インドネシア外食産業の市場規模と飲食店トレンドを解説
- 公開
- 2026/07/12
- 更新
- 2026/07/12
- この記事は約15分45秒で読めます。
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インドネシアの外食産業は成長していますか?
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インドネシアの外食産業は、人口規模、都市化、中間所得層の拡大、デリバリーサービスの普及などを背景に成長が続いています。
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インドネシアではどのような飲食店が多いですか?
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インドネシアでは、ワルンや屋台のような低価格の業態から、モール内レストラン、ファストフード、カフェ、ファミリー向けレストラン、高級店まで幅広い業態があります。日本食では、うどん、牛丼、ラーメン、寿司、焼肉などが都市部を中心に展開されています。
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インドネシアで飲食店を出店する際に重要なポイントは何ですか?
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立地、価格帯、ハラール対応、ローカライズの設計などが重要です。日本で成功しているメニューをそのまま持ち込むだけではなく、現地の外食習慣、所得水準、宗教的配慮、味の好みに合わせて調整することが必要です。
インドネシアは、人口規模が大きく、外食・中食・デリバリーが日常に浸透している国です。
一方で、外食市場を「人口が多いから伸びる」「日本食なら受け入れられる」と単純に捉えると、立地選びや価格設定、ハラール対応、現地メニュー開発でつまずく可能性があります。
ジャカルタのモール内レストランと地方都市のローカル食堂では、客単価も消費者のニーズも大きく異なります。そのため、立地、業態、メニュー、価格が、ターゲット層に合わせて効果的に設計されていることが重要です。
この記事では、インドネシアの外食産業の市場規模、消費者ニーズ、代表的な飲食店スタイル、人気店、今後のトレンドを整理し、日本の飲食店が進出前に押さえておきたいポイントを解説します。
【補足】
本記事の円表記は、2026年7月7日のレート(1ドル=161.92円、1ルピア=0.0090円)で換算したものです。
インドネシア外食産業の市場規模と成長性
インドネシア外食産業は成長市場

市場規模と成長率
調査会社Mordor Intelligenceは、インドネシアのフードサービス市場(外食・デリバリー含む)について、2025年が624億米ドル(約10兆1,038億円)、2026年が704億1,000万米ドル(約11兆4,008億円)、2031年が1,287億6,000万米ドル(約20兆8,488億円)と推計しています。同社は、インドネシア外食市場は2026年から2031年にかけて年平均12.8%で成長すると見込んでいます。
- 参考:Mordor Intelligence「Indonesia Foodservice Market Size & Share Analysis – Growth Trends and Forecast (2026 – 2031)」
事業者数と増加率
インドネシアの中央統計庁(BPS)の調査資料「Statistik Penyediaan Makanan Minuman(飲食提供に関する統計)」の2023年版および2024年版によると、インドネシアの飲食提供事業者は2016年の401万事業者から、2023年には485万事業者、2024年には528万事業者となりました。2016年から2024年までの8年間で、単純計算では約31.7%増加したことになります。
2024年の528万事業者の業態別内訳を見ると、レストラン・食堂が251万事業者で全体の47.6%を占め、ケータリングが29.3万事業者(5.6%)、移動販売・非固定店舗が72.5万事業者(13.7%)、カフェや屋台、その他の飲食提供事業が175万事業者(33.1%)となっています。
