インドネシアのオンラインフードデリバリーサービスGoFood、好調の要因と今後の戦略は

公開
2025/12/30
更新
2026/01/01
この記事は約6分20秒で読めます。

インドネシアでは、オンラインフードデリバリー(OFD)サービスが日常に浸透しています。

日本でウーバーイーツがサービスを開始したのは2016年ですが、インドネシアのGoFoodは2015年には既にジャカルタでサービスを開始していました。それから地域を広げ、加盟店とユーザーを増やし、今や多くのインドネシア人にとってなくてはならない存在となっています。

GoFoodは現在インドネシアとベトナムでサービスを提供しており、2022年は前年比で取引額が倍増という飛躍の年となりました。GoFood好調の理由や今後の戦略などを見ていきましょう。

法人設立0円キャンペーン中
まずは気軽にご相談ください

2022年に大躍進したGoFoodの今後の戦略とは

Gojekのオンラインフードデリバリー(OFD)サービス「GoFood」は2022年、インドネシアとベトナムにおける取引額が前年から倍増し、東南アジアのフードデリバリー業界平均を上回るという好業績を記録しました。

以下では、2023年1月20日のDailySocial「Gojek Ungkap Strategi dan Capaian Bisnis Pesan-Antar Makanan “GoFood” di 2022(GojekがオンラインフードデリバリーサービスGoFoodの2022年の戦略と実績を発表)」を元に、GoFoodの業績アップを支えている様々な機能や今後の戦略を見ていきます。

GoFood好調の要因

GoFood好調の要因としては、インドネシアにおけるロイヤルカスタマーの割合が前年の32%から52%に増加したことや、顧客一人当たりの平均取引額が増加したことが挙げられます。

また、以下のような様々なサービス、機能が好調だったことも見逃せません。

Hemat(節約)コース

2022年9月から、GoFoodの配達の送料は一部の注文で「レギュラー」と「Hemat」の2種類から選べるようになりました。Hematコースは配達の送料が無料になる代わりに最大15分の追加配達時間がかかり、「レギュラーコースほどのスピードは求めないが料金を安くしたい」というユーザーの新しい選択肢となっています。

なお、同じくオンラインフードデリバリー大手のGrabFoodも、配送に「プレミアム」と「スタンダード」の2つのコースを用意しています。

GoFood Plus

GoFood Plusは、サブスクリプション型のサービスです。登録者はサブスクリプション登録料を支払うことで、期間内(14日間)のすべての注文で送料の割引を受けることができます。Go-Food Plusサービスは2020年に開始し、2022年には登録者が60%近く増加しています。

GoFood Plusには3つのランクがあります。例えば費用が一番安いものは19,900ルピア(約170円)で、14日間有効です。期間内は4万ルピア(約350円)以上の注文で毎回1万ルピア(約87円)まで送料が割引になります(1日3回まで)。2週間で2回以上注文すれば元が取れる計算なので、GoFoodを日常的に利用するなら登録しようと思う人が多いのもうなずけます。

ルピア円は、2023年2月7日現在のレート(1ルピア0.0087円)で換算しています。

Dapur Bersama GoFood(GoFoodのクラウドキッチン)

「クラウドキッチン」とは、主にフードデリバリー向けで客席を設けない共用キッチンです。フードデリバリーが流行っているインドネシア各地にありますが、経営難などで廃業する例も珍しくありません。

そんな中、GoFoodのクラウドキッチンはインドネシアで前年比で170%増加し、12都市・73拠点に広がっています。

パートナーレストランの増加

2022年を通して、GoFoodに加盟するパートナーレストランは45%増加しました。

メニューの工夫

少なめの量で値段を抑えたメニューが好評です。他にも、お得な値段のセットメニューやまとめ買い割引など、OFD専用メニューを用意する店舗もあります。

GoFoodの3つの戦略

今後の健全な成長に向けたGoFoodの戦略には、3つの柱があります。

  • 的確なレコメンデーションにより、ユーザーにパーソナライズされたメニューやレストランのおすすめを提示し、最も楽しい食体験を提供するオンラインフードデリバリーサービスとしてのGoFoodのブランドを強化する。
  • 既存および新規ユーザーをロイヤルカスタマーにするための技術開発を進め、ユーザー個人にパーソナライズされたマーケティング活動を行う。
  • GoFoodビジネスパートナーが実施するマーケティング活動の効率化を図り、マーケティングコストを削減しつつ、収益向上に貢献する。

