インドネシアでの金や貴金属やブランド品買取事業の始め方

公開
2024/01/31
更新
2025/08/23
この記事は約4分18秒で読めます。

日本に限らず、インドネシアでも金・プラチナなどの貴金属は富裕層に好まれて購入されます。ダイヤ・宝石・ブランド時計・ブランドバッグなども同様です。

ジャカルタにある中間所得層以上が好んで行くショッピングモールに入ると、そういったブランド品が売られていますし、楽しそうに購入しているインドネシア人をよく見かけます。

インドネシアは人口が約2億8,000万人(平均年齢が約30歳)、ここ20年の経済成長率が安定的に5%以上、世界のGDPランキングで現在17位、東南アジア最大の市場で「ネクストチャイナ」の呼び声が高い魅力的な国の1つです。

そういった国で金や貴金属の買い取り、あるいはブランド品の買い取りを事業として行っていくことは非常に将来有望だと言えます。ただし、金や貴金属の買取事業は事業ライセンスや店舗運営も複雑で、一筋縄ではいかないことも多々あります。

本記事では買取事業者様がインドネシアへ進出するにあたり、覚えておいた方が良い重要な点をまとめています。

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インドネシア経済の魅力

資料の内容

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  • インドネシアのGDP成長率
  • インドネシアの人口とその特徴
  • インドネシアのEC市場規模
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この記事の想定読者

日本で買取事業を展開している企業。例えば、下記のような買取事業の運営事業者を想定して書いています。

  • おたからや(株式会社いーふらん)
  • 大吉(株式会社エンパワー)
  • ジュエルカフェ(株式会社クレイン)
  • 大黒屋(株式会社大黒屋)
  • ALLU(バリュエンスジャパン株式会社)
  • BRAND REVALUE(株式会社STAYGOLD)
  • WAKABA(株式会社フォーナイン)
  • エコリング(株式会社エコリングソート)
  • キングラム(株式会社 ベストバイ)
  • コメ兵(株式会社コメ兵)
  • ワンダープライス(株式会社ゼロジャパン)
  • その他、買取事業を行われている企業

厳密には、ALLUとエコリングはすでにインドネシアに進出済みです。特にALLUはジャカルタ、スラバヤ、バンドゥン、メダン、バリなどに合計17店舗を展開していて、インドネシアでのビジネスチャンスをうまく掴んでいることが伺えます。

参考1:【企業インタビュー】日本、インドネシア、そして世界で、リユース文化の普及の促進|ALLU
参考2:バリュエンス、ブランド買取「ALLU(アリュー)」のインドネシア17号店を12月28日にオープン!

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インドネシア進出が難しい理由

外資系企業としてインドネシアに進出するためには、1事業のライセンスあたり100億ルピア(約9,300万円)が必要です。この資本金の高さが全ての外国企業にとって、進出の障壁の1つとなっていると言えます。

例えば、すでにインドネシアに進出しているAlluは運営元がPT. Mastro Luxe Indonesiaで進出されていますが、複数の事業ラインセンスを取得していたので、資本金だけで数億円を入れていることになります。

ただ、ALLUの店舗スタッフに金のインゴットの買取を行っているか確認したところ、金のインゴットは買い取っていませんでした。実はインドネシアの事業ライセンス上で金銀・プラチナの小売に分類される事業コードがなく、インドネシアのBKPM(投資調整庁)に直接確認をしたところ、「小売業でカテゴライズされる事業ライセンスは無い」という回答でした。

明確に無いからこそ、その周辺の事業ライセンスを取得して金買取の事業根拠とすべきなのですが、外資系企業でそれをやろうとすると多数の事業ライセンス(=多額の資本金)が必要になります。

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金のインゴットが買取可能な事業ライセンス

上述の通り、インドネシアの事業ライセンス上で金銀・プラチナの小売に分類される事業コードは現状ありません。そのため、金のインゴット買取が可能は法人を作るとしたら、下記のような組み合わせがおすすめです。

おすすめというのは、複数の弁護士、ノタリス、投資調整庁、産業省などの関係各所に複数回のヒアリングを重ねての判断という形になります。上述の通り、金買取についての明確な事業コードが無い以上、関係各所への丁寧なヒアリングをもとにした判断しか根拠の拠り所がありません。

  • KBLI 47714(バッグ、財布、スーツケース、バックパック、その他類似品小売業)
  • KBLI 47749(その他の中古品小売業)
  • KBLI 47742(衣服・履物・服飾雑貨小売業)
  • KBLI 47743(身の回りの中古品の小売業)
  • KBLI 47735(宝飾品小売業)
  • KBLI 47852(宝飾品取り扱い販売/市場)
  • KBLI 47739(他に分類されない特殊な小売業)

