インドネシアの平均年齢と平均寿命から見える日本との違い

公開
2022/08/03
更新
2022/08/06

世界4位の人口を有するインドネシアの平均年齢や平均寿命は、どうなっているのでしょうか。結論からお伝えすると、インドネシアの平均年齢は日本よりも約15歳ほど若く、平均寿命は女性は約15歳、男性は約20歳近く短いです。

日本で地方都市や田舎に行くと高齢化の影響もあってお年寄りを多く見かけることが多いかと思います。一方のインドネシアでは街のあちこちで若者を見かけます。

ただし、近年では急激な経済発展をもとに少しずつ状況が変わってきてもいます。インドネシアのいまを平均年齢と平均寿命から眺めていきたいと思います。

インドネシアと日本の平均年齢の違い

2019年の平均年齢を比較すると、インドネシアは32.1歳、日本は47.4歳。15歳もの開きがあります。
 
インドネシアの首都ジャカルタの街中を歩いてみると、出会うのは若者ばかりという印象を受けます。コンビニやスーパーの店員さんも、マンションやオフィスビルの清掃員さんも、ほとんどが若者。日本から初めてジャカルタを訪れると驚かれると思います。
 
このように「若い国」であるインドネシアは、現在もなお人口が増えている最中ですが、人口上昇率は鈍っています。平均年齢も少しずつ上昇しており、2050年には30歳代後半になると予想されています。それでも現在の日本に比べてまだまだ若いと言えます。

平均年齢
インドネシア32.1歳
日本47.4歳


出典1:Worldometer 「Indonesia Population
出典2:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2021)

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インドネシアと日本の平均寿命の違い

次に、平均寿命を比較してみます。インドネシアの中央統計庁の調べによると、2021年、インドネシアの平均寿命は73.5歳でした。男性は60.67歳、女性は73.55歳です。国別ランキングでは例年110位~120位ほどと先進各国には及びませんが、ご覧のグラフの通り、毎年着実に延びてきています。

インドネシアと日本の平均寿命

出典1:Databoks「Harapan Hidup Penduduk Indonesia Meningkat, Rerata Mencapai Usia Ini

出典2:BPS「Angka Harapan Hidup (AHH) Menurut Provinsi dan Jenis Kelamin (Tahun), 2019-2021

一方の日本。厚生労働省が発表した「令和2年簡易生命表」によると、2020年の日本人の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳。世界一の長寿国となっています。

平均寿命(男性)平均寿命(女性)
インドネシア60.67歳73.55歳
日本81.64歳87.74歳

インドネシアの平均年齢・平均寿命が若く短い原因

インドネシアの平均年齢と平均寿命は、日本と比べて若く短いことが分かりました。以下では、平均年齢と平均寿命が若く短い原因や今後の展望を、インドネシアの現在の様子を踏まえてご説明していきます。

1. 生まれる子供が多い

インドネシアの平均年齢の若さの原因として、まず、多産であり、子供や若者が多いことが挙げられます。

出生率は2.45

人口家族計画庁の調べによると、インドネシアの2018年の合計特殊出生率は2.45。都市部であっても、3人兄弟は珍しくありません。
 
インドネシア政府は爆発的な人口の増加に危機感を持ち、1970年から「家族計画プログラム」を実施しています。このプログラムの一環として、病院や各地域の診療所での避妊薬の配布や「避妊注射」の実施、メディアや地域コミュニティーを通しての啓蒙活動などが行われてきました。
 
家族計画プログラムは50年間続いていますが、折々の社会状況から常に順調だったわけではありません。とはいえ、合計特殊出生率が1960年の5.7から2.45に下がっているところを見ると、ある程度の効果を上げていることは確かです。
 
ちなみに、日本の2021年の合計特殊出生率は1.30で、2.5前後だったのは1950年代になります。
 
出典1:
BERITA SATU「BKKBN Ungkap Dua Tantangan Turunkan Angka Kelahiran
出典2:The Conversation「Angka kelahiran di Indonesia masih tinggi, mengapa mayoritas laki-laki ogah ikut KB
出典3:内閣府「出生数の減少と出生率の低下
 

「女性は結婚・出産して当たり前」という価値観

「家族計画プログラム」が長く続いているにも関わらず、なお出生率が高い原因の一つに、初婚年齢の低さがあります。

インドネシア人の間には、「大人になったら結婚し、子どもを持って当たり前」「女性は学歴やキャリアよりも結婚」という価値観がまだ根強く残っています。地方では高卒で結婚する人も珍しくなく、都市部の高学歴層も、多くは大学卒業後2〜3年で結婚するイメージです。
 
インドネシアの中央統計庁の調べでは、2020年に結婚した女性の48.59%が19歳~24歳でした。早く結婚して早く出産する人が多ければ、当然、国民の平均年齢も若くなります。
 

インドネシアの初婚年齢

出典:
Databoks「Mayoritas Perempuan Indonesia Menikah Usia 19-24 Tahun
 
一方で、近年は結婚を先送りにする若者も増えています。
 
少し古いデータですが、35歳から39歳の女性の未婚率は、1970年にはたったの1.4%だったのに対し、2010年には3.8%に上がりました。男性は、2000年が10.02%、2010年が11.58%です。
 
