インドネシアの大学の進学率や学費など(有名大学も紹介)
- 公開
- 2023/01/29
- 更新
- 2026/01/26
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インドネシアには、大学、アカデミー、ポリテクニックなど、複数の種類の高等教育機関があります。
インドネシア政府は、このような高等教育機関に対する第三者機関による認定制度の確立、地方への国立教育機関の設置、奨学金の充実などさまざまな策を講じて、進学率の上昇や大学のレベルアップへの取り組みを進めています。
実際に、19~23歳の人口に占める学生の割合を表す「粗就学率」が年々上昇し、2023年には40%を超えるなど、成果も出てきています。
本記事では、インドネシアの大学や大学生の現状、課題について説明します。また、有名な起業家や政治家を多数輩出している、インドネシアの難関大学や有名大学も紹介します。
インドネシアの学校教育課程
インドネシアの学校教育課程は日本とほぼ同じで、義務教育は小学校6年と中学校3年の計9年間です。その後は高校が3年間で、インドネシアの中央統計庁の調べ(2023年)によると、小学校の就学率は99.3%、中学校が93.1%、高校が78.4%となっています。
高校卒業後は大学の学士課程が4年。これとは別に、職業教育に特化したディプロマという課程もあります。
- 参考:Badan pusat statistik「Angka Anak Tidak Sekolah Menurut Jenjang Pendidikan dan Jenis Kelamin 2023」
日本でよく使われる「大卒」「院卒」といった表現には、下記のような略称が用いられます。Sはインドネシア語のSarjana(学士という意味)、DはDiploma(ディプロマ)の頭文字です。ディプロマとは、職業訓練をメインとする教育課程です。
インドネシアの役所などで書類を作成する際、最終学歴を書く欄に出会うことがよくあるため、この略称を覚えておくと便利です。
- 学士:S1
- 修士:S2
- 博士:S3
- ディプロマ(1年):D1
- ディプロマ(2年):D2
- ディプロマ(3年):D3
- ディプロマ(4年):D4
ここからは、インドネシアの高等教育・科学・技術省「STATISTIK PENDIDIKAN TINGGI(高等教育統計)2024」を主な資料とし、インドネシアの高等教育機関について紹介します。
インドネシアの大学数
インドネシアの大学を含む高等教育機関の数は2024年現在4,416機関で、種類別の機関数は以下の通りです。
- 高等学院・高等専門学校(Sekolah Tinggi):2,070
- 総合大学(Universitas):933
- 専門短期大学 / アカデミー(Akademi):560
- 単科大学 / インスティテュート(Institut):435
- 高等専門教育機関 / ポリテクニック(Politeknik):383
- 職業訓練短期大学 / コミュニティ・アカデミー(Akademi Komunitas):35
高等教育機関の分布を見てみると、特に人口が集中しているジャワ島には全体の48.7%にあたる2,152の高等教育機関が所在しています。
- 参考:Pangkalan Data Pendidikan Tinggi「STATISTIK PENDIDIKAN TINGGI 2024|P.24-27 Lembaga」
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
インドネシアの大学進学率
進学率と粗就学率

2024年、インドネシアの高卒者に対する、ディプロマおよび学士課程への進学率(学業継続率)は、48.0%でした。進学率はコロナ禍の2021年には一時的に高かったものの、上掲のグラフのように、その後は低下しています。
進学率は減少の一途をたどっているように見えますが、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった2021年は、大学の授業のオンライン化で受け入れ枠が増えたことや、将来の不安から教育投資に力を入れた家庭が増えたことが影響して進学率が高まった可能性が指摘されており、今後の推移が注目されます。
ただし、進学率が伸び悩んでいることも事実です。要因の一つとしては、経済的な理由などから、高等教育ではなく、1年~2年で卒業・就職できる職業訓練校の需要が伸びていることが挙げられます。

一方、進学率の代わりにインドネシアが長年用いてきた数値である粗就学率※は年々上昇し、2023年には40%を超え、2024年は41.2%でした。また、粗就学率上昇には、働いて学費を貯めてからの進学や中退後の再入学など、高卒ストレート進学ではない層が増えていること影響していると考えられます。
【補足】
粗就学率:ここでは、19~23歳のうちディプロマまたは学士課程に在籍する学生数の割合。就学者が公式学齢を超えて広がっている場合には100%を超える場合がある。
- 参考:Pangkalan Data Pendidikan Tinggi「STATISTIK PENDIDIKAN TINGGI 2024|P.322-323 Angka Partisipasi Kasar、P.328 Angka Melangjutkan Studi」
