インドネシア人男性向けマーケティング基礎情報(就業率、収入、生活費、消費の傾向など)

公開
2023/06/09
更新
2023/12/24
この記事は約8分40秒で読めます。

インドネシアでは、男性の方が労働参加率や賃金水準が高いのが特徴です。女性の地位は着実に上がっているものの、ジェンダーギャップ指数の総合スコアは0.697点で世界92位。男女間の格差はまだまだあり、これを解消していくことが課題になっています。

本記事では、そんなインドネシアにおける男性に焦点を当てたデータをまとめました。就業率や収入、生活費、消費の傾向、男女で異なるお金の使い方など、インドネシア人男性の現況がわかる内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

※価格の円表記は2023年5月30日のレート(1ルピア=0.0094円)で換算しています。

参考:男女共同参画局「世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2022」を公表」

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インドネシア人男性の現況

はじめに、インドネシア人男性の就学率と就業率、平均収入を見ていきます。

就学率

インドネシア人の高等教育機関への進学率は、2022年時点で男性が25.6%、女性が29.7%でした。大学進学率が男女ともに50%を超える日本と比べると低く、またインドネシア人男性の大学進学率は女性よりも低いことも特徴です。

小学校・中学校・高校を見ても女性と比べて男性の就学率は低く、また2022年の調査では、すべての教育課程において男性の方が中退率も高いという結果が出ています。

参考1:男女共同参画局「教育をめぐる状況」
参考2:BADAN PUSAT STATISTIK「Statistik Pendidikan 2022|P.109 Tabel 3.3 Angka Partisipasi Sekolah (APS), 2022」
参考3:BADAN PUSAT STATISTIK「Statistik Pendidikan 2022|P.188 Gambar 5.6 Angka Putus Sekolah Menurut Jenjang Pendidikan dan Karakteristik,」

労働参加率

インドネシア人男性の2022年の労働参加率(※)は80.6%でした。直近では2020年のみ80%をわずかに下回りましたが、データによるとこの30年ほどは81~84%を維持しています。

男性の労働参加率が安定しているのに対して、女性は2005年から右肩上がりになっているのが特徴です。女性の労働参加率が男性と比べて低いのは、出産を機に離職する人が多い影響もありますが、家父長制が残っており、「仕事は男性がするもの」という考え方が根付いていることも関係しています。

参考までに、日本の2020年の労働参加率は男性が71.4%で女性が53.2%。インドネシアと同様に、日本でもまだ男女で大きな差があります。

労働参加率とは、生産年齢人口(15歳~64歳の人口)のうち、実際に働いている人、働く意思を表明している人の割合

参考1:the Global Economy.com「Indonesia: Male labor force participation」
参考2:厚生労働省「令和2年版働く女性の実情|P1. 第1節 概況」

平均収入

インドネシア中央統計局によると、インドネシアの2022年の男女賃金格差は22.1%でした。2021年は20.4%だったため、1.7%増加したことになります。

インドネシア人男性の平均賃金が333万ルピア(3万1,160円)であるのに対して、女性は259万ルピア(2万4,240円)。インドネシアは女性の方が高等学校進学率が高く、さらに最近は手に職をつけて働く専門職の女性が増えているものの、労働市場においては男性が優位だと言えます。

なお、教育課程で見ると、大学など高等教育機関を卒業した労働者の男女賃金格差が最も低く、小学校卒業までの労働者の男女賃金格差が最も高いのが特徴。学歴があるほど男女の賃金格差は少なく、男女対等な立場で労働市場に参加しやすいことがうかがえます。

参考:DataIndonesia.id「Kesenjangan Upah Gender di Indonesia Meningkat pada 2022」

インドネシア人男性の生活費と消費の傾向

インドネシア人男性が一体何にどのくらいのお金を使っているのか、生活費と消費の傾向をまとめました。

なお、これから紹介する各種費用は、金融サービス企業DanamasのWebメディアLancarによるジャカルタ在住者の支出額シミュレーションをもとにしています。

参考:Lancar「Rincian Biaya Hidup di Jakarta untuk karyawan」

家賃(光熱費含む)