モール内レストランや食堂だけでなく、屋台、移動販売、カフェ、ケータリングまで幅広い業態が市場を構成している点が特徴です。
- 参考:BPS
「Statistik Penyediaan Makanan dan Minuman 2023|P.25」、「Statistik Penyediaan Makanan Minuman 2024|P.28-29」
売上規模
また、BPSによると、飲食提供事業の売上は、2023年の約998兆ルピア(約8兆9,820億円)から、2024年には約1,848兆ルピア(約16兆6,320億円)へ拡大しています。単純計算では約1.85倍にあたり、インドネシアの飲食提供事業が、事業者数だけでなく売上規模でも成長していることがわかります。
【補足】
「Statistik Penyediaan Makanan Minuman」2023年版と2024年版では、同じ項目でも、厳密には調査設計に違いがある可能性があります。
- 参考:BPS
「Statistik Penyediaan Makanan dan Minuman 2023|P.25、72」、「Statistik Penyediaan Makanan Minuman 2024|P.35、86」
インドネシア進出を検討する際は、市場規模だけでなく、どの都市で、どの価格帯で、どのような客層を狙うかを整理することが重要です。弊社では進出準備の論点整理からお手伝いできますので、ぜひ一度お気軽に、こちらからお問い合わせください。
人口規模と都市化が外食需要を支える
都市人口比率59%
インドネシアは、世界でも有数の人口大国です。世界銀行のデータでは、インドネシアの人口は2025年時点で約2億8,572万人とされています。また、都市人口比率は2025年時点で約59%とされており、都市部における消費、通勤、モール利用、デリバリー利用が外食産業を支える要素になっています。
日本の飲食店がインドネシアに進出する際、最初に考えるべきエリアは、やはりジャカルタです。ジャカルタには人口が集中しているだけでなく、比較的経済力のある層が多く、外食需要の厚みがあります。
特に日本食や高価格帯のレストランは、まずジャカルタか近隣の新興都市のモールを中心に検討し、その後に郊外や地方都市へ広げる形が現実的です。
厚い中間層とその予備軍
外食産業を見るうえでは、人口の多さだけでなく、所得階層の幅も重要です。BPSは、2024年9月時点のインドネシア人口について、貧困層、脆弱層、準中間層、中間層、富裕層に分けて整理しています。
このうち、準中間層は1億3,831万人で全体の49.3%、中間層は4,841万人で全体の17.3%を占めます。これらの層だけでも大きな人口規模があり、低価格のローカル外食からモール内レストラン、カフェ、日本食レストランまで、多層的な外食需要が生まれています。
インドネシア人の外食習慣と消費者ニーズ

外食は日常利用から週末の外出まで幅広い
インドネシアの外食は、特別な日にレストランへ行くことだけを意味しません。屋台・ワルン(小規模なローカル食堂)などの低価格な日常外食から、社員食堂、フードコート、モール内レストラン、カフェ、デリバリーまで、生活の中にさまざまな外食・中食の選択肢があります。
朝食を屋台で買う、昼食を職場近くのワルンで食べる、夕食をデリバリーで注文する、週末に家族でモールに行くというように、利用シーンが幅広く、それぞれに異なるニーズがあります。
そのため、インドネシアの外食産業を理解するには、日系飲食店や高級店の動向だけに注目するのではなく、「日常的な食事をどこで、いくらで、どのように買っているか」を見ると、全体像を掴みやすくなります。
家族・友人・同僚との食事需要が大きい
インドネシアの多くの地域・民族には、家族や友人、同僚と一緒に食事をする文化があります。
誕生日パーティー、職場のランチ、断食明けの食事、親戚との集まり、同窓会など、大勢で外食する機会も多く、シェアしやすいメニューやセットメニューが受け入れられやすい傾向があります。
日本の飲食店が進出する場合も、1人客向けの設計だけでなく、家族やグループで利用しやすい席配置、複数人向けセット、取り分けやすいメニュー、子ども向けメニューなどを検討すると、現地のニーズに合わせやすくなります。
