インドネシアでコンサルティング会社に相談する際の注意点

公開
2025/10/11
更新
2025/10/16
この記事は約8分41秒で読めます。

インドネシアへの進出を検討する際、多くの企業は外部のコンサルティング会社に依頼し、ビザ申請、市場調査、法人設立などのサポートを受けるケースが一般的です。

しかし、海外進出支援を専門とするコンサルティング会社は、日本国内に比べて圧倒的に数が少なく、とりわけインドネシア市場を専門とする企業は限られています。

そのため、残念ながら中には信頼性に欠ける業者や、顧客を欺くようなコンサルティング会社も存在します。こうしたトラブルを避けるためには、パートナーとなるコンサル会社の見極めが非常に重要です。

弊社もインドネシア進出支援を行うコンサルティング会社の一員として、企業の皆さまが安心して現地展開を進められるよう、信頼できるサービス選びのポイントをまとめました。本記事が、その一助となれば幸いです。

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インドネシア経済の魅力

資料の内容

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  • インドネシアのGDP成長率
  • インドネシアの人口とその特徴
  • インドネシアのEC市場規模
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注意すべきインドネシア進出コンサルの特徴

サービス価格が異常に高い

たとえば、Googleで「インターネット広告 相談」や「ネット広告会社」と検索してみてください。検索結果の1ページ目だけでなく、2ページ目、3ページ目まで見ても、数多くの広告代理店が表示されるはずです。

Webコンサルティング業界では、上場企業から中小企業、さらにはフリーランスに至るまで、非常に多くの事業者がサービスを提供しています。料金表を公開している企業も多く、競争原理が働いているため、価格やサービス内容が比較的透明な市場になっています。

一方、インドネシア向けの進出支援コンサルティングについては、状況が大きく異なります。同様にGoogleで検索しても、該当する会社はごくわずかです。特にインドネシア市場に特化して進出支援を行っているコンサル会社となると、片手で数えられるほどしか存在しません。

このように競合が少なく、料金も公開されていない場合、価格競争が起きにくくなるため、サービス料金が高止まりする傾向があります。さらに残念ながら、この状況を悪用し、市場価格を大幅に上回る金額を提示するような、いわゆる“ぼったくり”に近い会社も一部存在します。

情報の非対称性を悪用している

インドネシアのビジネスに関する規制や実務的な情報は、日本語では十分に公開されていません。そのため、現地事情を把握しているコンサルティング会社と、これから進出を検討する企業との間には、どうしても大きな情報格差が生まれやすくなります。

この情報の非対称性を悪用し、必要以上の費用を請求したり、後から追加費用を求めたり、あるいは不十分なサポートを行うような事例も残念ながら存在します。実際、そうした低品質なコンサルティングサービスを受け、トラブルに発展した結果、弊社にご相談いただくケースも少なくありません。

したがって、コンサルティング会社に依頼する際は、自社でも基本的な情報を収集し、一定の判断基準を持って臨むことが重要です。日本語で得られる情報は限られていますが、弊社ではインドネシア進出に関する最新の法規制や実務知識を、コラム記事として継続的に発信しています。ぜひ、信頼できる情報源のひとつとしてご活用ください。

最初から日本人を騙そうとしている

残念ながら、「インドネシア進出支援」を掲げるコンサルティング会社の中には、日本企業を“カモ”とみなし、最初から不誠実な対応を取る業者も存在します。

たとえば、契約前には安価な見積もりを提示しながら、契約締結後に高額な追加費用を請求するケース。また、実際には許認可の取得が極めて難しいスキームを「問題ない」と断言し、誤った情報をもとに企業を誘導するケースも報告されています。

このようなトラブルを防ぐためには、コンサルティング会社がどのような説明をしているかだけでなく、「実際にどのような実績を持っているのか」を慎重に確認することが不可欠です。過去の支援事例や現地ネットワークの有無、担当者の経歴などを具体的にチェックすることで、信頼できるパートナーかどうかを見極めやすくなります。

インドネシア進出を検討中ですが、不正確や古い情報が多くて困っています。

インドネシア進出を検討中の企業様向けに、ビジネス情報を体系的にまとめた全116ページの『進出ハンドブック』をご提供中。無料なので、是非こちらから手に入れてください。

インドネシア進出コンサルの費用の相場

ビザ申請費用

ビザ申請費用については、多くは数万円程度で申請可能なビザが多いです。ただし、リタイアメントビザやリモートワークビザになると少し金額が高くなりますし、就労ビザになれば200,000円を超えてきます。

ビザの申請費用については、弊社のコーポレートサイトのビザ申請ページで、申請するビザの内容と金額を一覧にしたページをご用意しております。

弊社にご依頼いただくか否かは別として、他社さんと比較をするときの参考数字になると思いますので、ビザ申請をお考えの方はぜひこちらを参照してください。

現地視察費用

現地視察についても、車(ドライバーを含む)や通訳についてはある程度目安となる金額が決まっています。この金額感についても、弊社の方で費用を一覧化しているので、ぜひ参考にしていただければと思います。詳細はこちらです。

