インドネシアのGDPランキングおよび1人あたりのGDPの推移
- 公開
- 2024/06/01
- 更新
- 2026/06/21
- この記事は約6分27秒で読めます。
経済成長が著しいインドネシア。首都ジャカルタの街を歩けば、あちこちで建設中の高層ビルや商業施設が目に入ります。インドネシアがこれまでどのくらい経済成長し、またこの経済成長がいつまで続くのか気になる方も多いのではないでしょうか。
インドネシアの名目GDPは、世界16位。東南アジアの国々のなかでは、一番高い位置にいます。
本記事では、インドネシアの経済成長を測る指標として、GDPランキングとその推移、そして今後の予測についてまとめました。
円表記は2026年2月20日のレート(1ドル=154.97円)で換算したものです。
インドネシアの名目GDPランキング
インドネシアは、「名目GDP世界16位」という順位を2016年から2024年までキープしています。
2024年のトップ20ランキングは、以下のとおりです。
| 順位 | 国 | 金額 |
|---|---|---|
| 1 | アメリカ | 29兆2,980億2,500万ドル (約4,540兆3,149億3,425万円) |
| 2 | 中国 | 18兆7,497億5,900万ドル (約2,905兆6,501億5,223万円) |
| 3 | ドイツ | 4兆6.841億8,200万ドル (約725兆9,076億8,454万円) |
| 4 | 日本 | 4兆193億8,200万ドル (約622兆8,836億2,854万円) |
| 5 | インド | 3兆9,098億9,200万ドル (約605兆9,159億6,324万円) |
| 6 | イギリス | 3兆6,446億3,600万ドル (約564兆8,092億4,092万円) |
| 7 | フランス | 3兆1,609億200万ドル (約489兆8,449億8,294万円) |
| 8 | イタリア | 2兆3,720億5,900万ドル (約367兆5,979億8,323万円) |
| 9 | カナダ | 2兆2,436億3,700万ドル (約347兆6,964億2,589万円) |
| 10 | ブラジル | 2兆1,794億1,300万ドル (約337兆7,436億3,261万円) |
| 11 | ロシア | 2兆1,732億2,500万ドル (約336兆7,846億7,825万円) |
| 12 | 韓国 | 1兆8,753億8,800万ドル (約290兆6,288億7,836万円) |
| 13 | メキシコ | 1兆8,563億6,600万ドル (約287兆6,810億3,902万円) |
| 14 | オーストラリア | 1兆7,954億9,200万ドル (約278兆2,473億9,524万円) |
| 15 | スペイン | 1兆7,251億5,200万ドル (約267兆3,468億544万円) |
| 16 | インドネシア | 1兆3,963億ドル (約216兆3,846億1,100万円) |
| 17 | トルコ | 1兆3,582億5,100万ドル (約210兆4,881億5,747万円) |
| 18 | サウジアラビア | 1兆2,398億500万ドル (約192兆1,325億8,085万円) |
| 19 | オランダ | 1兆2,145億6,200万ドル (約188兆2,206億7,314万円) |
| 20 | スイス | 9,381億5,300万ドル (約145兆3,855億7,041万円) |
- 参考:GLOBAL NOTE「世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)」
名目GDPと実質GDP
GDP(Gross Domestic Product、国内総生産)は、ある一定の期間内にその国で生産されたモノやサービスの付加価値を合計した額のことです。
名目GDPは、実際に取引されている物価に基づいて計算されるGDPです。物価は、時間の流れとともに変動します。名目GDPは、この物価の変動がそのまま反映された数値となっています。
一方、実質GDPは、基準となるある年の物価に基づいて計算されるGDPです。名目GDPから、物価変動による影響を取り除いて評価された数値となっています。2024年は、日本が3位、インドネシアが16位でした。
- 参考:GLOBAL NOTE「世界の実質GDP 国別ランキング・推移」
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名目GDPと実質GDPは、どちらを見ればいいですか?