進学率の地域差
インドネシアでは、地域ごとに高校卒業後の進学率に大きな差があります。要因としては、大学など高等教育機関の数、アクセスのよさ、住民の経済力、高校卒業後の典型的な進路などに地域差があることが挙げられます。
インドネシアの州別大学進学率(2024年)
- バンテン州 — 169.6%
- ジョグジャカルタ特別州 — 144.1%
- パプア州 — 124.7%
- 西パプア州 — 111.0%
- ジャカルタ首都特別州 — 108.3%
- アチェ州 — 56.4%
- 西スマトラ州 — 55.0%
- 南スラウェシ州 — 55.0%
- ゴロンタロ州 — 51.6%
- バリ州 — 50.1%
- ブンクル州 — 47.1%
- 東南スラウェシ州 — 46.8%
- 南カリマンタン州 — 46.7%
- 北スラウェシ州 — 46.4%
- リアウ諸島州 — 46.1%
- 東ジャワ州 — 43.8%
- 東カリマンタン州 — 42.0%
- 西ヌサトゥンガラ州 — 40.1%
- リアウ州 — 38.0%
- 中部スラウェシ州 — 37.9%
- マルク州 — 37.6%
- 中部ジャワ州 — 35.3%
- 北スマトラ州 — 34.9%
- ジャンビ州 — 34.3%
- ランプン州 — 33.8%
- 東ヌサトゥンガラ州 — 33.1%
- 西スラウェシ州 — 30.6%
- 南スマトラ州 — 30.0%
- 北カリマンタン州 — 29.9%
- 西ジャワ州 — 29.0%
- 西カリマンタン州 — 28.9%
- 北マルク州 — 28.1%
- 中部カリマンタン州 — 26.3%
- バンカ・ブリトゥン州 — 25.4%
なおこの統計では、バンテン州、ジョグジャカルタ特別州など、高等教育機関が多数所在する州と、パプア州など人口が少ない州では割合が高くなる傾向があり、100%を超える州もあります。
これは、この統計が分母・分子ともにその地域にいる対象者をカウントしているためです。つまり、西ジャワ州の高校を卒業した人がバンテン州の大学に進学した場合、「西ジャワ州の高卒者数(分母)」「バンテン州の大学進学者数(分子)」にそれぞれ入ります。
そのため、大学が多い州は転入者が多く、進学率が100%を超えます。また、高校卒業者数が少ない地域では、少しの転出・転入で進学率が大きくぶれる傾向があります。
- 参考:Pangkalan Data Pendidikan Tinggi「STATISTIK PENDIDIKAN TINGGI 2024|P.328 Angka Melangjutkan Studi」
インドネシアの大学の学費
国立大学の学費は2013年以降、親の収入や扶養人数などにより段階的に決められるようになっています。したがって、学生によって差が出ますが、中間層の家庭の子どもの学費は、比較的安い学部で、1学期あたり300万ルピア(2万7,900円)前後のイメージです。医学部など一部の特に学費が高い学部は、1,500万~2,000万ルピア(13万9,500円~18万6,000円)程度となっています。
また、インドネシアの中央統計庁によると、大学を含む高等教育の年間平均費用※(2024年)は1,901万ルピア(約17万6,800円)でした。これは、高校生の平均費用のほぼ2倍の金額です。なお、インフレの影響もあり、教育関連費用も上昇傾向にあります。
例えば、年間の費用が18万円とすると、1か月あたり1万5,000円程度となります。日本人の感覚でみると非常に安い気がしますが、それでも進学率が50%に満たない背景には、経済的な負担が大きいという面もあります。
インドネシアの大学生の多くは、アルバイトなどで学費や生活費を稼ぐことはしません。在学中の費用は保護者の負担で、足りなければ入学前に自分で稼いだり、奨学金を受け取ったりする人が多くなっています。
理由としては、大学生は学業に専念すべきだという考えや、実際に学業が忙しいこと、そして求職者が多いため、時間に制約のある学生をあえて雇用する企業がそもそも少ないことなどが挙げられます。
【補足】
中央統計庁によるこの調査の「費用」には、登録料、授業料、交通費、制服、文房具、書籍、小遣い、自己負担になるその他の費用が含まれます。
- 参考:TEMPO「Tren Kenaikan Biaya Pendidikan」
ルピア円は、2025年12月6日のレート(1ルピア0.0093円)で換算しています。
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C2ビザ(工場訪問)
フリーランスのエージェント
フリーランスのビザエージェントに依頼しましたが、途中から連絡が取れなくなり手続きは完全に停滞。提出済み書類の扱いも不明で大きな不安を抱える羽目に。結局別のビザ会社に依頼し直し、余計な時間と費用を失いました。最初から信頼できる会社を選ぶべきだったと痛感し、二度と同じ失敗は繰り返さないと決めました。
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E23ビザ(就労)
安かろう悪かろうの会社
就労ビザを格安のビザ申請代行会社に依頼したところ、報連相は遅く曖昧で必要書類の誤りも多発。訂正や追加提出を何度も求められ、そのたびに時間と労力を浪費しました。結果的に大幅な遅延と余計な費用まで発生し、安かろう悪かろうを痛感。最初から信頼できる専門会社にお願いすべきだったと強く後悔しました。
