インドネシアの就労ビザ(E23/E25)の取得条件・取得方法・期間や必要書類など

公開
2022/08/28
更新
2026/03/31
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日本人を含む外国人がインドネシアで何らかの仕事をする場合、いわゆる「ビジネスビザ」か「就労ビザ」を取得してから渡航しなければなりません。このうち、実務を伴う仕事をする場合は、原則として「就労ビザ」が必要です。また、ビザに加えて、現地に一定期間居住するためのITAS(一時滞在許可)も必要です。

本記事では、このような仕事に関係するビザの種類について整理したあと、「就労ビザ」の取得条件、取得方法、必要書類、金額などを紹介します。

就労ビザとビジネスビザ

インドネシアでビジネスを行うためのビザには、複数の種類があります。以下に挙げる3種類のビザのうち、シングルエントリー訪問ビザとマルチプルエントリー訪問ビザは「ビジネスビザ」と呼ばれ、「就労ビザ」とは区別されます。

ビザの種類ビザの名称利用目的有効期間延長の可否
ビジネスシングルエントリービザC2、C4、C10などインデックスにより、
商談、会議への参加、商品購入(工場訪問可)
講演やセミナーへの参加
国際展示会への参加 など
インデックスにより
30日、60日、90日、180日
可能
ビジネスマルチプルエントリービザD2、D4、D12など同上インデックスにより
60日、180日
可能
就労ビザ(雇用ビザ)E23E25など専門的な業務
※インドネシアで働くときには一般的にこのビザを取得
180日(6か月)、1年、2年可能

就労ビザであるインデックスE23 / E25 / E26 / E27 / E29は、インドネシアに一定期間移住するための暫定居住ビザ「VITAS(Visa Izin Tinggal Terbatas)」の一つです。

そのためこれらのビザは「暫定居住ビザ」「VITAS」などとも呼ばれますが、本記事においては「就労ビザ」で統一します。

もしも就労ビザ以外で入国後して「就労した」とみなされると、罰金や国外退去などの罰則対象になります。基本的に、会社・工場内での作業や現場指導など、「利益を上げることに直接つながる行為」はビジネスビザではできません

労働局、入国管理局の査察も頻繁に行われていますので、ビジネスビザで渡航する際の活動はそのビザで許可される内容に留め、怪しまれそうな行為はしないよう気を付ける必要があります。

就労ビザとビジネスビザの違いや、自社に必要な手続きの整理に迷う方は、こちらからお気軽にご相談ください。

インドネシアのビザ申請に必要な資料を教えてもらえますか?

どのビザを希望されているのかこちらから教えていただけたら、そのビザの取得に必要な資料についてメールでお送りします。

ビザエージェントとのトラブル体験談
  • C2ビザ(工場訪問)

    フリーランスのエージェント

    フリーランスのビザエージェントに依頼しましたが、途中から連絡が取れなくなり手続きは完全に停滞。提出済み書類の扱いも不明で大きな不安を抱える羽目に。結局別のビザ会社に依頼し直し、余計な時間と費用を失いました。最初から信頼できる会社を選ぶべきだったと痛感し、二度と同じ失敗は繰り返さないと決めました。

  • E23ビザ(就労)

    安かろう悪かろうのビザ会社

    就労ビザを格安のビザ申請代行会社に依頼したところ、報連相は遅く曖昧で必要書類の誤りも多発。訂正や追加提出を何度も求められ、そのたびに時間と労力を浪費しました。結果的に大幅な遅延と余計な費用まで発生し、安かろう悪かろうを痛感。最初から信頼できる専門会社にお願いすべきだったと強く後悔しました。

インドネシアの就労ビザの種類

前述のとおり、主な就労系ビザの区分としては、インデックスE23 / E25 / E26 / E27 / E29の5種類があります(2026年2月時点)。E23は一般的な就労ビザで、職種によってA / U / V / X / Yの5つに細分化されます。

E25は会社役員・幹部向けの就労ビザで、A~Fの6つに細分化されます。ただし、下位区分は制度運用上変更・整理されるため、個別に最新情報を確認する必要があります

E23:一般就労ビザ

  • E23:基本の就労ビザ(以下のいずれにも当てはまらない対象者向け)
  • E23A:経済特区向け就労ビザ
  • E23U:外国外交官の家事使用人向け就労ビザ
  • E23V:通商経済事務所向け就労ビザ
  • E23X:インドネシア政府の専門家向け就労ビザ
  • E23Y:デジタル分野の専門家向け就労ビザ

