日本企業がインドネシアの大学との提携で人材を確保する方法
- 公開
- 2026/01/17
- 更新
- 2026/01/17
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日本企業がインドネシア人材の採用を検討する際、選択肢の一つとなるのが「大学との提携」を通じた人材獲得です。
インドネシアでは、日本のような新卒一括採用の文化は一般的ではなく、学生は大学のキャリアセンターや教員、先輩とのつながり、ジョブフェアやインターンシップなどを通じて、個別に就職先を探すのが主流です。
こうした背景から、企業が大学と連携し、在学生向けのインターンや短期研修を実施することで、自社に適した人材と早い段階から接点を持つことが可能になります。
本記事では、インドネシアの大学生の就職活動の特徴を整理したうえで、日本企業が大学と提携して人材獲得を目指す方法や、そのメリット・注意点について、具体的な事例を交えながら解説します。



大学生の就職活動の特徴と企業との提携
インドネシアの大学生の就職活動
インドネシアにおいて、「新卒一括採用」は一般的ではありません。多くの学生たちは、学内のキャリアセンターやゼミの先生、先輩との繋がりを通して就職先を探します。求人情報サイト、企業のSNSアカウントなどからインターンや求人の情報にアクセスし、個人的に応募する方法もあります。
SNSやメールを通じて、学生・卒業生向けに情報発信を行う大学や学部、キャリアセンターもあります。また、独自の就職情報ポータルサイトを開設するなどして、企業と学生の橋渡し役を積極的に担うところもあります。
インドネシア人の就職活動の場としては、「ジョブフェア」「キャリアエキスポ」などと呼ばれる就職イベントも一般的で、大学が主催するケースもあります。
大学と企業の提携
インドネシアの大学から、自社に適した人材をリクルートするためには、各大学のキャリアセンター、もしくは、求める人材が所属する学部と直接提携する方法があります。
協力には、以下のような形態が考えられます。
- 大学と協力してセミナーや講演会など単発イベントを開催する
- 大学の教育課程において知識や技術を提供する場を継続的に用意する
- 大学・企業間でインターンシップの仕組みを作る
- 大学の就職イベントに参加する / 就職イベントを開催する
- 大学に求人情報を提供し、協力を求める
海外からの人材の受け入れが初めての場合、「社内に英語対応人材がいない」、「受入体制が未整備」、「外国人労働者に関する制度がわからない」など、さまざまな不安要素があるものです。
まずは単発のオンラインセミナーなどで小さく始め、体制を整えながら協力関係を強化していくこともできるので、無理のない範囲で進めることが重要です。
なお、企業と大学の提携のパターンとしては、企業と大学が提携する業界団体や人材紹介会社を介し、人材の受け入れと送り出しにおいて間接的に協力する選択肢もあります(後述)。
在学生対象のインターンシップ
企業と大学の直接的な提携の形としては、短期研修やインターンシップとそれを通じたリクルーティングが一般的です。インターンシップには、以下のような選択肢があり、複数の形態が考えられます。
インターンシップのさまざまな形態
- 期間:短期 / 3か月 / 6か月 / 1年など
- 場所:インドネシア国内 / 日本
- 報酬:無償 / 奨学金型 / 給与
- 位置づけ:大学のカリキュラム(履修教科)内 / カリキュラム外
日本企業がインドネシアの学生インターンを受け入れる場合、主に日本国内の事業所で働いてもらうことになります。ただし、インドネシアに現地法人や関連会社、提携会社がある場合は、そこを活用することもできます。
活動内容・期間・報酬の有無などによって、学生が取得すべき在留資格(いわゆるビザ)が異なります。
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日本企業が人材確保のためインドネシアの大学と提携するには、どのような方法がありますか?
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企業と大学の提携で一般的なのは、短期研修やインターンシッププログラムの実施です。他にも、単発のセミナーや講演会の実施、就職相談イベントの開催などの選択肢があります。
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日本企業がインドネシアの大学と提携するメリット
日本企業にとってのメリット
インドネシア人材の獲得を目指す日本企業がインドネシアの大学と提携するメリットは、イベントやインターンシップの参加者の中から優秀な人材を採用する機会が得られる点にあります。継続的に連携できれば、長期間安定して人材を確保できます。
学生にとってのメリット
学生たちにとってはもちろん、就職活動の負担軽減が大きなメリットです。高い失業率、インフレ、低賃金に悩む若者たちのなかには、海外での就職を目指す人も多いため、日本企業の担当者の話も、あまり抵抗感なく聞いてもらえるでしょう。
大学にとってのメリット
大学にとっては、企業との提携により学生の送り出し先を確保できることで就職率や学生の満足度が上がり、大学やキャリアセンターの評価を高められるというメリットがあります。また、在学生・卒業生の就職活動の負担軽減は、キャリアセンターの負担軽減にも繋がります。
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一般的な「人材紹介」と大学提携による人材獲得の違い
日本企業が外国人材の獲得を目指す場合の一般的な方法として、大学と連携した在学生向け短期研修・インターンを通じた採用と、人材紹介会社を通じた特定技能、その他の就労ビザによる採用が考えられます。両者にはそれぞれ明確なメリット・デメリットがあります。
大学提携型のインターンは、採用までに時間はかかるものの、学生の適性や日本語の伸び、職場への適応力を事前に見極められ、自社により適した人材を確保できる点が大きな強みです。ただし、精度設計や受入体制の整備が必要で、即戦力確保には向きません。
これに対し、人材紹介会社を通じた特定技能外国人などの採用は、短期間で人材を確保でき、実務経験や一定の日本語力を持つ人材に出会いやすい点が魅力です。ただし、採用前に実務適性を十分に把握しにくいというデメリットがあります。
短期的な人手不足への対応と、中長期的な人材基盤づくりを両立させるなら、まずは特定技能などで即戦力を確保しつつ、同時並行で大学との提携を進め、将来の人材を育てるという二段構えの戦略も有効といえます。
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外国人材の獲得において、学生インターンを受け入れることのメリットは何ですか?
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海外から将来の採用を視野に入れた学生インターンを受け入れることには、育成・研修から自社が関わり、職場環境や仕事内容を理解した人材を、安定して確保できるというメリットがあります。
日本企業・インドネシアの大学の直接的な提携
日本企業がインドネシアの大学と直接的に提携している例を紹介します。
人材獲得を目指す日本企業がインドネシアの大学と直接的な提携を希望する場合、最初の窓口になるのは大学のキャリアセンターです。キャリアセンターがない場合は、学部長や国際課、学内に設置された研究機関などが窓口になるケースもあります。
提携によるプログラムのなかで、もっとも一般的かつ実践的なのが、インターンシップです。
プルタミナ大学と日本の物流会社の提携