上記のような事業ライセンスを取得する前提で外資系企業を設立しようとすると、資本金だけで700億ルピア(約6.5億円)になってしまいます。かと言って、事業ライセンスを大幅に減らしてしまうと、金のインゴットの買取が難しくなるため、インドネシアでの買取事業の魅力が減ってしまいます。

では、どうすれば良いのか。その回答について知りたい企業様がいたら是非弊社までご一報ください。弊社が考える最適な進出方法をご提案させていただきます。

インドネシアにおける小売業と卸売業の複合禁止のルール

事業ライセンスが複雑なことに加えて、インドネシアでは1つの会社が小売業と卸売業の2つを同時に持つことができません。

つまり、ジャカルタで買取事業を開始して、一般消費者から金のインゴットを買い取ったとします(BtoCの小売事業)。その買い取ったインゴットをインドネシア国内の貴金属を精錬する会社に買い取ってもらうことができないのです(BtoBの卸売業になるため)。

この解決方法は大きく2つあります。

1つ目は国外に輸出してしまうことです。買い取った商品を国外に輸出して、輸出先の国で企業取引をする分には法律に触れません。実際、冒頭で紹介したALLUのインタビュー記事でも

買取した商品は一度全部日本に送り、その後グローバル市場で販売するので、買取した商品がインドネシアに戻ってくる確率はとても低くなります。

と回答しているのは、この小売業と卸売業の複合禁止のルールがあるからです。では、国内で買い取った貴金属は、必ず国外に輸出しないといけないのか。インドネシア国内の地場の小さな貴金属買取業者も同様に国外に輸出をしているのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。

これが2つ目の解決方法に関連するところになります。このお話はクローズドな場で共有をさせていただきたく、インドネシアでの買取事業に強い興味がある企業様がこの記事を読まれていたら、是非弊社までお問い合わせをください。

参入ハードルが高いインドネシアで、他社はどのように進出しているのか?

他社の進出事例は気になるところですよね。他社の事例を含め、具体的な進出方法を解説するセミナーをオンラインで開催予定ですので、こちらからお申し込みください。

日本で開発したサービスを
インドネシアで販売してみませんか?
インドネシア進出を検討する際、多くの企業がまず「フィージビリティテスト」や「フィージビリティスタディ」などの調査を行います。しかし、こうした作業を大手調査会社に依頼すると数百万円単位のコストがかかることも珍しくありません。

そんなに時間とコストをかけてゆっくり進出を検討するのではなくするのではなく、
試しに販売してみて、仮に成功したらインドネシア進出を本格的に検討しませんか?
法人を設立しなくてもテストマーケティングをする方法はあるので、その方法を使って現地で実際にサービスを販売していきましょう。

早期にインドネシアに進出した方が良い理由

インドネシアの首都ジャカルタは世界トップレベルで交通渋滞が酷いため、あちこちに移動しなくて良いように、食事、アパレル、カフェ、雑貨、家電量販店、ゲームセンター、映画館などなどが1箇所に揃うショッピングモールにインドネシア人は好んで出掛けます。

ところがショッピングモールにはモールそれぞれの世界観や運営方針があるため、同業種(リサイクルショップ系)は募集していないといったモールもあります。実際、Alluが店舗を構えるCentral Park(ジャカルタでも上位TOP5には入る集客力の強いモール)では、現状同業の買取事業の入居ができない状況です(将来は分かりませんが)。

そういった事情もあり、インドネシア経済が先進国の仲間入りをした後にジャカルタに進出しようとしても、すでに魅力的なモール内店舗は入居できずに進出を断念せざるを得なくなるかもしれません。

日本からはすでに2社買取事業を手掛ける企業が進出しており、日本以外の国からの新規参入や、ローカル企業の存在も忘れてはいけません。「将来を見据えて行動する」のであれば、この記事を読まれた今がまさにそのタイミングだと私は考えます。

法人設立の概要やステップをまとめた資料などはありますか?

通常はご契約後に詳細な資料を共有していますが、法人設立の概要やステップが分かる簡易版の資料で良ければ、こちらからご確認ください。

リサーチ元

  • インドネシアの弁護士事務所
  • 投資調整庁
  • 産業省
  • 貿易省
  • 公証人
  • 国営企業で金の値決めをしているANTAM社

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