インドネシアで人気のVTuberと現地で注目される日本のVTuber事務所

公開
2023/08/27
更新
2025/03/24
この記事は約7分34秒で読めます。

日本では2017年頃からVTuberブームが始まり、2023年現在もいまだに盛り上がりを見せています。一方で、コロナ禍に外出を自粛していた人たちが外に出るようになったことで、ピーク時と比べると、やや落ち着いているといえます。

一方、インドネシアはまだ、ブームのピークが過ぎたとはいえない状況です。VTuberジャンルでYouTubeチャンネル登録者数世界1位のタレントが登場したり、日本の事務所がインドネシアに進出して注目を集めたりなど、さまざまな動きがあります。

そこで本記事では、インドネシアでVTuberブームが起こったきっかけや、今インドネシアで市場が拡大しているeスポーツとの関係を考察しました。

インドネシアでVTuberになる方法や注目の事務所、インドネシアに進出した日本の事務所などもまとめているので、最後までご覧ください。

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インドネシアにおけるVTuberブームのきっかけ

2016年に世界初のVTuberとして日本のKizuna AI(キズナ・アイ)が活動を開始し、2018年には歌姫を目指すインドネシアのVTuber 、Maya Putri(マヤ・プトゥリ)が登場。この2人のデビューを大きなきっかけとして、VTuberの存在がインドネシアで徐々に広まっていきました。

ただ、2019年頃までVTuberはインドネシアの一部のファンの間で盛り上がっているだけで、現在のように一般に認知されるほどではありませんでした。

その状況が大きく変わったのが、2020年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大です。コロナ禍で社会活動が制限される中、デジタル領域の発展とともにVTuberへの注目度も高まったとされています。

インドネシアで日本のVTuberが人気

2023年現在、日本のVTuber事務所「Hololive(ホロライブ)」がインドネシアへ進出し、事務所所属のタレントが人気を集めています。

また、過去には同じく日本の事務所である「にじさんじ」がインドネシアへ進出し 、「NIJISANJI ID」を立ち上げました。現在は日本の事務所と統合しているため「NIJISANJI ID」プロジェクトは終了していますが、当時は「Hololive」のような人気VTuber事務所となるのではと話題を呼びました。

日本のVTuberがインドネシアで受け入れられた理由は諸説ありますが、その1つとして、インドネシアに日本のアニメや漫画が好きな人が多いことが考えられます。

「日本のアニメを観慣れていて簡単な日本語を理解できる」、「二次元のキャラクターに好意や憧れを持っている」など、VTuberを受け入れやすい背景を持つ人が少なくなかったのでしょう。

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インドネシアで盛り上がるeスポーツとVTuberの関係

eスポーツ分野での活躍が目立つのも、インドネシアのVTuberの特徴です。タレントたちが大手のeスポーツチームに所属し、広報の役割を果たす事例がよく見られます。

また、VTuberのみのeスポーツ大会を開催する団体もあり、eスポーツと融合することで両方の市場を盛り上げようとする動きもあります。

インドネシアは東南アジアの中でももっともeスポーツが盛り上がっている国の1つであり、VTuberたちがその盛り上がりの一助となっている点も見逃せません。

VTuberとeスポーツの親和性の高さ

インドネシアでeスポーツの広告塔にVTuberがよく採用される理由として、この2つの親和性の高さが挙げられます。

例えば、インドネシアの人気VTuberの中には、eスポーツゲームの実況をする人もいます。そのためeスポーツ視聴者の中には、もともとeスポーツにはあまり興味がなかったものの「好きなVTuberが実況配信をしているから」という理由で興味を持ち始める人も一定数います。

また、それぞれのコンテンツを楽しむのに必要な機材がほぼ同じなのもポイントです。どちらもPCやスマホがあれば視聴またはプレイでき、新たに機材を準備したり、場所を移動したりといった手間をかけずに楽しめるため、Vtuberのファン層とeスポーツのファン層は重なりやすいといえます。

