インドネシアで人気のカフェチェーンとコーヒーの楽しみ方

公開
2025/03/11
更新
2025/03/22
この記事は約6分18秒で読めます。

本記事では、インドネシアのカフェ市場の現状と特徴について解説します。

インドネシア進出を検討している日系食品メーカー、調味料メーカー、菓子メーカーなどの企業にとって、現地のカフェ文化や市場動向を理解することは重要な判断材料となります。インドネシアにおけるカフェの位置づけ、主要プレイヤー、消費者の嗜好、そして日本企業のビジネスチャンスについて把握するために、ぜひ本記事をご一読ください。

【補足】
本記事の円表記は、2025年2月26日のレート(1ルピア=0.0091円)で換算したものです。

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インドネシア人はカフェ好き?

インドネシアには「Ngopi(ンゴピ)」という言葉があります。これは「コーヒーを飲みながら話そう」という意味で、日常会話でよく使われる表現です。

モダンなカフェが浸透するずっと前から、インドネシアでは、話し合いをする時や人と交流する際にコーヒーやお茶を飲む文化がありました。イスラム教が主流の国であることから、アルコールを飲まない人が多いこともあり、社交の場としてカフェが重要な役割を果たしています。

また、Statistaのデータによれば、インドネシアにおけるカフェやコーヒーショップの数は、2019年から2023年にかけて、5,634件から9,031件に増えています。モダンでおしゃれなカフェが次々と登場していることは、ジャカルタの街やショッピングモールを訪れると、すぐに実感できます。

参考:Statista「Number of cafés and bars in Indonesia from 2019 to 2023」

インドネシアで人気のカフェ

ここからは具体的なカフェチェーン店を紹介します。比較的規模の大きなチェーン店を、ジャンルや顧客層の偏りが出ないように選びました。

メニューについては価格帯を比較できるようにブラックコーヒー(アメリカーノ/ロングブラック)の価格を記載します。

外資系カフェ

STARBUCKS

スターバックス・インドネシア
画像引用:Starbuks「Coffeehouse」

スターバックスは1996年にインドネシアに進出し、2025年2月時点では全国で500店舗以上を展開しています。インドネシアのスターバックスは、バーガーキング、ドミノピザ、サブウェイなどを運営するPT Mitra Adiperkasa Tbk(ミトラアディプルカサ社)によって運営されており、ローカライズされたメニューも提供しています。

最近ではイスラエル関連企業・製品に対するボイコット運動の影響を受けて売り上げが下がり、人員整理も行われています。一方で根強い人気があることも事実で、今後どのようになっていくかは注目したいところです。

The Coffee Bean & Tea Leaf

The Coffee Bean & Tea Leafは元々アメリカ資本のカフェで、現在はフィリピン資本によって運営されています。2001年にインドネシアに進出しました。インドネシア国内での店舗数は公開していませんが、ジャカルタのある程度規模のあるショッピングモールなら簡単に見つけることができるカフェです。コーヒーとお茶、パンやケーキに加え、食事メニューも提供しています。

  • Webサイト:https://coffeebean.com/
  • 参考価格:アメリカーノ(レギュラー):3万6,000ルピア(328円)

Flash Coffee

インドネシアのフラッシュコーヒー
画像出典:Flash Coffee

Flash Coffeeは2020年にシンガポールで創業され、テクノロジー駆動型のコーヒーチェーンとして急速に拡大しています。インドネシアへは創業直後に進出し、2025年2月時点でジャカルタを中心に60店舗以上を展開しています。モバイルアプリでのオーダーとテイクアウトを重視したカフェで、省スペースで展開できるのが特徴。

メニューはドリンクが中心で、パンやお菓子も少しあります。価格帯も安く、若年層に人気があります。

ローカルカフェ

Djournal Coffee

インドネシアのジャーナル・コーヒー
画像出典:ISMAYA「DJOURNAL」

Djournal Coffee(ジャーナル・コーヒー)は2012年にジャカルタで誕生した、ISMAYAグループが運営するコーヒーチェーンです。現在では16店舗を展開するほか、多くの飲食店チェーンを持つISMAYAの他ブランドの店舗の一角に出店しているケースもあります。モダンでスタイリッシュな店内デザインと質の高いインドネシア産コーヒー、バリスタの技術に定評があります。

ドリンク類やパン、ケーキに加え、洋風およびアジア風の食事メニューも豊富です。

Excelso

画像出典:Excelso Instagram

インドネシアで最初のモダンカフェを自称するExcelso(エクセルソ)は、1991年に創業したインドネシア最大級のローカルコーヒーチェーンの一つです。インスタントコーヒーでおなじみのKapal Api(カパル・アピ)グループのカフェで、全国に120店舗以上を展開しています。

食事メニューとしてはスパゲッティやサンドイッチに加え、ナシゴレンなどインドネシアおよびアジア風のご飯メニューも揃えています。

Kopi Kenangan

Kopi Kenanganは2017年に創業したコーヒーチェーンです。「サードウェイブコーヒーの味をセカンドウェイブの価格で」というコンセプトで、スターバックスに手が届かないが、インスタントコーヒーでは飽き足らない若者層の心を掴みました。インドネシアの飲食業界で初のユニコーン企業で、2025年2月現在では全国で約900店舗を展開しています。

