インドネシアの会社設立に必要な資本金の概要

公開
2023/12/30
更新
2024/01/05
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日本では資本金1円から会社を設立できますが、インドネシアの場合はそれなりの費用がかかります。また、外資法人と内資法人で資本金の金額が大きく異なるため、資本金を支払えるかどうかで設立形態を決めるケースも珍しくありません。

将来的にインドネシアへの進出を考えるのであれば、資本金がいくらかかるのか、そしてどのような基準で資本金の金額が決まるのかなどを理解しておくことが大切です。

そこで本記事では、インドネシアで会社を設立する際の資本金事情をまとめました。外資法人と内資法人の資本金について詳しくまとめているほか、払込みのタイミングや増資についても説明しているので、ポイントを押さえておきましょう。

円表記は2023年12月18日のレート(1ルピア=0.0092円)で換算したものです。

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インドネシアでの会社設立
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設立に必要な資本金

インドネシアで会社を設立する場合、大きく分けて外資法人(PMA)と内資法人(PMDN)の2つの選択肢があります。

外資法人の場合、インドネシア人のパートナーを見つけなくても設立でき、外国人でも会社の実権を握れるのがメリット。ただ、外国の企業がインドネシアで外資法人を設立する場合、業種によっては出資比率に制限があったり、現地企業とパートナーシップが条件付けられたりと、内資法人にはない規制を受けるのがデメリットです。

内資法人の場合、どのような業種でも出資比率などの規制を受けずに会社を設立できるのがメリットですが、その一方で外国人が株主になれないことがデメリットとして挙げられます。

また、外資法人と内資法人の大きな違いとして、資本金の額があります。

外資法人

外資法人の最低払込資本金と最低投資金額はそれぞれ100億ルピア(9,200万円)以上です。最低払込資本金とは、実際に株主が払込みする資本の額(資本金)のこと。最低投資金額とは、資本金と借入金などの合計金額のことを意味します。

外資法人の最低払込資本金は以前まで25億ルピア(2,300万円)でしたが、2021年3月にインドネシア投資調整庁(BKPM)が増額を発表しました(BKPM規則2021年4号)。

この新たな規定ができたことで、資本力のある大企業以外の企業にとって、インドネシア進出のハードルが格段に上がったといえます。

参考:ジェトロ「外資に関する規制」

外資法人の設立で注意すべき資本金のルール

外資法人設立の際に必要な資本金は、会社の数ではなく、事業の数で決まります。つまり、たとえ1つの会社であっても、飲食事業と製造事業の2つの事業を行う場合は200億ルピア(1億8,300万円)の資本金が必要となります。

また、何らかの製品のメーカーが自社で製造したものを販売する場合、製造事業と卸売事業それぞれの事業の資本金を支払わなければいけません。

資本金がトータルでいくらかかるのかは事業の数や事業の範囲によって変わり、実際に計算してみると、当初想定していた金額よりも何億円も高くなることもあります。そのため、これからどのような事業を展開するのか、開業前に検討することが大切です。

内資法人

内資法人の最低払込資本は1,250万ルピア(11万5,000円)で、最低投資金額は5,000万ルピア(45万9,000円)です。

外資法人と比べて資本金が大幅に安いため、インドネシア進出を考える企業の中には、資金面を理由に内資法人での設立を検討される方々が少なくありません。

ただ、内資法人の場合は外国人による出資が一切認められておらず、会社を設立してから外国人が株主になることも許されていません。そのため、内資法人で設立するかどうかは、資本金以外の面もよく考えた上で決める必要があります。

外資(PMA)における最低投資額の例外

上述の通り外資法人の最低払込資本金は、事業ごとに100億ルピア(9,200万円)と定められています。ただし、建設施工事業や統合建設事業の最低払込資本金は最低250億ルピア(2億2,900万円)となっているなど、例外もあります。

上記の例は最低払込資本金の例外についてですが、最低投資金額にも例外が適用されている業種があります。以下は、最低投資額の例外についてまとめた表です。

業種最低投資金額(※100億ルピア=9,200万円)
大規模商業事業KBLIコードの頭の数字4ごとに、土地建物を除いて総投資額100億ルピア
飲食サービス業KBLIコードの頭の数字2桁ごとに、事業場所1か所につき土地建物を除いて100億ルピア(事業場所が異なる場合、それぞれが同じ事業でも事業場所ごとに最低投資総額 100 億ルピアが必要)
建設サービス業KBLIコードの頭の数字4桁ごとに、1つの活動(※)につき土地建物を除いて100億ルピア
工業異なるKBLI コード5桁の製品を1つの製造ラインにおいて生産する場合は、1ラインで土地建物を除いて100億ルピア
不動産開発業ビル全体または統合住宅地の形の不動産の場合は、土地建物を含めて100億ルピア

大規模商業事業に関しては、以前のBKPM規則2020年1号では上2桁が異なるものに最低投資金額の要件を満たすよう課されていました。それが2021年5号では、上2桁が同じでも4桁目まで見たときに異なる場合は最低投資金額の要件を満たす必要があるなど、規定が厳しくなっています。

また、建設サービス業の場合は活動ごと、工業の場合はラインごとに100億ルピア(9,200万円)加算されるのが特徴です。建設サービス業に関しては、建設コンサルティングサービス事業を建設施工事業や統合建設事業とまとめて一緒の事業として扱うことは許可されていません。

不動産開発業に関しては、上記の通りビル全体または統合住宅地の形の不動産は土地建物を含めて100億ルピア(9,200万円)ですが、1つのビル全体ではない、または統合住宅地ではない不動産ユニットは土地建物を除いて100億ルピア(9,200万円)となっています。