ファンを共有しやすいVtuberとeスポーツ。インドネシアではどちらも人気のコンテンツですが、両者の相乗効果で市場を拡大している側面があります。

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eスポーツ分野で活躍するインドネシアのVTuber

RRQ Ryo

インドネシアのVtuber、RRQ Ryo
画像出典:Rex Regum Qeon「RRQ WIZZKING DITANTANG RRQ RYO! CHALLENGE MAKAN POP MIE PEDES GLEDEEK」

RRQ Ryoは2023年8月現在活動休止中ですが、インドネシアで初めて登場したeスポーツ専門のVTuberです。インドネシアの有名eスポーツチームRex Regum Qeon(レックス・レグム・クオン)のマスコットキャラクターとして広報活動をしたり、選手とコラボ配信をしたりしています。

過去には、インドネシアのインスタント麺を選手と食べながらトークする配信を行い、注目を集めました。競技の場では見られない選手たちの姿を引き出す、絶妙なトークが特徴です。

Rora Meeza

インドネシアのVtuber、Rora Meeza
画像出典:ALTERLY「Rora Meeza」

2021年3月にデビューしたRora Meezaは、VTuber事務所のALTERLY(アルターリー)に所属するタレントです。同事務所はインドネシアの大手eスポーツチームEVOS Esports(エボス・イースポーツ)の運営で知られるWHIM Managemenが立ち上げました。

宇宙からやってきたRora Meezaは地球でeスポーツを好きになり、宇宙に帰らず地球でゲームに熱心に取り組んでいるという設定で活動しています。


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インドネシアにおけるVTuberの目指し方

インドネシアではどのような方法でVTuberになれるのか、ここでは大きく2つの方法に分けて紹介します。

VTuberには誰でも簡単になれる

まず、日本と同様にインドネシアでは、趣味としてVTuberになるのに特別な資格や経験は必要ありません。下記の手順を踏んで、必要な準備さえすれば誰でもVTuberになれます。

  1. アバターを作成する
  2. デバイスとソフトウェアを準備する
  3. YouTubeチャンネルを作る
  4. 実際にコンテンツを作る

YouTubeチャンネルを始めるのと手順は基本的に同じですが、自身のキャラクターとなるアバターを作ったり、自分でアバターを作るのが難しい場合は専用のサービスサイトでキャラクターを選んだりします。

また、顔を認識してアバターに変換するモーションカメラなど、PCやスマートフォン以外の機器を使用する方法もあります。

オーディションに合格して有名になる方法も

先述の方法で誰でもVTuberにはなれますが、事務所のオーディションに応募してタレントとしてデビューする方法もあります。インドネシアでは多くの事務所がオーディションを実施しており、例えばHololiveのオーディションでは、書類審査と面接、実技試験が行われます。

Hololiveのような大きな事務所の場合、オーディションに合格後すぐにタレントとしてデビューできるわけではありません。ただ、個人では難しいような高い知名度を獲得したい、仕事としてVTuberになりたいなどの場合はオーディションを活用するのも選択肢の1つです。

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インドネシアのVTuber事務所

次に、インドネシアで有名なVTuber事務所を紹介します。

MAHA5(マハ・パンチャ)

インドネシアのVtuber事務所、マハパンチャ
画像出典・参考:MAHA5

MAHA5はインドネシア最大級のVTuber事務所で、映像コンテンツの配信だけでなく、グッズや音楽などさまざまな商品・サービスを展開しています。2019年10月、同事務所最初のタレントであるAndi Adinata(アンディ・アディナタ)がデビューして以来、注目を集め続けています。

MAHA5は日本のアニメ文化を通じてインドネシアと日本を結ぶことを目標に掲げており、日本と関係のあるコンテンツを配信しているのが特徴です。例えばインドネシアの曲を日本語に翻訳して歌った楽曲は、どれも数百万再生を超えています。

2021年には日本を拠点としたVTuberグループ「MAHA5JAPAN」が発足。「インドネシアからの逆輸入VTuberグループ」として日本でも注目を集めました。2023年8月現在は19名のタレントが在籍し、日本人のファンに向けて発信活動を行っています。

Re:Memories(リ・メモリーズ)