アプリのパーソナライズを強化

GoFoodはユーザーを「ロイヤルカスタマー」、つまり熱心なリピーターにするため、「パーソナライズ」が重要としています。

その例を確認するため、GoFoodアプリを開いてみます。

まずは様々なプロモーションのバナーが表示され、その下に「近いお店」「割引があるお店」「人気のお店」「○○市で人気の店」などいくつかのメニューが表示されます。

Gofoodアプリの様子
GoFoodのファーストビュー

以下、スクロールしていくと、「以前注文したものをもう一度頼む」「あなたの地域のおすすめ」など色々な角度からおすすめの飲食店やメニューが表示されます。また、朝なら朝食向けメニュー、昼なら昼食向けメニュー、夜なら深夜まで開いているお店が紹介されるコーナーもあります。

Gofoodアプリの時間別リコメンデーション
夜遅い時間にアクセスすると、「深夜の空腹を解消しよう」というレコメンデーションが表示されます。

プロモーション依存からの脱却

PT GoTo Gojek Tokopediaの食品セールス&オペレーションディレクターCatherine Hindra Sutjahyo氏は、ユーザーに対するアプローチだけでなく、ビジネスパートナーである飲食店に、より効果的に顧客層を絞り込むためのソリューションを提供したり、マネジメント力向上を支援したりと、継続的な支援を行うと述べました。

さらにCatherine氏は、「目標は、ロイヤルカスタマーを増やし、プロモーションに依存しない健全なビジネスにしていくことです。」と付け加えています。

確かに、GoFoodで利用できる割引バウチャーは、サービス開始当初に比べて少なくなっています。加えて最近は、料理の価格と送料以外に「サービス料・その他費用」がかかるようになりました。店舗により追加される「その他費用」にはエコバッグなどの梱包料金が含まれます。

Gofoodの注文画面
GoFoodの注文画面。このケースでは12万ルピアの料理のために送料が1万4千ルピア、「サービス料・その他費用」が1万ルピアかかっています。料理が割引になっているのは、店が用意したお得なセットを選択しているためです。

これは、大手ECプラットフォームの戦略とも通じます。例えばTokopediaやShopeeは、2022年から毎回の買い物に手数料(サービス料)を課すようになりました。

フードデリバリーもECプラットフォームも、ある程度ユーザー数を増やし、知名度を獲得して、「プロモーションに依存しない健全なビジネスモデル」を模索する時期に差し掛かったのだと言えます。

インドネシア進出を検討中ですが、不正確や古い情報が多くて困っています。

毎週水曜日に無料の進出セミナーを開催しています。最新情報だけではなく、進出ノウハウも共有しているので、こちらからお申し込みください。法人企業の参加者には1ヶ月間の無料コンサルを特典としてご提供しています。

セミナー参加ではなく、もっと気軽に最新情報を手に入れる方法はないですか?

無料のビジネスニュースレターを配信しているので、こちらからご登録ください。

GoFoodのライバルサービス

GoFoodは最も選ばれるオンラインフードデリバリーサービス

GoFoodの主なライバルサービスは、ShopeeFoodとGrabFoodです。

調査会社Jakpatが2022年5月に1,600人を対象に行った調査「The Habit of Online Food Delivery」によると、オンラインフードデリバリーサービスの中で「最も頻繁に利用している」と答えた回答者が一番多かったのはGoFoodで39%でした。次いでShopeeFood(38%)、GrabFood(22%)、TravelokaEats(1%※)となっています。

ToravelokaEatsは2022年9月にサービスを終了しています。

しかしGoFoodは、必ずしも安さが魅力で選ばれているわけではありません。

調査に参加した回答者は、最も多くの割引やプロモーションを提供しているオンラインフードデリバリーサービスとしてShopeeFoodを選び(89%)、次いでGrabFood(81%)、GoFood(76%)、TravelokaEats(60%)の順となりました。

