ジャカルタの宿泊業事業者の70%が最大で30%の人員削減を計画

公開
2025/12/18
更新
2026/01/01
この記事は約4分49秒で読めます。

2025年、インドネシアの宿泊業界が大きな転換点を迎えています。ジャカルタでは宿泊事業者の70%が人員削減を計画しており、業界全体に不安が広がっています。背景には、政府による国家予算の削減や消費者の購買力の低下といった複数の要因があり、ホテルやレストランは生き残りをかけた対応を迫られています。

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はじめに

コロナ禍を乗り越えたかに見えたインドネシアの宿泊業界ですが、2025年に入って再び厳しい状況に直面しています。国の支出削減政策や観光需要の偏り、労働市場の不安定化などが重なり、既に一部のホテルで解雇や採用停止の動きが広がっています。本記事では、最新のデータやニュースをもとに、宿泊業界の現状とその背景を整理します。

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    フリーランスのエージェント

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  • E23ビザ(就労)

    安かろう悪かろうのビザ会社

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数字でみるインドネシアの宿泊業

ジャカルタのホテル・レストラン経営者の70%が人員削減を計画

インドネシアホテル・レストラン協会(PHRI)の報告(2025年5月)によると、ジャカルタのホテル・レストラン経営者の70%が人員削減を計画しています。

PHRIジャカルタ特別州支部は、人員削減を計画している経営者の多くが、10~30%の人員削減を実施する見込であるとしています。人員削減の主な対象は契約社員や日雇い労働者で、インドネシア全土の宿泊施設で既に解雇が始まっています。また飲食業界でも、新規採用やインターンの受け入れを停止するなどの動きがみられています。

インドネシアの宿泊業界不況の背景

政府の予算削減

コロナ禍以降、インドネシアの宿泊業は、業務の増加、水道・ガス・人件費などコストの上昇などにより、苦しい状況が続いていました。

2025年に入り、宿泊業界の不況に追い打ちをかけたのが、政府による国家予算の削減です。

政府が関わる会議やイベント関連の収入は、インドネシアのホテルの収入の40~60%を占めるともいわれます。しかし、Prabowo Subianto(プラボウォ・スビアント)大統領による大統領令(2025年1月)と、それに先立って2024年11月に出された財務大臣からの通達によって、政府機関は業務の効率化や出張費の削減などによる支出削減を求められることになり、各地で政府関係者やイベント関係者のホテル利用が激減したのです。

現在、多くのホテルが収入の柱を失い、一般客からの宿泊収入に依存する状況に追い込まれています。加えて、安価な民泊、ユニークな体験を提供するリゾートホテルやコンセプトホテルの広がりにより、個性で差別化することが困難なホテルは、激しい価格競争にさらされています。

観光客誘致の壁

宿泊収入に頼らざるをえなくなった宿泊業者にとって、不安材料の一つは、観光資源の少なさです。インドネシアでは政権交代のたびに観光開発の方針が変更され、魅力的で持続可能な観光地開発ができていないことが指摘されています。

インドネシアを訪れる外国人観光客は増加傾向にありますが、それでも年間1,390万人(2024年)で、タイ、マレーシア、ベトナムなどに比べると大きく劣ります。

また、かつて積極的に旅行を楽しんでいた国内の中間層が縮小していることも、宿泊業の不況に影響しています。一方で、旅行する経済的余裕のある層が、物価の安いタイなどの他国に流出していることも、不況の一因と考えられます。

参考:

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映像でみるインドネシアの宿泊業

専門学校で学ぶ生徒たち

専門学校で学ぶ生徒たち

こちらは、中部ジャワ州スマランにあるGraha観光ホテル専門学校(Gawis)の生徒たちの様子です。「みんなが何年も大学に通う時間や費用があるわけではありません。Gawisなら1年勉強すれば、そのまま就職できます」と紹介されています。

インドネシアでは宿泊業従事者の半数近くが、普通高校の卒業生です。一方で、この動画の生徒たちのように、職業高校や専門学校、職業訓練校で知識や技能を習得して就職する人もいます。

就職先は、国内外のホテルやリゾート、客船などです。国内の宿泊業界の不況を受け、特定技能の制度を利用して日本で働くことを選ぶ人もいるでしょう。

ホテルのB2Bフェア

ホテルのB2Bフェア

Santika Indonesia Hotels & Resortsは、全国に7ブランド・100以上のホテルを展開しています。この動画は、2025年5月、ジャカルタで開催された「サンティカフェアB2B」の様子です。イベントには企業関係者、政府機関、旅行代理店などのビジネスパートナーが招かれました。

参加者は、全国のサンティカグループの担当者と直接商談する機会を得ました。また、伝統舞踊のステージや、景品付きのゲームやクイズを楽しみました。

インドネシア政府がホテルでの会議やイベントを減らすなか、宿泊事業者間の大型案件の争奪戦は必至といえます。2025年6月にはジャカルタのPramono Anung(プラモノ・アヌン)知事が「ジャカルタ各地で積極的にイベントを開催する」と表明し、注目されています。

多様な市場の開拓が急務

インドネシアの宿泊業界は、政府支出の削減、中間層の縮小、外国人観光客数の伸び悩みといった複数の要因が重なり、深刻な人員削減の局面に立たされています。

ジャカルタを中心に、多くのホテルが事業の見直しや効率化を迫られる一方で、観光地の多様化やイベント誘致による需要喚起など、新たな打開策も模索されています。

今後は政府・民間双方が協力し、持続可能な観光インフラと雇用の安定をどのように確保していくかが重要な課題となるでしょう。

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