インドネシアの物価と日本の物価とを衣食住で比較

更新
2025/03/22
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インドネシアへ進出するにあたり、知っておきたいのが現地の物価。経済成長著しいインドネシアの人々の生活は、どのようなものなのでしょうか。

まずは、インドネシアの物価を考える上で押さえておきたい前提について確認し、それから衣食住について、日本とインドネシアの物価を比較していきます。

【補足】
本記事でご紹介する価格や店舗数などのデータは、2022年7月1日時点のものです。比較にあたっては、1ルピア=0.0090円で計算しています。

インドネシアでの外資法人設立
には約1億円の資本金が必要です
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インドネシア国内の地域による物価の差

東南アジアは物価が安いというイメージをお持ちの方も多いでしょう。インドネシアもまだまだ「新興国」であり、物価はかなり安いだろうと想像されるかもしれません。

事実、インドネシアには、日本よりも安いものがたくさんあります。ただ、物価全体を語る上では、地域によってかなりばらつきがある点に留意しなければいけません。

5年ごとに行われている中央統計庁の生活費調査によると、2018年、首都ジャカルタの1か月の生活費は平均1,346万ルピア(約12万円)でした。

34の州と56の県庁所在地および市を対象とした中央統計庁の2018年生活費調査によると、首都ジャカルタの1か月の生活費(消費支出と非消費支出の合計)は1,690万ルピア(約15万円)でした。

もちろん、国内で最も高い地域の一つです。一方、最も安いとされたのはバリ島の町シンガラジャで、673万ルピア(約6万円)。都市のみの比較でも、国内で2.5倍以上の差が出るのです。

出典:DataIndonesia.id「Biaya Hidup di Kota-Kota Indonesia」

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インドネシアの人口ピラミッドや人口推移などについて知りたい

02

インドネシアの平均月収や平均年収について知りたい

03

ジャカルタの物価やジャカルタで暮らす人たちの生活費について知りたい

04

インドネシアを代表する7つの財閥とその主要な事業内容について知りたい

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インドネシアの世帯間経済格差

インドネシアは日本と比べると経済格差が大きい国です。地方には世帯収入が月1〜2万円という家庭がある一方で、都市では一人で10万、20万円稼ぐ人も珍しくありません。
 
そこで、こちらの記事で日本と比較するのは、主にインドネシアの「中間層」が日常的に購入するモノやサービスの価格とします。

インドネシアの「中間層」はよく「上位中間層」と「下位中間層」に分けられます。上位・下位の分け方は調査によってやや異なりますが、経産省がまとめたデータが参考になります。

出典:経産省「医療国際展開カントリーレポート
  • 上位中間層:10,000ドル~34,999ドル(約136万円~475万円)
  • 下位中間層:5,000ドル~9,999ドル(約68万円~136万円)

両方を合わせた「中間層」は総人口の70%。インドネシアの人口は2.7億人なので、その70%だと約1.9億人程度になり、日本の人口を優に上回るボリュームです。

また、全体の30%を占める「上位中間層」が、主に都市部で増えていることも注目されます。

世帯所得が200万円~300万円とすると、月収は20万円前後、夫婦共働きでそれぞれの給与が10万円前後の家庭がイメージされます。

2022年のジャカルタの最低賃金は約4万円なので、10万円というと、大企業のオフィスワーカーやある程度の業務経験がある専門職が多いでしょう。管理職や専門職の人の収入は、もっと高くなり得ます。


外資法人にしろ内資法人にしろ、インドネシアにおける法人設立のハードルは高いと言えます。

外資法人 内資法人
資本金 約1億円(厳密には100億ルピア) 約50万円程度から設立可能
外国人 採用可 採用不可(資本金50万円の会社では不可)
株主 日本本社 インドネシア人(企業)2名
設立費用 50万円〜 30万円〜
準備期間 4〜5ヶ月 2〜3ヶ月

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日本とインドネシアの物価比較(衣)

インドネシアには、自分がどの「階層」に入るのかを気にする人が多く、目に見える形で経済力を示そうとする人もたくさんいます。少しでもお金を持っている人は、できるだけ大きな家を持ち、できるだけ良い車を持ちます。当然ながら、衣服も重要です。

インドネシアのMatahari

比較のため、インドネシア最大の小売店Matahari(マタハリ)のオンラインショップで、メンズアパレル商品を見てみます。売れ筋のTシャツは10万ルピア(900円)前後、長袖シャツは25万~30万ルピア(2,250~2,700円)、ロングチノパンツは45万~55万ルピア(4,050~4,950円)でした。

日本のユニクロ

一方、日本で売上最大のアパレル企業はファーストリテイリング社。ユニクロの商品を見てみると、デザインTシャツシリーズUT(メンズ)は1,500円~1,990円。長袖シャツ2,990円、ロングチノパンツは2,990円~3,990円。チノパンはマタハリより安いですね。

なお、インドネシアでもユニクロは流行っていて、49店舗を展開しています(記事執筆時点)。同じ商品でも価格は日本の店舗のものより高く、まさしく「上位中間層」向けのブランドとなっています。

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日本とインドネシアの物価比較(食)

