インドネシアで人気の日本の化粧品メーカーと代表的な製品

公開
2023/05/30
更新
2024/02/21
この記事は約7分25秒で読めます。

インドネシアに進出している日本の化粧品(スキンケア製品・メイクアップ製品)メーカーと販売している商品について紹介します。高級メイクアップブランドから、数百円の価格帯の製品で人気のメーカーまで9社を取り上げます。

本記事では、インドネシアに会社を設立している、あるいはインドネシア向けに独立したWebサイトやSNSアカウント、公式オンラインストアを持っているメーカーを「インドネシア進出メーカー」として掲載しています。

商品の価格は、公式オンラインストア(Webサイト、ECプラットフォームを含む)を参照しています。

化粧品の価格の円表記は、2023年5月20日時点のレート(ルピア円=1ルピア0.0092円)で換算したものを記載

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インドネシアで人気の日本の化粧品メーカー

各メーカーの人気のブランド、製品の価格はどれくらいなのか、どんなコンセプトを掲げているかなどに、ご注目ください。

1.PT Shiseido Cosmetics Indonesia

PT Shiseido Cosmetics Indonesia
画像出典:Sociolla「Shiseido」

代表的なブランド

Shiseido、Anessa、Senka

代表的な製品の価格(Shiseido)

  • リキッドファンデーション・ティントファンデーション518,000ルピア~750,000ルピア(4,770円~6,900円)
  • 口紅170,000ルピア~378,000ルピア(1,560円~3,480円)

特徴

資生堂のインドネシア向けInstagramアカウントは資生堂のオフィシャルグローバルアカウントに統合されています。商品ラインナップは公式Webサイトで確認できますが、公式オンラインストアはShopee、Lazada、SociollaなどのECプラットフォームに開設されています。オフラインでは、高価格の製品を揃える大手コスメショップやデパートで販売されています。

Shiseidoブランドの化粧品は高級品で、ミレニアル世代から上の世代で、都市部で働く女性を中心に支持されています。一方、Senkaの洗顔料は数百円で購入ができ、より幅広い層に受け入れられています。

2.Kanebo Cosmetics Indonesia

Kanebo Cosmetics Indonesia
画像出典:Tokopedia「Kanebo Cosmetics」

代表的なブランド

Kanebo

代表的な製品の価格

  • パウダーファンデーション550,000ルピア~610,000ルピア(5,060円~5,610円)
  • 口紅465,000ルピア(4,280円)

特徴

インドネシアではShiseidoと並ぶ「日本の高級化粧品ブランド」として、Kaneboは知られています。

カネボウはインドネシアにおいては公式Webサイトを持たず、ECプラットフォームに公式オンラインストアを開設しています。ユニークなポイントとして、オンライン美容コンサルティングやWebカメラを用いた肌診断サービスを実施している点が挙げられます。

また、ジャカルタ、バンドゥン、スラバヤなどの都市部のデパートにオフラインストアを開設しています。製品パッケージは黒または白一色のシンプルさが特徴です。

3.SK-II Indonesia(P&G)

画像出典:SK-II Indonesia Facebook @skii.indonesia 

代表的なブランド

SK-II

代表的な製品の価格

  • 化粧水(Facial Treatment Essence 75ml)1,280,000ルピア(11,780円)
  • 保湿クリーム(SKINPOWER Cream 80g)2,760,000ルピア(25,390円)

特徴

SK-ⅡはP&G傘下の日本の化粧品ブランドです。インドネシアでも日本とほぼ同じ製品を約30種類販売しています。

公式Webサイトと複数のSNSアカウントを運営。Youtubeでは、日本のCMにインドネシア語ナレーションを付けたものが公開されています。オンラインでは化粧品・香水の専門ECプラットフォームSephora、オフラインでは百貨店などで販売されています。

4.L’Oreal Japan

L’Oreal Japan(shu uemura)
画像出典:shu uemura Facebook @shuuemuraindonesia

代表的なブランド

shu uemura

代表的な製品の価格

  • パウダーファンデーション1,120,000ルピア(10,300円)
  • 口紅475,000ルピア~960,000ルピア(4,370円~8,830円)

特徴

日本生まれのブランドでフランスのロレアルグループに入っているシユウ・ウエムラは、インドネシアでは東京のブランドとして紹介されています。

同ブランドの製品は、ジャカルタの複数のショッピングモール、デパートの実店舗で販売されています。オンラインでは美容とファッション専門のECプラットフォームZaloraや、フランスの美容プラットフォームSephoraのインドネシア版で販売されています。インドネシア向け公式Webサイトはなく、FacebookやTwitterなどの運用も停止しています。

