インドネシアの外食費はいくら?業態別の相場と飲食店出店時の価格戦略
- 公開
- 2026/07/12
- 更新
- 2026/07/12
- この記事は約11分3秒で読めます。
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インドネシアの外食費はいくらくらいですか?
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インドネシアの外食費は、屋台やワルンで1食1万〜3万ルピア程度、ローカルレストランで2万〜5万ルピア程度、モール内レストランや日本食レストランでは5万〜20万ルピア以上になることもあります。業態、地域、立地、客層によって価格差が大きいのが特徴です。
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インドネシアの外食費は日本より安いですか?
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ローカル向けの屋台、ワルン、食堂の多くは、日本より安く感じられるでしょう。一方で、ジャカルタのモール内レストラン、日系レストラン、バリの観光客向け店舗などでは、現地の所得水準から見ると決して安くない価格帯の店もあります。
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インドネシアで日本食店を出す場合、価格設定で何に注意すべきですか?
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日本の客単価をそのまま持ち込むのではなく、現地の所得水準、競合店の価格、利用シーン、注文点数、ドリンクやサービス料を含めた実際の支払額を確認することが重要です。
インドネシアは外食が身近な国ですが、「外食費が安い国」とだけ捉えると、飲食店の出店判断を誤る可能性があります。
「インドネシアの外食費」と言っても、飲食店の立地や業態などによって幅広いのが実情です。日本の飲食店がインドネシア進出を検討する際は、単に「いくらで売れるか」ではなく、どの地域で、どの客層に、どの利用シーンで選ばれるかを見極めることが重要です。
本記事では、業態別の外食費の目安、地域差、外食文化の背景、飲食店出店時の価格設定の考え方を整理します。
【補足】
本記事の円表記は、2026年7月7日のレート(1ルピア=0.0090円)で換算したものです。
インドネシアの外食費はいくらか

業態別に見る外食費の目安
インドネシアの外食費は、業態によって大きく変わります。
本記事では、飲食店の進出検討時に使いやすいよう、ジャカルタ周辺を中心に都市部で見られる価格帯をイメージし、以下のような大まかな価格帯で整理します。
| 業態 | 1人あたりの外食費の目安 | 日本円の目安 (1ルピア=0.0090円) |
| 屋台・ワルン | 1万〜3万ルピア | 約90〜270円 |
| ローカル食堂・ローカルレストラン | 2万〜5万ルピア | 約180〜450円 |
| ファストフードチェーン | 2.5万〜6万ルピア | 約225〜540円 |
| モール内レストラン (専門店型・ファミリーレストラン型) | 5万〜15万ルピア | 約450〜1,350円 |
表示価格に税・サービス料が加わる場合もある
インドネシアのモール内レストラン、ホテル内レストラン、高級店などでは、メニュー表示価格とは別に、飲食税やサービス料が加算される場合があります。
飲食税は地方税として扱われ、地域の規定に従って課されます。税率は原則10%とされることが多く、さらに店舗によっては5〜15%程度のサービス料を独自に設定していることもあります。
インドネシアの外食費は安いのか高いのか
インドネシアの外食費は、ローカルの日常の食事だけを見ると安く見えます。しかし、飲食店の出店判断では、「平均的に安い」と考えるよりも、価格帯が細かく分かれている市場として見る必要があります。
例えば、同じ「鶏肉とご飯」の食事でも、屋台、ローカル食堂、ファストフードチェーン、モール内レストランでは価格が変わります。
さらに、同じ日本食でも、低価格帯の弁当・定食チェーン、モール内の寿司・ラーメン店、駐在員や富裕層向けの高級店では、客単価が大きく異なります。
インドネシアの飲食市場について、現地でどの価格帯を狙うべきか整理したい方は、こちらからお問い合わせください。初期段階の論点整理からご相談いただけます。
外食費を左右する主な要因
インドネシアの外食費を左右する主な要因は、地域、立地・客層、業態・利用シーンです。
