インドネシアで仕事を行う上で理解しておきたいビジネス習慣

公開
2024/06/07
更新
2024/06/10
この記事は約6分25秒で読めます。

日本人とインドネシア人は、多くの面において価値観が異なります。特に大きな違いとして、インドネシアは国民の大半がイスラム教徒のため、ビジネスを行う際にイスラム教徒独自の宗教観が影響することが挙げられます。

ほかにも時間に厳しい日本人と時間に緩いインドネシア人など、日本人とインドネシア人では気質にも違いが見られます。そのためインドネシア人とビジネスをするのであれば、インドネシア人ならではの特性を理解することが重要です。

そこで本記事では、インドネシア人と仕事をするうえで知っておきたい、インドネシアのビジネス習慣をまとめたので参考にしてみてください。

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インドネシアの商習慣と多様性について

日本とインドネシアのビジネス習慣の違いについて知る前に、前提として理解しておきたいのが、インドネシアの多様性についてです。インドネシアは1万を超える島々で構成される島嶼国で、地域によって宗教が違ったり、独自の言語を使っていたりします。

日本の場合は地域によって宗教や言語が大きく変わることはあまりないため、ビジネスの際に相手のバックグラウンドを気にすることは少ないかもしれません。

一方、インドネシアの場合は地域によって宗教や言語が変わり、特に宗教が変わればビジネス習慣も大きく変わります。そのため、ひとまとめに「インドネシア人の習慣」として捉えるのではなく、相手のバックグラウンドをよく理解することが重要です。

インドネシアのビジネス習慣の特徴

「インドネシアのビジネス習慣は相手のバックグラウンドによって異なる」ということを念頭に置いたうえで、ここではインドネシアでのビジネスにおいて一般的といえる習慣を紹介します。

繰り返しになってしまいますが、多様性を持つインドネシア人の気質をひとまとめにして語るのは誤解を招く可能性が高いのですが、それでも尚、大雑把にでもインドネシア人の考え方や価値観を理解することに意味があると考えて説明を続けます。

日本と時間の捉え方が異なる

インドネシアには「Jam Karet(ゴムの時間)」という言葉があり、これは時間がゴムのように伸び縮みすること=時間を大まかに捉えていることを表しています。

このような言葉があることから分かる通り、インドネシア人は日本人と比べて時間厳守に対する意識が低い傾向にあります。実際に、所定の時間になっても会議や商談が始まらない、納期に遅れが発生するといったことは珍しくありません。

また、急ぎで修理しなければいけない機械がある場合などでも、修理業者が約束の時間通りに来なかったり、そもそも日本のように詳細な時間を指定して業者を呼ぶこと自体が難しかったりします。

そのため絶対に後ろ倒しできない納期がある場合や、時間厳守の予定がある場合は、予定より早めの期限を伝えておく、時間厳守であることを伝えておく、こまめに進捗を確認するといった対策を打っておくことが重要です。

華人(華僑)とそれ以外で価値観が異なる

「インドネシア人は時間厳守の意識が低い」と聞くと、ゆったりとした国民性をイメージするかもしれません。しかし、インドネシア人の性格は民族にもよります。

例えば華人(華僑)は、ほかの大多数のインドネシア人と比べて時間厳守を含めビジネスパーソンとしての意識が高い傾向にあります。さらに、交渉の際に金銭面で妥協しない、イエス・ノーをはっきり言うといった特徴もあります。また、イスラム教徒である割合も低いです。

総人口に占める割合はわずか数パーセントですが、財閥系の企業などインドネシアの大企業の創業者や重要な役職には華人(華僑)が多く、家族で会社の経営を握っていることが少なくありません。また、華人(華僑)は貿易分野の職業を選ぶ傾向もあり 、日本企業と関わりのある仕事に就いているケースもよく見られます。

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人前で叱ることは禁忌

日本の会社の場合、何かミスをしたときにほかの社員の前で上司から叱られることはそこまで珍しいことではありません。一方、インドネシアの場合は日本と比べて人前で叱ったり叱られたりする習慣がなく、人前で叱られると侮辱されたと感じる人も多くいます。