E25:コミサリスおよび経営幹部向け就労ビザ

  • E25:会社役員(非執行)または執行役員の就労ビザ
  • E25A:会社のコミサリス向け就労ビザ
  • E25B:会社の取締役向け就労ビザ
  • E25C:会社の副取締役向け就労ビザ
  • E25D:会社のゼネラルマネージャー向け就労ビザ
  • E25E:会社のマネージャー向け就労ビザ
  • E25F:会社のスーパーバイザー向け就労ビザ

その他の就労ビザ

  • E26:船員、浮体設備および海洋石油・ガス等の沖合施設従事者向け就労ビザ
  • E27:宗教関係者向け就労ビザ
  • E29:研究者向け就労ビザ

【補足】
会社役員で出資条件などを満たす場合は、就労ビザではなく、投資家ビザの取得も視野に入ります。

インドネシアで働くには就労ビザが必要ですか?

インドネシアで雇用に基づいて働く場合は、原則として就労系のビザ・滞在許可が必要です。商談や会議参加などを目的とするビジネスビザとは区別され、業務内容によって取得すべきビザの種類が異なります。まずは、就労ビザとビジネスビザの違いを確認することが重要です。

インドネシアへ現地視察する際の注意点

「本当は工場を訪問して機械のメンテナンスをすることが目的だけど、ビザ取得が煩雑そうなので、とりあえず到着ビザ(VOA)でこっそりメンテナンスをしよう」と考える方もいます。

ところが、目的に合ったビザを取得しなかったことでトラブルに巻き込まれるケースを多数見聞きしてきたので、適切なビザを申請して訪問することを強くおすすめします。

「なぜバレるのか」という疑問がわくかもしれませんが、その1つとして宿泊施設と入国管理局(イミグレ)との連携があります。インドネシアでは外国人を宿泊・滞在させるときに、宿泊施設がイミグレに報告する義務があります。そこの連携が原因で目的外の活動をした際に、その行為がバレてしまうのです。

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就労ビザの費用

INDEX目的滞在期間取得日数目安料金
E23ビザ企業などに雇用されての就労180日、1年、2年45営業日(約2か月)200,000円
E25ビザ企業の役員・幹部などとしての就労180日、1年、2年45営業日(約2か月)200,000円
E26ビザ船員、沖合施設従事者などとしての就労180日、1年、2年45営業日(約2か月)200,000円
E27ビザ宗教関連活動180日、1年、2年45営業日(約2か月)200,000円
E29ビザ研究関連活動1年45営業日(約2か月)150,000円

※招待元企業(機関)が申請用のビザアカウントを保有していない場合、新規アカウントの作成に約2週間程度かかります。
※インドネシア側のビザ申請・承認プロセスの所要日数には、インドネシアの祝祭日が影響する場合があります。

インドネシアの就労ビザはどのように取得しますか?

一般的には、受け入れ企業側が労働省で外国人雇用に関する手続きを行い、その後に入国管理当局で就労ビザの発給手続きが進みます。実務上は、企業側の準備書類や外国人本人の書類をそろえたうえで、段階的に申請を進める流れです。

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インドネシアの就労ビザを申請・取得するためのステップ

インドネシアの就労ビザ取得は、主に受け入れ企業が手続きを進めます。外国人本人は、企業から求められた書類を企業に提出します。一般的な流れは、以下のようになっています。

  1. 【企業】 就労ビザ申請に必要な企業書類を準備し、【外国人本人】 から本人書類を回収する
  2. 【企業】 労働省に外国人従業員雇用計画書(RPTKA)を申請する
  3. 【企業】 労働省とのインタビューに対応する
  4. 【企業】 外国人労働許可通知(Notification)の申請を行う
  5. 【企業】 外国人労働者雇用補償金(DKP-TKA)を支払い、Notificationを取得する
  6. 【企業】 就労ビザ(e-Visa)を申請する
  7. 【外国人本人】 発給されたe-Visaを使ってインドネシアに入国する
  8. 【外国人本人】 の入国後、ITASが電子的に発行される

それでは、それぞれのステップについて見ていきましょう。

1.【企業】必要書類を準備し、RPTKAを申請する

外国人従業員雇用計画書(RPTKA)は、企業が外国人(日本からの駐在員など)を雇用する必要性や配置内容を、インドネシア労働省に示すための計画書です。会社の事業内容、組織、外国人従業員の職務、在任期間、勤務地などを整理して申請します。なお、TKAはTenaga Kerja Asing(外国人労働者)の略です。

