インドネシアの金(ゴールド)の生産量や買取業者や懸念点などのまとめ

公開
2024/02/16
更新
2024/02/20
この記事は約7分0秒で読めます。

インドネシアには金(ゴールド)を扱うサービスや金を売買するお店が多く、ジャカルタのBlok M地区など金買取業者が集まるエリアもあります。

さまざまな分野が成長しているインドネシアですが、経済成長とともに裕福な国民が増えていることを考えると、金も注目すべき分野の1つだといえるでしょう。

そこで本記事では、インドネシアの金事情を紹介します。生産量や金鉱山、金のビジネスを行う企業、買取業者などをまとめているので、インドネシアの金・貴金属ビジネスについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

円表記は2024年2月12日のレート(1ルピア=0.0095円)で換算したものです。

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インドネシアの金の生産量

インドネシアは、金の生産量が多い国の1つです。National Minerals Information Center(国立鉱物情報センター)の「Mineral commodity summaries 2023」によると、2022年のインドネシアの金生産量は前年比6%増の推定70トン。これは、西アフリカのブルキナファソと並び世界12位の生産量です。また、金の埋蔵量は2,600トンで、世界6位となっています。

生産量が多くても埋蔵量が少なければすぐに採掘し尽くしてしまうため、産業として持続可能性があるとは言えません。その点で、インドネシアは生産量だけでなく埋蔵量も世界6位と多いことから、金の関連産業は非常に面白いビジネス分野の1つだと言えます。そこに目をつけた日系企業がこちらに書いてあるようにすでに何社かインドネシアに進出しています。

参考:National Minerals Information Center「Mineral commodity summaries 2023|P85.Gold」

インドネシアの金投資事情

インドネシアでは以前から貯金の代わりに金を持つなど、金で投資を行う習慣が浸透していました。最近はオンラインで、少額から金を購入できるサービスも増え、金投資がより気軽に始められるようになっています。

そんな中で2023年12月、Bank Syariah Indonesia(インドネシア・シャリア銀行)は、同銀行の金事業の成長率が前年比21.4%となったことを発表しました。取引の約47.5%がミレニアル世代によるもので、若者の金投資への関心の高まりがうかがえます。

世界で金取引価格が上がっていることに加えて、金の一般需要が安定して高いことなどから、同銀行は今後も金事業は伸びるだろうと予測しています。

経済成長とともに中間所得層以上の人口が増えるインドネシアで、以前よりも投資に興味を持つ人が増えれば、その方法の1つとして金を選ぶ人も増えてくる可能性があります。若者世代を中心とした金への関心と需要の高まりに対応するため、Bank Syariah Indonesiaでは、モバイルアプリから金を購入できるサービスの提供を始めています。

参考:Voice Of Indonesia「BSI Catat Pertumbuhan Bisnis Emas 21,38 Persen, Mayoritas Disumbang Generasi Milenial」

インドネシアで金事業を始める際の懸念点

インドネシアは金の生産量と埋蔵量が多く、しかも国民の所得が上がっていることから、金に焦点を当てたビジネスへの将来性が感じられます。ただ、インドネシアで外資法人がビジネスを始めるのにはいくつかのハードルがあります。

その1つが、多額の資本金が必要となることです。外資法人としてインドネシアで事業を始める場合、1つの事業ライセンスあたり100億ルピア(9,550万円)が必要となり、資本力のある企業でなければ設立は現実的ではありません。また、こちらにもある通り、金を扱うには1ライセンスでは足りないという点が、ビジネスを始める際の障壁となっています。

インドネシアの金鉱山

インドネシアを代表する金鉱山の1つが、Grasberg(グラスベルグ)鉱山です。ニューギニア島の中部パプア州にあるGrasberg鉱山は、インドネシア政府と州政府、アメリカの鉱業会社Freeport-McMoRan社によって運営されています。

同鉱山は、高い生産能力を持つ世界最大規模の粉砕・濃縮施設が強み。その一方で採掘活動で発生する酸性流出物が川に流れ込み、環境破壊をもたらすことが以前から問題となっており、採掘活動と環境への配慮との板挟み状況が続いています。

