インドネシアへの輸入で必要なSNI認証とは
- 公開
- 2024/01/12
- 更新
- 2026/04/26
- この記事は約9分59秒で読めます。
SNI認証とは、インドネシア国家標準化庁(BSN)が定める国家規格SNIに、対象製品が適合していることを確認する制度です。
すべての製品に一律で必要というわけではありませんが、製品の種類によっては義務となり、輸入や販売の前にSPPT-SNI(SNIマーク使用製品証明)の取得や、定められた表示案件への対応が求められます。
そのため、インドネシア向けに製品を輸出・輸入する際は、まず自社製品がSNI義務製品か、どの規格・どの認証機関が関係するかを確認することが重要です。
この記事では、SNI認証の基本、対象製品、取得の流れ、必要書類、実務上の注意点を整理して解説します。



インドネシアのSNI認証の概要

SNIとは何か
インドネシアには、国家標準化庁(BSN)が定める SNI(Standar Nasional Indonesia) という国家規格があります。SNIは、単なる「認証の名前」ではなく、インドネシア国内で適用される公的な規格そのものを指します。
そのため、一般に「SNI認証」という場合は、厳密には、製品やサービスなどがこのSNIに適合していることを、試験・検査・認証などを通じて確認する仕組みを意味します。インドネシアで製品を輸入・販売する場合、製品の種類などによっては、このSNIへの適合が実務上の重要ポイントになる可能性があります。
SNIの対象範囲
SNIは、製品だけを対象とする制度ではありません。法令上、標準化および適合性評価の対象には、次のようなものが含まれます。
- 物品
- サービス
- システム
- プロセス
- 人員
このように、SNIはインドネシアにおける幅広い経済活動や品質管理の基盤となる制度です。実務上は輸入品や工業製品に関するSNIが注目されやすいものの、制度そのものはより広い範囲を対象として設計されています。
SNIの目的
SNI制度の目的は、単に製品の品質を確認することだけではありません。インドネシア標準化・適合性評価法では、主に次のような目的が示されています。
- 品質保証
- 生産効率の向上
- 国家競争力の向上
- 健全で透明な競争の実現
- 事業の確実性の向上
- 技術革新能力の向上
- 消費者、事業者、労働者、社会、国家の保護
- 国内外の取引における確実性、円滑性、効率性の向上
つまり、SNIは単なる品質基準ではなく、消費者保護、産業振興、取引の円滑化を支える制度として位置づけられています。インドネシアで事業展開を行う企業にとって、SNI認証を取得することは、製品の品質を保証し、製品や企業の信頼性や競争力を高めることに繋がる可能性があります。
SPPT-SNIとは
SNIに関連してよく出てくる用語が、SPPT-SNIです。
これはSertifikat Produk Penggunaan Tanda SNIの略で、日本語では「SNIマーク使用製品証明」などと説明されます。
SPPT-SNIは製品そのものに貼るものではなく、製品や包装にSNIマークを表示するための証明書です。SPPT-SNIは、SNIへの適合が確認された製品について、SNIマークを表示するための根拠となります。
- 参考:DATABASE PERATURAN「Undang-undang (UU) No. 20 Tahun 2014」
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SPPT-SNIとは何ですか?
