インドネシアの定住許可「ITAP/KITAP」の概要と取得方法

公開
2024/02/04
更新
2024/02/06
この記事は約7分40秒で読めます。

インドネシアの許可証の中でも、永住ビザに近い扱いをされているのが「KITAP」です。インドネシアに移住したい方や、インドネシアで長くビジネスを始めたい方であれば、KITAPの取得が選択肢として挙がるかもしれません。

ただ、KITAPは永住権に近いものの延長の手続きが必須で、また就職やビジネスを行う場合は別の許可証も必要など、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。

そこで本記事では、KITAPの取得条件や取得方法の詳細をまとめました。KITASからKITAPへの切り替え方法についても説明しているので、まずはKITASを取得してインドネシアへ滞在しようと考えている方も参考にしてみてください。

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KITAPとは

KITAP(Kartu Izin Tinggal Tetap)とは、インドネシアに恒久的に滞在することを認める許可証のことで、日本語では「定住許可」または「恒久居住許可」と訳されます。パスポートに押されるスタンプはITAP、カードタイプのものはインドネシア語「Kartu(カード)」の「K」が付き、KITAPと呼ばれます。

インドネシアの定住許可証KITAP(Kartu Izin Tinggal Tetap)

KITAPのの申請は、出入国管理局(イミグレーション)で行います。恒久的に滞在できるため永住権と似ていますが、実際は5年ごとの簡単な延長手続きが必要です。

なお、KITAPはあくまで滞在を許可するものであり、現地で働くためには就労許可を別に取得する必要があります。

ITAS/KITASとITAP/KITAPの違い

KITAPと似た許可証に、ITAS/KITASがあります。ITAS(Izin Tinggal Terbatas)とは一時滞在を許可するもので、KITAPと同様にカード版は「K」が付いてKITASとなります。

KITAPとITAS/KITASの大きな違いは、KITAPの有効期間が5年間であるのに対して、ITAS/KITASは30日~2年間であるという点です。

例えば有効期間が1年間のITAS/KITASの場合は最大4回延長できますが、5年以上滞在したい場合は再度ゼロから取得し直す必要があります。延長できる回数は、保有しているITAS/KITASの有効期間によって異なります。

また後ほど詳しく説明しますが、条件を満たしている方に関しては、適切な手順を踏むことでITAS/KITASからKITAPへ切り替えることが可能です。なお、ITAS/KITASもKITAPと同様に、この許可証だけでの就労は認められていません。

インドネシアの一時滞在許可「ITAS/KITAS」の取得条件・必要書類・金額など

ITASは「一時滞在許可」または「暫定居住許可」などと呼ばれ、その名の通り一時的にインドネシアに居住する場合に必要な許可証です。

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KITAPを取得するとできること

以下は、KITAPを取得した外国人がインドネシアでできることの例です。

  • 恒久的な居住(5年ごとに延長手続きが必要)
  • 2年間の自由な出入国(再入国許可証の取得が必要)
  • IDカード(KTP)の発行
  • 土地や不動産の使用 ※原則ITASでも可能
  • 運転免許証の申請・取得 ※原則ITASでも可能
  • 銀行口座やクレジットカードの作成 ※原則ITASでも可能
  • 現地価格で観光スポットのチケットを購入 ※場合によってはITASでも可能

インドネシアでは、たとえKITAPを持っている人であっても、外国人が土地の所有権を持つことは認められていません。ただし、KITAP所有者は土地の所有権ではなく「使用権」を持ち、土地を使うことができます。

使用権の有効期間は30年で、さらに20年の延長が可能。その後の更新で30年間有効になるため、トータルで80年間にわたりインドネシアで土地や不動産を使用する権利が与えられます。

さらに、インドネシアでは外国人旅行者は運転免許を取得できませんが、KITASやKITAPを持っている外国人であれば取得が可能。また、インドネシアの観光地には外国人の入場料を高く設定しているところもありますが、KITAPを提示することで現地価格でチケットを購入できる権利を得られる場合が多くなっています。

