インドネシア人に人気のハイブランドとラグジュアリービジネスの可能性
- 公開
- 2024/02/22
- 更新
- 2026/06/21
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日本と比べてインドネシアは物価が安いため、高価なハイブランド品が売れるイメージはあまりないかもしれません。しかし、ジャカルタなど都市部の大型ショッピングモールを訪れると、ハイブランドのショップが何店舗も並んでいる光景を目にします。
インドネシアではどの所得層にハイブランド品が人気で、どういった店舗でハイブランド品が販売されているのか。本記事では、インドネシアのハイブランド事情についてまとめました。
人気のブランドや販売場所のほか、インドネシアで横行する偽ブランド品事情についてもまとめているので、最後までご覧ください。
円表記は2024年2月15日のレート(1ルピア=0.0096円、1ドル=150.18円)で換算したものです。
ハイブランドを購入するヤングリッチの存在
インドネシアでは昨今、YouTuberやインスタグラマーなどのインフルエンサーとして成功し、若いうちに大金を手にする人が目立ってきています。このような若くして大金を手に入れた人たちは「ヤングリッチ」と呼ばれ、自身が購入したハイブランド品をSNS上によく載せています。
インドネシア人はSNSの利用率が高く、またインフルエンサーの投稿を信頼する傾向にあるのが特徴。インフルエンサーがSNS上に投稿するブランド品は、企業の広告であることも多いですが、その投稿を見てハイブランド品を持つことに憧れる人は少なくありません。
実際にインドネシアではハイブランド品を持った写真や、高級レストラン・ホテルでの写真などを投稿するセレブなインスタグラマーは「セレブグラム 」と呼ばれ、多くのSNSユーザーの憧れの的となっています。
富裕層をターゲットにしたビジネスの可能性
2023年12月時点でのインドネシア人の平均月収は約317万8,000ルピア(約3万円)で、平均的な収入の人にはハイブランド品を購入できるほどの余裕があるとはいえません。ただ、ここで注目したいのは平均的な経済力のインドネシア人ではなく、急増している富裕層と超富裕層の存在です。
2021年時点で、インドネシアの総人口に占める超富裕層※の割合は0.0005%(1,403人)、富裕層※の割合は0.03%(82,012人)で、まだまだ少数です。しかし、2016年から2021年の期間の推移を見ると、超富裕層の割合は69%、富裕層の割合は50%増加しています。
また、インドネシア人が自らの経済力やステータスを高級品を持つことで証明し、誇示しようとする傾向にあることも見逃せません。もちろんブランド好きも多く、多数のハイブランドのショップが入る高級ショッピングモールPlaza Indonesia(プラザ・インドネシア)のCFOであるLucy Suyanto(ルーシー・スヤント)氏も過去に、「インドネシア人は非常にブランド志向だ」と述べています。
経済成長の進むインドネシアでは、経済的に余裕のある人の増加と従来の「ブランド志向」な国民性が組み合わさり、ハイブランド品の需要が増える可能性は大きいといえます。
資産が3,000万ドル(45億円)相当以上を超富裕層、資産が100万ドル(1億5,000万円)相当以上を富裕層とする
参考:BADAN PUSAT STATISTIC「Rata-rata Upah/Gaji Bersih Sebulan Buruh/Karyawan/Pegawai Menurut Provinsi dan Lapangan Pekerjaan Utama, 2023」
参考:Night Frank「THE WEALTH REPORT 2022|P101. The Knight Frank Wealth Sizing Model」
参考:OXFORD BUSINESS GROUP「The luxury market: The ups and downs of growing demand for high-end retail」
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
ジャカルタで企業勤めをするマネージャー層の給与
先程、インドネシア人の平均月収は約3万円ほどとお伝えしましたが、それはインドネシア全体で見た場合の平均月収です。これを首都ジャカルタのオフィスワーカー限定で見るとまた異なる数字が見えてきます。
ジャカルタでは、それなりの企業に勤めているオフィスワーカーの平均月収が4〜7万円、マネージャークラスになると16〜24万円、経営者クラスになると75万円以上の給与になることもめずらしくありません。
出典:Gaji General Manager di Jakarta
インドネシア全体の平均月収である3万円と比較すると、いかにその違いが大きいかが分かります。インドネシアのジャカルタへ現地視察に赴き、市内のショッピングモールで買い物をしているインドネシア人を観察すると上記の月収も頷けると思います。