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「経済規模(市場の大きさ)」を把握したいなら名目GDPが便利です。一方で「成長率(伸び)」を確認したいなら、物価変動の影響を取り除いた実質GDPが一般的に用いられます。
インドネシアの1人あたり名目GDPの推移
1人あたりGDPとは、その国のGDPを人口で割った値のことで、国民の豊かさを表す指標として用いられます。過去数年間、インドネシアは世界120位前後となっています(2024年は122位)。

インドネシアの1人あたり名目GDPの推移
- 2015年:3,373ドル(約52万2,700円)
- 2016年:3,605ドル(約55万8,700円)
- 2017年:3,886ドル(約60万2,200円)
- 2018年:3,946ドル(約61万1,500円)
- 2019年:4,193ドル(約64万9,800円)
- 2020年:3,919ドル(約60万7,300円)
- 2021年:4,351ドル(約67万4,300円)
- 2022年:4,784ドル(約74万1,400円)
- 2023年:4,920ドル(約76万2,500円)
- 2024年:4,958ドル(約76万8,300円)
インドネシアの1人あたり名目GDPは、2015年から2024年時点までの10年間で約1.5倍に伸びていることがわかります。つまり、インドネシア国民は平均して、「徐々に豊かになっている」といえます。
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インドネシアは、総GDPが世界上位なのに、なぜ1人あたりGDPは低いのですか?
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総GDPは「経済の総量」、1人あたりGDPは「総量÷人口(平均)」です。インドネシアのように人口が非常に多い国では、総量が大きくても平均値は上がりにくく、順位に差が出やすくなります。このギャップは課題である一方、所得上昇の余地=伸びしろの大きさを示すという見方もできます。
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名目GDPと1人あたりGDPのギャップ
「インドネシアのGDPが世界上位(16位)であることと、1人あたりGDPが成長していることはわかったけど(122位)、なぜランキングにここまで差があるのか」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。
ここで、それぞれの数字の意味と、ランキングに差が生まれる要因を整理します。
総GDPと1人あたりGDPの意味
総GDPは、国内で生み出した付加価値の総量であり、国の「経済の大きさ」そのものを表します。これに対して1人あたりGDPは、総GDPを人口で割った値で、国民1人あたりの「平均的な豊かさ(所得水準の目安)」を示す指標です。総GDPは市場規模、1人あたりGDPは平均購買力に近いと解釈できます。
インドネシアの場合、総GDPは16位と世界上位に入る一方で、1人あたり名目GDPは122位(2024年)と順位が大きく離れます。これは矛盾ではなく、分母(人口)が大きい国ほど、総量が大きくても平均値は上がりにくいという統計上の性質によるものです。なお、総GDPが4位の日本も、1人あたりGDPは40位です。
総GDPと1人あたりGDPのギャップの要因
人口規模が大きい
インドネシアは2億9,000万人近くの人口を有する巨大市場です。人口が多いことは、家計消費を中心とした内需(消費市場)の厚みにつながり、総GDPを押し上げる要因になります。
一方で、1人あたりGDPは総GDPを人口で割るため、人口が大きいほど平均値が高くなりにくい傾向があります。先進国並みの高い水準に近づくには、単に経済が拡大するだけでなく、国民1人あたりの所得や生産性が継続的に上がる必要があり、一定の時間がかかります。
生産性の差
1人あたりGDPは、「働く人1人がどれだけ付加価値を生むか(=生産性)」の影響が大きい指標です。
インドネシアは成長過程にある一方で、産業構造はまだ移行途中であり、労働集約型の製造や、低〜中所得向けサービスなど、付加価値の単価が上がりにくい分野の比重も厚く残っています。