Jakpatの担当者によると、料理の価格、あるいは送料などを含んだサービス全体の料金は、消費者の意思決定に影響を与えるポイントの一つですが、唯一の要因ではありません。価格以外に、ユーザーエクスペリエンス(UX)の良さも重要だと話しています。

GoFoodは市場に最も早く参入したため、すでに多くのユーザーが安定感を感じ、アプリに慣れ、快適に利用できていることが強みと言えます。

実際に、同調査においては「GoFoodをよく使う理由」として、「割引やプロモーションが多い」が76%と多かったものの、「アプリを使い慣れている」が55%、「選べる支払い方法が多い」が47%、「飲食店の選択肢が多い」が40%と、他の理由も多く選択されています。

大手3社が拮抗

とはいえ、オンラインフードデリバリー大手3社の人気やシェアは拮抗しています。上掲の調査でも、「最も頻繁に利用している」サービスの1位がGoFoodで39%、2位がShopeeFoodで38%でした。「GoFoodが一番」と断言するほどには差は開いていません。

Southeast Strategicsの調査によると、2021年のオンラインフードデリバリーの総取引額に占める各サービスの取引額の割合は、GoFoodが39%で最も高く、次いでShopeeFoodが34%、GrabFoodが27%となっています。

同社が1,200人を対象に行った調査では、GoFoodを「オンラインフードデリバリーのトップオブマインドだ」と答えた人が50%いる一方で、所有するモバイル端末にフードデリバリーアプリが2つ以上入っていると答えた人は72%に上っています(※)。

つまり、多くの人がGoFood、ShopeeFood、GrabFoodのうち2つ以上をインストールしており、時には同じメニューをカートに入れてプロモーションを適用させ、安い方を頼むなど、日々比較しながら利用しているのです。

正確には、GoFood、ShopeeFood、GrabFoodの「アプリ」があるわけではなく、それぞれGojek、Shopee、Grabの多機能アプリケーションの中の機能の一つです。

インドネシアから日本への送り出しビジネスについてまとめた資料はありますか?

こちらから資料を無料でダウンロードできます。

  • LINE

高くても選ばれるオンラインフードデリバリー

フードデリバリーサービスの登録店はプラットフォーム側に手数料を支払っているため、実際に店舗で食べる場合よりも料理の価格が高く設定されている場合があります。さらに、上述の通り、プロモーションが減り、追加費用が課される状況は、ユーザーにとって決して喜ばしいものではありません。

アプリの注文画面を見て、「ちょっと高いな」と注文を躊躇する人もいるでしょう。そして自分で出かけた場合のコストについて考えを巡らせます。例えば、渋滞に巻き込まれる、駐車場が埋まっている、壊れた歩道を何分も歩く必要がある、暑さや雨にさらされる、ガソリン代がかかる・・など。

こうして考えた結果、多くの人が、少しくらい高くても使い慣れたフードデリバリーサービスを頼ることを選びます。今のところその需要に最も上手く応えているのが、GoFoodなのです。

読後のお願い

弊社で公開している記事の1つ1つは、日本人とインドネシア人のライターと編集者が協力しながら丁寧に1記事ずつ公開しています。弊社からの不躾なお願いになってしまうのですが、是非SNSでこちらの記事をご紹介いただけないでしょうか。一言コメントを添えてシェアしていただけると本当に嬉しいです。

  • LINE

関連記事内に必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

LINE

おすすめのインタビュー記事

  • 【インタビュー】インドネシアの財閥グループに参画したBeautynesiaの強みとインフルエンサーマーケティングの秘訣

    月間約400万人のインドネシア人女性が訪れるライフスタイルメディア「Beautynesia(ビューティーネシア)」のマーケティング戦略や組織運営をお伺いしました。

  • 【インタビュー】インドネシアのSNSは日本とどう違う!?インフルエンサー兼芸人として活躍するそこらへん元気さんに丸っと聞いてみた

    インドネシアで活躍する芸人兼インフルエンサーのそこらへん元気さんに、3つのSNSの活用方法や戦略などを教えてもらいました。

すべての記事を見る
LINE WhatsApp