百聞は一見にしかずですので、インドネシア進出を検討されている企業様はまずは一度ジャカルタを訪問してみることを強くおすすめします。こちらから弊社にご連絡をいただければ、インドネシアへの現地視察をアレンジします。
カジュアルにインドネシア進出を試した小売企業様の事例
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ドラッグストアやショッピングモールでの市場調査、競合商品の価格調査、現地消費者へのインタビューを実施。市場性を確認した上で、正式なインドネシア進出を決定した。(化粧品企業様)
- 営業経験のあるインドネシア人を2名チームで雇用し、スポーツジムや病院、リハビリ施設などへの営業活動を実施。販売代理店候補の開拓や市場ニーズを調査し、調査後に販売体制を構築した。(健康器具メーカー様)
- EC運営経験のあるインドネシア人チームを雇用し、現地ECモールへの出品やSNSを活用したテストマーケティングを実施。売れ筋商品やターゲット層を分析し、本格的な販売開始につなげた。(総合雑貨メーカー様)
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。小売関連のビジネスであれば、貴社でもそれが可能です。
インドネシア人に好まれているハイブランド
次に、インドネシア人に好まれるハイブランドを紹介します。
Hermes(エルメス)
1837年にフランスのパリで高級馬具工房として始まったHermesは、インドネシアで人気のハイブランドの1つです。ジャカルタの高級ホテルJakarta Galleria Grand Hyatt(ジャカルタ・ガレリア・グランド・ハイアット)と、上位所得層向けのショッピングモールPacific Place Mall(パシフィック・プレイス・モール)にショップがあります。
さまざまなアイテムを取り扱っているHermesですが、なかでも最高級皮で製造した「バーキン」などのバッグ製品は多くの人の憧れです。
インドネシアでも「プリンセス」の愛称で知られる歌手Syahrini(シャリーニ)氏が、過去に10億ルピア(960万円)近くの価値があるHermesのバッグを身に着けた姿をInstagramに投稿したことで話題を呼びました。
Gucci(グッチ)
Gucciは、イタリアで誕生したファッションブランド。もともとは上流階級向けに商品を製造・販売していましたが、新素材やトレンドを積極的に取り入れたことで、今では若者からも支持を得ています。
インドネシアでは、高級ショッピングモールのPlaza IndonesiaやPlaza Senayan(プラザ・スナヤン)、Senayan City(スナヤン・シティ)などにショップがあります。
インドネシアでトップクラスの知名度を誇るインフルエンサーRaffi Ahmad(ラフィ・アフマド)氏の妻、Nagita Slavina(ナギタ・スラヴィナ)氏は過去に、セレブなママタレントたちとGucciで揃えた高額ファッションで撮影会を行い、注目を集めました。
参考:suara.com「Nagita Slavina Ajak Rekan Artis Pemotretan Pakai Koleksi Gucci, Harga Fantastis Jadi Sorotan」
Chanel(シャネル)
1910年にココ・シャネルが設立したChanelは、バッグや衣類、時計、香水、化粧品などさまざまなアイテムを手がけるハイブランドです。インドネシアでも、特に「C」の文字が2つ入ったChanelのロゴが目立つバッグは、多くのインフルエンサーや芸能人がSNSに投稿しています。ショップは、ジャカルタのPlaza Indonesia内にあります。
Telfar(テルファー)
HermesやGucci、Chanelといった老舗のハイブランドに加えて、最近はニューヨークで2005年に誕生したハイブランドTelfarもインドネシアで流行っています。同ブランドは、人種や性別、文化の違いによる多様性を尊重する価値観をコンセプトとしているのが特徴です。
Telfarがインドネシアで人気を集めているのには、ほかにはない独自のコンセプトのほか、多くのインフルエンサーがSNS上で宣伝しているのも影響しています。
また、Telfarはラグジュアリーブランドに分類されるものの、先述の老舗ハイブランドと比べると価格帯は安め。同ブランドのバッグは「若者のバーキン」と呼ばれるなど、特に若い世代から親しまれています。
― ビジネス最前線の声
ハイブランドのショップが入っているショッピングモール
インドネシア、特にジャカルタには多数のショッピングモールがあり、モールによって商品の価格帯が異なります。なかでも、中間所得層以上が訪れるショッピングモールに行くと、ハイブランドのショップが並んでいる光景を目にします。
そこでここでは、ジャカルタにあるショッピングモールの中でも、ハイブランドショップが多く入っているモールを紹介します。
Plaza Indonesia(プラザ・インドネシア)