若者、特に女性が結婚を遅らせるようになった理由の一つとしては、女性の高学歴化と社会進出が挙げられます。2019年に大学を卒業した女性は20年前の3倍となっており、働く女性も30%台から50%台に増えました。今後、初婚年齢や未婚率が少しずつ上がり、平均年齢にも影響を及ぼすと考えられます。
 
出典:VICE「Angka Lajang Muda Indonesia Meningkat, Ini Alasan Favorit Mereka Menunda Pernikahan
 

2. 若くして亡くなる人が多い

平均年齢が若く、平均寿命が短いのには、インドネシア人がなかなか長生きできていないことも影響しています。インドネシア人の長寿を妨げる要因には、例えば以下のようなものがあります。

病院に行かない人が多い

インドネシアには、2014年に運用が始まったBPJSと呼ばれる国民健康保険制度があります。原則強制加入の保険でありながら、2022現在の加入率は86%。制度運用開始時の約52%と比べれば改善しているものの、国民の14%が未加入であることに加え、保険料滞納などで実際は制度を利用していないノンアクティブな加入者が20%程度いることが問題視されています。
 
つまり、健康保険制度があっても、病院に行かない、または行けない人がまだいるのです。保険料を支払う余裕があったとしても、「お金を払ってまで病院に行きたいとは思わない」という病院嫌いもいます。
 
最近では、「両親・兄弟が注射を嫌がって新型コロナのワクチンを接種したがらない」という話をよく聞きましたし、通院が面倒で高血圧の治療をやめてしまったり、血糖値が高いのに自覚症状がないからと言って受診を拒んだりする人も多いようです。「よっぽどのことがない限り病院には行かない」という人が一定数いるとことは、平均寿命にも影響していることでしょう。
 
出典1:
Data Indonesia「Peserta BPJS Kesehatan Capai 229,51 Juta hingga November 2021
KOMPAS TV「Pemerintah Targetkan 98 Persen Penduduk Indonesia Terdaftar BPJS Kesehatan Per 2024!
 

日本に比べて医療が発達していない

BPJSのおかげもあり病院へアクセスしやすくなってはいるものの、医療の質は日本に比べると低いのが現状です。
 
実際に病院へ行ってみると、素人感覚でも「ちょっとおかしいのでは」というアドバイスを平気でしてくるお医者さんがいたり、日本の病院では一昔前に使われていたような機器が使われていたり。

緊急性が高いと思われる症状があっても病院や医師の都合で検査や手術がすぐに行われず、手遅れになったという事例も聞きます。まさに、国民一人一人の寿命に直結する問題です。
 
象徴的なのが、テレビで時々目にする「大物政治家が大病を患ってシンガポールの病院へ転院する」というニュース。ハード面でもソフト面でも、インドネシアの医療には頼りなさを感じる人が多いのは事実です。
 

健康に対する関心が低い

国民の知識の低さや生活習慣も、平均寿命が伸び悩む原因になっていると考えられます。まず、学校や家庭で健康について教えてもらった経験がない人が多く、多くの大人は「塩分や油分の取り過ぎは良くない」「食事は栄養バランスが大切」「歯磨きをしないと虫歯になる」といったごく基本的なことを知らないか、知っていても意識が希薄です。
 
また、インドネシアの庶民的な料理には揚げ物や味の濃い煮物が多く、さらには大きな皿にごはんを山のように盛る、飲み物に砂糖をたっぷり入れるなどの食習慣も、残念ながら平均寿命に影響しているでしょう。
 
もちろん、高い喫煙率も大問題です。インドネシアでは15歳以上の30%、男性に限れば70%以上が喫煙者と言われています。

インドネシアの喫煙率

出典1:
tempo.co「Negara dengan Persentase Perokok Terbanyak Indonesia Tertinggi
Badan Pusat Statistik「Persentase Merokok Pada Penduduk Umur ≥ 15 Tahun Menurut Provinsi (Persen), 2019-2021
 
ただ、近年はジャカルタを中心に健康志向の人も増えています。政府の啓発などの影響で健康に関する知識を持った層が育っているのも、理由の一つでしょう。加えて、経済発展に伴い、「健康のためにお金を使える人が増えた」という点も一因です。
 
ジャカルタのショッピングモールではスポーツジムが賑わっていますし、サラダやヘルシーなサンドイッチも流行っています。レスシュガーやノンシュガーの飲料も、以前に比べてよく見かけるようになりました。日本のように、多くの食品に「カロリーオフ」「糖質オフ」などの謳い文句が付くようになる日も近いかもしれません。

平均年齢・平均寿命とインドネシアのこれから

経済がほぼ発展しきり、少子高齢社会で人口が減る一方の日本に比べ、経済発展途上のインドネシアの平均年齢や平均寿命はかなり低いのが現状です。
 
でもそれは、見方を変えれば「伸びしろ」があるとも言えます。事実として、平均年齢も平均寿命も、少しずつ上がってきています。出生率もかつてのような高さではありませんし、健康保険加入者も増えています。

高級な自転車を買って熱心にサイクリングをする人や、公園に出かけてジョギングする人もたくさんいます。平均寿命に影響する項目で大きな改善が見られないのは、喫煙率くらいではないでしょうか。
 
若者が多い上に、健康な人が増えているインドネシア。将来が楽しみだと思いませんか。

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