インドネシアには「コス」というアパートメントや寮のような住居があり、学生から社会人まで幅広い層に利用されています。

ジャカルタのコスの家賃は1か月150万ルピア(約1万4,040円)で、家具家電のないワンルームの場合は40万~80万ルピア(3,740円~7,490円)ほど。家具家電完備で部屋も広く、自室に専用のトイレやキッチンが備わったコスの場合は700万ルピア(6万5,500円)を超えることもあります。

収入にもよりますが、ジャカルタに住むインドネシア人男性の多くは安くて数千円、高くて6~7万円の家賃を支払っていると考えて良いでしょう。ジャカルタのような大都市ではなく、地方に住む男性の場合は1か月の家賃が1万円以下に収まることも珍しくありません。

ちなみに不動産売買の情報を掲載するWebメディアのRumah.comによると、家の購入に関しては女性よりも男性の方が積極的とのこと。持ち家に対する価値観には、男女で違いがありそうです。

参考:Rumah.com「Ini Perbedaan Laki-Laki Dan Perempuan Ketika Membeli Rumah」

食費

インドネシアの中でも物価の高いジャカルタに住む場合、1か月の食費は180万ルピア(1万円6,840円)が目安です。家賃が比較的安いコスに住んでいるインドネシア人男性の場合は、食費が家賃を上回ることもあるでしょう。

食費がどのくらいかかるのかは、住んでいるエリアのほか、ライフスタイルが大きく影響します。例えば普段から自炊をする人や安価な屋台を利用する人は、食費を1万5,000円以下に安く抑えている可能性もあります。

また、コロナ禍で自炊をする人が増え、外食をする人は減ったというデータもあります。インドネシア人男性の中でも、毎食レストランで外食できる給与があるか、自炊する時間的な余裕があるかなどによって、生活費に占める食費の割合は大きく変わりそうです。

参考:databoks「Masyarakat Lebih Sering Memasak di Rumah sejak Pandemi Covid-19」

通信費

ジャカルタに住むインドネシア人の通信費は、Wi-Fi代を含まない場合、17万ルピア(1,590円)です。ちなみに、インドネシアでは男女でスマートフォンの使用率に大きな差はなく、データ調査機関のGoodstasによると2022年の使用率は男性が67.4%で女性が65.1%でした。

インドネシア人の通信費について考えるのであれば、男女ではなく地域や年齢で比較すると分かりやすいです。上記の1,590円という金額はジャカルタに住む人々を参考にしていますが、農村部にはそもそもインターネット自体利用していない人も多くいます。

インドネシア中央統計局によると、とある3か月間のうちにインターネットを使用した割合が、都市部の若者が96.7%である一方、農村部は91.6%でした。

どのくらいインターネットを利用しているか、1か月あたりの通信費がどのくらいなのかは、地域や年齢、所得などの複合的な影響によるところが大きいと言えます。

参考1:Goodstats「Mengulik Perkembangan Penggunaan Smartphone di Indonesia」
参考2:BADAN PUSAT STATISTIC「Statistik Pemuda Indonesia 2020|P63. Gambar 3.8 Persentase Kepemilikan dan Penggunaan Telepon Seluler (HP)/Nirkabel Selama 3 Bulan terakhir pada Pemuda Menurut Tipe Daerah, Jenis Kelamin, dan Kelompok Umur, 2020」

衣類代

2021年12月に実施したPopulixの調査によると、インドネシア人男性がファッションにかける1か月の費用は25万 ~40万ルピア(2,340~3,470円)が39%で最多でした。25万ルピア(2,340円)未満が20%、100万ルピア(9,360円)以上が19%、75万~100万ルピア(7,020~9,360円)が16%となっています。

ファッションにお金をかけるのは女性というイメージがあるかもしれませんが、同調査では男性の方がファッション関連の予算が高いのが特徴です。1か月に9,360円かける女性はわずか12%で、男性とは7ポイントの差があります。

なお、同調査はジャカルタやスラバヤ、メダン、バンドン、スマランなどの大都市に住む18~55歳を対象としています。都市部より所得の低い農村部の場合は、上記の結果よりも金額が下がる可能性がある点に留意してください。

