インドネシアは世界で10番目に「オンラインショッピングが好きな国」
- 公開
- 2024/03/17
- 更新
- 2024/09/17
- この記事は約4分0秒で読めます。
インドネシア人の多くがスマートフォンを持ち、日々、情報共有や情報収集にいそしんでいます。イギリスのメディア企業We Are Socialのレポート(2022年)によると、インドネシア人のインターネット利用時間は日本人の2倍近く、1日あたり8時間52分。そのうち3時間17分をSNSに費やしています。
そんなインドネシアでは、オンラインショッピングも人気。どれくらいの人が、どのようにオンラインショッピングを楽しんでいるのでしょうか。
参考:
Andi.Link「Hootsuite (We are Social): Indonesian Digital Report 2022」
We Are Social「SPECIAL REPORT DIGITAL 2022 Your ultimate guide to the evolving digital world」
数字でみるインドネシア人とオンラインショッピング
「毎週オンラインショッピングをする」インドネシアのインターネットユーザー
We Are Socialの2024年1月のリポートによると、世界のインターネットユーザーの56.1%が毎週オンラインショッピングをしています。インドネシアは「毎週オンラインショッピングをする」と答えたインターネットユーザーの割合が59.3%で、世界平均を上回り、ランキング10位に入りました。
なお、毎週オンラインショッピングをすると答えた人の割合が最も多かったのはタイ(66.9%)でした。2位以下には、韓国(65.8%)、トルコ(64.7%)、アラブ首長国連邦(64.3%)、メキシコ(62.1%)などが続いています。
「毎週オンラインショッピングをするインターネットユーザーの割合」
- タイ:66.9%
- 韓国:65.8%
- トルコ:64.7%
- アラブ首長国連邦:64.3%
- メキシコ:62.1%
- マレーシア:61.9%
- 中国:61.1%
- イギリス:60.9%
- インド:59.3%
- インドネシア:59.3%
参考:Databoks 「Indonesia Masuk Jajaran 10 Negara Paling Sering Belanja Online」
インドネシア人がオンラインショッピングを選ぶ理由
では、インドネシア人がオンラインショッピングを利用する理由は何でしょうか。
リサーチ会社Populixの2023年の調査によると、インドネシアの回答者はオンラインショッピングを選ぶ理由について、「時間と労力の節約(75%)」、「いろいろな店舗の値段を比べられる(63%)」「優待がある(60%)」などと答えています。
もちろん、過去数年で電子マネーが普及し、支払いのためにコンビニやATMに行く必要がなくなったことも理由の1つでしょう。
「オンラインショッピングを選ぶ理由」(2023年、複数回答)
- 時間と労力の節約:75%
- いろいろな店舗の値段を比べられる:63%
- 割引など優待がある:60%
- 送料無料:53%
- 支払方法が選べる:48%
- 品ぞろえが豊富:47%
- 購入者レビューを見られる:47%
参考:Goodstats 「Alasan Masyarakat Indonesia Memilih Metode Belanja Online」
映像でみるインドネシア人とオンラインショッピング
魅力的なオンラインストア限定商品
オンラインショッピングの魅力の1つが、商品のバリエーションの多さ。中にはオンライン限定商品を取り扱うブランドもあり、SNSでよく話題になります。
動画はインドネシアのビーチサンダルブランドSandal SwallowがTikTokに投稿した商品紹介動画です。Sandal Swallowは1973年創業の老舗で、「Sandal Seribu Umat(1,000人に使われているサンダル)」というキャッチコピーが示す通り、インドネシア人なら子どもからお年寄りまで誰もが知っているブランド。多くは無地で地味なごく普通のビーチサンダルで、安さが売りです。
しかし最近は、イラストがあしらわれたカラフルでおしゃれなシリーズを次々と発売しています。これにはオンラインショッピングが普及し、TikTokなどSNSを見て商品を購入する若者が増えたことが影響していると考えられます。
こちらの動画で紹介されているものも、オンラインストア限定のシリーズです。このように、オンラインショッピング人気を受けて、プロモーション方法だけでなく、商品展開自体が変化したブランドもあります。
参考:Swallow Sandal Official Site
お母さんの趣味はオンラインショッピング
「月初め(給料日直後)の笑顔」という説明と共にTikTokに投稿されたこちらの動画。次々と届く荷物の受け取りにうんざりした男性が「オンラインショッピングばっかりして!」と妻に文句を言いますが、妻はおちゃらけた表情で、特に気にかけている様子もありません。
この動画は女性たちの共感を呼び、「オンラインショッピングはお母さんたちの喜び」「私も同じ」など、多くのコメントが寄せられています。
インドネシア人女性のオンラインショッピング好きは、データにも表れています。
価格比較サイトI-Priceの調査によると、インドネシア人女性のオンラインショッピング利用率は2019年時点で46%でしたが、コロナ禍が続く2021年には53%にまで増加。同じ期間で54%から47%に減った男性とは対照的でした。また同調査では、女性たちがオンラインショッピングにかける時間も伸びていることがわかっています。
女性のオンラインショッピングが増えた要因として、さまざまな点が考えられます。もともと家庭の食品や日用品の買い物係を務めていた女性たちが、コロナ禍をきっかけに買い物の場をオンラインショップに切り替えたということも考えられます。
参考:databoks「Tren Belanja Online di Kalangan Perempuan Naik Sejak Pandemi, Bagaimana Laki-laki?」
オンラインショッピング好きなインドネシア人
オンラインショッピングのメリットはどの国でもさほど変わらないはずなのに、「毎週オンラインショッピングをする人が多い国ランキング」で世界平均を超えベスト10に入った国々で、特に人気なのはなぜでしょうか。
毎週オンラインショッピングをするインターネットユーザーが多い国ベスト10には、いわゆる「新興国」が目立ちます。インドネシアを含むこうした国々では、交通インフラや買い物しやすい場所の前に、インターネットが普及したため、さまざまな事情で自由に出かけにくい人々が、日常的にオンラインショッピングを利用しているのかもしれません。
インドネシアに目を移すと、公共交通機関や商業施設が少ない地方はもちろん、買い物スポットが星の数ほどある都市部でも、人々が気軽に外出できない事情があります。家事や育児、家業など個人的な事情以外に、公共交通機関が不便、渋滞がひどい、暑さや雨、大気汚染などで出かけるのがためらわれるなどの理由から、特別な場合以外はオンラインで買い物するという人も多いようです。
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