このステップでは、まず、企業が就労ビザ申請に必要な企業書類を準備します。あわせて、外国人本人からパスポート、学歴証明書、職歴資料などの本人書類を回収します。

そのうえで、企業がオンラインシステム(TKA Online)を通じて必要事項を入力し、書類をアップロードして、RPTKAを申請します。

TKA Onlineのサンプル画面
TKA Onlineのサンプル画面

2.【企業】労働省とのインタビューに対応する

RPTKA申請後、必要に応じて労働省とのインタビューが行われます。ここでは、受け入れ企業の担当者が、会社の状況や外国人を雇用する理由について説明します。

労働省では、主に以下のような点が確認されます。

  • 企業の具体的な事業内容
  • 外国人労働者を雇用する必要性
  • 配置予定の職務内容や人数

インタビュー終了後、労働省から評価結果が発行されます。

3.【企業】外国人労働許可通知(Notification)を申請する

労働省の評価結果を受領した後は、外国人労働許可通知(Notification)の申請に進みます。ここでは企業の担当者が、必要事項の記入・所定のフォームや情報の提出を行います。

Notificationは、その後の就労ビザ申請の前提となる重要な書類です。

4.【企業】DKP-TKAを支払い、Notificationを取得する

Notification申請後には、外国人労働者雇用補償金(DKP-TKA)の請求情報が発行されます。これに基づき、企業が所定期限内にDKP-TKAを支払います。支払いが完了すると、労働省からNotificationが発行され、就労ビザ申請の前提が整います。

5.【企業】就労ビザ(e-Visa)を申請し、【外国人本人】が入国する

Notification取得後は、企業が必要情報を入力し、就労ビザ申請を行います。審査が完了すると、就労ビザ(e-Visa)が発行されます。

その後、外国人本人は、発行されたe-Visaを携行してインドネシアに入国します。入国審査では、e-Visaの提示を求められることがあります。

また、すでに外国人本人がインドネシア国内に滞在している場合は、ビザの種類や申請状況によって、いったん出国が必要になることがあります

6.【外国人本人】の入国後、ITASが電子発行される

就労ビザでインドネシアに入国すると、ITAS(一時滞在許可)が発行されます。

面倒なビザ手続きを丸投げできる、弊社のビザ申請支援サービスについてはこちらをご覧ください。

就労ビサ(E23 / E25)を申請・取得するために必要な書類

就労ビザの申請は雇用主(企業)とビザ申請代理業者が行う場合がほとんどですが、赴任者が自ら用意すべき書類もあります。

申請書、誓約書、契約書などについては、ビザ申請代業者によって呼称や推奨フォームが異なります。サンプルやひな型が提供される場合もあります。

一般就労ビザ(E23)の必要書類

企業関連の書類

  • 勤務先企業の定款(AKTA)
  • 法務人権省の決定書(SK Pengesahan)
  • 事業基本番号(NIB)
  • 主たる事業分野を示すKBLI
  • 勤務先企業の納税者番号(NPWP)
  • 組織図(外国人本人の配置を含むもの)
  • 最新の労働報告書(WLKP)
  • 会社口座の取引明細や残高がわかる資料
  • 会社の住所証明書
  • スポンサー企業側で署名する担当者の身分証明書(KTP)
  • 労働省からの許可番号・Notification関係書類(RPTKA申請後に取得)
  • TKA OnlineやeVisaアカウントに関する情報
  • 会社情報・担当者情報(社名、メールアドレス、電話番号、担当者氏名、生年月日など)
  • 労働省インタビューに備えて整理する情報 など

申請者本人の書類

  • パスポート
  • 証明写真データ
  • 英文履歴書(CV)
  • 英文の職務経歴証明書・在職証明書(Working Certificate)
  • 英文の卒業証明書
  • 海外旅行保険証券
  • 婚姻状況に関する情報
  • インドネシアでの住所
  • インドネシアでの勤務地
  • スポンサー会社での給与額、ポジション名、部署名、職務内容
  • 契約期間に関する情報
  • インドネシア人労働者への知識・技術移転に関する説明
  • 署名
  • 必要に応じて英文の口座残高証明書
  • 保証人からの保証証明書
  • 旅程表 など