ケンタッキー

インドネシアで店舗数最多の外食チェーンはKFC(カーエフシー)ことケンタッキーフライドチキンで、全国に757店舗あります。

例えば、フライドチキンとライス・ドリンクのセットは44,000ルピア(約400円)、ハンバーガーとポテト・ドリンクのセットは安いもので58,000ルピア(約520円)です。

日本のケンタッキーと比較すると、フライドチキン2本の値段はインドネシアが42,000ルピア(約390円)、日本が税込490円です。

マクドナルド

ファストフードと言えばマクドナルドも人気で、インドネシア全国に200店舗以上あります。

例えばビッグマックは、インドネシアが3,7000ルピア(約330円)、日本が税込390円。マクドナルドのレギュラーメニューは統一の基準で作られているそうですから、価格比較にはぴったりですね。

すき家

さて、次は日本の外食チェーンで最も店舗数が多いすき家。牛丼並盛は税込400円。ランチセットはサラダ、たまご、みそ汁付きで税込500円です。

インドネシアで一番人気のケンタッキーと、日本で一番人気のすき家が大体同じ価格帯というわけです。

ケンタッキーやマクドナルドについて言えば、価格だけを比較すると、インドネシアの方が安いのは確かです。

ところが、時給換算で最低賃金に5倍近い差がある両国(ジャカルタ約217円、東京1,041円)の差が約2割なので、インドネシアにおいてはかなり割高だと言えます。

実際、インドネシアの下位中間層以下にとって、ケンタッキーやマクドナルドは日常的に行ける店ではありません。普段は100円、200円の食堂や屋台のご飯を食べている人たちが、特別な外出の機会に行くお店という位置づけで、日本の会社員が平日のランチにすき家を利用するのとは、ちょっと違います。


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インドネシアビジネス関連のご質問であれば何でも構いません。

日本とインドネシアの物価比較(住)

家賃

ジャカルタのマンションの家賃を調べてみると、エリアやターゲットによって様々で、100万ルピア(約9,000円)から3,000万ルピア(約27万円)以上までありました。

その中でも、300万~500万ルピア(約27,000円~45,000円)程度の部屋なら「安め」「学生にもおすすめ」と表現されているようです。

平均的な家賃は高いエリアで1,000万ルピア(約90,000円)前後、安いエリアで500万~700万ルピア(約45,000円~63,000円)といったところ。間取りや広さが様々なので単純には比較できませんが、主に単身者向けの1Kか1DKで、家具家電は一部備え付けというイメージです。

一方の日本。東京23区のマンションの平均家賃を見てみると、1Kか1DKで7円~9万円、一部の特に高いエリアが10万円以上ということです。似たような部屋なら、ジャカルタと比べて家賃が2倍でも不思議ではありません。東京はやはり高いですね。

電気とインターネット

続いて電気とインターネットを見ていきます。インドネシアでは契約ワット数によって基本の電気代が異なりますが、小規模家庭の平均料金は約23万ルピア~42万ルピア(約2,100円~3,900円)、中規模家庭で約67万ルピア(約6,000円)。ジャカルタの中心部近くに住む「上位中間層」なら「中規模家庭」向けの契約になっている家庭が多いでしょう。

家庭用インターネット回線は30万ルピア(約2,700円)前後が相場となっています。

東京都の平均電気代は世帯あたり7,892円。インターネットは光回線で5,000円前後が相場ということです。インターネットは日本の方がかなり高く見えますが、品質が全然違うので、「インドネシアはインターネットが安い」とは言い切れません。

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インドネシアに法人を設立する場合、外資であれば資本金の問題(約1億円)、内資であれば株主の問題(株式を所有できない)に悩まされます。インドネシアに進出している企業がこの問題をどのように解決しているか気になりませんか。お打ち合わせを設定していただければ共有させていただきます。

まとめ

ごく一部ではありますが、日本とインドネシアの衣食住の物価を比較してみました。

インドネシアには、驚くほど安いものも確かにありますが、中間層以上の人々が消費するものを見ると、日本と変わらない、あるいはむしろより高いものすらあります。

インドネシアでビジネスをする場合、どれくらいの経済力の人をターゲットにするかを明確に決めた上で商品の質や価格を設定することが大変重要であることが、わかっていただけたのではないでしょうか。

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インドネシアの生活費はいくらくらいですか。

5年ごとに行われているインドネシアの中央統計庁の生活費調査によると、2018年、首都ジャカルタの1か月の生活費は平均1,346万ルピア(約12万円)でした。

インドネシアは物価が安いですか。

インドネシアは新興国で物価が安いイメージがあるかもしれませんが、人口の70%を占める中間所得層の暮らしをみると、ものによっては日本と同じか、より高い価格帯・料金帯のものもあります。

インドネシアの電気代はいくらくらいですか。

インドネシアでは契約ワット数によって基本の電気代が異なりますが、小規模家庭の平均料金は約23万ルピア~42万ルピア(約2,100円~3,900円)、中規模家庭で約67万ルピア(約6,000円)。ジャカルタ中心部に住む上位中間所得層なら、「中規模家庭」の料金のケースが多そうです。

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