インドネシアの輸入ライセンスの種類(API-U / API-P)

公開
2023/02/20
更新
2026/06/21
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インドネシアで商品を輸入するためのライセンスとして、「API」や「NIB」という名前が登場します。ただし現行の制度では、この2つはまったくの別物ではありません。NIB(事業基本番号)がAPI(輸入ライセンス)として機能するためです。

輸入事業を行う企業は、法人設立後のNIB(事業基本番号)取得プロセスのなかで、そのNIBが輸入者としての機能も持つ(輸入ライセンス「API」として機能する)ように手続きします。そうすることで、NIBがAPIとしての役割を果たせるようになるのです。

この記事では、インドネシアの輸入ライセンスについて、NIBとAPIの関係、APIの種類、APIだけでは足りないケースなどを整理していきます。

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インドネシアの輸入ライセンスNIB・APIとは何か

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NIBとは

NIB(Nomor Induk Berusaha)は、インドネシアで事業を行う事業者に付与される事業基本番号です。オンラインシステム「OSS」を通じて取得するもので、事業者の公式な識別番号として機能します。現在の制度では、NIBは事業許認可の出発点となる重要な番号であり、輸出入を行う場合には税関手続とも関わる基礎情報として扱われます。

APIとは

API(Angka Pengenal Importir:輸入業者認識番号)は、輸入者を識別するための番号で、インドネシアで輸入を行う事業者にとって、輸入ライセンスの役割を果たします。

現行制度では、基本区分としてAPI-UとAPI-Pがあり、商流に乗せて販売するための輸入か、自社で使用するための輸入かによって整理されます。具体的な種類や違いについては後述します。

ポイントは、APIを「NIBとは別に完全に独立した番号」と考えるよりも、輸入者としての機能を持つ番号として理解することです。この記事では便宜上「輸入ライセンス」と表現していますが、実際はNIBの機能の一つであり、独立した手続きが必要なものではありません。

NIBとAPIの関係

現在の制度では、輸入者はAPIとして有効なNIBを保有していることが原則です。つまり、輸入を行う事業者にとっては、NIBを取得したうえで、そのNIBがAPIとして機能する状態にしておく必要があります。また、税関実務の面でも、NIBは輸入者にとって重要です。

したがって、インドネシアで輸入を始める際は、単に会社を設立するだけでなく、OSS上のNIB設定や税関関連データまで含めて整えておくことが重要です。なお、実際の輸入では、ものによって追加の許認可や承認が必要になる場合があります(後述)。

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APIの種類(API-U / API-P)

API-U(一般API)API-P(生産者API)
主な目的【販売向け】
輸入した物品を販売・譲渡するため
【自社使用向け】
輸入した物品を自社で使用するため
主な対象輸入販売を行う事業者製造業者など、自社使用目的で輸入する事業者
対象となる物品の例販売用の商品資本財、原材料、補助材、生産工程を支える材料
輸入後の扱い販売・譲渡を前提とする自由な販売・譲渡は前提ではない

インドネシアで事業として輸入を行う場合、輸入者はAPIとして有効なNIBを保有する必要があります。

現行規則では、その区分はAPI-UとAPI-Pの2種類です。輸入者は、自社のNIBがこのいずれかとして機能する形で輸入を行います。なお、規則上は、輸入者は「API-Uとして有効なNIB」または「API-Pとして有効なNIB」のいずれかを選択する建て付けになっており、同じNIBを同時に両方のAPIとして用いることはできません。

【補足】
輸入事業者は、自ら輸入する物品について法令遵守や必要書類の整備を含めた責任を負います。違反があった場合には、輸入に関する許可の停止や取消しなどの行政制裁の対象となることがあります。

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API-U(一般API)

API-Uは、輸入した物品を販売または譲渡する目的で輸入する事業者向けの区分です。輸入品を一般に流通させたり、特定の事業者に販売・譲渡したりするケースが想定されます。

API-P(生産者API)