参考:ジェトロ「鉱物資源開発のパプア州、農水業も盛ん(インドネシア)」

Grasberg鉱山のほかにも、スンバワ島のBatu Hiaju(バトゥ・ヒジャウ)鉱山や北マルク州のHalmahera(ハルマヘラ)島にあるKencana(クンチャナ)鉱山など、インドネシアには大規模な鉱山がいくつもあります。

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インドネシアのAntam社

鉱業が盛んなインドネシアにはさまざまな鉱業企業がありますが、なかでも金について大きな貢献をしているのが、国有の鉱業会社Antam(アンタム)社です。

同社の社名であるAntamは「Aneka Tambang(さまざまな鉱山)」が由来で、1968年にいくつかの鉱業会社が合併する形で設立されました。ここでは、インドネシアの金産業を知る上で欠かせないAntam社の活動を紹介します。

金の採掘と精製

同社の主要事業の1つが金の採掘です。西ジャワ州にあり国内では数少ない坑内堀金鉱山(坑道を掘って鉱石を採掘する金鉱山)のPongkor(ポンコール)と、バンテン州の金鉱山Cibaliung(チバリウン)で操業しています。Pongkorの金鉱床を発見したのは1981年で、1992年に採掘許可を得たのち、1994年に採掘を開始しました。

採掘された金は、同社の貴金属精錬所Logam Mulia(ロガム・ムリア)へ運ばれて精錬。 Logam Muliaで精錬された純金は純度が99.99%であることを示す「999.9」の認証マークが付いており、金地金・銀地金の品質を管理する世界的な機関、ロンドン貴金属市場協会にもその純度の高さは認定されています。

参考:Antam「Gold & Precious Metal Refining」

金製品の加工

Antam社の主な事業は金の採掘と精錬ですが、ほかの企業と提携を結び、金に関連した製品を販売する事業も手がけています。

例えば2023年7月、同社は鉱業会社のMineral Industri Indonesiaとともに「Indonesian Heritage(インドネシアの遺産)」という名前の金と銀の製品を発表。中部ジャワ州のボロブドゥール、スマトラ島北部のトバ湖、カリマンタン島ダヤック族の伝統帽子ブルーコ、リアウ州のザピン記念碑のデザインが描かれた金のギフト商品を発売しています。

同製品の発売には、インドネシアの美しさを文化遺産を通して表現したいという思い、そしてインドネシアのそれぞれの地域の独自性の発展を支援したいという思いが込められています。

参考:Antam「ANTAM Launches New Silver and Gold Collection: The Enchanting Cultural Heritage of Indonesia」

日本企業との提携

Antam社は2017年、金やアルミなどを加工するMKK株式会社との貿易協力を結んだことを発表。この提携は、Antam社の日本の貴金属市場への参入強化を目的としており、Antam社が日本において1kg単位で金のインゴットを販売することが取り決められました。また同社は日本市場への参入を記念し、ハローキティをモチーフにした金製品も発売しています。

当時のAntam社代表取締役社長Arie Prabowo Ariotedjo(アリエ・ブラボウォ・アリオテジョ)氏は、「この提携によって金生産者としての同社の知名度が高まることを期待する」と述べました。

参考:
CNBC Indonesia「Antam Teken Perjanjian Jual Beli 2400 Kg Emas dengan Jepang」
ANTARA News「ANTAM jual emas “Hello Kitty” ke Jepang」

インドネシアで取引されている金のブランド

インドネシアで取引されている主な金のブランドは、先ほど紹介したAntamとUntung Bersama Sejahtera (ウントゥン・ブルサマ・セジャテラ、通称UBS)です。UBSはインドネシア最大級のジュエリーメーカーで、最高品質の金製品の製造に取り組んでいます。

製造元が国営企業か民間企業かという点以外に、この2つのブランドにはいくつかの違いがあります。例えばAntamはUBSと比べてインゴットのサイズが多様なこと、Antamの金や金製品にはロンドン貴金属市場協会の証明書が付いており、海外でも使用できることが挙げられます。