そのため、インドネシア人従業員に注意しなければいけないことがある場合は、誰もいない部屋に移動するなどの配慮が求められます。

インドネシアでは人材の流動性が高く、特に若い人たちは転職を当たり前に考えています。転職することで給与や役職も上がりやすいので、人前で叱った社員が翌日退職したという話はよく聞きます。せっかく育てた社員が簡単に辞めてしまわない配慮が必要です。

食事やお土産にはハラールを意識する必要がある

イスラム教徒が大半を占めるインドネシアでは、食事やお土産に「ハラール」を意識することをおすすめします。ハラールとは、イスラム教の教えに則って許されていることやもののことで、ハラールではないものを「ハラーム」と呼びます。

例えばハラームには、豚由来の原料や添加物が含まれます。多くのイスラム教徒は豚肉や豚由来の原料が入ったものを口にしないため、お店選びやお土産選びには配慮が必要です。また、日本では飲み会の場で社員やビジネスパートナーと親交を深めることがありますが、イスラム教徒はアルコールを飲まないため、注意してください。

雑談などコミュニケーションを楽しみたい

インドネシア人はおしゃべり好きな国民としても知られます。プライベートだけでなく職場でも、黙々と作業するより適度に雑談を挟むなどしてコミュニケーションをとる人が多いという特徴があります。

インドネシア人が雑談を好むのは、おしゃべり好きな国民性ということもありますが、会話を通して相手と信頼関係を築きたいという思いもあるからです。食事をしながらミーティングを行うなど、互いの心理的距離を近づけることを優先するため、雑談が増える傾向があります。

そのため予定よりもミーティングが長引いたり、仕事の開始が遅れたりすることも。また、重要な商談をするために集まったにも関わらず話が脱線し、本題がなかなか前に進まないこともあります。

交通状況を念頭に入れてアポの予定を立てる

首都ジャカルタなどの大都市は渋滞が酷く、渋滞に巻き込まれたせいでスケジュール通りに仕事が進まないことがよくあります。

そのためインドネシアの渋滞が酷い地域でビジネスをする場合は、渋滞が酷い時間帯のアポは避ける、タクシーではなくMRTなどの公共交通機関を使うなど、交通状況を念頭に入れて予定を立てることが重要です。

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転職・ジョブホッピングのハードルが低い

最近は日本でも転職が当たり前になっていますが、それでも過度な転職を繰り返すより、(環境や待遇が適切であれば)1社で長く働きたいという人は多いです。ただ、その労働環境や待遇が厳しいため転職をしてしまうわけですが。

一方、インドネシアは日本と比べて転職のハードルが低く、会社への帰属意識はあまり強くありません。待遇がより良い職場やスキルアップにつながる職場が見つかると、比較的気軽に転職をする人も多くいます。

また、日本で一般的な「新卒一括採用」は、インドネシアにはありません。専門学校や大学を卒業した人は、それぞれのタイミングで親戚や上級生、大学のキャリアセンターなどから紹介された求人に応募したり、インターンとして働きながら就職先を見つけたりします。

また、いわゆるジョブ型雇用に近い採用・雇用方法の企業が多いのもポイント。会社として社員を「育てる」意識が薄く、求職者も今の自分が活躍できる職場を探します。

インドネシア人の採用方法と雇用に関する注意点など

インドネシアでは大卒でもジョブ型雇用が一般的です。企業の採用活動も、求職者の就職活動も、それぞれのタイミングで行われます。

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面倒事を避けるために本音を言わないことも多い

日本人は意見を言うのがあまり得意ではないといわれていますが、インドネシア人もそれと似た性質を持っています。特に面倒事が起きることや軋轢が生まれることを嫌う性質があり、トラブルを避けるためにあえて本音を言わなかったり、重要な決断を自らが下すことを嫌ったりすることがあります。

例えば、取引先に作業の進捗状況を聞いたところ「問題なく進んでいる」と言われたので安心していたが、納期当日になって実は作業に遅れが出ていて間に合わないことが発覚したという事例も。悪気があって嘘をついているわけではないものの、トラブルにつながる可能性を考えると、事前に対策を打っておくことが重要です。

こういったトラブルを避けるためには、進捗に問題がないかをただ確認するのではなく、どのくらい進んでいるのか、いつ作業が完了する予定なのかなど、詳細なスケジュールを確認しておくことが重要。できれば実際に自分の目でもチェックしたいところです。

