バリ島観光産業アフィリエイトプログラム「Hallo Bali」開始

公開
2025/12/30
更新
2026/06/21
この記事は約7分53秒で読めます。

コロナ禍で大打撃を受けたバリ島の観光産業を盛り上げようと、新しいアフィリエイトマーケティングプラットフォーム「Hallo Bali」が誕生しました。

アフィリエイトはインドネシアでもブロガーが収入を得るための一般的な方法の一つですが、こちらのHallo Baliは運営元のプラットフォームが地域経済の活性化を主な目的としている点で、一風変わったプログラムとなっています。

本記事では、Hallo Baliのサービス開始について報道した2月18日のMarketing.co.id「HalloBali, Platform Affiliate Gandeng Netizen Promosikan Bali」およびHallo BaliのWebサイトを主な情報源としながら、Hallo Baliオープンの背景やアフィリエイトプロブラムとしての特徴、実際に出品されている商品などについて取り上げます。

加えて、地域によって経済やインフラ面の格差が大きいインドネシアにおいて、デジタルの力による地域活性化に取り組む他のサービスの例もご紹介します。

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新しいアフィリエイトプラットフォーム「Hallo Bali」誕生

バリ島は、インドネシア国内だけでなく、世界でも最も人気のある観光地の一つです。しかし2020年から約3年間続いた新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、現地の観光産業は深刻な低迷を経験しました。

そんなバリ島の観光産業を活性化させるためにオープンしたのが、Hallo Baliです。

このセクションでわかること(クリックすると該当箇所へ移動します)

Hallo Baliとは

HalloBALI.id(以下Hallo Bali)は、バリ島の観光産業がネットユーザーのSNSでの拡散力や影響力を使ってブランディングを強化し、売上を伸ばすためのオンラインプラットフォームです。

このプラットフォームでは、ネットユーザーがSNSやその他のデジタルサービスを通じてバリ島の観光商品を宣伝します。

報酬は商品やサービスの提供者からアフィリエイターに直接支払われます。そのため、報酬額は商品価格の5~20%と、比較的大きくなっています。

インドネシアの主なアフィリエイトプログラムと比較すると、例えばECプラットフォーム大手Tokopediaは5~10%(上限5万ルピア)、Shopeeは2.1~7%、ファッション製品のECプラットフォームZaloraが2.5~6%となっているので、Hallo Baliの報酬はやや高めに設定されていることがわかります。

なおHallo Baliに出品されているものは、自ら購入することも可能です。

Hallo Baliの仕組み(アフィリエイターとしての参加方法)

Hallo Baliには多くの商品やサービスが掲載されています。このプラットフォームにアフィリエイターとして登録した人は好きなものを選んで自らのSNSで宣伝し、そのリンクから購入に繋がった場合に報酬を受け取ります。

①アフィリエイター登録

Hallo BaliプラットフォームでSocial Seller(ソーシャルセラー)として登録します。登録には、Facebook、Instagram、WhatsAppのいずれかのSNSアカウントを持っている必要があります。

②宣伝する商品・サービスを選ぶ

登録が済んだら、Hallo Baliの「Share-to-Earn」セクションにアクセスします。このページでは、ホテルの割引、レンタカー、観光地の入場券、土産物などが紹介されています。アフィリエイターは、自分のSNSに適した商品を選択できます。

③商品・サービスを宣伝

選んだ商品やサービスを自らのSNSで宣伝します。アフィリエイトリンクと得られる報酬の割合は、「Share-to-Earn」の該当商品の画面で確認できます。

④コミッションの確認・支払請求

商品やサービスをSNSでシェアすると、アフィリエイターは自動的にマーケティングプラットフォームViralmuに登録されます。

アフィリエイターは自分がシェアしたリンクからの購入があるとリアルタイムで報酬を獲得し、総額はViralmu.idのダッシュボードで確認できます。報酬の支払請求はViralmuと接続しているペイメントゲートウェイiPaymuから行います。

Hallo Baliスタートの背景

コロナ禍からの回復

前述の通り、バリ島の観光産業は、新型コロナウイルスの感染拡大により大打撃を受けました。

2019年~2022年にングラ・ライ国際空港に到着した観光客数
「ングラ・ライ国際空港に到着した観光客数 2019年~2022年」
参考ページ(①~③)を元に弊社作成

インドネシア銀行の調査によると、バリ島のングラ・ライ国際空港に到着した観光客数は、国際線では2019年が625万人、2020年が104万人、そして2021年が473人でした。これに対し2022年は220万人と回復を見せており、バリ州政府は2023年の目標を450万人としています。

また国内線では2019年が498万人、2020年が174万人、2021年が188万人、2022年が390万人でした。

このようにバリ島の観光産業はコロナ禍から徐々に回復している一方で、別の問題にも直面しています。

バリ島の競争力強化

Hallo BaliのCEOであるSylvia Ratna氏は、「バリ島の観光産業は世界経済の減速と各地の観光地との競争の激化にさらされており、競争力を維持するための包括的な打開策を必要としている」と述べました。

加えて同氏は、「毎年何百万人もの人々がバリ島で休暇を過ごし、その経験をSNSで共有している。それをマネタイズできれば、休暇はもはや費用のかかる活動ではなく、お金を生む活動になる。」 としています。