Plaza Indonesiaは高級ホテルのGrand Hyattに隣接しており、ジャカルタでも特に高級なショッピングモールとして知られています。綺麗で洗練された館内、コンシェルジュによる丁寧なサービス、さまざまな国の料理が楽しめる多様な飲食店などが特徴です。
BurberryやBVLGARI、Chanel、Christian Dior、Christian Louboutin、Gucci、Hermesなど、ハイブランドショップが多数入っており、ファッションショーなどのイベントが行われることもあります。
Senayan City(スナヤン・シティ)
Senayan Cityは、中央ジャカルタにある高級ショッピングモール。海外駐在員やインドネシア人富裕層が多く住むエリアにあり、吹き抜けで開放感のある館内が特徴です。
また、高級喫茶「星乃屋珈琲」や家電量販店「ベスト電器」など、日本のお店のインドネシア一号店が入っていることでも知られています。
ここでは、ChanelやGucci、COACH、kate spade、BALENCIAGAなどのハイブランドのショップを利用できます。
参考:Senayan City
Plaza Senayan(プラザ・スナヤン)
Plaza Senayanは、Senayan Cityの道を挟んだ向かい側にある高級ショッピングモールです。日本のSOGOが入っており、かつては紀伊国屋書店も入っていました。
また、2023年10月~2024年4月の期間、日本の駅ビル型商業施設のルミネがポップアップストアを開催するなど、日本に関連するイベントも多く、インドネシアに住む日本人にとっては馴染み深いスポットとなっています。
ハイブランドのショップとしては、Fendi、Christian Dior、Gucci、Louis Vuittonなどがあります。
インドネシアへ進出した日本のハイブランド買取専門店
2023年1月、インドネシアでブランド品のバザーを開催するIrresistible Bazaarの創設者Marisa Tumbuan 氏は「インドネシアの中古ブランド品の消費者は、投資対象としてChanelやHermes、Louid Vuittonなどヨーロッパのブランドを好む傾向がある。これらのブランドは、平均103%の値上がりがあるからだ」とコメントしました。
参考:CNBC Indonesia「Bukan Hermes dan LV, Tas Mewah Ini Jadi Buruan Warga RI」
人々の所得がさらに増加すれば、ファッションとしてだけでなく、投資を目的にハイブランド品を売買する人が増加する可能性も高まってきます。このような背景から、インドネシアに進出するブランド品の買取業者もあります。
例えば日本企業のバリュエンスジャパンが手がけるブランド買取専門店「ALLU」は、Pacific Place Mallなどの高級ショッピングモールのほか、スラウェシ島のMakassar(マカッサル)やジャワ島の中部に位置するSemarang(スマラン)の富裕層が集まるエリア への出店を果たしました。
「ALLU」は2024年2月時点でインドネシアに15店舗展開しており、現地のニーズをとらえ、インドネシアで順調に拡大していることがうかがえます。
その他、エコリングもジャカルタに進出しています。こういったブランド品の買取事業についてはこちらの記事を参照してください。インドネシアで金や貴金属の買取事業を始める事業者様向けに、会社設立にあたっての事業ライセンスや規制についてどこよりも詳しくまとめています。
偽物が横行するインドネシアのハイブランド市場
日本と比べてインドネシアでは、ハイブランド品の偽物が当たり前のように流通しています。本記事で紹介したような高級ショッピングモールなどで見かけることはありませんが、大衆向けのショッピングモールや市場ではよく目にします。
現地のインドネシア人は偽物だと分かって購入するケースが多く、偽物を購入することへの心理的ハードルは日本人と比べて低いといえます。ただ、中には本物のブランド品が並ぶ中に偽物を混ぜて同じ場所で販売するなど、見分けがつきにくいようにされている場合もあるため注意が必要です。
また、ショッピングモールや市場だけでなく、ShopeeやTokopediaなどのECプラットフォームでも偽物のブランド品が売られています。ECプラットフォームの場合、購入前に直接商品を確認できるわけではないので、偽物だと知らずに購入して後から問題となるケースも少なくありません。
ハイブランドビジネスの将来性とインドネシア進出の課題
インドネシアの経済成長を考えると、ハイブランドの売買などのラグジュアリービジネスは将来性に期待できます。また、SNSを好きな人が多いこと、ブランド志向の傾向があることなど、インドネシア人とハイブランドビジネスには相性がよい側面もあります。
ただ、インドネシアのハイブランド市場にはポテンシャルがあるとはいえ、日本からインドネシアへ進出するのにはいくつかの壁があります。例えば、日本企業が外資法人として進出する場合、多額の資本金が必要になったり、事業の内容や範囲に制限があったりします。
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