地域
平均賃金が高く経済的に豊かな層が多いジャカルタとその周辺都市は、飲食店が設定する価格が比較的高く、また、それが受け入れられる地域と言えます。
大都市のほか、バリ島など観光地では、外国人を含む観光客向けに比較的高い価格設定が見られます。
立地・客層
同じエリアでも、路面店、モール内、観光地、オフィス街、工業団地、住宅街など、立地の違いが、客層と平均的な外食費に影響します。飲食店側は、ターゲット層との接点を持ちやすい立地を選んで出店することが重要です。
業態・利用シーン
日常的な食事はワルンや屋台で2万ルピア(約180円)前後で済ませる人でも、週末に家族でショッピングモールに行くと、ファストフード店で4万ルピア(約360円)前後のハンバーガーセットを食べるかもしれません。
さらに、親戚が集まる会食や旅行先など特別な場面では、地域の有名店で1人10万ルピア(約900円)を超える食事をとることもあります。
同じ人でもシーンによって選ぶ飲食店が異なり、許容される外食の価格帯にも幅があります。
インドネシアの外食費を業態別に解説

ここからは、インドネシアの代表的な外食業態ごとに、外食費の目安と特徴を見ていきます。
屋台・ワルンの外食費
インドネシアの外食文化を象徴するのが、屋台やワルンです。ワルンはローカル食堂の中でも、主に、簡易的または小規模な店舗を指します。
これらの業態の店は、ナシゴレン(炒飯)、ミーゴレン(焼きそば)、ソト(スープ)、サテ(串焼き)、ナシチャンプル(ご飯に複数のおかずを合わせた料理)など、日常的な食事を提供しています。専門店に近い店も多く、特に移動式の屋台では、提供される料理が1種類のみということもあります。
屋台やワルンの価格は、1食あたり1万〜3万ルピア(約90〜270円)程度が一つの目安です。地域やメニューによって差はありますが、ローカル層にとって日常的に利用しやすい価格帯です。
飲食店の進出を考える場合、屋台・ワルンの価格帯と直接競争する必要があるとは限りません。ただし、現地の生活者が「日常食」にどれくらい支払っているかを知るうえで、屋台・ワルンの価格感は重要です。
ローカル食堂・ローカルレストランの外食費
屋台やワルンよりもやや規模が大きく、家族や友人と利用しやすい飲食店を、ローカル食堂・ローカルレストランと区分してみます。
アヤムゴレン(揚げ鶏)、イカンバカール(焼き魚)、バクソ(肉団子)、ミー(麺)料理など、店によってさまざまなインドネシア料理を扱っています。地域によっては、中華料理や中東料理の店も見られます。メニューの幅は店によって異なり、専門店寄りの店もあれば、ご飯ものから麺類、デザートまで、幅広いラインナップの店もあります。
価格帯は、1人あたり2万〜5万ルピア(約180〜450円)程度が目安です。モール内や観光地に近い店舗では、似たメニューでも価格が高くなることがあります。
ファストフードチェーンの外食費
インドネシアでは、ケンタッキー・フライド・チキン、マクドナルド、バーガーキングなどのグローバル系チェーンに加え、ローカルチェーンも広く利用されています。ファストフードは、若年層、家族連れ、都市部の中間層にとって身近な外食の一つです。
価格帯は、1人あたり2.5万〜6万ルピア(約225〜540円)程度が目安です。多くの店が、お得なセットメニューを提供しています。
ファストフードは、都市部の中間層や若年層にとって「少し特別感があるが、高すぎない外食」の基準になりやすい業態です。日本食や日系チェーンが価格を考える際にも、比較対象として参考になります。
【補足】
日本人にとってなじみのあるチェーン店でも、メニューはインドネシア向けにアレンジされていることが多く、ローカライズの参考になります。例えば、インドネシアのケンタッキーやマクドナルドでは、白飯とフライドチキンのセットが販売されています。
モール内レストラン・カフェの外食費
都市部のショッピングモール内には、ローカル料理、洋食、日本食、カフェ、デザート店など、幅広いジャンルの飲食店が入居しています。チェーン店を中心に、ブランド力のある飲食店が目立ちます。
一般的なモール内レストランの価格帯は、1食あたり5万〜15万ルピア(約450〜1,350円)程度が目安です。料理にドリンクやデザートを加えると、支払額はさらに上がります。
カフェでも、コーヒーにスナックやケーキなど軽食をつけると、1食の食事と変わらない出費になることも少なくありません。
インドネシア人消費者の価格感や外食ニーズを具体的に把握したい方は、インドネシアのアンケート調査サービスをご検討ください。現地消費者へのアンケートを通じて、価格受容性や来店意向を確認できます。