Hallo Baliには、「旅行体験をSNSでシェアする」という多くの人が既に習慣化している行動を集約して一つのムーブメントに成長させることで、バリ島の観光産業が国内外の他の観光地との競争に負けない力をつけられるよう支援するという目的もあるのです。

Hallo Bali出品商品の例

ここで、Hallo Baliに実際に出品されている商品をご紹介します。

2023年3月7日現在、出品数は70程度で、まだまだ選択肢に限りがあるという印象です。これから出品者とアフィリエイターが増え、プラットフォームが賑わっていくかどうかが注目されます。

宿泊・旅行

Hallo Baliに出品されている旅行関連商品

ホテルやヴィラの宿泊、動物園など観光施設のチケット、ツアーやアクティビティー、レンタカーなどが割引価格で出品されています。

飲食

Hallo Baliに出品されている飲食店のクーポン

地元の飲食店で利用できるバウチャーが出品されています。

土産物(雑貨)

Hallo Baliに出品されている手工芸品

革製バッグや椰子の実を加工した器、石鹸、お香などの雑貨や観葉植物などが出品されています。

土産物(飲食物)

Hallo Baliに出品されている飲食料品

スナック、スパイス、ジュース、お茶、デザート、パンなどが出品されています。豚肉のソーセージがあるのは、イスラム教徒が多数を占めるインドネシアの中でもヒンドゥー教徒が多いバリ島ならではと言えます。

インドネシア経済の魅力について

デジタルで地域活性化を目指す例

インドネシアでは近年、デジタルの技術を駆使して地域活性化を目指す地方政府や企業の取り組みが次々と始まっています。以下ではその例を2つご紹介しましょう。

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Tokopediaの地域活性化プロジェクトHyperlocal

2020年、Tokopediaは「デジタルでインドネシアに経済の平等をもたらす」という同社のミッション実現に向けた具体的な取り組みの一つとして、「Hyperlocal(ハイパーローカル)」を始めました。

Hyperlocalの取り組みの代表的なプロブラムは、「Kumpulan Toko Pilihan:KTP (選ばれた店の集まり)」です。ユーザーがHyperlocalの対象になっている地域にいれば、Tokopediaアプリ内にKTPプログラムのページが表示されます。

Tokopedia KTPキャンペーン画面
KTPプログラムの画面
メダンのTokopediaユーザーの画面
北スマトラ州メダン市のユーザーのアプリに表示されたプロモーション情報。「Kota Medan(メダン市)」の店舗の商品が並んでいます。

Tokopediaの売り手はジャカルタとその周辺の地域に集中していますが、この機能を利用することで、地方の消費者が、地元の売り手が提供するさまざまな商品をより簡単に探せます。

KTPプログラムには、人々が日用品を地元の売り手から購入する習慣を育てることで、地方の売り手がビジネスを維持し、地域経済に貢献することを支援する狙いがあります。

なお、Tokopediaとインドネシア経済財政研究所(INDEF)はHyperlocalの各地域のデジタル経済への貢献度について調査を実施しています。この調査結果によると、Hyperlocalが実施されている都市において、2017~2019年と比較した2020~2021年の取引数は147%、売上回転率は67%増加しました。また、平均取引数は2017年~2021年で5倍になりました。

水産業統合商取引プラットフォーム「Aruna」

日本と同じ海洋国家であるインドネシアは、世界第2位の漁獲量を誇る漁業国です。一方で、国の経済を支えているはずの漁師の多くが貧困に苦しんでいるという現実があります。

そこで、デジタルの力で貧困状態にある地方の漁師たちを支援しているのが、漁業経済に関するデジタルスタートアップ企業Arna Indonesiaです。同社は自社開発のアプリケーションを利用し漁師と国内外の市場を直接つなぐ技術を提供しています。

またArnaは、消費者が地元の漁師が獲った海産物をより簡単に購入できるようにするB2Cプラットフォーム「Seafood by Aruna」にも力を入れています。同社ではアプリケーションの操作に不慣れな漁師たちが自らオンライン販売を行えるよう、メンターが使い方を説明する活動を積極的に行っています。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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デジタルの力で経済格差を縮小できるか

インドネシアは国民の経済格差が大きな国です。格差の要因は地域、業種、性別、学歴などさまざまな切り口から説明できますが、特に大きな要因の一つは地域差です。地域により最低賃金が大きく異なることや、ネット網を含むインフラの整備状況に差があることなどから、人々の経済力にも格差が生じているのです。

このように格差がもともとあったところに訪れたコロナ禍が、一部の業種に大きな打撃を与え、「業種間」の格差を広げました。コロナ禍で成長した分野の代表は様々なオンラインサービスであり、低迷した分野の代表が今回取り上げた観光や、飲食などの分野です。

以上のような事情もあり、インドネシアでは近年急速にデジタル化が進んでいます。IT系のスタートアップ企業が、ITとは縁遠かった人々をデジタルの世界に誘い、共に成長していこうとするビジネスモデルをよく見かけるようになりました。

こういった取り組みが無理なく継続されるか、そしてどのように実を結んでいくのか、注目していきたいところです。

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