インドネシア外食業(飲食業)、事業者数・従業員数が7年で2割増
- 公開
- 2025/12/18
- 更新
- 2026/06/20
- この記事は約4分43秒で読めます。
現在のインドネシアの経済成長を牽引する産業の一つが、外食業を含む飲食業です。
飲食業成長の背景には、人々の所得の向上や中間層の増加があります。加えて、ライフスタイルが多様になり、料理に時間をかけられない、または料理に興味を持たない人が増えたことや、インターネットの普及と共に、消費者がさまざまな情報に簡単にアクセスできるようになったことも、成長の大きな要因と考えられます。
はじめに
インドネシアと日本の飲食業界の間には、いろいろな繋がりがあります。例えば、日本企業のインドネシア進出もその一つ。特定技能制度などを利用した、日本企業によるインドネシア人の採用も増えています。
本記事では、インドネシアの飲食業の現状について、産業別GDPの伸びや事業者数・従事者数のデータ、現地で人気の飲食店で働く従業員の様子を通して紹介します。
【補足】
※本記事の円表記は、2025年7月29日のレート(1ルピア=0.009円)で換算したものです。
また、データは概算であるため、割合の合計が100%にならない場合があります。
数字でみるインドネシアの外食業(飲食業)
産業別GDP、7年で1.5倍

インドネシアの産業別名目GDPの推移をみると、飲食業は2017年の295兆598億ルピアから7年後の2024年には450兆3,252億ルピアと、約1.5倍に成長しています。
インドネシアの飲食業名目GDPの推移
- 2017年:295兆598億ルピア
- 2018年:316兆1,380億ルピア
- 2019年:341兆37億ルピア
- 2020年:319兆4,437億ルピア
- 2021年:333兆903億ルピア
- 2022年:366兆9,234億ルピア
- 2023年:405兆6,894億ルピア
- 2024年:450兆3,252億ルピア
なお、国の名目GDP全体は、この期間で約1.4倍の成長になっています。飲食業は、全体の成長をやや上回ったということになります。
飲食業事業者数、7年で2割増
インドネシアの中央統計庁(BPS)のデータによると、2023年時点のインドネシア国内の飲食業関連事業者数は約485万事業で、2016年の401万事業から21.1%増加しています。
2023年の業種別構成は以下の通りです。
業種別 飲食業事業者の構成(2023年)
- レストラン・食堂事業:120万件(約24.8%)
- ケータリングサービス事業:16万8,900件(約3.5%)
- 移動販売や非定置型の飲食事業:70万6,700件(約14.6%)
- その他の飲食事業:278万件(約57.2%)
「その他」には、飲食屋台、伝統薬店、カフェ、バーなどが含まれます。「その他」に分類されるものを除いて最も多いのは120万件のレストラン・食堂で、全体の約24.8%を占めます。
飲食業従事者数、7年で2割増
飲食業の急速な発展は、雇用機会の提供という点でも大きく貢献しています。BPSの調査によると、インドネシアにおける2023年の飲食業従事者数は980万人に達し、2016年の813万人と比べて20.5%増加しました。
ただし、家族経営などの小規模な事業者が多いこともあり、雇用形態に関しては、有給労働者が28.5%である一方、無給労働者が71.47%と、大部分を占めています。
また、飲食業従事者を学歴別に見ると以下の通りで、低学歴者が中心ということがわかります。
学歴別 飲食業従事者の構成(2023年)
- 小学校卒または未卒業:26.9%
- 中学校卒業:21.8%
- 高校卒業:46.0%
- 短大・大学卒業:5.3%
同じ飲食業でも高学歴者はマネジメント職などに就く傾向があるため、一般消費者の目に触れる飲食店従業員の多くは、フルタイムであっても低学歴の若者です。実際、飲食店のホール係の求人情報には「高卒・18歳から22歳」のように、高卒すぐの人にターゲットを絞ったものも見かけます。
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映像でみるインドネシアの外食業(飲食業)
人気チェーン店の厨房

こちらはインドネシアで人気のチェーン麺料理店「Mie Gacoan(ミー・ガチョアン)」の厨房の様子です。
Mie Gacoanは2016年創業で、2025年までに300近くの店舗を展開しています。Mie(麺)、サイド、ドリンクというシンプルなメニュー構成なので、この男性のように、手際のよい麺茹で係が一人いれば、料理をてきぱきと提供することができるのでしょう。
Mie Gacoanは安価であることに加え、料理の辛さのレベルを選べるのが特徴で、学生など若者層に特に人気があります。
ピザハットレストランの仕事

こちらの動画では、ジャカルタにあるピザハットレストランで、ホール係として働く女性の一日が紹介されています。
インドネシアに約600の店舗を展開するピザハットは、マクドナルドやバーガーキング、ケンタッキー・フライド・チキンなどのハンバーガー店やフライドチキン店に並び、ファミリー層に人気のある外食チェーンの一つです。動画からも、清潔で明るく、広い店内で、元気に働く若い店員さんたちの様子がわかります。
ただしこのような大手チェーン飲食店でも、高卒、1年目のホールや会計係の給与は、給与水準や物価が高いジャカルタでも300万ルピア(2万7,000円)程度が相場と、決して待遇がよいとはいえません。
なお、ピザハットは2024年、経営状況の悪化などのため、店舗数と人員の削減を実施しました。インドネシアのファストフード業界は、中間層が縮小傾向にあることや、パレスチナ・ガザ地区へのイスラエルの攻撃を支持していると見なされたことでボイコットの対象となった影響を受けて、経営の立て直しや戦略の見直しを迫られています。
カジュアルにインドネシア進出を試した人材紹介会社様の事例
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用してリサーチチームを作り、バンドンでのLPKの調査や大学との連携可能性を確認。事業化の見通しが立った段階で正式な進出を決定した。
- 過去に語学学校や職業訓練校に勤めていたインドネシア人を3名チームで雇用し、インドネシアにおける送り出し拠点の設立可能性を調査。調査後にその3名を中心に拠点を設立した。
- 営業マネージャーと営業マンの2名のインドネシア人をチームで雇用し、多数のLPKやP3MIに営業して、法人を作らずに人材の送り出しを安定的に供給できる体制を構築した。
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。人材関連のビジネスであれば、貴社でもそれが可能です。
インドネシアの外食業(飲食業)の成長と課題
インドネシアの飲食業は、経済成長と中間層の拡大、ライフスタイルの変化を背景に、事業者数・従業員数ともに著しい成長を遂げています。以前と比べると、衛生的な店舗で統一された丁寧なサービスを提供するチェーン店も増え、人々の飲食業に対する認識や外食の習慣も変化しています。
人手不足が深刻な日本の飲食業界では、特定技能外国人の雇用が増えています。インドネシア人の増加も予想されるなか、本記事が現地の様子を知るための手がかりとなることを願っています。
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