価格感度は高いが、安さだけでは選ばれない
インドネシアの消費者は、価格に敏感です。特に日常利用の外食では、価格、量、味、アクセスしやすさ、提供スピードが重視されます。一方で、都市部の中間層以上では、清潔感、雰囲気、ブランド、SNSでの見え方、接客、安心感などにもお金を払う層もいます。
つまり、インドネシアの飲食店出店では、「安くすれば売れる」と考えるのではなく、どの価格帯で、どの価値を提供するかを明確にする必要があります。
【補足】
どのジャンルの飲食店でも、ローカル食堂と同じ価格帯で勝負するのは難しいと考えたほうが安全です。価格競争が激しく、「日本ブランド」といった付加価値にお金をかけてもらいにくい市場であるためです。
自社のコンセプトやメニュー、価格帯がインドネシア人に受け入れられるかを確認したい場合は、事前調査が有効です。弊社では、現地消費者へのアンケートやインタビューを含むインドネシア市場調査サービスを提供しています。
ハラール義務化への対応
イスラム教徒が人口の90%近くを占めるインドネシアでは、ムスリム消費者への配慮が外食ビジネスの重要な前提になります。
ハラール(ハラル)対応では、豚肉やアルコールを使わないことだけでなく、調味料、出汁、加工食品、厨房内の交差接触、保管、表示、スタッフ教育なども論点になります。
インドネシアの食品や飲食店に関しては、2026年10月にハラール義務化の最終期限(中小事業者含む)を迎えます。そのため、インドネシアへの出店を計画する日本企業には、進出初期からの認証取得、または非ハラールとしての割り切った戦略が不可欠です。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
インドネシアで多い飲食店の業態と出店スタイル

屋台・ローカル食堂
インドネシアの外食文化を理解するうえで、屋台やローカル食堂は欠かせません。ナシゴレン、ミーアヤム(汁麺)、バッソ(肉団子)、ソト(スープ)、アヤムゴレン(揚げ鶏)など、日常的に食べられるメニューが多く、価格も比較的低めです。
日本企業が直接この価格帯で競争するのは簡単ではありませんが、現地消費者の味の好みや需要を理解するうえでは参考になります。
モール内のレストラン・フードコート
都市部では、ショッピングモール内のフードコートやレストランが重要な外食の場になっています。
ファミリー層、若年層、会社員、外国人などが集まりやすく、清潔感やブランド感を訴求しやすいため、日本食ブランドにとっても、モールは相性のよい出店先です。中央ジャカルタの老舗モールPlaza Senayanの「Yashinoki Yokocho(ヤシの木横丁)」のように、日本食を集積させた飲食エリアも登場しています。
モールは、一定の集客が見込め、初進出時のブランド認知やテストマーケティングの場としても使いやすい、有力な進出先です。一方で、出店コストや競合の多さには注意が必要です。
ファストフード・クイックサービス型
ケンタッキー・フライド・チキンやマクドナルドなどの典型的なファストフードに加え、ピザハットのようなデリバリー対応のチェーン型レストランも、クイックサービス型の外食需要を支える存在です。手頃な価格、提供スピード、セットメニュー、デリバリー対応、ブランド認知が強みです。
特に、チキン、ライス、甘い飲料やミネラルウォーターのセットは、インドネシアで多くの人に好まれる、定番メニューです。日本の飲食店が進出する際も、主力商品を単品で売るだけでなく、ライス、ドリンク、メインディッシュやサイドメニューを組み合わせたセット設計が重要になります。
ファストカジュアル・専門店型
ラーメン、うどん、牛丼、カレー、チキン、コーヒー、ドーナツ、スイーツなど、専門性を打ち出したファストカジュアル型も、よく見られます。路面店もあればモール内店舗もあり、規模はさまざまです。
専門店型は、メニューがわかりやすく、オペレーションを標準化しやすい一方で、客単価が高くなりすぎると日常利用されにくくなるというハードルがあります。
より広い層を取り込みたい場合は、看板メニュー、地域や店舗の限定メニュー、低価格の入口商品、お得なセットメニューなどを組み合わせることが重要です。
