洗車やカーコーティング、さらにはプロテクションフィルムの施工を提供する「SENSHA」をインドネシアに2店舗展開しているSENSHA INDONESIA代表取締役の別所陽耶さんです。

同サービスは、現地パートナーと協力し、世界中に約800店舗を展開しています。31カ国目の展開となるインドネシアでは、2019年1月にジャカルタのBintaro(ビンタロー)で一号店を、同年9月にRadio Dalam(ラジオ ダラム)で二号店をオープンしました。

別所さんは父親の仕事が理由で、小学4年生から中学2年生までインドネシアで暮らしていました。その後、日本に移り住み、大学院で再度インドネシアへ。インドネシアの総合代理店としてヨシダオートサービスと契約している株式会社洗車の王国を立ち上げた相原浩さんとの出会いをきっかけに、起業に興味を持ったそうです。

2018年にヨシダオートサービスに入社し、インドネシア支社の事業であるSENSHA INDONESIAで1年間社員に。その後、代表取締役に就任しました。

インドネシア語も堪能で、在住期間も長い別所さんですが、「代表に就任した当時は、スタッフとの関係を築くのが難しかった」と言います。初のインドネシア進出でどのようにサービスをお客さんに伝えたか、また、現地スタッフとの関係がどの事業に影響しているのかなどを伺いました。

車をいかに大切にしているかをお客さんに伝えていく

はじめに、「SENSHA」の出店地域であるBintaroの特徴を教えてください。

別所 ジャカルタの西20kmに位置するBintaroは、ジャカルタのベッドタウンとしての開発が進められている地域です。高速道路や鉄道の駅もあるため、ジャカルタへのアクセスも良いです。 住宅エリア・商業エリアともに開発が進んでいる地域で、オフィスビルやショッピングモール、有名総合病院、インターナショナルスクールが充実しています。高級住宅街とまではいきませんが、所得が高めの人たちが多く住んでるのが特徴です。

「SENSHA」はローカル企業とはどう差別化をはかっているのでしょうか?また、どれくらい認知をとれているのですか?

別所 そもそも競合となる企業がいない状態です。特に洗車は、ローカル企業が500円で提供しているなか、私たちは1,000円、2,000円、3,500円と三段階のコースを用意しています。日本のクオリティで洗車をするような企業はローカルにはまだいないです。

Bintaroは車好きが多い地域のため、主にその人たちに利用してもらっており、一定の認知が取れている状況です。

競合となる企業がいなくて、ニーズも高い地域だったと。エリアの選定が良いなと感じるのですが、どのような基準でBintaroを選択したんでしょうか。

別所 実はあまり事前調査をしておらず……。Bintaroは「綺麗な街」という印象くらいで、競合も調べていませんでした。

そもそも本社の事業では、車の整備(車検など)と中古車販売がメインです。インドネシア進出時は、両方を実施していたのですが、中古車販売は日本のやり方が通用しませんでした。また、付帯商品として販売していたコーティングにニーズがあることが分かったのも後からでした。なのでエリア選定時は、洗車やコーティングを基準に調査をしていなかったんです。

2019年1月の一号店オープンが初のインドネシア進出ということで、どのようにお客さんを集めていきましたか?

別所 コーティングと洗車、どちらもオフラインでお客さんを地道に集めています。

コーティングは、主に新車を購入した人たちにアプローチをしています。ディーラーからSENSHAのコーティングを新車購入者に紹介してもらい、契約できたら、ディーラーに紹介料金を払う仕組みにしています。

新車を購入した時は、一番車が愛おしい時期ですから。200万〜300万円を車に支払っている状況で、5万円のコーティングをオススメしているので、比較的購入ハードルは低いのかなと思っています。

洗車は、6割がリピーター、4割が新規のお客さんです。リピートしてくれる要因は、車をいかに大切に扱っているかを伝えているからだなと。ローカル企業に比べて値段が高いので、どう洗車をしているかストーリーボードを作って、品質の高さをアピールしています。新規のお客さんは、たまたま立ち寄ったり、友人からの紹介が多いですね。

コーティングのほうが利益率が高いため、洗車をしてくれた人にコーティングをオススメしています。例えば、「洗車を10回したら、コーティングが割引される」などの施策を実施して、お客さんを集めています。

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オンラインよりもオフラインのマーケティングに力を

ディーラーに紹介料を払ったり、お客さんに品質の良さを伝えたり、オンラインよりもオフラインの施策に力を入れているように感じるのですが、理由はありますか?

別所 洗車もコーティングも、店舗に足を運んでもらわないといけません。お客さんが新車を購入した販売店からSENSHAの店舗までが、10キロ以内にないと、お客さんはくるのが難しいです。SNSに力を入れてお客さんに情報を届けても、店舗から遠い場所に住んでいたら来訪してくれる可能性が低いからです。

では、しばらくはオフライン中心の施策を?

別所 その予定です。実は、Instagram広告の運用と登録者数1万人のYouTuberに宣伝を依頼したことがあるのですが、結果がでなかったんです。なので、現在はオフラインに力を入れています。

将来的に事業が拡大して店舗数が増えたら、より多くの人たちにサービスを認知してもらわないといけません。その際は、マスへのアプローチを得意とするオンライン施策に再度チャレンジしようかなと思っています。

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スタッフの性格を掴んで、一人ひとり異なるマネジメントを

中学2年生までインドネシアに住み、大学院で再び戻ってきて、インドネシアの文化や習慣について別所さんはよくご存じだと思います。そのような経験がありつつも、現地スタッフと働くなかで苦労したことなどありますか?

別所 コミュニケーションの仕方に苦労しました。最初は、「これがこうなるとうまくいくでしょ?」とロジカルに仕事内容を伝えていたんですが、それでは全然動いてくれなくて……。

今では、一人ひとりの性格や得意を考慮して、声のかけ方を変えています。例えば、仕事はできるけど、感情的になりやすかったり、みんなに好かれたい気持ちを持つ人には「これは君にしか頼めない」「これができたらすごい」等と伝えています。

他にも、少し神経質で心配性な人には、安心して仕事ができるような言葉を意識的に使っています。1年目はこのような声かけができていなかったので、売上にも大きく影響してしまいました。

技術的な指導はどのように?

別所 新型コロナウイルス感染症の前は、日本の本社から職人が3ヶ月に1度の頻度でインドネシアに来てくれていました。しかし、コロナ禍では難しかったので、社内で腕のある人に指導させたり、技術者の採用を強化してたりしました。指導と言っても特別なことはしておらず、優れた技術者のスキルを言語化し、スタッフも同じようなことができるように練習させる…ということを地道に繰り返しています。

インドネシアという異国の地で、凡事徹底できるのは強みだなと感じます。最後に、インドネシア進出を考えている企業にアドバイスをお願いします。

別所 一番は、事前準備が大切だと思います。商品やサービスのニーズを確かめるために市場調査をすると思いますが、それ以外にも販売路線や営業指標など日本と異なる可能性が高いです。日本と違うことを前提にしつつ、どうお客さんを集めて、リピートしてもらうかを細かくフェーズに分けてみていく必要があります。最初の1年半はそれができていなかったため、損出を出してしまいました。今でもその損出が影響していますので、もし戻れるなら事前準備を徹底しますね。

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