インドネシアのVtuber事務所、Re:Memories
画像出典・参考:Re:Memories

Re:Memoriesは視聴者との双方向のコミュニケーションを重視した配信が特徴的な事務所です。所属するVTuberたちの配信は、VTuberを友達や家族のように感じられる、新感覚のエンターテイメントとして人気があります。

もともとRe:Memoriesは、VTuberのEvelynがたった1人で配信活動を始めました。それから徐々に規模が大きくなったため途中で事務所を立ち上げ、2023年8月現在は3期目にあたります。

2023年8月時点でのYoutubeチャンネル登録者数は1万人に満たないものの、グループの楽曲「Colorful Memories – Re:Memories」は10万回再生を突破。

チャンネル登録者数が38万人を超える人気YouTuberのElaine Celestiaが事務所に新たに加入し、今後さらに勢いが増していくとみられます。

GENESIX(ジェネシックス)

GENESIX
画像出典・参考:GENESIX

スタートアップのVTuber事務所GENESIXが目指しているのは、インドネシアのVTuber業界を発展させること。ブロックチェーン技術を駆使した先進的なコンテンツが特徴です。

2022年1月に設立されたばかりのためまだ視聴者数はあまり多くありませんが、個性的で可愛らしいキャラクターや、最新の技術を駆使した動画コンテンツが知られ始めています。

ビザサービス

インドネシアに展開する日本のVTuber事務所

インドネシアに展開する日本のVTuber事務所ホロライブ
画像出典・参考:Hololive

最後に、インドネシアに展開する日本のVTuber事務所のHololiveを紹介します。Hololiveは日本で誕生した大規模な事務所。所属タレントすべてのYouTubeチャンネル登録者数は合計5,000万人を超え、世界中にファンがいます。

ゲームや歌、視聴者とのチャットなどさまざまなコンテンツを展開しており、海外のファンからの需要も高いことから、2020年頃からインドネシア語、中国語、英語版のコンテンツ配信も始めました。

今ではインドネシアで最も成功したとも言われるVTuber事務所のHololive。成功の理由として、日本の事務所でありながらインドネシア向けVtuberグループHololive Indonesiaを持ち、配信はほとんどインドネシア語であること、インドネシア人の笑いのセンスに合ったネタを提供していることなど、インドネシア人の嗜好をとらえたコンテンツが挙げられます。

Hololive Indonesiaで特に人気のタレント「こぼ・かなえる」は、2022年3月のデビューからわずか3か月でYouTubeチャンネル登録者数100万人を突破。2023年8月時点の登録者数は214万人で、インドネシアで成功したVTuberの代表です。

日本とインドネシアをつなぐVTuberコンテンツ

インドネシアは親日の国として知られ、特に日本のアニメや漫画をきっかけに日本を好きになる人が多くいます。日本のアニメや漫画が好きな人たちからVTuberは根強い人気があるため、大きなビジネスチャンスがある市場だと捉える事務所も少なくありません。

またインドネシアのVTuberはeスポーツとコラボする機会が多く、eスポーツ市場が拡大していることから、今後インドネシアでのVTuberの認知度がさらに高まる可能性も十分にあります。

インドネシアのデジタルコンテンツに興味がある方は、1つの選択肢として、日本の事務所も活躍するVTuber分野にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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インドネシアでVTuberは人気ですか?

インドネシアでは2016年頃からVTuberの認知度が徐々に高まり、コロナ禍でデジタル化が進んだことをきっかけに注目を集めるようになりました。日本のVTuber事務所「Hololive」が特に人気で、また最近はeスポーツ分野にVTuberが進出するなど、これからさらに盛り上がりそうな動きも見せています。

インドネシアにはどのようなVTuber事務所がありますか?

インドネシアには、日本にも進出しているMAHA5、双方向のコミュニケーションで人気のRe:Memories、最新のデジタル技術を駆使したGENESIXなどのVtuber事務所があります。

インドネシアに進出した日本のVTuber事務所について教えてください。

インドネシアに進出した日本のVTuber事務所としては、Hololiveが挙げられます。インドネシア人の嗜好をとらえたコンテンツで高い人気を集めています。

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