インドネシアの会社設立投資家ビザ(E28Bビザ / ゴールデンビザ)の概要と取得条件

公開
2024/02/04
更新
2026/04/10
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2023年8月、インドネシアでゴールデンビザの運用が開始しました。ゴールデンビザとは、政府が定める基準以上の収入や資産を持つ人、特別なスキルを持つ人を対象に発給されるビザのことで、このビザの保持者は、ほかのビザに比べてさまざまな面で優遇されます。

本記事では、ゴールデンビザのうち、会社設立を目的にインドネシアに長期滞在する個人を対象とした「会社設立投資家ビザ(E28B)」を取り上げます。まずは類似のビザを一覧表で整理し、後半では取得条件や取得方法の詳細を紹介します。

本記事の円表記は、2026年2月13日のレート(1ルピア=0.0091円・1ドル=153.12円)で換算したものです。

インドネシアの投資家ビザの種類

インドネシアのビザのうち、Eから始まるインデックスのビザは「一時滞在ビザ」と呼ばれます。投資、就労、家族との同居などのため、中長期的にインドネシアに滞在したい外国人のためのビザであり、入国を許可するビザに加えて一時滞在許可や数字入国許可を取得する制度になっています。

インドネシアの投資家ビザ(E28)も一時滞在ビザの一種で、7種類に分類されます。いずれのビザでも、以下の活動は許可されます。

  • ビジネス・投資に関連する活動
  • 家族の帯同(法令遵守)
  • インドネシアへの出入国(再入国許可が有効な限り)
  • 観光、物品購入、家族・友人訪問
  • 投資(および / または役職)に基づく報酬または便益の受け取り

以下の表は、それぞれのビザの滞在目的、滞在期間、上記以外に許可される活動をまとめたものです。

ビザの名称滞在目的(活動内容)滞在期間許可される活動
E28A
一般投資家ビザ
投資、事業関連活動への従事および会社設立最長2年・会社設立に関連する活動
・事業契約の協議・交渉・及び / または署名
・外国人が投資している会社における、取締役・コミサリス(監査役等)・または投資家としての活動および業務
・自ら設立した会社における商品またはサービスの生産プロセスの監督
E28B
会社設立投資家ビザ(ゴールデンビザ)
払込資本(株式)または投資額による会社設立最長5年または10年・会社設立に関連する活動
・事業契約の協議・交渉・及び / または署名
・外国人が投資している会社における、取締役・コミサリス・または投資家としての活動および業務
・自ら設立した会社における商品またはサービスの生産プロセスの監督
E28C
個人投資家ビザ(ゴールデンビザ)
  
国債、上場会社の株式、または上場会社の投資信託の購入最長5年または10年 -
E28D
支店または子会社設立投資家ビザ(ゴールデンビザ)  
インドネシアに国外の企業の支店または子会社を設立し、その代表者、取締役、またはコミサリス(監査役等)として勤務  最長5年または10年・会社設立に関連する活動
・事業契約の協議・交渉・及び / または署名
・外国人が投資している会社における、取締役・コミサリス・または投資家としての活動および業務
・自ら設立した会社における商品またはサービスの生産プロセスの監督
E28E
経済特区投資家ビザ
経済特区(KEK)内での外国投資 ・経済特区内の事務所、工場、または同種の場所における商品またはサービスの生産プロセスの監督
E28F
首都ヌサンタラにおける支店または子会社設立投資家ビザ
首都ヌサンタラ(IKN)での支店または子会社の設立最長5年または10年・会社設立に関連する活動
・外国人が投資している会社における、取締役・コミサリス・または投資家としての活動および業務
・自ら設立した会社における商品またはサービスの生産プロセスの監督
E28G
親会社代表者投資家ビザ
インドネシア国外の親会社の代表者として支店に配置されて行う投資・業務最長5年または10年・親会社の代表者として支店に配置されての投資・活動・業務

ここから取り上げるのは、インドネシア語でVisa Investor Pendirian Perusahaanと呼ばれる、会社設立投資家ビザ(E28Bビザ)です。このビザは、5年または10年の長期滞在と複数回出入国が前提で、「ゴールデンビザ」の一種に分類されます。

一般投資家ビザ(E28A)に似ていますが、E28Bビザは、主な目的が会社設立であることや、申請にあたりより厳しい資産・投資要件が課されるなどの特徴があります。

インドネシアのビザ申請に必要な資料を教えてもらえますか?