カフェ・ドリンク・スイーツ型
インドネシアでは、コーヒー、アイスクリーム、ドーナツなどのカフェ・ドリンク・スイーツ業態も広がっています。食事よりも低い単価で利用しやすく、若年層や会社員が仕事や勉強、休憩、おしゃべりをする場としても重宝されています。
また、店内利用だけでなく、持ち帰りやデリバリーとも相性がよく、小型店舗でも営業しやすいのがこの業態の特徴です。日本企業にとっては、抹茶や和スイーツなど、少ないメニューでわかりやすく日本らしさを打ち出しやすい領域でもあります。
一方で、価格競争が起きやすく、ローカルブランドや韓国・台湾・中国系ブランドも多いため、味だけでなく、見た目、価格帯、店舗デザイン、SNSでの話題化を含めた設計が重要になります。
ファミリー・グループ利用型
インドネシアでは、家族や友人と食事をする機会が多いため、ファミリー・グループ利用型のレストランにも需要があります。インドネシア料理、中華料理、韓国料理、焼肉、鍋料理など、複数人でシェアしやすい業態は週末利用と相性がよいと言えます。
郊外や観光地にも多く、半屋外の開放的な造りの店や、床座で食事をするlesehan(レセハン)スタイルの客席、saung(サウン)またはgazebo(ガゼボ)と呼ばれる東屋風の客席を持つ店もあります。
定食やラーメンのような1人前のメニューだけでなく、家族で頼みやすい盛り合わせ、子ども向けメニュー、複数人向けのプロモーションを設計すると、利用シーンを広げやすくなります。
高級レストラン・プレミアム業態
ジャカルタやバリでは、富裕層、外国人、観光客、接待需要を狙った高級レストランやプレミアム業態も成立します。日本食では、寿司、焼肉、懐石風コース、鉄板焼き、バー併設型の店舗などが候補になります。
ただし、プレミアム業態は、立地、内装、食材調達、シェフ、人材教育、サービス品質のすべてに投資が必要です。価格が高い分、味だけでなく、体験価値やブランドストーリーも求められます。
クラウドキッチン・デリバリー特化型
クラウドキッチンやデリバリー特化型は、初期投資を抑えてテストしやすい出店形態です。複数ブランドを同じ厨房で運営したり、デリバリー向けにメニューを絞ったりすることで、実店舗よりも柔軟に市場反応を見られます。
デリバリー専業では、店舗体験で差別化しにくいため、メニュー名、アプリ画面の写真を含めた見た目、セット構成、プロモーションの設計がより重要になります。
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
- 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
- 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。飲食業であれば、貴社でもそれが可能です。
インドネシアで人気の飲食店ブランド
ローカル・外資系ブランド

ファストフード・クイックサービス型
- KFC(ケンタッキー・フライド・チキン):フライドチキン
- McDonald’s(マクドナルド):ハンバーガー
- Burger King(バーガーキング):ハンバーガー
- A&W:ハンバーガー・ルートビア
- Richeese Factory:チーズソース付きフライドチキン
- CFC:フライドチキン
- HokBen:日本食風ファストフード・弁当
ファストフード・クイックサービス型では、フライドチキンやハンバーガーが中心です。インドネシアでは、チキンとライスの組み合わせが定番メニューで、ハンバーガーチェーンでも提供されています。手頃な価格、提供スピード、セットメニュー、デリバリー対応が、この業態の重要なポイントになります。
ファストカジュアル・専門店型
- Bakmi GM:麺料理・ローカル中華系
- Es Teler 77:インドネシア料理・デザート
- Gokana Ramen & Teppan:日本食風レストラン
- RamenYA!:ラーメン
- Golden Lamian:中華麺
- Sushi Hiro:寿司・日本料理
ファストカジュアル・専門店型では、麺料理、ローカル料理、中華料理、日本食風メニューなど、特定ジャンルをわかりやすく打ち出すブランドが見られます。
