8回連続「インドネシアで一番クリーンな都市」になったスラバヤの取り組み

公開
2025/12/22
更新
2026/01/01
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インドネシア第2の都市・スラバヤは、8年連続で「Adipura Kencana賞」を受賞し、国内で最もクリーンな都市の一つとして高く評価されています。地域住民の協力と市政府の先進的な取り組みによって、ごみ処理や都市美化に成功したスラバヤの事例は、他の自治体にとっても参考となるモデルです。

はじめに

環境問題が深刻化する中、都市ごとの持続可能なごみ管理や地域住民の意識変革はますます重要になっています。本記事では、インドネシア・スラバヤ市がどのように環境表彰制度「Adipura賞」で連続受賞を果たしたのか、実際のプロジェクトや市民参加の仕組みを紹介します。 

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数字でみる「クリーンな都市」スラバヤ

スラバヤ市、8年連続で Adipura Kencana賞を受賞

スラバヤ市は、2023年のAdipura Kencana(アディプラ・クンチャナ)賞メトロポリタン部門を受賞しました。これは、スラバヤ市にとって8回連続の受賞です。

Adipura賞は、県・市の環境保全および都市美化の取組みを奨励・評価するため、環境・林業省が設けた表彰制度です。2019年の環境・林業大臣規則で規定され、受賞都市は調査チームの報告を受けた環境・林業大臣が決定します。Adipura Kencanaは、Adipura 賞のうち金賞(最優秀賞)にあたります。

Adipura賞受賞都市(2023年)

Adipura Kencana賞(金賞)
  • メトロポリタン部門:東ジャワ州スラバヤ市
  • 大都市部門:東カリマンタン州バリクパパン市
Adipura賞
  • メトロポリタン部門:中央ジャカルタ市、南ジャカルタ市、西ジャカルタ市、北ジャカルタ市、北スマトラ州メダン市、東ジャカルタ市
  • 大都市部門:東ジャワ州マラン市、西ジャワ州ボゴール市、中部ジャワ州スラカルタ市、ジャンビ州ジャンビ市

【補足】
メトロポリタン:人口が100万人を超える都市
大都市:人口が50万人以上100万人以下の都市

参考:

Adipura賞の評価ポイント

Adipura賞では、以下のようなポイントが評価されます。

廃棄物管理のパフォーマンス
– ごみの削減:ごみの削減、再利用
– ごみの処理:分別、収集、運搬、処理、最終処分

最終処分場のパフォーマンス

緑地のパフォーマンス
– 面積、分布と日除け機能、整備・維持管理状況、植物の多様性

スラバヤ市には、ごみ処理で発電する施設としてインドネシア初となるベノウォ最終処分場があります。また、中央ごみ銀行(Bank Induk Sampah)および地域ごとのごみ銀行の設置、町内会(RW)ごとのごみ分別ステーションの設置、ごみの3R(リデュース・リユース・リサイクル)を実施できる仮集積所の増設なども評価されました。市民参加型の清掃キャンペーンを行うなど、市民の意識や行動の変容を促している点も注目されています。

参考:

【補足】
ごみ銀行:地域住民からリサイクルごみを回収し、その報酬として現金やポイントを提供する施設

スラバヤ市の美化プロジェクト

スラバヤ市は、以下のような環境・美化プロジェクトを進めています。

気候村プログラム(ProKlim)

気候村プログラムは、環境・林業省が主導する、町内会ごとの環境保全の取り組みを評価・表彰するプログラムです。2024年、スラバヤ市からは全国最多の23の町内会が受賞し、そのうちの2つが最高賞である「持続可能な気候村トロフィー賞」の栄誉に輝きました。また、スラバヤ市も「ProKlim指導者賞」を2年連続で受賞しています。

「スラバヤ優秀な村」コンテスト(Lomba Kampung Surabaya Hebat)

スラバヤ優秀な村コンテストは、スラバヤ市の環境局が主導するプログラムです。住民主導の環境・地域貢献活動を町内会ごとに評価する企画で、2023年には約1,360の町内会が参加し、審査と選考を経て75の「優秀な村(町内会)」が選出されました。

このプログラムにより、スラバヤ市では1日あたり4~5トンのごみを削減しています。

ごみ銀行コンテスト(Lomba Bank Sampah)

ごみ銀行コンテストは、同じくスラバヤ市の環境局が主導するプログラムです。このコンテストでは、町内会ごとにごみ銀行の活用状況が評価されます。2023年のごみ銀行コンテストには、592の町内会が参加しました。

このコンテストにより、スラバヤ市では1日あたり9トンのごみを削減しています。

ごみゼロ町内会プロジェクト(RW zero waste)

ごみゼロ町内会プロジェクトは、地域ごとに各家庭でゴミを分別し、ごみ銀行や仮置き場に運ばれた量を数値で把握する管理システムを整備するスラバヤ市のプロジェクトです。スラバヤ市は2025年までに500の町内会を「ゴミゼロ化」することを目標にしています。

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インドネシア初の廃棄物発電所

インドネシア発の廃棄物発電所

ベノウォ最終処分場は2021年、インドネシアで初めて廃棄物処理による発電を開始しました。現在は1日に搬入される約1,600トンの廃棄物のうち、1,000トン程度をエネルギー源として処理できるようになっています。

この発電所の発電量は、1時間あたり最大12メガワット(MW)です。現状ではそのうち9MWをインドネシア国営電力会社(PLN)に供給しており、残りは市内の施設の運営に利用しています。

ベノウォ最終処分場は 発電所だけでなく、高度酸化処理システム(AOP)を備えた下水処理施設(IPAL)、 独立機関が監視するトラックスケール(重量計測橋)、40ha以上の緑地帯(グリーンベルト)といった環境保全のための各種インフラも備えています。インドネシア政府はベノウォ最終処分場を手本に、同様の施設を各地に建設したい考えです。

スラバヤ市の整った歩道

スラバヤ市の整った歩道

こちらの動画で紹介されているのは、スラバヤ市中心部の歩道の様子です。

インドネシアの歩道において、壊れたか所が修理されずに放置されている、屋台や路上駐輪のバイクが歩行者の通行を妨げている、ポイ捨てされたごみが落ちているという状況は、ごく普通のことです。多くの人が、ごみが一つも落ちておらず、タイルもはがれておらず、穴も開いていなければゴミも落ちていないこのような歩道を、非常に珍しいと感じるでしょう。

スラバヤ市は10年以上に渡り、環境保全に加えて市内の美化にも積極的に取り組んできました。インフラが整ったことや市政府主導のさまざまなプロジェクトによって市民の意識が変化し、Adipura Kencana賞を8年連続で受賞するにふさわしい「クリーンな都市・スラバヤ」が誕生したのです。

市民が効果を実感できるクリーン政策

スラバヤ市の環境政策は、ごみ処理のインフラやシステムの整備にとどまらず、市民参加を軸とした多層的なアプローチが特徴です。スラバヤ市の先進的な取り組みには、2060年のカーボンニュートラルを目指すインドネシアの関係省庁も注目しています。

「クリーンで住みよい街づくり」に力点を置く市政府の取り組みの成果を市民が実感しているからこそ、そのクリーンさを維持できているのでしょう。

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