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SPPT-SNIは、Sertifikat Produk Penggunaan Tanda SNIの略で、製品や包装にSNIマークを表示するための証明書です。製品そのものに貼るものではなく、SNIへの適合が確認された製品について、SNIマーク表示の根拠となります。
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SNI認証の取得が必要な製品
SNI認証には「任意」と「義務」がある
インドネシア市場で流通するすべての製品について、一律にSNI認証の取得が求められるわけではありません。SNIの適用は、法令上、基本的には事業者の必要に応じた任意適用となっています。そのため、SNIは需要に応じて任意に導入することができ、事業者は認定を受けた適合性評価機関(LPK)を通じて認証を申請できます。
一方で、安全、保安、健康、環境保全などの観点から必要がある場合には、大臣または非省庁政府機関の長が、法令に基づいてSNIを義務化することがあります。
そのため、SNI認証は「SNIという制度があるから必ず必要」なのではなく、当該製品やサービスについて義務SNIを定める規則があるかどうかによって決まります。義務SNIの対象となった物品、サービス、システム、またはプロセスについては、所定の証明書を取得し、必要に応じてSNIマークや適合マークを表示しなければなりません。
SNI義務対象製品・サービス
SNI認証が義務となる代表的な製品としては、以下のようなものが挙げられます(管轄省庁ごと)。全体では、2025年1月時点で321品目あります。
| 管轄省庁 | 代表的な義務SNI対象の例 |
|---|---|
| 工業省 | タイヤ、ヘルメット、飲料水、電池、自転車、スイッチ、電球、調理用パームオイル、ツナ缶、ガスコンロなど |
| エネルギー・鉱物資源省 | エアコン、冷蔵庫、扇風機、LEDランプ、MCB、スイッチ、コンセント類など |
| 農業省 | 原糖、白糖、有機肥料、土壌改良材、農業用石灰など |
| 海洋水産省 | サーディン缶・サバ缶、ツナ缶など |
| 運輸省 | 空港設備、航空保安施設など |
| 公共事業省 / 住宅・居住区域省 | 建築物の耐震、防火、電気、給排水、空調など |
| 商業省 | ゴム製品、家電、電動工具、繊維製品、寝具、文具など |
| 通信・デジタル省 | 携帯通信・放送・IPネットワーク向けの通信機器など |
| 国家暗号庁 | 情報セキュリティ管理、暗号モジュールなど |
| 地理空間情報庁 | 地理空間データ、メタデータ、データ品質など |
【補足】
エネルギー・鉱物資源省所管の製品には、SNIそのものに加え、省エネ基準など他の技術基準への適合が求められるものもあります。 また、上記は代表例であり、実際の対象範囲は各省庁の技術規則や対象製品の仕様によって異なります。
SNI認証取得が義務付けられる製品・サービスは各省庁・政府機関の技術規則によって定められ、対象範囲、除外、適合性評価の方法、表示要件などもそれぞれの規則本文で決まります。そのため、同じ製品名でも、仕様や分類、HSコード、適用される省庁規則によって扱いが異なることがあります。
また、SNI認証が必要な製品については、カテゴリーごとに担当するLPK(適合性評価機関)が異なるため、申請時には対象製品に対応したLPKを選ぶ必要があります。
実際に自社製品がSNI義務製品かどうかを確認する際は、各省庁の規制一覧で該当の規格・所管官庁を確認し、そのうえで技術規則本文や、輸入品であればHSコードベースの規制情報を確認するのが安全です。個別に確認したい方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
- 参考:
DATABASE PERATURAN「Undang-undang (UU) No. 20 Tahun 2014」「Peraturan Pemerintah (PP) Nomor 34 Tahun 2018」
Ditjen PKTN「FAQ (Frequently Asked Questions)|Sertifikasi Produk (SNI) dan Person」
JETRO「国家規格SNI、公式代理人の設定要件を追加|SNI強制品目」
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インドネシアでは、すべての商品にSNI認証が必要ですか?
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いいえ、すべての商品に一律でSNI認証が必要なわけではありません。SNIは原則として任意ですが、安全、保安、健康、環境保全などの観点から、法令に基づいて特定の製品やサービスが義務SNIの対象になることがあります。実際に必要かどうかは、製品ごとの技術規則やHSコードなどを確認する必要があります。
関連記事内に必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
SNI認証取得の流れ
以下では、主に製品についてSPPT-SNI(SNIマーク使用製品証明)を取得する場合の一般的な流れを紹介します。
- SNI規格と申請先を確認
- 認証機関へ申請
- 書類審査・スキーム確認
- 工場監査・工程審査
- サンプル採取・試験