加えてインドネシアには、インフォーマル(零細・非公式)経済の比重が大きいという事情もあります。そのため、雇用を創出できているように見えても、統計上も実態としても生産性・賃金が上がりにくい傾向があります。
さらに、地域格差も平均値に響きます。ジャワ島の都市部では高付加価値の仕事が増えやすい一方、地方・外島では産業集積やインフラ制約の影響で生産性が伸びにくいケースがあり、こうした差が「国全体の平均」を押し下げる要因になります。
総GDPと1人あたりGDPのギャップは将来の伸びしろ
総GDPと1人あたりGDPのギャップは「問題の表出」のように感じますが、将来の伸びしろともいえます。
産業の高度化と、都市部から地方へ広がるデジタル化・物流改善が進むほど、1人あたりの生産性が底上げされ、総GDPの拡大が平均値にも反映されやすくなります。実際に1人あたりGDPは増加傾向にあり、消費の単価が上がり、サービスが高度化し、企業にとっての商機も増える好循環を見込める局面にあると捉えることもできます。
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インドネシアの将来のGDP予測
国際通貨基金(IMF)の見通しでは、インドネシアの総名目GDP(ドル建て)は中長期で拡大が見込まれ、2024年の1.4兆ドル(約216兆3,846億円)から、2030年には約2.08兆ドル(約322兆3,000億円)へ伸びる予測が示されています。
同時に、1人あたり名目GDPも、2024年の4,958ドル(約76万8,300円)から、2030年には6,990ドル(約108万3,200円)へ上昇する見通しです。
総量の拡大に加え、平均的な購買力が底上げされていくことで、消費の単価上昇やサービス高度化が進み、ビジネスチャンスも増えていくことが期待できます。
- 参考:STATISTICS TIMES「GDP of Indonesia」「GDP per capita of Indonesia」
インドネシアの成長要因
資源国の「下流化」で付加価値産業が育ちやすい
インドネシアは鉱物資源・石炭など資源部門の存在感が大きく、これまで「採掘して原料として輸出する」比重が高い構造でした。
一方で近年は、未加工鉱石の輸出規制などを背景に、精錬・材料化・部材化といった加工工程を国内に取り込むことで、雇用・投資・輸出付加価値を積み上げる方向へ舵を切っています。実際にEV電池セル工場の稼働など、資源を起点に製造業の裾野を広げる動きも進んでいます。
加工工程が増えるほど、設備・品質管理・物流・環境対応・人材育成など周辺需要も同時に増えるため、日本企業にとっても「ビジネスチャンス」が点ではなく面で広がりやすいといえます。
大きな内需×デジタル化が経済成長の土台に
インドネシア経済において、人口規模は大きなポイントです。内需の厚みがあることは、GDP成長の土台になりやすく、外部環境が揺れても需要が完全にはしぼみにくいと考えられます。
さらに近年はスマートフォンの普及により、EC、動画コマース、デジタル決済、フィンテックなどが同時に伸び、経済活動の効率化と新市場の創出が進んでいます。この分野でも、周辺産業の連鎖的な成長が期待できます。
インフラ整備・物流改善が成長を後押し
国土が多数の島々で構成されるインドネシアでは、地域ごとに発展段階が異なり、物流・交通の制約が経済効率の足かせになりやすいという課題がありました。しかし裏を返せば、この点の改善が進むほど生産性が上がり、投資が回りやすくなる構造があるといえます。
実際に、各地で高速道路や空港、港湾の整備が進んでおり、国家開発計画庁によると、GDP比の物流コストは低下傾向にあります。インフラの弱さが目に付く状況は、建設・運輸・倉庫、デジタル物流、コールドチェーンなどの幅広い分野で「伸びしろが大きい」と言い換えることもできるでしょう。
GDPから見えるインドネシアの高いポテンシャル
インドネシアはこの10~20年で順調に経済成長し、GDPも右肩上がりを続けてきました。この成長はまだしばらく続くと予測する機関や企業は多く、海外進出を考える企業にとってインドネシアは魅力的な進出先だといえます。
これからインドネシアへ進出する企業は、インドネシアのポテンシャルと進出のメリット、そしてリスクや課題への対策についてよく知っておくことが重要です。弊社カケモチではインドネシア進出を徹底サポートしているので、お気軽にご相談ください。
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