Flash Coffeeと同様に、モバイルアプリでの注文システムを導入し、イートインできる路面店だけでなく、ショッピングモールのフードコートやガソリンスタンドの一角にも出店しています。ドリンクとパンがメインですが、チキンナゲットやハンバーガーを提供する店舗もあります。

激戦区のジャカルタでは海外顔負けのハイレベルなカフェも

ジャカルタ、特に南ジャカルタエリアには、海外の有名カフェに引けを取らない高品質なローカルカフェが多数存在します。その中でも特に注目すべき店舗をご紹介します。

Monolog Coffee

画像出典:Monolong Coffee Instagram

Monolog Coffeeは2014年にジャカルタで創業したスペシャルティコーヒーを提供するカフェです。インスタ映えする洗練されたインテリアデザインと質の高いコーヒーで、コーヒーにこだわる若者や富裕層に人気があります。

2025年2月時点でジャカルタに3店舗を展開し、シングルオリジンのコーヒーやエアロプレス、サイフォンなど様々な抽出方法を楽しめる本格派のカフェとして知られています。

1/15 Coffee

インドネシアの1/15 Coffee
画像出典:One Fifteenth Coffee

1/15 Coffeeは2013年に創業したスペシャルティコーヒーショップで、2025年2月時点でジャカルタと周辺都市に8店舗を展開しています。カフェの名前「one fifteenth(15分の1)」は、「カップ1杯の理想的なコーヒーと水の割合が1:15であること」に由来しているそうです。

世界各国から厳選したコーヒー豆が良質であることはもちろん、バリスタのパフォーマンスも見事です。居心地の良い空間も魅力で、ビジネスミーティングや友人との待ち合わせにも重宝されています。


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インドネシア人のカフェに対する好みや考え方

インドネシア人のコーヒーの好みには、いくつかの特徴があります。

まず、インドネシア人は甘さと濃厚さを好む傾向があります。特に練乳や砂糖を入れた甘いミルクコーヒー「コピ・スス」が広く親しまれています。砂糖は白砂糖のほか、Gura merah(赤砂糖)などと呼ばれるヤシ砂糖も好まれます。中高年層やカフェに行く余裕のない低所得者層が好んで飲むインスタントコーヒーも、とても甘いものが多くなっています。

一方、都市部の若い世代や富裕層では、よりブラックに近いコーヒーや風味を重視したスペシャルティコーヒーを飲むことも一般的になってきています。以前はモダンなカフェでもアメリカ―ノやカフェラテに砂糖が入るのが基本スタイルでしたが、最近は注文の際に要望を聞いてくれたり、砂糖が別添えで出てきたりするカフェも増えました。

インドネシアのカフェ文化のもう一つの特徴は、客の滞在時間の長さです。多くのインドネシア人は、カフェを単にドリンクを飲む場所としてではなく、社交や仕事、勉強の場として利用します。そのため、一杯のドリンクで何時間も過ごすことも珍しくありません。特に、無料Wi-Fiを提供するカフェは学生やフリーランサーに人気があります。

また、ジャカルタの中心部では少なくなってきているものの、地方や郊外のカフェでは食べ物を持ち込む人もいます。ドリンクを1杯注文し、持参した弁当やスナックを食べるというスタイルです。この文化は、特に学生や予算を抑えたい若者の間で見られます。現在はスターバックスなど多くのカフェが入り口に「持ち込み禁止」という注意書きを掲示しています。

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まとめ

インドネシアのカフェ業界は常に高い需要があり、その分、競争も激しくなっています。インドネシア人の社交的な文化と、カフェでの時間を重視する価値観により、今後も安定した成長が期待できる市場といえるでしょう。

日系企業としては、星野珈琲や%ΔRΔBICΔ(カフェアラビカ)がすでにインドネシアに進出しており、日本品質のコーヒーや雰囲気が現地で評価されています。進出を検討する日系企業にとっては、自社ブランドでのカフェ展開のほか、既存のカフェチェーンへの食材や調味料、菓子などの供給という形でのサプライヤーとしての参入も有望です。

特に、インドネシア人の嗜好に合わせた甘さの調整や、ハラル認証を取得した商品の提供、そして現地の気候に適した保存性の高い商品開発などが、成功のカギとなるでしょう。また、急成長するモバイルオーダーやデリバリー市場にも注目する価値があります。

インドネシアのカフェ市場の競争を勝ち抜くためには、品質や独自性が求められます。日本ならではの品質管理やサービス、商品開発力を活かした参入戦略を立てることで、大きなビジネスチャンスを掴める可能性があります。

インドネシアでの飲食店ビジネスに興味がある方へ

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インドネシア人はカフェが好きですか。

インドネシアにはモダンなカフェが登場する以前から、お店でコーヒーを飲んでゆっくりする文化がありました。また飲酒をしないイスラム教徒が多いインドネシアにおいてカフェは、社交の場としても非常に重要です。

インドネシアのカフェは増えていますか。

インドネシアにおけるカフェやコーヒーショップの数は、2019年から2023年にかけて、5,634件から9,031件に増えています。

インドネシアではどのようなカフェが流行っていますか。

以前からあるStarbuksなどの外資系カフェに加え、インドネシアのコーヒー豆を使った本格的なコーヒーを安く提供する、ローカルのチェーン店が増えています。

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