どのビザを希望されているのかこちらから教えていただけたら、そのビザの取得に必要な資料についてメールでお送りします。

ビザエージェントとのトラブル体験談
  • C2ビザ(工場訪問)

    フリーランスのエージェント

    フリーランスのビザエージェントに依頼しましたが、途中から連絡が取れなくなり手続きは完全に停滞。提出済み書類の扱いも不明で大きな不安を抱える羽目に。結局別のビザ会社に依頼し直し、余計な時間と費用を失いました。最初から信頼できる会社を選ぶべきだったと痛感し、二度と同じ失敗は繰り返さないと決めました。

  • E23ビザ(就労)

    安かろう悪かろうのビザ会社

    就労ビザを格安のビザ申請代行会社に依頼したところ、報連相は遅く曖昧で必要書類の誤りも多発。訂正や追加提出を何度も求められ、そのたびに時間と労力を浪費しました。結果的に大幅な遅延と余計な費用まで発生し、安かろう悪かろうを痛感。最初から信頼できる専門会社にお願いすべきだったと強く後悔しました。

インドネシアの会社設立投資家ビザ(E28B/ゴールデンビザ)とは

対象者と活動内容

会社設立投資家ビザ(E28B)は、「インドネシアで新しく会社を設立することを前提に、所定の大きな投資額(払込資本 / 投資)をコミットして長期滞在したい外国人投資家」を対象に発給されます。

このビザの保有者は、インドネシアでの事業や投資活動、仕事関連の活動が可能で、家族の帯同も許可されます。投資活動が主な目的のビザであり、許可に合致しない就労を行うこと、許可された業務に必要な場合を除き財・サービスの販売を行うことは禁止されています。

滞在期間と更新(延長)

このビザの保持者は、到着日から起算してインドネシアに5年または10年滞在できます。滞在期間5年のビザは、1回更新(延長)可能です。

メリット

E28ビザのメリットとしては、

  • 最大10年間の長期滞在が可能
  • 出入国の手続きが簡易化
  • 空港での優先レーン / 優先サービスを利用可能

などが挙げられます。

インドネシアへ現地視察する際の注意点

「本当は工場を訪問して機械のメンテナンスをすることが目的だけど、ビザ取得が煩雑そうなので、とりあえず到着ビザ(VOA)でこっそりメンテナンスをしよう」と考える方もいます。

ところが、目的に合ったビザを取得しなかったことでトラブルに巻き込まれるケースを多数見聞きしてきたので、適切なビザを申請して訪問することを強くおすすめします。

「なぜバレるのか」という疑問がわくかもしれませんが、その1つとして宿泊施設と入国管理局(イミグレ)との連携があります。インドネシアでは外国人を宿泊・滞在させるときに、宿泊施設がイミグレに報告する義務があります。そこの連携が原因で目的外の活動をした際に、その行為がバレてしまうのです。

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ビザ情報の検索

インドネシアの会社設立投資家ビザ(E28B/ゴールデンビザ)の費用

INDEX目的滞在期間取得日数目安料金
E28Bビザ会社設立5年
10年
約1か月260,000円
390,000円

※招待元企業(機関)が申請用のビザアカウントを保有していない場合、新規アカウントの作成に約2週間程度かかります。
※インドネシア側のビザ申請・承認プロセスの所要日数には、インドネシアの祝祭日が影響する場合があります。

インドネシアの投資家ビザで就労はできますか?

投資家ビザは種類により会社設立や株式購入などの投資活動が目的のビザであり、そのビザで許可される範囲を超える(外れる)就労はできません。

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インドネシアの会社設立投資家ビザ(E28B/ゴールデンビザ)の手続きの流れ

  1. まずは弊社にご連絡ください。
  2. 申込内容の確認後、見積書を送付し、問題なければ請求書を送付いたします。
  3. お振込が完了しましたら、必要書類をご案内いたします。ご用意いただき、指定されたファイル形式でお送りください。
  4. 渡航者様の必要書類をお預かりでき次第、申請手続きを開始いたします。現地通貨での実費納付につきましては現地にて弊社がお支払いいたします。
  5. e-Visa取得完了後、PDF形式でe-Visaをお渡しいたします。
  6. ご入国後にPDF形式でITAS(一時滞在許可)をお渡しいたします。

インドネシアの会社設立投資家ビザ(E28B/ゴールデンビザ)は、ビザとは別に滞在許可取得の手続きが必要ですか?