参考:ACCLIME「Permanent stay permit KITAP in Indonesia.」

KITASからKITAPへの切り替え

ステータスにより異なる切り替えの条件

二重国籍を持つインドネシア人などの限られた例を除いて、多くの場合KITASから切り替える形でKITAPを申請することになります。

例えばインドネシア人を配偶者に持つ外国人の場合は、結婚してから2年後にITAS/KITASをKITAPに変更可能です。その際はBuku Nikah(結婚証明書)のコピーや配偶者の身分証明書のコピーなどを添付します。

ほかにも、すでに会社を退職している方に関しては、ITAS/KITASを4回延長し、尚且つ55歳になっている場合にKITAPを申請できると定められています。

また、外国人投資家やインドネシアの企業で取締役・監査役として働く外国人の場合は、次の条件を満たすことでKITAPを取得できるようになっています。

参考:InCorp Editorial Team「KITAP: Syarat untuk Mendapatkan Izin Tinggal di Indonesia」

外資法人(PMA)で働く人がKITAPを取得する際の条件

外国人投資家やインドネシアの企業で取締役・監査役として働く外国人の場合のKITAP取得条件は、以下の通りです。

  • 会社を経営する(管理する)立場にある投資家の場合:
    少なくとも10億ルピア(948万円)または同等の金額の米ドルの投資をしていること
  • 会社を経営する(管理する)立場にない投資家の場合:
    少なくとも100億ルピア(9,484万円)または同等の金額の米ドルの投資をしていること

インドネシアの内資法人(PMDN)で働く外国人は株主になれないため、上記は外資法人(PMA)で働く人を対象としています。

KITASからKITAPへ切り替えるための条件やタイミングは、それぞれの置かれる状況によることに留意してください。

参考:Imigrasi Jakarta Utara「Persyaratan Khusus Bagi Penanam Modal」

外資法人(PMA)で働く人のKITAPの取得に必要なもの

参考までに、株主や役員がKITAPを取得するために必要なものや条件は以下の通りです。

  • 経営者の立場にある投資家の場合、少なくとも10 億ルピア(948万円)または同等の米ドルの投資に対する政府機関からの推薦状
  • 経営者の立場にない投資家の場合、少なくとも 100 億ルピア(9,484万円)または同等の米ドルの投資に対する政府機関からの推薦状
  • Izin Usaha Tetap(恒久営業許可)のコピー
  • NIB(事業基本番号)またはBKPM(インドネシア投資調整庁)からの外国法人の原則許可
  • SIUP(営業許可証)のコピー
  • 会社登記証明書のコピー
  • 納税者登録番号(NPWP)のコピー
  • 会社住所の証明書
  • DPKK(外国人労働者利用補償金基金)のコピー

参考:Imigrasi Jakarta Utara「Persyaratan Khusus Bagi Penanam Modal」

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KITAPの取得手続き

ここでは、KITAPの具体的な取得手続きを紹介します。

参考:Kantor Imigrasi Kelas I Tangerang「PROSEDUR IZIN TINGGAL TETAP:」

1. 必要書類の準備

KITAPの申請から発行までは、おおよそ3か月の期間が目安です。ただ、場合によっては日本から書類を取り寄せるなど事前準備に時間がかかる可能性もあるため、スケジュールに余裕を持って準備を進めておくと安心です。

まず、KITAPの具体的な申請手続きに入る前に以下の準備や書類の用意を済ませます。

  1. KITAP申請書の作成
  2. 保証人によるレター
  3. 保証人のKTP(身分証明書)のコピー
  4. パスポートの全ページのコピー
  5. パスポートサイズの写真
  6. 最新のITAS/KITASのコピー など

KITAPを申請するためには、保証人にスポンサーレターを書いてもらわなければいけません。この保証人のスポンサーレターやKITAPの申請書などのフォーマットは、出入国管理局(イミグレ)にあります。

インドネシア人と結婚した人がKITAPを申請する場合、インドネシア人の配偶者、外資法人で働く人の場合は自身が投資している会社などが保証人になりますが、保証人が見つからない場合はエージェントを活用することもあります。

また、立場によっては上記以外の書類を用意しなければいけません。例えばインドネシア人の配偶者を持つ人としてKITAPを申請するのであれば、Buku Nikah(結婚証明書)やKK(家族証明書)を用意する必要があります。