5.PT Indonesia Kose(KOSÉ Indonesia)

KOSÉ Indonesia雪肌精
画像出典:KOSÉ Indonesia

代表的なブランド

Sekkisei、Infinity、One By KOSÉ、Esprique

代表的な製品の価格(Sekkisei)

  • ローション24ml 88,000ルピア(810円)
  • エッセンシャルスフレ(乳液)30ml 121,000ルピア(1,110円)
  • パウダーファンデーションケース161,000ルピア(1,480円)
  • パウダーファンデーションリフィル621,000ルピア(5,710円)

特徴

コーセーはインドネシアにおいて、Sekkisei、Infinity、One By KOSÉの3つのスキンケアブランドと、メイクアップブランドEspriqueを展開。女優の新垣結衣さんや北川景子さん、フィギュアスケートの羽生結弦選手をモデルとして広告に起用しており、日本と同様のタレントです。

公式Webサイトと公式Instagramアカウントがあるほか、Tokopedia、Shopee、SociollaなどのECプラットフォームに公式オンラインストアを開設しています。

6.PT. Rohto Laboratories Indonesia

PT. Rohto Laboratories Indonesia肌研の製品
画像出典:ROHTO

代表的なブランド

Hada Labo、SKIN AQUA、OXY

代表的な製品の価格(Hada Labo)

  • 「極潤」ローション49,600ルピア(460円)
  • 「白潤」ローション62,200ルピア(570円)

特徴

ロート製薬は、日本でおなじみの肌ラボやスキンアクア、OXY、メンソレータムといったスキンケアブランドをインドネシアでも展開しています。加えて、メンソレータムおよびインドネシア発のKhalisaブランドで、ハラール認証を受けたリップクリームを販売しています。

日本メーカーのスキンケア製品のなかでは安価で、幅広い層に人気があります。オンラインではTokopediaやShopeeに公式ストアを開設しています。オフラインではスーパーマーケットやドラッグストアで購入可能です。

オンラインメディアとしては公式Webサイトを持ち、登録制の「Rohtoインフルエンサーコミュニティー」を設立。InstagramなどのSNSアカウントはブランドごとに運用しています。

加えて、製薬会社として「Rohto Peduli(ロート・ケア)」と名付けられたCSR活動にも積極的で、白内障手術の支援や小中学生の眼鏡への寄付などを行っています。

7.PT Kao Indonesia

PT Kao IndonesiaのBioreブランドの製品
画像出典:Biore

代表的なブランド

Biore、Men’s Biore

代表的な製品の価格(Biore)

  • メイクアップリムーバー30ml 74,000ルピア(680円)
  • UVアクアリッチサンスクリーンウォータリーエッセンスSPF 50 PA++++ 15g 41,100ルピア(380円)

特徴

花王はインドネシアにおいても、洗剤などのホームケア製品と、スキンケア製品、ボディーケア製品、生理用品、ヘアカラーなど幅広く販売しています。

Bioreブランドのスキンケア製品やボディーケア製品は、#LoveYourSkinをキャッチコピーにしています。スーパーマーケットやドラッグストアで安価に手に入り、ローカル製品と同等の存在感を示しています。公式オンラインストアはTokopediaやShopee、Lazadaにあり、一部製品はインドネシアでハラール認証を受けています。

花王は心身の健康や美容、ライフスタイルに関する情報を提供するWebメディア「KAO Life Academy」を持っています。また、インドネシアの保健省と共同で小中学校における健康増進教育プログラムを実施しています。

8.DHC Corporation

DHCディープクレンジングオイル
画像出典:Sociolla 「DHC」

代表的なブランド

DHC

代表的な製品の価格

  • ディープクレンジングオイル150ml 289,000ルピア(2,660円)
  • カラーリップクリーム199,000ルピア(1,830円)

特徴

インドネシアにおいてDHCは、サプリメントブランドとしてより広く知られています。TokopediaやShopeeのDHC公式オンラインストアはサプリメント専門店で、化粧品が購入できるのは美容専門ECプラットフォームやドラッグストアWatsonsのオンラインストアに限られています。

オフラインでは、都市部の比較的高級なスーパーマーケットやAEONモールで取り扱われています。インドネシアで販売されているDHCの化粧品は多くなく、スキンケア製品が中心となっています。

9.PT Pias Intercosmex Indonesia(Imju)

イミュdejavuブランド
画像出典:Imju「dejavu」

代表的なブランド

dejavu、Eye Putti、Hatomugi

代表的な製品の価格(dejavu)

  • 塗るつけまつげ150,000~188,000ルピア(1,380円~1,730円)
  • 密着アイライナー92,000~108,000ルピア(850円~990円)

特徴

イミュは日本で展開する製品のうち、dejavuのマスカラとアイライナー、アイプチ、スキンケアの「ハトムギ」シリーズをインドネシアに進出させています。

公式オンラインストアは持たず、オンライン化粧品店nihonmartにdejavuブランドの製品を出品しています。メディアとしては、公式WebサイトとdejavuブランドのInstagramアカウントを持っています。

10.Dr.LuLuLun Inc.