E28Bビザは、入国審査を通過すると自動的に一時滞在許可(ITAS)が発行されるため、滞在許可の申請を別途行う必要はありません。

インドネシアの会社設立投資家ビザ(E28B/ゴールデンビザ)の取得条件

主な必要書類

  • ビザ発給申請書
  • 18か月以上有効なパスポート
  • 最近1年以内に撮影されたカラー顔写真
  • 履歴書
  • 旅行日程表

滞在期間別の必要書類(資産に関する証明書)

5年ビザ

  • インドネシア国外の企業における株式保有の証明(国際基準の公認会計事務所による親会社の監査済み財務報告書に記載されていること)
  • インドネシア国外企業における売上高 / 販売額の証明(同上)
  • 申請者がインドネシアで会社を設立し、払込資本(株式)または投資額として少なくとも250万米ドル(約3億8,280万円)を拠出することを約束する誓約書

以上を、インドネシア入国後90日以内に提出する必要があります。

10年ビザ

  • インドネシア国外の企業における株式保有の証明(国際基準の公認会計事務所による親会社の監査済み財務報告書に記載されていること)
  • インドネシア国外企業における売上高 / 販売額の証明(同上)
  • 申請者がインドネシアで会社を設立し、払込資本(株式)または投資額として少なくとも500万米ドル(7億6,560万円)を拠出することを約束する誓約書

以上を、インドネシア入国後90日以内に提出する必要があります。

招待元企業について

E28Bビザの申請・更新にあたり、招待元企業は不要です。

注意事項

  • E28Bビザは、発行日から90日以内に入国しない場合は無効になります。
  • 滞在期間(滞在許可期間)は入国日を1日目としてカウントします。
  • 入国後に発行される滞在許可証のデータは、必ず保管をお願いします。

インドネシアのゴールデンビザ導入の背景

インドネシア政府は、ビザと滞在許可に関する「2023年法務・人権大臣規定第22号」を2023年8月24日に施行。続いて、ゴールデンビザサービスの税外収入に関する「2023年財務大臣規定第82号」を2023年8月30日に施行しました。

インドネシアのゴールデンビザは、投資家や経営者、アスリートといった、専門的な知識や高い技術、特別な経験、あるいは多額の資産を持つ人材を対象としています。

E28Bビザを含むゴールデンビザの導入には、こういった特別な能力を持つ人材を誘致することで、インドネシアの国内経済の成長を促進したいという政府の狙いがあります。

東南アジアの国々は昨今、優秀な外国人の誘致に積極的です。例えばマレーシアでは、収入の高い外国人に20年間の居住を許可するプレミアムビザの提供を2022年から開始しました。

また、タイでも、富裕層や高度なスキルを持つ人材を対象にしたLTRビザが2022年から発行されており、受給者に10年間の滞在許可を与えています。

インドネシアがゴールデンビザを設けた背景には、このように、東南アジア各国が国際的な競争力を高めようと外国人の誘致に力を入れているという流れがあります。

投資家ビザを廃止した国と投資家ビザの懸念点

投資家ビザによって優秀な外国人の誘致が進み、国の発展が見込まれる一方、投資家ビザがもたらすデメリットが目立ったことで運用を廃止した国もあります。

例えばポルトガルは2023年2月、投資家ビザの新規受付を停止することを発表しました。廃止の大きな理由は、住宅価格の高騰です。

投資家ビザを取得した外国人富裕層がポルトガルで住宅を多数購入し、都市部で手ごろな費用で住める住宅が不足するようになったことが問題視されました。

ポルトガルのAntónio Costa(アントニオ・コスタ)首相は投資家ビザについて、「かつては意味があった」と述べていることから、インドネシアの投資家ビザに関しても、今後の影響については長い目で見ていく必要がありそうです。

会社設立投資家ビザ(E28B/ゴールデンビザ)はインドネシアの経済強化政策の一つ

今回は投資家ビザについて紹介しましたが、インドネシアは国の経済成長を促進するための外国人誘致を目的に、ほかの施策も講じています。

2022年に発表された「セカンドホームビザ」もその一つです。セカンドホームビザは一定の資産を持ち、かつ、特別な技能を持つ人やインドネシア政府から招かれた著名人などを対象としており、富裕層がインドネシア国内で活発に投資や消費を行うことが期待されています。

これからも、さまざま制度が開始されたり変更されたりする可能性があり、今後の動向が見逃せません。

インドネシアのゴールデンビザについて教えてください。

インドネシアに5~10年間滞在できるビザで、一定以上の収入や資産を持つ人のほか、投資家や経営者、アスリートなど、専門的な知識や高い技術、特別な経験などを持つ人材や国際的に活躍する資質を持つ人材を対象に発給しています。

インドネシアのゴールデンビザを取得するメリットは何ですか?

インドネシアのゴールデンビザを取得するメリットとして、最大10年間の長期にわたり滞在できる、空港でのセキュリティが優先・強化されるなどが挙げられます。

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