日系レストラン・日本食レストランの外食費
日系レストランや日本食レストランは、インドネシアの都市部で存在感を増しています。ラーメン、寿司、焼肉、定食、カレー、たこ焼き、居酒屋など、さまざまな業態があります。
価格帯は幅広く、低価格帯のローカルチェーンであれば3万~5万ルピア(約270〜450円)前後から利用できる一方、高価格帯寄りの寿司店や焼肉店、居酒屋、高級日本料理店などでは、1人あたり10万〜20万ルピア(約900~1,800円)以上になることもあります。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
ジャカルタ・バリ・地方都市で外食費はどう違うか

ローカルメニューの価格の都市ごとの違い
下のグラフは、中央統計庁(BPS)の食品・飲料・たばこ分野の消費者価格調査(2025年)から、Mie(麺料理)、Nasi dengan Lauk(ご飯+おかず)、Soto(スープ)について、主要都市の年間平均価格を抜き出してまとめたものです。

これを見ると、同じカテゴリーのメニューでも都市によって平均価格に大きな差があることがわかります。
ただし、メニューによって高く出る都市が異なり、例えば、Mie(麺)はデンパサールで1万ルピア、ジョグジャカルタで2万3,712ルピアです。一方、Nasi dengan Lauk(ご飯+おかず)はジョグジャカルタで1万3,040ルピア、デンパサールで2万9,000ルピアとなっています。
ジャカルタの価格は比較的高めですが、「大都市だからすべての外食費が圧倒的に高い」とまでは言えません。人口規模が大きく、所得層や利用シーンも幅広いため、ジャカルタには低価格帯の屋台・ワルンから、中価格帯・高価格帯のレストランまで、さまざまな価格帯の外食が共存しています。
そのため、飲食店の出店を検討する際は、都市単位の平均価格だけでなく、モール、住宅地、オフィス街、観光地など、商圏ごとの価格差にも注目する必要があります。特にジャカルタやバリでは、一般的なローカル価格とは別に、中価格帯・高価格帯の外食が成立するエリアもあるため、都市名だけでなく、立地と客層を分けて考えることが重要です。
参考までに、各都市の価格データは以下のとおりです。
| 都市 | Mie(麺) | Nasi dengan Lauk (ご飯+おかず) | Soto(スープ) |
|---|---|---|---|
| ジャカルタ | 15,479ルピア(約139円) | 20,598ルピア(約185円) | 17,964ルピア(約162円) |
| スラバヤ ※東ジャワ州州都 | 12,592ルピア(約113円) | 20,442ルピア(約184円) | 15,544ルピア(約140円) |
| バンドン ※西ジャワ州州都 | 15,000ルピア(約135円) | 20,310ルピア(約183円) | 15,000ルピア(約135円) |
| ジョグジャカルタ ※ジョグジャカルタ特別州州都 | 23,712ルピア(約213円) | 13,040ルピア(約117円) | 10,163ルピア(約91円) |
| メダン ※北スマトラ州州都 | 14,011ルピア(約126円) | 15,000ルピア(約135円) | 20,432ルピア(約184円) |
| マカッサル ※南スラウェシ州州都 | 15,000ルピア(約135円) | 20,000ルピア(約180円) | 13,416ルピア(約121円) |
| デンパサール ※バリ州州都 | 10,000ルピア(約90円) | 29,000ルピア(約261円) | 15,508ルピア(約140円) |
【補足】
BPSの統計は、各地域で一般的に消費される食品・飲料などの消費者向け価格を調査したものです。そのため、ここで示す数値は、高級店や外国人向け店舗の価格というより、各都市で一般的に食べられているメニューの価格感を把握するための参考値として見るのが適切です。
また、まったく同一の料理を比較したものではなく、質や量に地域ごとの特徴があるために、価格に差が出ている可能性もあります。
ジャカルタは中価格帯・高価格帯の外食が成立しやすい
ジャカルタは、インドネシアの経済・ビジネスの中心地です。オフィス街、富裕層向け住宅地、大型モール、外国人居住エリアが集まっており、中価格帯・高価格帯の外食が成立しやすい地域です。
一方で、ジャカルタにも屋台、ワルン、ローカル食堂は多くあります。そのため、ジャカルタ内でも立地・業態によって価格帯が分かれます。
飲食店がジャカルタに出店する場合は、「ジャカルタなら高く売れる」と一括りにせず、出店予定地のモールや周辺の商業施設のグレード、地域の居住者やモールなどの利用者層、競合店舗を確認することが重要です。