この現地視察をパッケージプランとして提供している会社もありますが、中には全てコミコミで100万円のような金額感で提供されているコンサルティング会社もあるようです。

そういった場合は、ぜひ内訳を確認していただき、どの項目にいくら費用がかかっているかを把握するようにしてください。

市場調査費用

インドネシアの市場調査費用は、調査の内容や目的によって大きく異なります。もし「可能な限り正確なデータを大量に収集し、それを統計的に分析した上で、詳細なレポートを作成してほしい」というご要望であれば、大手の調査会社に依頼するのが適切です。

たとえば、インテージさんやマクロミルさんといった大手リサーチ企業であれば、調査設計から分析、報告書の品質まで非常に高い水準で提供しており、成果物のクオリティという点で後悔することはないでしょう。その分、費用は200万〜300万円程度と、一定の投資が必要になります。

一方で、そこまで大規模・高精度な調査までは必要なく、「まずは現地の市場感をつかみたい」「簡易的な需要や競合状況を知りたい」といった目的であれば、よりコストを抑えた調査も可能です。弊社では、20万〜30万円程度の範囲で、実用的な簡易市場調査を柔軟にご提供しています。

法人設立費用

インドネシアにおける法人設立の外注費用は、会社形態によって大きく異なります。

内資法人(現地資本法人)の設立代行費用の相場は30万円前後〜、一方で外資法人(外国資本法人)の設立代行費用は70万円前後〜 が一般的な水準です。

法人設立において最も時間を要するのが、事業コード(KBLI)の確定 です。

インドネシアでは、事業内容ごとに定められたKBLIを正しく選定しなければなりません。誤ったKBLIを指定してしまうと、進出後に「本来予定していた事業ができない」「想定外の追加許認可や規制が必要になる」といった問題が発生します。

このため、KBLIの選定には慎重な検討が必要であり、時間もかかります。

ただし、お客様ご自身の責任でKBLIを指定いただき、その内容に基づいて弊社が設立手続きを行う場合には、上記の通り約30万円程度の費用で法人設立を進めることも可能です。

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インドネシア進出コンサルへ外注する時の確認ポイント

実績・専門性の確認

インドネシア進出を検討する際、ビザ申請や法人設立などを外部のコンサルティング会社に依頼する場合、最大の安心材料は「実績」です。

依頼を検討しているコンサル会社が信頼に足るかどうかを見極めるためには、まずは個別に打ち合わせを行うことを強くお勧めします。その際、同業界・同業種での支援実績があるか、または同業界でなくても法人設立やビザ申請の経験がどの程度あるかを具体的に確認することが重要です。

注意すべきは、実績がほとんどないにもかかわらず、あたかも豊富な経験があるかのように装うコンサル会社も存在するという点です。営業担当者との会話だけでは、その真偽を見抜くのは容易ではありません。

そのため、複数のコンサルティング会社と面談し、比較検討することを基本方針とするのが安全です。各社の対応姿勢や説明の一貫性を見比べることで、信頼できるパートナーをより確実に選定できるはずです。

契約書の確認

弊社では、大手企業様から中小・ベンチャー企業様まで、幅広いお取引実績があります。

これまでの経験を通じて感じるのは、契約書に対する企業様ごとの対応です。内容を一つひとつ丁寧に確認し、細部まで質問を重ねる企業様もいれば、全体をざっと目を通して問題なさそうだと判断し、すぐに契約を進められる企業様もいらっしゃいます。

しかし、一度契約書にサインをしてプロジェクトが進行すれば、「知らなかった」「聞いていなかった」では済まされません。 特に、最初から不誠実な意図を持つ企業の契約書には、複雑な制約条項や依頼側に不利な条件が巧妙に盛り込まれている場合があります。

そのため、契約前には必ず専門家によるリーガルチェックを受けることをお勧めします。弁護士や法務の専門家に確認してもらうことで、潜在的なリスクを未然に防ぎ、安心してプロジェクトを進めることができます。

コミュニケーション体制の確認

よくある問題のひとつに、営業時と受注後でコミュニケーション体制が大きく変わるケースがあります。営業段階では日本人担当者が丁寧に対応してくれるものの、いざ契約後にプロジェクトが始まると、現地スタッフ(インドネシア人)のみが対応し、日本人担当者が一切関与しなくなるというパターンです。

営業時には「日本人が二人三脚で支援するため、相応のコストがかかります。そのため費用はやや高めになります」といった説明を受けることがありますが、実際の運用フェーズではその約束が守られず、日本語での意思疎通が困難になるトラブルも少なくありません。

こうした齟齬を防ぐためには、受注後の体制について契約前に明確に確認しておくことが重要です。 特に、日本人担当者がプロジェクト進行時にも継続して関与するのか、どの段階までサポートしてくれるのかを具体的に確認しておくことで、後々のコミュニケーション上の問題を防ぐことができます。