Dr.LuLuLun Inc.
画像出典:Sociolla 「LULULUN」

代表的なブランド

Lululun

代表的な製品の価格

  • フェイスシートマスク各種27,000~30,000ルピア(250円~280円)

特徴

ドクタールルルンは「貼る化粧水」と呼ばれるフェイスマスクをインドネシアでも販売しています。オンラインでは主に美容専門ECプラットフォームで販売しており、オフラインではAEONやスーパーマーケットなどで取り扱っています。

公式Webサイトはありませんが、Instagramアカウントを運営しており、「Japan’s No.1 Top Selling Sheet Mask」を謳っています。2020年の発売記念イベントについて伝えたニュースでは、「時代は韓国のグラス・スキンから日本のもち肌へ」という言葉と共に、ルルルンのフェイスマスクが紹介されています。

参考:Meredeka.com「Lululun, Sheet Mask Nomor 1 Jepang Hadir di Indonesia buat Wujudkan Mochi Skin Impian」

日本の化粧品メーカーに立ちはだかるインドネシアの各種認証制度

以上、インドネシアに進出している日本の化粧品メーカーを紹介しました。こちらで紹介した以外のメーカーやブランドの製品でも輸入販売されていますが、「インドネシア向けのメディアを持ち、プロモーションをして製品を販売しているメーカーは意外と少ない」という印象です。

若者が多く、経済成長著しく、化粧品市場も急拡大しているインドネシアに、日本の化粧品メーカーや化粧品ブランドがあまり進出していない要因は、ハラールやBPOM(医薬品食品監督庁)の認証制度が考えられます。

各種の認証を取得するには、時間やコストがかかります。特に、日本の化粧品メーカーがハラール認証を取得しようとすれば、製品の原材料や製造工程をすべて見直す必要が出てきます。

インドネシアのハラール認証制度については、以下の記事をご覧ください。

インドネシア進出に必須のハラール認証の知識と申請方法

イスラム教徒が人口の約90%を占めるインドネシアでビジネスをするなら、ハラール(アラビア語で「許されている」という意味)に関する知識は欠かせません。

続きを読む

BPOM認証制度に関しては、以下の記事をご覧ください。

インドネシアへの輸入と販売に必須のBPOM申請

BPOMはインドネシア医薬品食品監督庁(Badan Pengawas Obat dan Makanan)の通称で、化粧品や食品などの流通を監督している機関です。

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高くても売れる可能性があるインドネシア市場

インドネシアに進出している日本の化粧品ブランドを見てみると、肌ラボやBioreなど、ローカル製品と変わらない価格で販売されているスキンケア製品やボディーケア製品が多いです。

一方で、売れ筋の化粧品が数百円~1,500円程度であるインドネシアの化粧品市場に、数千円の製品を販売していて、一定の支持を得ている資生堂やカネボウ、SK-IIなどの存在も無視できません。インドネシアの人口の約90%はイスラム教徒ですが、富裕層にはハラール認証にこだわらないキリスト教徒の華僑が多いことが影響している可能性があります。

インドネシアで製品を販売する場合、どの層をターゲットに設定するのかを明確にする必要があることを再確認できたのではないでしょうか。

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インドネシアにおいて日本の化粧品メーカーといえばどこですか。

インドネシアにおいて日本の化粧品メーカーとして有名なのは、資生堂とカネボウです。スキンケアブランドとしては、コーセーのSekkiseiやロート製薬のHada laboも人気です。

インドネシアで日本の化粧品はどんなイメージですか。

インドネシアにおいて日本の化粧品は高価で質が高いイメージを持たれています。一方で、Bioreのようにローカル製品とほぼ変わらない価格帯の製品でインドネシア家庭に浸透しているブランドもあります。

インドネシアで化粧品を販売する際の注意点は何ですか。

インドネシアで化粧品を販売するには、BPOM(医薬品食品監督庁)の認証を受ける必要があります。また、新制度が始まったばかりのハラール認証制度の運用状況も確認しておく必要があります。ターゲットとなる客層を明確に設定することも欠かせません。

読後のお願い

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