カフェ・ドリンク・スイーツ型
- Kopi Kenangan:ローカルコーヒーチェーン
- Janji Jiwa:ローカルコーヒーチェーン
- Fore Coffee:ローカルコーヒーチェーン
- Starbucks(スターバックス):カフェ
- Excelso:ローカルカフェ
- J.CO Donuts & Coffee:ドーナツ・カフェ
- Chatime:台湾系ミルクティー・ティードリンク
- Mixue:アイスクリーム・ティードリンク
- Ya Kun Kaya Toast:シンガポール系カフェ
カフェ、ドリンク、スイーツ系は、若年層、会社員、モール利用者と相性がよい業態です。
立地によっては、休憩時間の短時間利用・持ち帰り需要以外に、勉強、仕事、おしゃべりや簡単な会議に使う需要も見込めます。そのため、ある程度の長時間利用を前提とする店舗の場合は、座席の近くにコンセントがあることや、無料のWi-Fiがあることも重要です。
ファミリー・グループ利用型レストラン
- Pizza Hut Restaurant:ピザ・カジュアルレストラン
- Solaria:インドネシア料理ファミリーレストラン
- Restoran Sederhana:インドネシア(パダン)料理
- Sate Khas Senayan:インドネシア料理・串焼き
- Kafe Betawi:インドネシア(ブタウィ)料理
- Paradise Dynasty:中華料理
- The Duck King:中華料理
- Imperial Kitchen & Dimsum:中華料理・点心
- Sushi Tei:寿司・日本料理
- Sushi Hiro:寿司・日本料理
- Hachi Grill:焼肉・グリル
「専門店型」に近いものもありますが、メニュー設計や内装、客層や利用シーンに、大勢が集まる会食にも使われやすい特徴を持っている飲食店をこちらに挙げました。ファミリー利用、会食での利用を見込む店舗では、メニュー設計に加え、駐車場や座席の配置なども考慮する必要があります。
高級・プレミアム業態
- Cork & Screw:ワイン・洋食
- SKYE:高層階レストラン・バー
- Plataran:インドネシア料理・プレミアムレストラン
- Bistecca:ステーキハウス
- Henshin:高層階レストラン・バー
- August:ファインダイニング
- OKU:ホテル内の高級日本料理
- Sushi Masa:寿司・海鮮料理
こちらのリストは、高級レストラン・プレミアム業態の例として、ジャカルタを中心に有名店や老舗をピックアップしたものです。料理の品質だけでなく、内装、サービス、眺望、体験価値、ブランドストーリーが重視される業態です。
日系ブランド

ファストフード・クイックサービス型 / ファストカジュアル・専門店型
- SUKIYA Tokyo Bowls & Noodles(すき家):牛丼・丼もの
- Yoshinoya(吉野家):牛丼・丼もの
- Marugame Udon(丸亀製麺):うどん・天ぷら
- Pepper Lunch(ペッパーランチ):鉄板ライス・ステーキ
- CoCo Ichibanya(ココ壱番屋):カレー
- Ootoya(大戸屋):定食
- Ramen Seirock-Ya(清六家):ラーメン
- Bariuma Ramen(ばり馬ラーメン):ラーメン
- Yakiniku Like(焼肉ライク):焼肉
日系の人気店の多くは、専門性を打ち出した専門店型です。メニューがわかりやすく、日本らしい品質や清潔感を訴求しやすい一方で、価格、ハラール対応、辛味、ボリューム、セットメニューなどのローカライズが重要になります。
牛丼、うどん、カレー、ラーメンなどは、日本人から見るとクイックサービス型と言えます。一方で、現地利用者の多くは、手軽さや提供の速さよりも、「日本食らしさ」「日本ブランド」「専門性」に価値を置いていると考えられます。
カフェ・スイーツ・ベーカリー系
- Hoshino Coffee(星乃珈琲店):カフェ・洋食・スイーツ
- Chateraise(シャトレーゼ):洋菓子・スイーツ
- Beard Papa’s(ビアードパパ):シュークリーム
- Gindaco(築地銀だこ):たこ焼き