キューソー流通システムとシモハナ物流は、プルタミナ大学(Universitas Pertamina)物流工学部と提携し、インターンシッププログラムを構築しています。
2024年に始まったこのプログラムを通し、学生たちは日本の物流オペレーションの現場で1年間、学びながら働く機会を得ることができます。
大学だけでなく、職業高校や専門学校と企業が直接提携し、同様にインターンシッププログラムを実施する例もあります。

日本企業・インドネシアの大学の人材紹介会社を通じた提携
次に、日本企業が人材紹介会社の仲介により、インドネシアの大学と提携している例を紹介します。
一般の企業がインドネシア人材の獲得を目指し、自ら直接海外の大学などに提携を持ち掛け、協議を重ね、覚書(MOU)を結ぶのは、現実的にはなかなか難しいものです。
そのような場合、特定の国や特定の分野で広いネットワークを持つ人材紹介会社が頼りになります。在学生の場合はインターンが中心ですが、卒業生を高度人材や特定技能外国人などとして呼び寄せるのを支援できる紹介会社もあります。
インドネシア側の機関としては、人材紹介会社(P3MI:インドネシア人移民労働者配置会社)と連携する方法もあります。
マラン・ムハマディヤ大学と日本の資源リサイクル会社との提携
廃棄物の収集・運搬・処理、木製チップの製造などを手掛ける九州バーク運輸は、マラン・ムハマディヤ大学(Universitas Muhammadiyah Malang / UMM)の農業・畜産学部森林学科と提携し、集中研修プログラムおよびインターンシッププログラムを実施しています。
このプログラムは、大学の研究機関の一つであるForest Industry Center of Excellence(CoE)と、九州の人材育成・人材紹介会社NOSUTAの協力によって運営されています。
学生たちは特定技能1号の資格取得を視野に入れながら、九州バーク運輸で各種研修に打ち込みます。
日本企業・インドネシアの大学の就職相談会(ジョブフェア)における提携
近年は外国人材の獲得を目指す日本企業が増えていることもあり、日本の省庁、地方自治体、JICA、人材紹介会社などが、インドネシア人を対象とした「日本就職フェア」をオンライン・オフラインで開催しています。
企業が大学に単独・合同の就職イベントの開催を持ちかけることもできますが、このようなジョブフェアに参加することも、比較的手軽な選択肢として検討する価値があります。
一般のイベントホールなどで実施される大規模なジョブフェアに比べると、大学で実施されるものは自社の事業分野に合う学部・学科の学生と直接、効率的に関係を築けるというメリットがあります。
ビヌス大学と経済産業省のジョブフェア

例として、インドネシアの代表的な私立大学の一つであるビヌス大学(Universitas Binus)が、日本の経済産業省と連携して開催したジョブフェアを紹介します。
2025年11月に実施されたこのイベントには、ANA、AOI Pro.、第一施設工業など14社が参加し、自社の魅力をアピール。学生たちとのディスカッションや就職相談を行いました。
このようなイベントでは、その場で一次面接を行ったり、インターン合格または内々定を出せたりするケースもあります。
大学提携を通じた人材獲得は「中長期視点」で考えるのが鍵
インドネシアの大学と提携した人材獲得は、即戦力を短期間で確保する手法ではありませんが、自社に合った人材を育成し、将来の戦力として迎え入れるための有効なアプローチです。
在学生向けのインターンや短期研修を通じて、学生の適性や日本語力、職場への適応力を事前に確認できる点は、大学提携ならではの大きなメリットといえます。
一方で、制度設計や受け入れ体制の整備には一定の時間と労力が必要です。特定技能などによる短期的な人手不足への対応と、中長期的な人材基盤づくりを両立させることが、持続的な人材確保とインドネシア人材の活用に繋がります。
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