コミサリスおよび経営幹部向け就労ビザ(E25)の必要書類

企業関連の書類

  • 勤務先企業の納税者番号(NPWP)
  • 事業基本番号(NIB)
  • 証人登録書(Guarantor Registration Letter)
  • 代表者の身分証明書(KTPまたはパスポート)
  • eVisaアカウント担当者のKTP
  • 労働省からの許可番号(RPTKA申請後に取得)
  • 会社の情報(メールアドレス、社名、企業区分、電話番号、住所など)
  • 担当者の情報(氏名、性別、出生地、生年月日、役職名、国籍、証明写真など)

申請者本人の書類

  • パスポート
  • 口座残高証明書
  • 保証人からの保証証明書
  • 履歴書(CV)
  • 保険証
  • 大学卒業証明書
  • 旅程表
  • 外国人本人の基本情報
    (氏名、性別、出生地、生年月日、電話番号、国籍、住所、メールアドレスなど)

実際には、パスポートの残存期間、卒業証明書の認証方法、口座残高証明の取得時期など、細かな指定が付く場合があります。案件ごとに最新の要件を確認することが重要です。

インドネシアの就労ビザの取得条件

日本人を含む外国人がインドネシアの就労ビザを取得するには、一定の条件があります。

まず、上述の「就労ビザの種類」からもわかる通り、外国人がインドネシアで行える仕事は厳しく制限されています。

一般に、外国人に認められるのは、専門的な知識や技術、一定の実務経験が必要で、かつその人を配置する合理性が説明できる業務です。知識や経験が必要ない業務や、インドネシア人で代替しやすい業務は認められにくい点に注意が必要です。

加えて、インドネシアに技術を移転する目的で、就労ビザで働く外国人にはアシスタントとしてインドネシア人をつける必要があります。

また、インドネシア労働省によると、就労ビザを取得しようとする個人(赴任者)も以下の条件を満たしている必要があります。

  • 60歳未満であること
  • 就任するポジションの資格に応じた教育を有していること
  • 就任するポジションの資格に応じて5年以上の実務経験または相当する能力をもつこと
  • 大学卒業以上の学歴所有者(専門学校、短大も可)であること

条件を満たしていない場合、申請が受理されなかったり、希望通りの有効期間のビザが取れなかったりする可能性があります。ただし、条件が明確に決まっているわけではなく、求められる学歴や職歴は個別に確認されるため、すべての条件を満たしていないとビザが取れないわけではありません

インドネシアの就労ビザとITASの違いは何ですか?

就労ビザは、就労目的でインドネシアに入国するためのもので、ITASは入国後に一定期間滞在するための滞在許可です。就労系のビザ(VITAS)申請とITASの付与が連動するので同じものに見えますが、役割は異なります。

就労ビザの他に必要な一時滞在許可「ITAS」

インドネシアで就労するためには、上記の就労ビザの他に「一時滞在許可ITAS:Ijin Tinggal Terbatas)」が必要です。ITASの有効期間は最長2年で、延長手続きは現地のイミグレーション事務所で行います。

ITASの有効期間内は、ビザの申請などを再度行わずに出入国可能、つまり、一時帰国が可能となります。就労ビザの申請過程では、通常、受け入れ企業が行うビザの申請がITASの申請も兼ねます。

なお、ITASはKITASと呼ばれることがあります。KITASの「K」はKartu(インドネシア語で「カード」)の頭文字で、この名称は、かつて暫定居住許可証がカード型だった時のものです。現在はオンライン化・電子化が進み、ITASは電子的に発行・送付されます。

【補足】
2018年の大統領令により、以前必要だった外国人雇用許可(IMTA:Izin Mempekerjakan Tenaga Kerja Asing)の取得は不要となりました。

インドネシアでのビザ申請は変更・例外が常

インドネシアにおける就労ビザの手続きは近年簡素化され、以前に比べると格段に楽になりました。ビザ発給プロセスのオンライン化は、コロナ禍の影響と共に公的手続きのペーパーレス化を進めるというインドネシア政府の意図もあります。

ただし、就労ビザの申請条件にはまだまだ不透明な部分が多いのが現状で、企業や赴任者の個別の事情により、あるいは入国管理担当職員により、対応が分かれる可能性があります。

その上、インドネシアの規則は頻繁に変更されます。最新情報を確認しつつ、余裕を持ったスケジュールで準備を進められることをおすすめします。

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