バリは観光客・外国人向け価格とローカル価格が混在する
観光地として有名なバリは、特殊な価格構造を持つ地域です。
特に、デンパサール、チャングー、スミニャック、ウブド、ヌサドゥアなど、観光客や外国人長期滞在者が多いエリアでは、ジャカルタとは異なる形で高価格帯の外食が成立します。観光客向けの飲食店でも、エリアによっては、価格重視の旅行者を意識した、やや低めの価格帯の店も見られます。
一方で、地域住民向けには低価格の庶民的なワルンや屋台があり、飲食店がターゲット層に合わせて住み分けられていることがわかります。
地方都市ではローカル価格が中心になりやすい
地方都市では、ジャカルタやバリに比べてローカル向けの価格帯が中心になりやすい傾向があります。屋台、ワルン、ローカル食堂の利用が多く、外食費も比較的抑えられます。
ただし、スラバヤ、バンドン、メダン、マカッサルなどの主要都市では、ジャカルタほどではないものの、チェーン店や、やや高価格帯寄りの日本食店が展開しやすいエリアもあります。
【補足】
チェーン店によっては、ジャカルタと地方都市でメニューや価格を変えているケースがあります。
同じ地域でも立地で客単価が変わる
飲食店の出店では、都市、地域だけでなく、より詳細な「立地」を見ることが重要です。
例えば、工業団地周辺では、駐在員・管理職のランチ利用やビジネス需要があるため、ローカル食堂より高い価格帯の飲食店が成立するケースもあります。
住宅地周辺では、地域に住む若者層やファミリー層の日常の食事としての需要が大きくなります。学校やオフィスが近いと、平日のランチや軽食のニーズもあります。
都市部の大型モールでは、週末の家族連れや、若者層のグループ利用が見込めます。賃料は高くなる傾向がありますが、集客力とブランド価値がある空間と言えます。
弊社では、現地ネットワークを活かし、飲食店出店を見据えたエリア調査や店舗視察も支援しています。インドネシア現地視察支援サービスの詳細は、こちらをご覧ください。
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
- 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
- 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。飲食業であれば、貴社でもそれが可能です。
インドネシア人が外食をよく利用する背景

インドネシアの外食費を理解するには、価格だけでなく、なぜ外食が利用されるのかを知ることも重要です。
屋台・ワルン文化が生活に根付いている
屋台やワルンは、家庭で毎食調理する代わりに、手頃な価格で外の食事を利用する日常的な選択肢です。この点は、日本の「外食=少し特別な出費」という感覚とは異なる部分と言えるでしょう。
日本人が「自炊できない時」や「出先で安く食事したい時」に利用するコンビニ弁当やスーパーの総菜の役割を、地域の屋台やワルンが担っているというイメージです。
モールが食事・買い物・娯楽の場になっている
都市部では、モールが食事、買い物、娯楽、待ち合わせ、家族での外出など、さまざまな目的を兼ねた人々の「拠点」になっています。モール内の飲食店は、単に食事を提供するだけでなく、涼しい空間、清潔感、ブランド体験、SNS映えを含めた価値を提供しています。
そのため、モール内のレストランやカフェの価格は、屋台やローカル食堂より高くても受け入れられる傾向があります。
家族や友人との食事を重視する
インドネシアでは、家族や友人と一緒に食事をする機会が多くあります。学校や仕事帰りの食事や週末の外出先での食事に加え、誕生日などの祝い事、宗教行事や大型連休に伴う会食など、大勢で利用することも珍しくありません。
大勢での利用を想定した飲食店では、「5人前セット」「10人前セット」など、大人数向けセットメニューが提供されていることもあります。
― ビジネス最前線の声
外食費の相場から考える飲食店の価格設定
インドネシアで飲食店を出店する際は、外食費の相場を単なる参考情報で終わらせず、価格設定、メニュー設計、出店エリア選定に落とし込む必要があります。
「高すぎない」を見極める
インドネシアには、日本人の感覚からすると非常に安い価格帯の飲食店もありますが、すべての飲食店が低価格で勝負する必要はありません。むしろ、日系飲食店が屋台やワルンの価格帯に無理に合わせると、原価や品質、サービス水準とのバランスが崩れる可能性があります。