- 評価・認証判断・SPPT-SNI発行
- SNIマーク表示
- 取得後のサーベイランス
SNI取得の進め方は製品や認証スキームによって異なりますが、全体としては、この流れで進むのが一般的です。以下、それぞれのステップのポイントを見ていきます。
1. 対象製品のSNIと申請先を確認する
まず、自社製品にどのSNIが関係するのか、またどの認証機関に申請すべきかを確認します。
SNI制度では、対象となるのは製品だけでなく、サービス、システム、プロセス、人員なども含まれますが、輸入や販売実務で問題になりやすいのは製品分野です。対象製品のSNI規格、義務化の有無、関連規則は、BSNのPesta Onlineなどで確認するのが一般的です。
申請先となるのは、製品認証であれば通常LSPro(製品認証機関)です。実際の認証手続は、BSNそのものではなく、認定・指定された認証機関に対して進めることになります。製品によって必要な認証スキームや担当機関が異なるため、申請前に対象分野に対応する機関を確認しておくことが重要です。
2. 認証機関(LSProなど)に申請する
申請先が決まったら、認証機関に申請します。認証機関によっては、オンライン申請に対応している場合もあります。この際、申請先が求める書類を添付します(後述)。
なお、SNI義務対象製品を海外で製造してインドネシアへ輸入する場合は、海外メーカー自身ではなく、インドネシア国内の公式代理人(Perwakilan Resmi)を通じて認証申請を行う仕組みが取られています。実務上は、この公式代理人が、インドネシア側の申請窓口となります。
- 参考:DATABASE PERATURAN「Peraturan Menteri Perindustrian Nomor 6 Tahun 2025」
3. 書類審査と認証スキームの確認
申請が受理されると、認証機関がまず書類審査を行います。この段階で、対象製品にどの認証スキームが適用されるか、現地監査が必要か、どのような試験が必要かなどが整理されます。
4. 工場監査・製造工程審査を受ける
書類審査の後、必要に応じて工場監査が行われます。
この監査では、製品がSNIに適合しているかだけでなく、製造工程、品質管理、品質マネジメントシステム、設備、記録管理、製品の一貫性などが確認されます。
海外工場の場合は、インドネシア側の監査チームが工場に来ることがあります。監査の実施方法、通訳の要否、監査に伴う渡航費や滞在費の負担は認証機関ごとに運用が異なるため、事前確認が必要です。
5. サンプル採取と試験を行う
工場監査と並行して、またはその一環として、製品によっては、工場、倉庫、出荷港などからサンプルを採取することもあります。
採取したサンプルの試験は、対象SNIで求められる項目に基づいて行われます。食品系製品では安全性や製造衛生、工業製品では性能や安全性、電気製品では安全要件など、確認項目は品目ごとに異なります。
6. 評価・認証判断を経てSPPT-SNIが発行される
書類審査、工場監査、サンプル試験などの結果をもとに、認証機関が製品の適合性を総合的に評価します。適合と見なされ、SPPT-SNIが発行されると、SNIマークを表示できるようになります。
7. SNIマークを表示する
SPPT-SNIを取得した後は、定められたルールに従ってSNIマークを製品や包装、ラベル等に表示します。
SNIマークの表示はBSNの定める手続に従って行うものであり、証明書が出たから自由に貼ってよいというものではありません。製品に表示しにくい場合には、包装やラベルでの表示が認められるケースもありますが、最終的には製品ごとのルールや認証機関の指示を確認する必要があります。
SNI認証取得に必要な期間
SNI認証取得に必要な期間は、製品分野、認証スキーム、書類の準備状況、試験の所要日数によって異なり、一律には規定されていません。監査だけを見ても、「最低1人日」から「最低10人日」を超えるものまであります。申請からSPPT-SNI発行までの全体期間は、書類審査や試験、評価の進み具合によって変動します。
8. 取得後もサーベイランスがある
SNI取得は、一度証明書を取って終わりではありません。認証後も「サーベイランス」が行われ、不適合が見つかった場合には、停止、縮小、凍結、取消しなどの措置がありえます。つまり、取得後も継続的に製品の適合性や品質管理を維持する必要があります。
SNIについて、概要を把握できましたか。制度面に加えて現地の流通状況や販売環境を確認したい方は、ぜひ弊社のインドネシア現地視察支援サービスをご利用ください。詳細はこちらから。
- 参考:
DATABASE PERATURAN「Peraturan Pemerintah (PP) Nomor 34 Tahun 2018」
LSPro RPN CCQC「Skema Sertifikasi Gula Kristal Rafinasi」「Skema Sertifikasi Kopi」
SNI認証取得の必要書類
SNI認証の申請時には、一般に次のような書類が求められます。
- 会社設立証書
- IUI / SIUPなどの事業許可書類、NIB
- 商標登録証、または商標使用に関する契約書類
- NPWP(納税者番号)
- 組織図
- API(輸入品の場合)
- 文書管理台帳
- SNIマーク表示例
- ISO 9001、ISO 22000、HACCPなどの関連証明書(該当する場合)
- 主要設備一覧
- 試験設備一覧
- 生産工程フローと品質管理一覧
- 包装デザインや製品ラベルの情報