これに対し、API-Pは、輸入した物品を自社で使用するための区分であり、資本財、原材料、補助材、または生産工程を支える材料を自社で使用する事業者が対象です。

また、API-Pでの輸入、販売や譲渡を前提としたものではありません。制度上も、API-Pに基づいて輸入した物品については、自由に取引や譲渡をすることはできないとされています。そのため、販売目的の輸入なのか、自社使用目的の輸入なのかを、あらかじめ整理しておくことが重要です。

自社がAPI-UとAPI-Pのどちらを取得すべきか判断に迷う場合は、こちらから個別にご相談いただけます。

【補足】
現行規則では、API-Uとして有効なNIBをAPI-Pとして有効なNIBへ変更する仕組みも設けられています。一方で、API-PからAPI-Uへの変更は、少なくとも同じような仕組みとしては規定されていません。

輸入業者認定番号(API)なしで輸入できるもの

APIとして有効なNIBがなくても輸入できるもの(輸入自由品)としては、非事業用の物品が挙げられます。これに含まれるものとしては、

  • プロモーション用物品
  • 研究開発用物品
  • 送付物
  • 災害支援や宗教・社会・文化目的の寄付品
  • 政府予算による医薬品・医療機器
  • 販売しないサンプル

などがあります。

ただし、ここでいう「API不要」は、何でも自由に送れるという意味ではありません。

2025年商業大臣規則第16号は、こうした輸入が事業活動のためではないことを前提にしています。したがって、一般的な「送付物」に見えても、継続的な販売目的で送られる物品は、輸入自由品には含まれません。

また、輸入自由品であっても、税関申告や検査の対象外になるわけではありません。そのため、「クーリエや郵便を使えば規制品でも輸入できる」といった理解は適切ではありません。輸入規制や他省庁の許認可が必要な物品については、送付物であっても別途確認が必要です。

インドネシアにはAPIなしで商品を送れますか?

非事業用で「API不要」とされる範囲であれば可能です。たとえば、送付物、研究開発用物品、販売しないサンプルなどは、APIとして有効なNIBがなくても輸入できる場合があります。ただし、継続的な販売目的の発送まで広く認められるわけではなく、税関申告や検査も必要です。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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APIだけでは足りないケース

APIとして有効なNIBを保有していても、すべての物品を自由に輸入できるわけではありません。商業大臣規則によると、物品は輸入自由品、輸入制限品、輸入禁止品に分けられており、輸入制限品に該当する物品には追加の条件が課されることがあります。

例えば、携帯電話、飲食料品、化粧品、衣料品、靴、玩具などは、個別規制の対象となるカテゴリーの代表例です。

追加条件の内容はカテゴリーごとに異なり、輸入港の指定、ラベル表示、特別登録などが求められる場合があります。また、ものによっては、登録輸入業者(IT)、製造輸入業者(IP)、輸入承認(PI)といった追加の輸入許可が必要になることもあります。

そのため輸入業者は、輸入品がどの規制の対象かを個別に確認することが重要です。

APIがあれば、インドネシアに商品を輸入できますか?

APIとして有効なNIBは輸入の基本ですが、それだけですべての商品を輸入できるわけではありません。商品が輸入制限品に該当する場合は、ラベル表示、港の指定、その他追加の登録・承認が必要にあることがあります。

カジュアルに進出を試した小売企業様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ドラッグストアやショッピングモールでの市場調査、競合商品の価格調査、現地消費者へのインタビューを実施。市場性を確認した上で、正式なインドネシア進出を決定した。(化粧品企業様)
  • 営業経験のあるインドネシア人を2名チームで雇用し、スポーツジムや病院、リハビリ施設などへの営業活動を実施。販売代理店候補の開拓や市場ニーズを調査し、調査後に販売体制を構築した。(健康器具メーカー様)
  • EC運営経験のあるインドネシア人チームを雇用し、現地ECモールへの出品やSNSを活用したテストマーケティングを実施。売れ筋商品やターゲット層を分析し、本格的な販売開始につなげた。(総合雑貨メーカー様)