なお、KBLIコードは1桁〜2桁が大分類(広範な業界)、3桁〜4桁が中分類(下位カテゴリー)、5桁〜6桁が小分類(より具体的な事業活動)を表しています。

※建設コンサルティングサービス事業、建設施工事業、統合建設事業いずれかの活動

参考:ジェトロ「インドネシア 外資に関する規制」
参考:森・濱田松本法律事務所「MHM Asian Legal Insights|P2. (1) 外資企業の最低投資総額要件及び例外」
参考:中国銀行「CHUGIN GLOBAL NEWS|P9. KBLIの構造」

資本金の送金タイミング

インドネシアで会社を設立する際の大まかな手順は、以下の通りです。大枠の理解を目的に大雑把に書いていますので、詳しいフローを知りたい方は弊社までお問い合わせください。

  1. 会社名の予約
  2. 定款の作成・設立公正証書の申請
  3. 所在地証明書(SKTU)の取得
  4. 納税者番号(NPWP)・課税事業者番号(PKP)の取得
  5. 銀行口座開設
  6. 資本金の払込み
  7. 法務人権省への申請

資本金の払い込みは、定款の作成や各種証明書の取得を済ませてから行います。

また、送金する際、払込みが確実に済んだことを証明する適式な書面を受け取らなければいけません。ここでいう適式な書面とは、銀行口座を開設する銀行が発行する払込証明書、会計士による監査済みの財務書類、取締役会またはコミサリス会(※)が署名した会社の賃借対照表などを指します。

資本金の払込み完了後、公証人が法務人権省のオンラインシステムを通じて会社設立の登記手続きを実施します。このときに、先ほど取得した払込みの証明書などの書類も提出します。そして登記手続きが完了して設立が認められると、NPWPも割り振られるという流れです。

※コミサリス会取:締役会の会社経営を監督し、会社経営に対するアドバイスを与える役割を持つ機関

資本金を送金する銀行口座について

資本金を払い込むためには、「資本金送金用の仮口座」を作る必要があります。この銀行口座は、実際に事業を始めたときの売上の入金などには使えず、資本金の送金を目的としたもの。NPWPがまだ割り振られていなくても、開設できます。

資本金送金用の仮口座は遠隔でも開設可能です。インドネシアの主要な銀行(BNIやBCA、Mandiri、BRIなど)は幅広い手続きに対応しているので、スムーズに手続きを進められるように、できるだけ全国的に幅広いサービスを提供する主要な銀行で開設しておくと安心です。

資本金払込みのタイミングで会社設立の手続きが滞らないよう、銀行口座の開設手続きはスケジュールに余裕を持って進めておくとよいでしょう。

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外資(PMA)の増資の手順

増資手続きの大きな流れは、以下の通りです。

  1. 株主総会の開催
  2. 投資認可の変更(投資調整庁(BKPM)へ届け出)
  3. 資本金払込み
  4. 会社定款の変更
  5. 登記
  6. 株券の発行

上記の手順の中で、押さえておくべきポイントを次で説明します。

株主総会の開催

日本の場合は授権資本(※)の枠内であれば取締役会の決議のみで増資できますが、インドネシアの場合は授権資本の枠内であっても株主総会の決議が必須です。

授権資本枠内で増資を行う場合は過半数の株式を保有する株主の出席と出席株主の過半数の賛成、授権資本枠を超える増資を行う場合は3分の2以上の株式を持つ株主の出席と出席株主の3分の2以上の賛成が必要となります。

※定款に記載される会社が発行できる株式の総数

会社定款の変更

増資した場合は、授権資本の枠内かどうかに関わらず、定款変更の手続をする必要があります。授権資本枠を超える場合は法務人権大臣の承認が必要ですが、授権資本の枠内に収まる場合は法務人権大臣への届出だけで大丈夫です。

会社の予算や状況に合わせて設立形態を選ぶこと

(事業ライセンス数によっては)数億円の資本金が必要になるため、大手企業であったとしても、インドネシアでの外資設立はなかなかハードルが高いのが現状です。

そのため、最低払込資本1,250万ルピア(11万5,000円)、最低投資金額は5,000万ルピア(45万9,000円)の内資法人の設立を検討されるわけです。

ただ、どのような形態で会社を設立するにしても、それぞれの設立形態にメリットとデメリットがあることを理解しておく必要があります。資金面だけでなく、どのような事業を展開するのか、信頼できるパートナーを見つけられるのかなど、総合的に考えて設立方法を選択すべきでしょう。

インドネシア進出を検討している方は、本記事で取り上げた内容をぜひ参照・検討してみてください。

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インドネシアで会社を設立する場合、資本金はいくら必要ですか?

外資法人の最低払込資本金と最低投資金額はそれぞれ100億ルピア(9,200万円)以上です。また、内資法人の最低払込資本は1,250万ルピア(11万5,000円)で、最低投資金額は5,000万ルピア(45万9,000円)です。

外資法人として会社を設立する場合の資本金のルールについて教えてください。

外資法人設立の際に必要な資本金は、事業の数で決まります。また、建設施工事業や統合建設事業の最低払込資本金は最低250億ルピア(2億2,900万円)など、業種によっては例外がある点に留意する必要があります。

資本金を送金するタイミングはいつですか?

資本金の払込みは、定款の作成や各種証明書の取得を済ませてから行います。資本金の払込みが完了後、公証人が法務人権省のオンラインシステムを通じて会社設立の登記手続きを実施します。

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