- 試作品の試験結果
- 提出書類が原本と一致する旨の宣誓書
- 生産工程の標準作業手順書(SOP)
- 品質システムに関する文書
どの書類が必要かは製品や機関によって変わります。そのため、必要書類は一律の固定リストと考えず、申請先(LSProなど)に最新のチェックリストを確認するのが現実的です。
- 参考:LSPro RPN CCQC「Skema Sertifikasi Gula Kristal Rafinasi」

SNI認証に関する注意点
SNI認証は、所定の手続に従って取得し、認証の範囲内で適切に運用していれば、通常は大きな問題になるものではありません。
ただし、取得後の管理や表示方法に誤りがあると、通関や流通の場面で思わぬ支障が出ることがあります。特に、認証の有効性やSNIマークの表示方法は、実務上トラブルになりやすいポイントです。SNI認証は、取得して終わりではなく、その後も正しく維持・運用していくことが大切です。
そこでここでは、SNI認証取得後に注意しておきたいポイントを紹介します。
有効期限を確認する
SNI認証の有効期間は、製品や認証スキームによって異なります。
実際には、一定期間(一般的には3~5年程度)有効なSPPT-SNIが発行されるケースもあれば、ロット単位・バッチ単位で評価されるスキームが用いられることもあります。そのため、「SNI認証はすべて一律で何年間有効」と考えるのではなく、自社製品がどの認証スキームで認証されているかを確認することが重要です。
また、前述の通り、SNI認証は「一度取得すればそのままずっと使えるわけではない」ことも重要です。取得後もサーベイランスや継続確認が行われ、必要な条件を満たしていない場合には、認証の凍結や取消しもあり得ます。そのため、期限切れだけでなく、現在も認証が有効な状態にあるかを継続的に確認しておくことが大切です。
ラベルを貼る場所を確認する
SNI認証を取得した後は、認証の内容に応じて、製品や包装、ラベルなどにSNIマークを表示します。すでに紹介したとおり、この表示は自由に行えるものではなく、SPPT-SNIに基づいて、定められた方法で表示することが前提です。
ここで注意したいのは、認証対象ではない製品にSNIマークを付けたり、認証された仕様とは異なる製品や別の包装形態にそのまま表示したりすると、誤表示とみなされる可能性があることです。
製品によっては、表示場所や表示方法が実務上重要になるため、単に「マークを付ければよい」とは考えない方が安全です。認証に関する表示や文書の使い方についても、認証機関のルールに従う必要があります。
そのため、SNIマークの表示場所や表示方法については、自己判断で進めるのではなく、取得した認証の範囲、対象製品、包装形態に照らして、事前に認証機関や関連規則を確認しておくのが安心です。特に輸入品では、通関前にラベルや包装表示に問題がないかを確認しておくことで、余計な手戻りを防ぎやすくなります。
インドネシアへの輸入を検討中の方へ
SNI認証の取得は任意とされていますが、製品によってはSNI認証の取得が必須のものもあります。そのため、まずは自社の製品はSNI認証の取得が必須なのかどうかを調べることから始める必要があります。
SNI認証申請から取得までには、たくさんの書類を集めたり、現場監査を受け入れたりするため、それなりの日数がかかることを想定しておくことも重要です。時間に余裕をもって準備できるようにしましょう。
なお、インドネシアで製品を売る場合、カテゴリーによって取得しなければならない認証がほかにもあります。概要の把握から個別具体的な内容まで、ぜひお気軽に、弊社にお尋ねください。
なんでもご相談ください!
法人設立
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ビザ申請
















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SNI認証とは何ですか?
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SNIとはインドネシアの国家規格のことで、インドネシアで製品を販売する際、その製品が規格に適合していることを証明するものです。
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SNI認証の取得が必要な製品を教えてください。
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SNI認証の取得が必要な製品は、人間や動物、植物の衛生、安全性、国家安全保障、環境保護に関わる製品です。例として、タイヤ、ボトル入り飲料水、ヘルメット、安全靴、電池、自転車、スイッチなどが挙げられます。
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SNI認証に関して何か注意点はありますか?
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SNI認証の有効期間は一般的に3~4年間とされているため、有効期限が切れていないか確認する必要があります。また、製品によっては、ラベルを貼る場所が明確に指定されていることがあるため、指定通りに貼れているかよく確認することが大切です。
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