UBSにはこのロンドン貴金属市場協会の証明書の代わりに、国内でのみ使える証明書が付いています。そのほか、Antamにはブランド専用の販売店がある一方で、UBSには販売店がないのも大きな違いです。

AntamとUBSはどちらもインドネシアで人気の金ブランドですが、ロンドン貴金属市場協会の証明書が欲しい人はAntam、ECプラットフォームや身近な店舗で手軽に購入したい人はUBSなど、ニーズに合わせてブランドを選ぶことができます。

参考:
Voice Of Indonesia「Mengenal Perbedaan UBS dan Antam, Emak-emak Pilih Emas yang Mana?」
CNBC Indonesia「Kepada Pemilik Emas, Ini Perbedaan Cetakan Antam dan UBS」

インドネシアの金買取業者

インドネシアでは、中間所得層以上が訪れるエリアやショッピングモールに金の買取業者が集まっている傾向にあります。そこでここでは、ジャカルタの金買取業者が集まるスポットを紹介します。

Blok M

南ジャカルタ市にあるBlok Mは、日本食レストランや日本食のスーパーマーケットが多数営業する日本人街です。このエリアには、金だけでなく、宝石やジュエリーの買取業者も集まっています。

ショッピングモールのBlok M Squareには、Pusat Emasという金を売り買いできるエリアがあります。30年以上前からあるエリアで、2024年2月時点ではSinggalangやHawwa、Cendanaなど最低でも8つの買取業者が営業中です。

金の売買業者が集まるBlok M Square
Blok M Square

また、Blok M Squareの周辺で路面店として営業していたり、近くにあるMelawai Plazaというショッピングモール内に展開していたりする金の買取業者も多くあります。

Cikini Gold Center

Cikini Gold Center(チキニ・ゴールド・センター)は、1962年に設立された金を売買するためのショッピングモールです。金や宝石、ジュエリーのショッピングモールとしてはジャカルタ最大規模で、先ほどのBlok Mと比べると富裕層をターゲットにしたハイエンドな店が多くあります。

例えば本物のAntam製の金だけを売るToko Emas Agungは、1986年から営業している金業界の有名店。Antamの認定証が付いた上質な金を売っていることに定評があり、また買い取りも高値でしてくれると評判です。

Pusat Emas Senen

インドネシアの市場は食料品や日用品など安価な商品を取り扱っていることが多いですが、中には金の取り扱いがある市場もあります。

中央ジャカルタに位置するPsar Senen(スネン市場)周辺には、金を売買できる店舗が多く営業しています。先ほどのCikini Gold Centerと違い、Psar Senenの店舗は金の認定証が不要なため、認定証のない金を売りたい人から人気です。

幅広い層の顧客が集まるBlok M、富裕層が集まるCikini Gold Center、認定証のない金も扱うPusat Emas Senenなど、ひとまとめに金の買取業者といっても、それぞれの特徴があることが分かります。

インドネシアの金ビジネスに興味がある方へ

経済成長が進むインドネシアにおいて、金を扱う事業は非常に魅力的です。金の買取業者はもちろん、所得が上がり投資に興味を持つ人が増えれば、資産を金に換えたい人向けの金融サービスなども需要が高まってくるでしょう。

ただ、インドネシアで金を取り扱うビジネスを始めたいと思っても、資本金の高さや設立手続きの複雑さなどから、ハードルを感じる人は少なくありません。その点についてまとめた記事はこちらになりますので、是非参考までにご一読いただければと思います。

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2022年のインドネシアの金生産量は推定70トンで、世界12位でした、また、埋蔵量は2,600トンで世界6位となっており、資源・生産能力ともに豊富なことで知られています。

インドネシアで金を扱う事業を行っている会社を教えてください。

インドネシアの金事業を手がける会社に、Antam社があります。同社は金の採掘と精錬、金製品の販売などを手がけています。

インドネシアでは、どこで金を売買できますか?

インドネシアの金を売買できるスポットとして、Blok Mエリア、Cikini Gold Center、Pusat Emas Senenなどが挙げられます。

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