「自転車に乗るのが快適な都市ランキング」ジャカルタはアジアでワースト2
- 公開
- 2025/12/29
- 更新
- 2026/06/21
- この記事は約3分14秒で読めます。
コロナ禍を経て、趣味として自転車に乗る人が増えたインドネシア。ジャカルタ周辺では、スポーツウェアに身を包み、クロスバイクやロードバイクで駆け抜ける人をよく見かけるようになりました。
その一方、ジャカルタは「自転車に乗る人にやさしくない」という調査結果が発表されています。人々の健康によく、環境にやさしく、渋滞解消にも貢献するであろう自転車が普及するため、ジャカルタに必要なことは何なのでしょうか。
数字でみるインドネシアと自転車
ジャカルタは自転車愛好家にとって「22点」、アジアでワースト2の都市
フランスの住宅保険スタートアップLukoが昨年発表した「Global Bicycle Cities Index 2022」の「自転車に乗るのが快適な都市ランキング」によると、ジャカルタのスコアは21.7/100で、対象になったアジア12都市のうち11位でした。
本調査の対象となったのは、世界の90都市。評価には、天候、自転車に乗るトレンド(文化)、安全性、インフラ、レンタサイクルなどのサービスの利便性が考慮されています。
ジャカルタが21.7という低スコアで下から2番目の11位に甘んじている要因は、いくつか考えられます。
例えば住民の自転車利用率が約30%という杭州に比べ、ジャカルタはわずか2%で、「日常の移動手段として自転車が浸透していない」という事情があります。
また、大通りに自転車専用レーンや十分な路肩のスペースがない、渋滞すると道が車やバイクでいっぱいになるなど道路環境、レンタサイクルの少なさ、年間を通して暑く、雨季は雨が続く気候、大気汚染なども挙げられます。
「自転車に乗るのが快適なアジアの都市ランキング(2022)」
以下は、「Global Bicycle Cities Index 2022」の「自転車に乗るのが快適なアジアの都市ランキング」です。ジャカルタは11位、東京は2位に入っています。
- 杭州(中国):52.6
- 東京(日本):40.3
- テルアビブ(イスラエル):36.6
- 北京(中国):35.9
- 上海(中国):32.5
- シンガポール(シンガポール):31.6
- ソウル(韓国):27.7
- イスタンブール(トルコ):25.5
- ニューデリー(インド):24.0
- 香港(香港):22.2
- ジャカルタ(インドネシア):21.7
- バンコク(タイ):18.9
※スコアは100点満点中
映像でみるインドネシアと自転車
アースデイ記念の自転車イベント

他のアジアの主要都市と比べて、「自転車が流行っていない」「自転車に乗りにくい」都市として認定されたジャカルタ。
とはいえ、コロナ禍を経て自転車愛好家は増え、イベントも頻繁に行われるようになりました。企業や愛好家グループが社員・会員を対象に開催するものから、観光スポットが定期的に実施するもの、企業がスポンサーになるものなどさまざまで、中にはアスリートライダーが参加し長距離を走るレースイベントもあります。
こちらの動画は、国営の石油会社Pertaminaの子会社であるPT PGN Tbkが開催した、2024年のHari Bumi(アースデイ)の記念イベントの様子です。
当日は同社の従業員や役員を含む約100名が、PT PGNジャカルタ支部から中央オフィスまでの8.4㎞を自転車で走り、自転車が地球にやさしい移動手段であることを社内外にアピールしました。
他に、「Planet vs Plastik」と題されたトークイベントなども開催。国営企業として、インドネシア政府が掲げる「2060年までにカーボンニュートラル」「2040年までにプラスチック生産量60%減」などの目標達成に向け、環境保護にコミットする姿勢を改めて発信する機会となりました。
小道もすいすい、自転車通勤が人気

ジャカルタは、世界の中でも特に交通渋滞がひどい都市の1つです。渋滞につかまると仕事に間に合わないため、せっかく自家用車を持っていても通勤にはバイクを使うという人も少なくありません。
そんな中、渋滞を避けられ、しかも健康的で環境にも財布にもやさしい自転車を、通勤手段に選ぶ人も増えています。ただ、ジャカルタやその周辺では自転車専用レーンが設けられている道はごく一部。路肩にも自転車が安心して走行できる十分なスペースがあるとは限らず、渋滞だけでなく安全面の不安もあります。
こちらの動画は、ジャカルタに隣接する南タンゲランの自転車通勤コミュニティーのInstagram投稿です。車とバイクがひしめく大通りを避けて住宅街に入り、バイクも通り抜けるのに苦労するような小道を抜けていく様子がわかります。
住民の生活に配慮する必要はありますが、これが自転車通勤の良さ。時にはいつもと違う道を通ってみる楽しみもあります。
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自転車文化の普及へ、政府も支援
インドネシア政府も、自転車通勤やサイクリング、ツーリング、自転車競技など、自転車文化の普及に力を入れています。
例えば、2021年にタイムトライアル大会として初開催された「Local Legend」は、観光・クリエイティブエコノミー省などがサポートする大規模な自転車イベント。2024年は6月に中央ジャワ州Magelangをスタート地点、世界遺産ボロブドゥール遺跡をゴールとして開催される予定で、各地でプレイベントも実施されます。
インドネシアには、気候、交通渋滞、インフラなどの面で自転車生活に不向きな点が多く、都市部で自転車を主な移動手段にするには多くのハードルがあります。それでも、数年前に比べると、自転車に乗る人は明らかに増えました。今後は、自転車愛好家たちがより楽しく、安全に走れる環境が整えられていくことが期待されます。
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