インドネシアの国内流通の基本構造

APIを持つ輸入業者のほかにも、日本からインドネシアへの輸入・流通に関わる事業者がいます。主なプレーヤーを簡単に整理しておきましょう。

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国内流通に関わる3つの業者

日本からインドネシアへ物品を輸入し、流通させるために関わる事業者には、主に以下の3つがあります。

  • 輸入を行う事業者
  • 卸売事業者(ディストリビューターなど)
  • 小売事業者

役割としては上記の3つなのですが、一般的には卸売事業者または小売事業者が輸入事業を行う仕組みになっているというのがポイントです。

1つの企業が卸売業と小売業の両方を行うことはできず、小売店に商品を流通させるには、原則、ディストリビューターなどの流通事業者を介する形が基本になります。これに対し、自社で小売を行うためのKBLIや関連許認可を備えたうえで輸入を行う場合は、自社の販売網で取り扱える余地があります。

日本企業がインドネシアで輸入販売を行う方法としては、自社の現地法人を通じて輸入と販売を行う方法のほか、現地のディストリビューターや小売事業者と提携する方法があります。どの方法がとれるかは、現地法人の有無、事業内容、取扱商品、外資規制の有無などにより決まります。

特にカテゴリーによっては、小売分野に追加規制や外資出資制限がかかる場合があるため、自社販売が難しく、現地企業との提携が必要になることもあります。

また、現地に輸入主体となる法人や拠点がない企業が自社製品を輸出したい場合は、インドネシア側の輸入事業者や流通事業者を通じて販売する形になるのが一般的です。

インドネシアでの販売体制や現地パートナーを探したい方は、こちらの販路拡大支援サービスをご覧ください。

卸売業者(ディストリビューターなど)の指名

国内流通では、輸入を行う事業者、卸売・流通を担う事業者、小売事業者の役割が分かれており、輸入者側に流通機能がない場合は、ディストリビューターやエージェントなどの卸売事業者を介して小売へ供給する形が一般的です。

特に輸入品をインドネシア国内で販売する場合は、国外の製造業者の商品を誰がどのように流通させるかという点が重要になります。一方で、原材料や資本財などを製造事業者が別の製造事業者に供給する場合には、卸売事業者が必要とは限りません。

インドネシアで輸入を行うには、まず何が必要ですか?

会社としてNIB(事業基本番号)を取得し、そのNIBがAPIとして機能する状態にしておくことが基本です。APIには大きく2種類あり、輸入が販売目的ならAPI-U、自社使用目的ならAPI-Pを選択します。輸入品のカテゴリーによっては、さらに追加の輸入許可が必要になる場合もあります。

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【補足】インドネシアの自由貿易地域

インドネシアでは4つの地域がKPBPB(自由貿易地域)に指定されています。なかでもバタム、ビンタン、カリムンは、シンガポールに近い代表的なKPBPBです。

これらの地域では、輸入関税、付加価値税、奢侈品販売税、物品税について一定の優遇があり、通常の関税地域とは異なる制度が適用されます。

また、物品の搬入・搬出には、自由貿易地域向けの税関申告書類である「PPFTZ-01」を用いた電子申告が必要です。もっとも、これは手続が不要になるという意味ではなく、あくまで自由貿易地域向けの特別な通関制度が設けられていると理解するとよいでしょう。

まずは「NIBが出発点」と押さえる

インドネシアの輸入制度を理解するうえで、まず押さえたいのは「輸入ライセンスを単独で考えない」ことです。

実務では、事業者として取得するNIBが土台にあり、そのうえで販売目的ならAPI-U、自社使用目的ならAPI-Pという形で整理していきます。また、ものによっては、NIBやAPIを整えただけでは足りず、追加の登録や承認が必要になることもあります。

つまり、インドネシアの輸入実務で大切なのは、「APIがあるか」だけを見るのではなく、自社の事業内容、輸入目的、カテゴリーごとの規制をセットで確認することです。NIBは税関登録の基礎データとも連動するため、輸入準備ではOSS上の登録内容をしっかりと整えておくことも重要です。

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