現地ネットワーク有無の確認

インドネシアで事業を成功させるためには、官公庁・現地企業・専門士業との強固なネットワークが欠かせません。コンサルティング会社がどの程度の現地ネットワークを持っているかは、依頼先を選定するうえで非常に重要な判断基準となります。

たとえば、行政機関との折衝経験があるか、関連する業界団体や商工会などとどのような関係を築いているかを具体的に確認することで、そのコンサル会社の信頼性をある程度見極めることができます。

逆に、現地ネットワークが不十分なコンサルティング会社に依頼すると、許認可の取得や各種手続きが遅れるなど、進出スケジュール全体に影響を及ぼすリスクが高まります。実務経験だけでなく、現地で「誰とつながっているか」も成功の鍵であることを意識しておくことが重要です。

進出コンサルに依頼する前に整理すべき社内準備

進出目的とスケジュールの明確化

インドネシアへの進出と一口に言っても、外資法人・内資法人・駐在員事務所 など、複数の進出形態があります。どの形態を選択すべきかは、インドネシアでどのような事業を展開したいのか、どの程度のリスクを取る覚悟があるのかによって大きく異なります。

また、弊社にご相談いただく企業様の中には、「まずは情報収集から」といった段階で、進出のタイミングや目的がまだ明確でないケースも見受けられます。こうした場合、具体的な提案内容もどうしても抽象的になってしまいます。

そのため、コンサルティングを依頼する前に、「どのような目的で」「いつ頃を目処に」インドネシア進出を実現したいのか を、社内でしっかりと検討しておくことをお勧めします。目的と時期を明確にすることで、より的確で実践的なアドバイスを受けることができ、スムーズな事業計画の策定につながります。

予算の上限・下限の設定

インドネシア進出を検討するうえで、おおよその予算感をあらかじめ設定しておくことは非常に重要です。たとえ「少額予算」といっても、10万円〜20万円の規模なのか、50万円〜80万円の規模なのかによって、コンサルティング会社が提案できる支援内容や進出スキームは大きく変わってきます。

また、海外進出において初年度から黒字を達成することは非常に困難です。特にインドネシア市場では、現地での立ち上げコストや調整期間が必要となるため、一定期間は赤字を前提とした「投資フェーズ」として捉えることが現実的です。

もちろん、早期に収益化を目指す姿勢は大切ですが、初年度から黒字化を絶対条件とするのは現実性が低く、事業判断を誤る要因にもなりかねません。中長期的な視点で計画を立て、“投資期間”を織り込んだ戦略的な進出計画を立てることが成功の鍵となります。

参入ハードルが高いインドネシアで、他社はどのように進出しているのか?

他社の進出事例は気になるところですよね。他社の事例を含め、具体的な進出方法を解説するセミナーをオンラインで開催予定ですので、こちらからお申し込みください。

業種ごとのインドネシアでのビジネスの始め方
「インドネシアで送り出しビジネスを始めたい」「インドネシアでネット広告代理店を始めたい」といった業種ごとのビジネスの始め方については下記をご参照ください。

対象企業 インドネシア進出の目的 参考ページ
人材紹介会社 インドネシアから技能実習や特定技能の人材を送り出したい 進出方法はこちら
広告代理店 在インドネシアの日系企業の広告運用案件を獲得したい 進出方法はこちら
Web制作会社 インドネシアでサイト制作やオフショア開発を行いたい 進出方法はこちら

コンサルを使わずに進出する場合の選択肢

現地日系商工会議所やJETROのサポート

日系企業が多く進出しているインドネシアでは、現地の商工会議所やJETROの現地事務所が情報提供や相談窓口を担っています。

無料または低コストで最新の法規制や業界情報を得られるため、初期段階の情報収集には非常に有効です。また、他の日系企業の進出事例やネットワークを紹介してもらえることもあり、信頼性の高い一次情報を得られるメリットがあります。

自社での直接採用・調査の進め方

自社で現地スタッフを雇用し、内部リソースとして調査や手続きを進める方法もあります。初期段階では時間と労力を要しますが、中長期的には現地ノウハウを社内に蓄積できるという大きな利点があります。

また、コンサル依存から脱却し、独自のネットワークを築ける点も強みです。ただし、採用時には適切な人材の見極めや労務管理に注意が必要です。興味がある方はこちらをご覧ください。

法人設立の概要やステップをまとめた資料などはありますか?

通常はご契約後に詳細な資料を共有していますが、法人設立の概要やステップが分かる簡易版の資料で良ければ、こちらからご確認ください。

インドネシア進出のコンサルの話を鵜呑みにしない

インドネシア進出においてコンサルの存在は便利で頼りになる一方で、情報格差や契約条件の不透明さを背景にトラブルが発生することも少なくありません。

重要なのは、コンサルの話を鵜呑みにせず、自社で最低限の知識と準備を持ったうえで主体的に進める姿勢です。

複数の選択肢を比較し、信頼できるパートナーを選定することで、リスクを最小限に抑えながら進出を成功させることができます。

関連記事内に必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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