「スタートアップエコシステム」インドネシア2位、バンドンの実力と可能性

更新
2025/06/18
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インドネシアのスタートアップエコシステムにおいて、ジャカルタに次ぐ存在感を放っているのが西ジャワ州の州都・バンドンです。2025年の「Global Startup Ecosystem Index」では世界261位にランクインし、国内2位となりました。

本記事では、バンドンのスタートアップ環境の強み、課題、注目企業などについて紹介します。

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はじめに

スタートアップの成長は都市のイノベーション力を象徴する指標の一つです。

本記事ではまず、各都市のスタートアップ活動を総合的に評価した「Global Startup Ecosystem Index」におけるインドネシアの都市ランキングを紹介します。次に、特に注目されるバンドンに焦点をあてて、その実力と課題を見ていきます。

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01

インドネシアの人口ピラミッドや人口推移などについて知りたい

02

インドネシアの平均月収や平均年収について知りたい

03

ジャカルタの物価やジャカルタで暮らす人たちの生活費について知りたい

04

インドネシアを代表する7つの財閥とその主要な事業内容について知りたい

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数字でみるバンドンのスタートアップ

スタートアップエコシステム都市ランキング

以下に紹介するのは、スタートアップエコシステムに関する研究を行うStartupBlinkによる「Global Startup Ecosystem Index 2025」の都市別ランキングです。スタートアップのエコシステムが優れた都市「Best Cities for Startups」として、インドネシアからは1000位以内に5都市が入りました。インドネシア国内の1位はジャカルタで世界30位、2位はバンドンで世界261位です。

スタートアップエコシステムに関してはジャカルタが群を抜いており、総合スコア(32.251)は2位のバンドン(1.814)の18倍です。強みは「Eコマース & 小売」分野で、東南アジアで第2位、世界では第17位に位置しています。

Global Startup Ecosystem Indexインドネシアの都市ランキング

  1. ジャカルタ(世界30位)
  2. バンドン(世界261位)
  3. スラバヤ(世界478位)
  4. デンパサール(世界646位)
  5. ジョグジャカルタ(世界702位)
  6. メダン(世界1030位)
  7. スマラン(世界1215位)
  8. マラン(世界1364位)

Global Startup Ecosystem Index 2025について

Global Startup Ecosystem Indexは2017年から毎年、世界の各都市のスタートアップエコシステムを数値化してランキングにしています。2025年版では118か国、1,473都市が対象となりました。評価には以下の3つのサブスコアを含む数十のパラメータが考慮されています。

数量(Quantity)
エコシステムの活動量を測定。スタートアップ数や投資家数、活動拠点数など。

質(Quality)
エコシステム内の活動の影響力と成功度を評価。投資額、従業員数、多国籍企業の数、イベントなどの数と規模、代表的なスタートアップの影響力など。

ビジネス環境(Business Environment)
スタートアップの成長を支える全体的な環境を評価。多様性指数、インターネット速度・コスト、研究開発投資額、技術サービスの利用可能性、利用可能なビザ、労働法、法人税率など。

国内2位・世界261位のバンドンのスタートアップエコシステム

バンドンの強み

「Global Startup Ecosystem Index 2025」国内2位のバンドンは、ジャカルタ以外を拠点とする企業としては初のユニコーン企業であるeFisheryを輩出するなど、存在感を見せています。

インドネシア第3の都市であり、西ジャワ州の州都でもあるバンドンには、スタートアップエコシステムを強化するうえで、以下のような強みがあります。

1. 人材・技術の供給源としての強力な大学群と起業文化

バンドン工科大学(ITB)を筆頭に、バンドンには技術・デザイン・経営分野に強い大学が多数あります。起業活動も活発で、小規模ながら革新的な、技術志向のスタートアップが生まれやすい土壌があります。

2. エコシステムの広がり

バンドンでは、地元のスタートアップエコシステムを強化する拠点やコミュニティが育ちつつあります。

先駆けとなったのはインドネシアでもっとも古いテクノパークの一つである「バンドン・テクノパーク」です。近年は、起業家やコミュニティの活動拠点となるコワーキングスペースやレンタルオフィスも増えています。

起業家支援としては、バンドン工科大学やテルコム大学のインキュベーションプログラムが知られています。また、スタートアップ企業の創業者や関係者のコミュニティ「Startup Bandung」などのコミュニティ活動や、スタートアップ関連のイベントも盛んです。

3.  生活コストと居住環境の良さ

バンドンはジャカルタに比べて家賃・人件費・オフィスコストが低く、高地にあるため比較的涼しい気候で、暮らしやすい都市であることが魅力です。高速鉄道Whooshの開通でジャカルタへのアクセスも良くなり、起業家やノマドワーカーの活動拠点として適しています。

バンドンの課題

バンドンは「Global Startup Ecosystem Index 2025」の国内ベスト10にランクインした他の都市に比べて成長率が低く、世界ランクも前年から12位落としています。バンドンが1位のジャカルタに大きく溝を空けられ、成長率も低迷している要因はいくつか考えられますが、その一つがジャカルタ一極集中です。

インドネシアでは、スタートアップ企業の数に加え、投資家やベンチャーキャピタルの関心、資金調達の機会の多くがジャカルタに集中しています。アクセラレーターやコワーキングスペース、インキュベーションプログラムの数や質、国際的なイベント開催やパートナーシップ、広範囲への影響力や発信力においても、バンドンを始めとする地方都市は、ジャカルタにかないません。

また、ジャカルタに近いことは、バンドンのスタートアップ界にとって強みであるとともに弱みでもあります。有望なエンジニアや起業家がキャリアのためにジャカルタに移るケースも多く、高等教育機関の卒業生の地元定着が課題となっています。

バンドン発のスタートアップ

StartupBlinkが四半期ごとの資金、トラフィック、従業員数を元に発表した、バンドンの2025年版スタートアップランキングを紹介します。

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