一方、外資法人で働く人の場合は先述の通り営業許可証や会社登記証明書、外国人投資家の場合はスポンサー企業の法的書類などが必要です。

2. 出入国管理局へ行く

必要書類をすべて揃えて出入国管理局へ提出しに行きます。KITAPを申請するための要件を満たしていること、書類が有効であることなどを確認し、問題なければその日の手続きは終わりです。窓口で支払いのタイミングや方法を聞き、それに従って費用を支払います。

3. 出入国管理局へ再度訪れる

書類の確認が完了した旨の連絡を受けたら、出入国管理局を再度訪問。ここでは、職員による面接や身元確認、写真撮影、指紋採取などを行います。

4. 家庭訪問

出入国管理局の職員による家庭訪問が行われます。この家庭訪問は、インドネシア人の配偶者と本当に一緒に生活をしているのか、就労許可を得ていない人に関しては本当に仕事をしていないかなどを調査する目的で行われます。

5. KITAPの発行

諸々の手続きが問題なく完了すれば、KITAPが発行されます。

なお、ここまで自力でKITAPを発行する手順を紹介しましたが、書類や手続きが複雑で外国人が一人で手続きするのは難しいことや、「出入国管理局で通常よりも高い発行手数料を提示された」といったトラブルが起こるリスクがあるので、もし周りにご相談できる方がいなければ弊社までご連絡ください。

インドネシア語やインドネシアでの手続きに慣れている配偶者や会社の担当者などとともに窓口へ行けるのであれば安心ですが、そういった方にお任せできないケースでも同様に弊社の方でサポートさせていただきます。

KITAPの発行手数料

KITAPの発行手数料は以下の通りです。

発行手数料
KITAPの発行350万ルピア(3万3,200円)
電子版KITAPの発行370万ルピア(3万5,000円)
KITAPの延長1,000万ルピア(9万4,800円)
電子版KITAPの延長1,020万ルピア(9万6,700円)

KITAPには通常のカード版のものだけでなく電子版のものもあり、そちらを発行する場合は発行手数料が20万ルピア(1,900円)高くなります。さらに、KITAPは5年ごとに延長手続きを行う必要があり、その際も費用がかかります。

また、KITAP取得時に、2年間自由に出入国できるMultiple Re-Entry Permit(再入国許可証)を175万ルピア(1万6,600円)で取得します。取得時に特別な手続きは必要ありませんが、KITAPの有効期間と再入国許可証の有効期間が違うので、更新のタイミングを間違えないようにしましょう。

参考:Izin Tinggal Online Imigrasi「Izin Tinggal Tetap」

状況に応じて取得する許可証・ビザを選ぼう

本記事ではKITAPについて紹介しましたが、インドネシアに長期滞在するすべての人がKITAPの取得を目指さなければいけないわけではありません。

例えば駐在員などある程度インドネシアに滞在する期間が決まっている人、土地や不動産を使用する予定がない人などは、ひとまずKITASを更新し続けるのも1つの選択肢です。

また、KITAPはあくまで居住を許可するものであって、現地で収入を得たい場合は就労許可を別途で取得する必要があります。

インドネシアにはさまざまなビザや許可があり、状況に応じて適切なビザや許可を取得しなければ大きな問題になる可能性もあるため、自分が何を取得しなければいけないのかをしっかりと確認しておきましょう。

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KITAPとは何ですか?

KITAP(Kartu Izin Tinggal Tetap)とは、インドネシアに恒久的に滞在することを認める許可証のことです。

KITAPを取得すると何ができますか?

KITAPを取得すると、恒久的な居住(5年ごとに延長手続きが必要)、2年間の自由な出入国(再入国許可証の取得が必要)、IDカードの発行、土地や不動産の使用などができます。

KITAPの取得方法を教えてください。

KITAPを取得するためには、必要書類を揃えて出入国管理局へ行きます。発行手数料を支払い後、職員による面接や身元確認、写真撮影、指紋採取のほか家庭訪問などを行い、問題がなければKITAPが発行されます。

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