その他の費用

下記は、そのほかの費用の目安です。

・交通費(MRT(ジャカルタ都市高速鉄道)の場合):60万ルピア(5,600円)
・BPJS(健康保険料):18万ルピア(1,680円) ※保険料は職業などにより異なる
・家庭用品:20万ルピア(1,870円)
・外食費:20万ルピア(1,870円)
・交際費:40万ルピア(3,740円)

上記はあくまでジャカルタで生活した場合を想定しているため、インドネシア人男性全体の平均と比べると高めに算出されています。また、自宅から会社までどの交通機関を利用するのか、日常的に自炊をするのかなど、それぞれのライフスタイルによっても費用は変動します。

株式投資への興味が強いインドネシア人男性

インドネシア人男性と女性では、お金の使い方にいくつか異なる特徴が見られます。例えばインドネシア人男性は、女性と比べて株式投資をしている人が多いのが特徴です。

Katadata Insight Centerの調査によると、調査対象となった金融・銀行商品を利用する男性のうち、株式投資をしている男性は25.6%。それに対して女性は16.8%にとどまり、約8~9ポイントの差があります。

また、PT Kustodian Sentral Efek Indonesiaの2022年3月までの調査では、インドネシアの投資家の62.9%が男性だという報告もあり、女性と比べて男性の方が投資への意欲・関心が高いことがうかがえます。

参考:databoks「Investasi Saham Lebih Banyak Dilakukan Laki-laki Ketimbang Perempuan」

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オンラインショッピングを利用する男性の割合は減少

コロナ禍以降、世界各国でオンラインショッピングへの注目が集まっていますが、その中でもインドネシアは男女間で利用率に差があるのが特徴です。

I-Priceの調査によると、オンラインショッピングの利用率が上がったのは女性とのこと。利用率は2019年が46%、2020年が51%、2021年が53%と着実に伸びています。

一方、男性のオンラインショッピング利用率は下がっており、2019年は54%、2020年は49%、2021年は47%でした。また、オンラインショッピングに費やす時間も男性より女性の方が長いことが報告されています。

参考:databoks「Tren Belanja Online di Kalangan Perempuan Naik Sejak Pandemi, Bagaimana Laki-laki?」

オンラインショッピングの取引金額は男性の方が高い

年間に購入する商品数の平均は、男性が42商品で女性が45商品。男女ともに年間の平均取引回数は11回で、女性の方が一回で多くの商品を購入する傾向にあります。

ただ、平均取引額に関しては男性の方が女性よりも高いという結果が出ています。2022年の1回あたりの取引で使う金額は男性が約32万ルピア(3,000円)で、女性が約29万ルピア(2,710円)でした。また、男性は2020年の1回あたり平均取引額が約30万ルピア(2,780円)で、1年で約200~300円上がっています。

女性はオンラインショッピングで食品やアクセサリーにお金を使う傾向にありますが、男性は商品引換券やプルサと呼ばれるインターネットの通信にお金をを使う傾向があるという調査結果もあります。男性と女性ではオンラインショッピングで購入したい商品が異なるため、このような結果が出ているのかもしれません。

参考1:databoks「Pria Habiskan Uang Lebih Banyak Saat Belanja Online Ketimbang Perempuan」
参考2:Dream co.id「Pria di Indonesia Lebih Suka Belanja Online Dibanding Wanita, Produk Apa yang Paling Banyak Dibeli?」

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インドネシアでは女性の社会進出が進んでいるとはいえ、男性の方が収入や社会的立場が高い傾向にあります。収入が高ければ、物やサービスにかける金額も高くなるもの。インドネシアでビジネスを行うのであれば、インドネシア人男性にどのようなニーズがあるのかを知ることが重要です。

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インドネシアの男性の労働参加率はどのくらいですか?

インドネシア人男性の2022年の労働参加率は80.6%でした。労働参加率とは、生産年齢人口(15歳~64歳の人口)のうち、実際に働いている人、働く意思を表明している人の割合を指します。

インドネシアの男性の収入はどのくらいですか?

2022年のインドネシア人男性の平均賃金が333万ルピア(3万1,160円)でした。

インドネシアの男性と女性で消費の傾向に違いはありますか?

インドネシア人男性は女性よりも投資にお金を使う傾向にあります。また、オンラインショッピングを利用する割合は減少していますが、平均取引額は上昇しているといった傾向もあります。

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