インドネシアの大学ランキング
イギリスの大学評価機関のクアクアレリ・シモンズが発表しているQS世界大学ランキング(2026年版)にランクインした、インドネシアのトップ大学を紹介します。
まず、500位以内に入っているのは以下の5大学です。
- インドネシア大学(ジャカルタ特別州):189位
- ガジャマダ大学(ジョグジャカルタ特別州):224位
- バンドン工科大学(西ジャワ州バンドゥン):255位
- アイルランガ大学(東ジャワ州スラバヤ):287位
- ボゴール農科大学(西ジャワ州ボゴール):399位
続いて、500~600番台には、ITSスラバヤ工科大学(東ジャワ州スラバヤ)、パジャジャラン大学(西ジャワ州バンドゥン)、ディポネゴロ大学(中央ジャワ州スマラン)、ブラウィジャヤ大学(東ジャワ州マラン)が入っています。
以上はいずれもジャワ島にある大学であることから、大学のレベルや質に地域差が出ていることがわかります。
- 参考:Quacquarelli Symonds「QS World University Rankings 2026: Top global universities」
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インドネシアのトップ大学はどこですか。
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インドネシアの大学の最高峰としては、国立のインドネシア大学とガジャマダ大学が知られています。この2つの大学は毎年、国内外の大学ランキングでインドネシアの1位2位を争っています。



インドネシアの大学の課題と改善の取り組み
大学のレベルと富裕層の海外流出
上述のQS世界大学ランキングでは、インドネシア大学の最高ランクは189位です。これでも国内上位の大学のランクは上昇傾向にありますが、日本の大学が100位以内に4大学入っているのと比較しても、大きな差があることがわかります。
これは、インドネシアでは、優秀な子どもが熱心に勉強してトップクラスの大学に入っても、世界水準の教育を受けられる保証がないことを示唆しています。
実際、有名な若手実業家のプロフィールを見ると、海外留学経験のある人が多いことがわかります。優秀で経済力のある人は留学するというのが、インドネシアでは一般的になっているのです。
大学評価制度と大学間格差
インドネシアの高等教育機関は、第三者機関による外部質保証審査を受けることになっています。この審査を担当しているのは独立・非営利の組織である国立高等教育アクレディテーション機構(BAN-PT)で、原則、すべての高等教育機関が審査対象となっています。
また、分野によっては、教育プログラムを審査する独立アクレディテーション機関(LAM)も設置されています。
BAN-PTによる認証を受けた大学は、2020年時点では全体の60%程度で、審査の遅れが問題になっていました。これが2025年までに99.9%まで拡大し、審査が進んだことがわかります。年度により変動はあるものの、ほぼ全ての機関が認定済みといってよいでしょう。
一方でその審査結果にはばらつきがあり、教育機関の間で質にかなりの差があることが問題視されています。実際に、基準適合(合格)の3段階評価(Unggul・Baik Sekali・Baik)※のうち最も低い評価「Baik」を受けている教育機関が、審査対象の66.6%に上っています。
また、前述の通り、レベルの高い大学がジャワ島に集中していることも長年の課題です。インドネシア政府は、ジャワ島外の地域での国立高等教育機関の設立など、格差縮小を図っています。
【補足】
BAN-PTの評価による「ランク」は、2020年にA・B・CからUnggul・Baik Sekali・Baikに変更されました。
- 参考:BAN-PT「Hasil Akreditasi Institusi」
学生支援・データ統合と中退率
インドネシアの大学の中退率は、2019年の7.1%から2024年には3%と、大きく改善しました。日本の国公私立大学、短期大学、高等専門学校における中退者は2%前後で推移しているので、この水準までもう一息というところです。
中退率が下がった要因としては、政府による奨学金の拡充やオンライン授業の広がりなどアクセス面の改善により、経済的な理由での中退が減ったことが挙げられます。また、大学側の学業支援制度の充実、政府の教育改革「MBKM(Merdeka Belajar Kampus Merdeka)プログラム」によるカリキュラム・履修制度の柔軟化などにより、成績不振や学部・学科のミスマッチも減ったと考えられます。
一方で、州別の中退率は1%~6%と、依然として地域差があります。また、高等教育・科学・技術省が運用する高等教育機関のデータベース「PDDikti」へのデータ統合が進み、大学内部のデータが可視化されてきてはいるものの、一部の大学で実質退学した学生を在籍扱いにするなど、不正確な報告が行われているという指摘も出ています。
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インドネシアのムルデカ・ブラジャルプログラムとは何ですか?