残業・サービス残業は基本的にしない

会社や業種にもよりますが、残業することにあまり抵抗のない日本人と比べて、インドネシア人は残業の習慣が基本的にありません。特に賃金の発生しないサービス残業をする人は非常に稀なので、業務時間外の労働を強いると反感を買う可能性があります。

残業に限らず、インドネシア人は雇用契約の範囲外の仕事はしない意識が強いのが特徴です。そのためインドネシア人を雇用したり、インドネシア人に業務を委託したりする場合は、契約書の内容を精査することをおすすめします。

日本人マネージャーの感覚ですと、ついでのつもりで「このタスクをいついつまでにやっておいてね」と依頼しがちですが、そういった依頼に対して「その業務は私の雇用契約の範囲外です」と断る人もいます。もちろん、全員が全員ではないですが、それくらい自分の守備範囲外の仕事をやりたいと思う人が少ないという話になります。

そのほかのビジネス習慣

そのほか、インドネシアのビジネス習慣には以下のようなものがあります。

  • 名刺交換をする人が少ない
  • 相手を略称や愛称で呼ぶことが多い
  • 押印ではなくサインが一般的
  • メッセージングアプリを連絡によく使う

日本では初めて会う人とは名刺交換を行うことが多いですが、インドネシアでは必ずしも名刺交換が行われるわけではありません。また、相手を呼ぶときは略称や愛称で呼ぶことも多いため、長く付き合う相手なら最初に何と呼べばよいのかを確認しておくと安心です。

そのほか、日本のようなハンコ文化はなく決済はサインで済ませること、社内外の連絡にWhatsAppなどのメッセージングアプリを使うことなど、日本とは違った習慣がいくつかあります。

インドネシアのビジネス習慣のポイント

インドネシアのビジネス習慣の中でも、日本と特に違いが大きいのが宗教や民族が関係するものです。本記事ではハラールについて触れましたが、ほかにもイスラム教徒は左手で握手をしない、礼拝を毎日決まった回数行うといった習慣があります。

例えば礼拝の時間帯はあらかじめ決まっているため、その時間帯には会議などの重要な予定を入れない、礼拝室へ行くことを咎めないといった配慮が必要になります。

仕事で関わるインドネシア人がどのような宗教や民族かがすでに分かっている場合は、実際に相手に会う前に、相手の宗教や民族などバックグラウンドに関する基礎知識を簡単に調べておくのがおすすめです。一方でインドネシア人同士では他人の信仰についてあまり詮索しない主義の人も多いため、必要がなければあれこれと聞きすぎないようにするとよいでしょう。

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日本人の当たり前を強制しないことが大切

インドネシア人と日本人はビジネス習慣が大きく異なるため、日本の文化や習慣、価値観をそのままインドネシア人に強いると、トラブルになる可能性が高いといえます。

例えば日本人の中には残業することに抵抗がない人も多いですが、インドネシア人にとって残業は負担が大きく、独身であっても仕事と私生活のバランスがとれないことに不満を抱きやすい傾向があります。何よりも家族を大切にする人が多いため、仕事を優先することを強いる態度は受け入れられにくいでしょう。

インドネシア人にはどのようなビジネス習慣があり、ビジネスをするうえでどのような点を意識すべきかを知りたい方は、本記事をぜひ参考にしてみてください。

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インドネシアにはどのようなビジネス習慣がありますか?

インドネシアのビジネス習慣には、日本と時間の捉え方が異なる、華人(華僑)とそれ以外で価値観が異なる、人前で叱ることは禁忌、転職・ジョブホッピングのハードルが低いなどがあります。

インドネシアのビジネス習慣を理解し対応するためのポイントを教えてください。

インドネシアのビジネス習慣には、宗教や民族が関係するものが多くあります。そのため仕事で関わるインドネシア人の宗教や人種について簡単に調べておくのがおすすめです。

インドネシア人とビジネスをするうえで注意すべきことはありますか?

インドネシア人と日本人はビジネス習慣が大きく異なるため、日本の文化や習慣、価値観をそのままインドネシア人に強いらないことが大切です。

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