インドネシアの自然災害、2023年は4,940件発生
- 公開
- 2025/12/29
- 更新
- 2026/06/21
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インドネシアの災害と聞くと、日本と同じく地震や津波、火山の噴火をイメージする方も多いかもしれません。それも事実ですが、最も多いのは森林火災や洪水で、それぞれ1年に1,000件以上起こっています。
今回は、2023年にインドネシアで起こった自然災害の件数を、災害の種類ごとに紹介。その原因、進められている対策などについて紹介します。
数字でみるインドネシアの自然災害
インドネシアの自然災害、2023年は4,940件
国家災害管理庁(BNPB)によると、2023年にインドネシアで記録された自然災害は、4,940件でした。この年は洪水や土砂崩れが減った一方、森林火災・泥炭火災が激増。全体の件数は3,544件だった前年と比較して1,396件、割合にすると39.4%増加しています。
種類ごとにみると、もっとも多かったのは森林火災・泥炭火災で1,802件でした。続いて、洪水が1,170件、異常気象(異常気象による災害)が1,155件、土砂崩れが579件などとなっています。

日本では、夏から秋にかけて、台風の被害が多くなります。インドネシでは、多くの地域で雨季のピークを迎える1月~2月頃は洪水や土砂崩れが多く、乾季が深まる8月~9月頃に森林火災が増えます。
グリーンピース・インドネシアの報告によると、2023年7月から10月までの4か月間で、火災によりスマトラ島とカリマンタン島で失われた森林及び泥炭地は合計67万6,287ヘクタール。島根県の面積に匹敵します。
- 参考:
Indonesiabaik「4.940 Bencana Terjadi di Indonesia Sepanjang 2023」
Kitabisa「Sumatera Selatan Masih Terancam Karhutla Berkepanjangan!」
自然災害の人的要因
発生件数が特に多い森林火災や洪水は、予測や予防がある程度可能なはずです。
例えば森林火災は、落雷や火山の噴火、干ばつなどが原因の場合もありますが、多くのケースで、人的な要因が疑われています。
気象や環境以外の森林火災の要因としては、森林付近でゴミを燃やした後の延焼、たばこなどの火の不始末、アブラヤシやゴム農園の拡大のための不法な焼き払い行為などが挙げられます。‘
- 参考:BADAN PENANGGULANGAN BENCANA DAERAH KABUPATEN LIMA PULUH KOTA「Penyebab Kebakaran Hutan dan Cara Penanggulangannya」
また洪水についても、山と狭い川が多いという国土の特徴や地球温暖化による降水量の増加のほか、人的な要因があります。
例えば、森林伐採などによって山々が自然の治水効果を発揮できないことは、私たち日本人でも容易に想像できます。加えて、排水路やダムなどのインフラが不足していたり、壊れていたりすること、そして人々が捨てたゴミが排水路を詰まらせていることなども、洪水を引き起こすとされています。
さらに、人家に近い山の斜面が安全に管理されていないこと、貧しい人々が、川沿いに本来は許可されない形で住居を構えていることなど、洪水や土砂崩れの被害を大きくする課題も山積しています。
映像でみるインドネシアの自然災害
森林火災と闘うNGOチーム

動画は、グリーンピース・インドネシアの「TIM CEGAH API」の活動の様子。TIM CEGAH APIは直訳すると、「防火チーム」という意味で、森林火災や泥炭火災の防火と消火などを任務とする、15名ほどのチームです。
森林火災や泥炭火災は、周辺住民の住環境や健康、命を脅かし、時には近隣諸国にまで影響を及ぼします。また、森林の生態系を破壊し、生物多様性を喪失させます。二酸化炭素を吸収する森林が減ることは、地球温暖化を加速させることにも繋がります。
そのためTIM CEGAH APIは、森林火災が起こりやすい地域住民の教育にも力を入れています。また、インドネシア政府に対しては、森林と泥炭地の保護に対するガバナンスを強めることや、不法に森林を破壊する行為に対して断固たる措置を講じることを求めています。
都市部の住民の身近な災害である洪水

こちらはジャカルタに隣接する南タンゲラン市の情報を発信するInstagramアカウントの投稿。2024年7月の洪水の様子です。道が冠水しているばかりでなく、家々が浸水しているエリアもあることがわかります。
7月といえば乾季ですが、洪水が起きやすい地域では、1日、2日の雨でこのような被害が出ることも珍しくありません。対策が進む地域がある一方で、手つかずの地域もあり、毎年のように浸水被害を被る住民たちもいます。
洪水はインドネシアの都市部において身近な災害であり、多くの人々が自分が住む地域の中で、どこで洪水が起こりやすいか、どの道が冠水しやすいかを把握しています。
「Bebas Banjir」、つまり、洪水に遭わないことを謳い文句に売り出している住宅地も珍しくありません。裕福な人なら、他より少し高くても、Bebas Banjirの家を買えるでしょう。ただそうでない多くの庶民は、毎年浸水の被害が出ても、引っ越すわけにはいきません。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
インドネシア政府の災害対策
インドネシア政府は、地方政府や民間企業と協力し、地域ごとの自然災害対策や、防災マップの作成、自然災害に関する警戒情報発信などに取り組んでいます。
全国規模の政策としては、2024年5月、バリ島で開催された世界水フォーラムに向けて、Zero Delta Q(ゼロ・デルタ・Q)と呼ばれる政策を打ち出しました。
これは貯水池や雨水タンクの整備により地表の水を収集し、排水路への流出を抑える取り組み。建物の建設や土地利用について、関連する制約を設けるものです。
紹介してきたとおり、インドネシアの森林火災や洪水の要因には、政府の管理・監視の甘さや、インフラ不足が含まれます。小学校の授業でゴミのポイ捨てが洪水を引き起こすことを教えるような地道な活動もさることながら、権力を持つ大人たちの努力と変化もまた、求められています。
- 参考:
Kompas.com「”Zero Delta Q”, Strategi Pemerintah Tangani Permasalahan Banjir」
SPM Negeri 210 Jakarta「Apa Itu Zero Delta Q Dan Zero Run Off?」
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