東南アジアで「ワースト3」、インドネシアの遅いインターネットとITインフラ整備の課題

更新
2025/08/10
この記事は約4分56秒で読めます。

インドネシアの中でもジャカルタなどの大都市を時々訪れると、そのたびに急激な進歩と変化を実感できます。その一つがインターネット環境で、数年前と比べると、インターネットを快適に使える場所が格段に増えたと感じます。

インドネシアでの現地視察の手配
(車や運転手)を丸投げ可能です
● 車と運転手の手配:20,000円〜/日
● 通訳の手配:25,000円〜/日
● 現地法人のアポイント取得代行:30,000円/社
● 見込み客との個別インタビュー設定:25,000円(2時間)
● グループインタビュー:20,000円×人数(3時間)

はじめに

インドネシアのインターネット環境は確実に進歩していますが、周辺の国々と比べるとまだまだだという調査結果があります。2023年の調査によると、インドネシアのインターネット速度は東南アジアの中でワースト3。そのうえ、国内で大きな格差があることも問題です。

本記事では、この調査結果を始めとする数字や映像とともに、インドネシアのインターネット環境について紹介します。

インドネシアへ現地視察する際の注意点

「本当は工場を訪問して機械のメンテナンスをすることが目的だけど、ビザ取得が煩雑そうなので、とりあえず到着ビザ(VOA)でこっそりメンテナンスをしよう」と考える方もいます。

ところが、目的に合ったビザを取得しなかったことでトラブルに巻き込まれるケースを多数見聞きしてきたので、適切なビザを申請して訪問することを強くおすすめします。

「なぜバレるのか」という疑問がわくかもしれませんが、その1つとして宿泊施設と入国管理局(イミグレ)との連携があります。インドネシアでは外国人を宿泊・滞在させるときに、宿泊施設がイミグレに報告する義務があります。そこの連携が原因で目的外の活動をした際に、その行為がバレてしまうのです。

ビザの種類と目的はこちら

数字でみるインドネシアのインターネットの速度とITインフラ

インドネシアのインターネット速度は東南アジアで「ワースト3」

インターネットの速度を無料で測定できるSpeedtest.netが、「2023年12月の国別速度中央値」ランキングを発表。これによると、インドネシアはモバイルネットワークが25.0Mbpsで146か国中97位、固定ネットワークが27.9Mbpsで178か国中126位でした。

一方の日本は、モバイルネットワークが47.3Mbpsで55位、固定ネットワークが188.3Mbpsで16位です。東南アジア(ASEAN加盟国と東ティモール)を見渡すと、インドネシアはモバイル、固定共に11か国中9位でした。 

Speedtestによる2023年12月の東南アジア11か国のインターネット速度ランキングは、以下の通りです。

モバイルネットワーク

  1. シンガポール 93.4
  2. ブルネイ 91.9
  3. マレーシア 69.9
  4. ベトナム 49.1
  5. タイ 42.1
  6. ラオス 30.0
  7. フィリピン28.1
  8. カンボジア 26.6
  9. インドネシア 25.0
  10. ミャンマー 21.3
  11. 東ティモール 4.2

固定ネットワーク

  1. シンガポール 270.6
  2. ブルネイ 221.3
  3. マレーシア 111.7
  4. ベトナム 107.4
  5. タイ 92.9
  6. ラオス 68.7
  7. フィリピン 37.0
  8. カンボジア 32.6
  9. インドネシア 27.9
  10. ミャンマー 19.7
  11. 東ティモール 7.2

インターネットの遅さは、多くの面で人々に不便を強い、国に不利益をもたらします。通信情報省のBudi Arie Setiadi (ブディ・アリエ・セティアディ)大臣は、インドネシアは通信セクターへの投資を増やすなど、さまざまな手段を通じてインターネットの速度を向上させる必要があると強調しました。同氏によると、特に5Gネットワークを普及させることが重要で、それには多額の投資が必要です。

参考:
SPEEDTEST「Median Country Speeds December 2023」
Logo Bloomberg Technoz「Membandingkan Kecepatan Internet Indonesia vs Negara ASEAN」

ITインフラの地域間格差

東南アジアワースト3のインターネット速度とされたインドネシア。その中でも、ITインフラの普及状況には大きな地域差が存在します。特に、国土の東端に位置し、政治と経済の中心である首都ジャカルタを含むジャワ島から遠く離れたパプアの状況は深刻です。

中央統計庁が発表した2022年の「携帯電話を所有する5歳以上の人口の割合(州別)」を確認すると、インドネシア全土では67.9%の人がスマートフォンなどの携帯電話を所持しています。州別に見るとジャカルタは82.3%で割合が最も高い州の1つですが、最下位のパプアは35.3%に留まっています。

また、「インターネットにアクセスしたことがある5歳以上の人口の割合(州別)」でも、インドネシア全体が66.5%、ジャカルタが84.7%であるのに対し、最下位のパプアは26.3%でした。

参考:
Databoks「67% Penduduk Indonesia Punya Handphone pada 2022, Ini Sebarannya」
Databoks 「Penetrasi Internet di Indonesia Belum Merata sampai 2022」

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映像でみるインドネシアのインターネット速度とITインフラ

ファイルのダウンロードに1日かかるのろのろインターネット

ファイルのダウンロードに1日かかるインドネシアののろのろインターネット

こちらの動画は、あるオフィスの従業員が自らのパソコンでファイルをダウンロードしようとした際の所要時間を撮影したものです。

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