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ムルデカ・ブラジャル(Merdeka Belajar)は、官僚主義から脱却した自由で自立した教育機関が、学生・生徒により柔軟で実践的な教育を提供することを目指し、インドネシア政府が2019年末に開始したプログラムです。
大学改革「カンプス・ムルデカ(Kampus Merdeka)」はそのプログラムの一環で、2つあわせてMBKM(Merdeka Belajar Kampus Merdeka)と呼ばれます。これにより大学では2021年以降、学内の専攻外の授業の履修や、所定の学外学習が単位に組み込まれるなど、カリキュラム・履修制度が柔軟化されました。
- 参考:DIREKTORAT JENDERAL PENDIDIKAN TINGGI「STATISTIK PENDIDIKAN TINGGI 2020|P.317 ANGKA PUTUS KULIAH」
インドネシアの有名大学
最後にインドネシアの難関大学や有名大学をご紹介します。
インドネシア大学(Universitas Indonesia)
ジャカルタ郊外のデポックに位置する総合大学で、12の学部を持ちます。日本で例えると東京大学のようなポジションの、国内最高峰の大学です。外国人向けインドネシア語コースを開講しており、企業の語学研修など、ジャカルタ周辺に住む日本人がインドネシア語を学ぶ場所としてもよく名前が挙がります。
ガジャマダ大学(Universitas Gadjah Mada)
インドネシア大学と並び、インドネシアを代表する大学がガジャマダ大学です。古都ジョグジャカルタに位置する、18の学部を持つ総合大学で、日本で例えると京都大学のようなポジションです。ジョコ・ウィドド前大統領やジャカルタのアニス元知事も、このガジャマダ大学出身です。
バンドン工科大学(Institut Teknologi Bandung)
西ジャワ州の州都バンドンに位置する理工系トップ大学が、このバンドン工科大学です。日本で例えると東京工科大学のようなポジションです。理学・工学だけではなく、建築学部や芸術デザイン学部も人気があります。
ボゴール農科大学(Institut Pertanian Bogor)
ボゴール農科大学は、農業系ではトップの大学で、日本で例えると東京農工大学のようなポジションです。農学部、獣医学部、水産海洋学部、畜産学部、林業学部、農業工学部、数学自然科学部、経済経営学部、人間生態学部と9つの学部を設置しており、スシロ・ユドヨノ・バンバン元大統領もこの大学を卒業しています。
ビナ・ヌサンタラ(ビヌス)大学(Universitas Bina Nusantara)
経営・IT・マーケティングなどの分野に力を入れている私立大学で、ジャカルタを始め複数の都市にキャンパスを置いています。ビジネスで活躍している卒業生が多く、Tokopediaの創業者ウィリアム・タヌウィジャヤ氏もこのビヌス大学出身です。
テルコム大学(Universitas Telkom)
バンドンのテルコム大学は、通信事業者Telkomselで知られる「テルコムグループ」の教育財団が運営する大学です。経済学部やIT学部が有名です。
インドネシアの「大卒者」とその裏側
インドネシアの高等教育は、大きく変化しつつあります。政府の政策のかいあってか、高等教育を受ける人は増え、一方で中退率は下がっています。ただし、大学間・地域間の格差や教育水準のばらつきなど、乗り越えるべき課題も少なくありません。
近年は自由度の高い履修制度や奨学金の拡充、国立教育機関の地方展開により、学習機会の拡大と教育の質向上が進んでいます。一刻も早く就職したい人のための職業訓練校の選択肢が広がり、需要も増えている一方で、高等教育を望む人が経済的な不安なく充実した教育を受けられるよう、教育環境のさらなる改善が期待されます。
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