重要なのは、ターゲット層にとって「高すぎない」と感じられる価格を見極めることです。ローカル中間層、富裕層、駐在員、観光客、工業団地周辺の会社員・管理職では、受け入れられる価格帯が異なります。同じエリアの競合店の価格を見たうえで、同程度にするのか、高くても選ばれる理由を作るのかを決めていくといいでしょう。
とはいえ、安さやお得さは一定の力を持ちます。インドネシアの消費者には、「通常よりお得か」「他より安いか」を見てから購入を決める傾向があるためです。プロモーション、セットメニュー、ファミリー向けパッケージ、デリバリー限定メニューなどが価格競争に影響します。
「利用シーン」を考慮する
日本円に換算すると安く見える価格でも、現地消費者にとっては高い場合があります。一方で、特別なシーンなら、日常のランチより高い支出が許容される場合もあります。
特に、日系飲食店の場合、まず「日常利用」を狙うのか、「少し特別な外食」を狙うのかを決める必要があります。
ラーメン、丼、カレー、弁当、定食などは、比較的日常利用に近づけやすい業態です。一方で、寿司、焼肉、居酒屋、高級日本料理は、特別感や体験価値を打ち出しやすい業態と言えます。
日常利用を狙う場合は、単品価格やセット価格を抑え、来店頻度を高める設計が重要です。特別利用を狙う場合は、価格だけでなく、内装、接客、食材、盛り付け、写真映え、ブランドイメージやストーリーなども含めて価値を伝える必要があります。
「店舗体験」を価格に反映させる
インドネシアでは、複数人で食事をする機会も多いため、1人1品の価格だけでは実際の客単価を把握しきれません。家族利用であれば、大皿メニュー、複数人向けセット、子ども向けメニュー、ドリンクの注文率も重要になります。
また、モール内のレストランやカフェなど、食事そのものだけでなく、滞在時間や空間価値が消費者の購入判断に影響しやすい業態もあります。
価格設定は、単なる料理単価ではなく、みんなで食事を楽しむ店舗体験全体の設計として考える必要があります。
映像でみるインドネシアの外食費
1万ルピアの朝食

こちらは、中央ジャカルタのTanah Abang(タナ・アバン)地区で30年続く、人気のNasi Uduk(ナシ・ウドゥック)店です。ナシ・ウドゥックはココナッツミルクで炊いたご飯で、インドネシアの朝食の定番でもあります。
こちらの店では、おかずの組み合わせにより、1食1万ルピア(約90円)から、ナシ・ウドゥックが提供されています。ジャカルタ中心部の商業エリアで、座って食べられる店としては非常に手頃な価格帯です。
この店の営業時間は朝3時から9時30分。店主は「未明でも買う人がいる」と話しており、通勤、通学前の近隣住民に加え、市場関係者や仕入れ業者、配送・警備関係者など、地域で働く人たちにも親しまれていることが伝わります。
ラマダン限定、7万ルピアのセットメニュー

こちらは、南ジャカルタにあるカフェレストランです。この店では2026年のラマダン期間中、「Bukber※セット」として、6万3,000ルピア(約567円)から7万ルピア(約630円)の4つのセットメニューを提供しました。
1食7万ルピアという金額は、ジャカルタの多くの中間層の人たちにとって、日常的な食事代としては決して安くありません。それでも特別なシーンでは、このように多くの人がレストランに集い、普段より少し高い食事をします。
なお、こちらのセットメニューは、いずれも、単品の合計よりも2,000ルピア(約18円)安い価格設定になっています。大きな値引きではありませんが、期間限定の特別感や選びやすさも、セットメニューの魅力です。
Bukber:buka bersama(一緒に開ける=断食明けを共にする)の略語。家族、友人、親戚、同僚などと、断食明けの食事(イフタール)を共にすること。
現地の客層に合う価格帯を見極める
インドネシアには、屋台やワルンのような低価格帯の店から、モール内レストラン、日系レストラン、観光客向け店舗のような中価格帯・高価格帯の店まで、さまざまな飲食店が存在します。
外食費を見るうえでは、地域によって消費者の経済力や平均的な価格に差があることを考慮する必要があります。
一方で、同じ人でも、日常の昼食、週末の家族外食、会食など、シーンによって店を使い分けることがあります。そのため、インドネシアで飲食店を開く際は、「どのような人がどのようなシーンで使う店なのか」を設計することが欠かせません。
外食費の相場、現地の所得水準、競合店の価格、注文点数、割引価格やセット価格まで含めて考えることで、現実的な価格設定がしやすくなります。
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