- Mister Donut(ミスタードーナツ):ドーナツ
日本発・日本風のスイーツや軽食は、食後需要、手土産需要、モールでの軽食需要に応えられる業態です。持ち帰り中心のスイーツ・軽食ブランドとしても、日本食や日本ブランドへの入口になりやすい分野です。
ファミリー・グループ利用型レストラン
- Gyu-Kaku(牛角):焼肉
- Shaburi(しゃぶ里):しゃぶしゃぶ
- Kintan Buffet:焼肉食べ放題
- Genki Sushi(元気寿司):寿司
- Sushiro(スシロー):寿司
- Kappa Sushi(かっぱ寿司):寿司
特に焼肉やしゃぶしゃぶの食べ放題は、複数人利用と相性がよく、モール内の週末外食需要を取り込みやすい業態です。定食や寿司のような1人前メニューが中心の業態でも、家族向けのセットや複数人で頼みやすいメニュー、くつろげる客席を用意することで、利用シーンを広げやすくなります。
ジャカルタの老舗・有名日本食店
- Kikugawa:日本料理
- Shabu Shabu Gen:しゃぶしゃぶ・日本料理
- Morimoto Jakarta:日本料理
ジャカルタには、チェーン展開型の日本食ブランドだけでなく、日系または日本人創業者・日本人シェフによる老舗の日本料理店・富裕層向けの有名店もあります。
店舗数の多さや広い層への認知度ではなく、立地、客単価、サービス品質、体験価値によって選ばれる、特別な食事やビジネス利用に向いたプレミアム業態です。
人気店に学ぶインドネシア進出のポイント
インドネシア、特にジャカルタで人気を得ている飲食店の共通点を、3点にまとめてみます。
- わかりやすいメニュー
- 納得感のある価格と量
- 来店・注文につながりやすい立地
日本の飲食店が進出する際も、これらを意識することが重要です。
日本らしい品質や清潔感を強みにしつつ、現地消費者が理解しやすいメニュー名、白飯+鶏肉の主菜といった親しみやすいメニュー、物足りなさを感じない量などを意識したメニューを用意することで選ばれやすくなります。
また、モール、オフィス街、住宅地、観光地など、狙う客層に合った立地選びも欠かせません。加えて、ハラール対応やSNSでのプロモーションを考慮したメニュー設計も、集客を左右する要素になります。
インドネシア進出前には、実際に現地で店舗やモール、競合店、デリバリー利用の状況を見ることが重要です。出店候補地や競合店舗を確認したい方は、インドネシア現地視察支援サービスをご覧ください。
インドネシア外食産業の注目トレンド
デリバリー前提の店舗設計

インドネシアの外食産業では、店内飲食だけでなく、デリバリー対応が重要になっています。
Googleなど3社※によるレポート「e-Conomy SEA 2025」によると、インドネシアにおけるデジタル交通とフードデリバリーを合わせたセクターのGMV(総取引額)は年々成長しており、2025年には100億米ドル(約1兆6,192億円)に達しました。さらに、2030年には約160億米ドル(約2兆5,907億円)まで成長すると予測されています。
Googleなど3社:Google、Temasek、Bain & Company
デリバリーでは、配達後も味が落ちにくいメニュー、こぼれにくい容器、写真で魅力が伝わる盛り付け、アプリ上で選びやすい商品名、送料や割引を踏まえた価格設計が求められます。
【補足】
「e-Conomy SEA 2024」によると、2024年のフードデリバリー分野のGMVは60億米ドル(約9,715億円)でした。2022年から2024年にかけて、フードデリバリー分野のGMVは、デジタル交通とフードデリバリーを合わせたセクターのGMVの7割前後を占めています。
- 参考:Google Indonesia
「e-Conomy SEA 2024: Operator transportasi dan makanan online tetap bertahan meski persaingan bertambah ketat di Indonesia」
「e-Conomy SEA 2025: Ekonomi digital Indonesia mendekati GMV $100 miliar tahun ini」
SNS・口コミ・Google Mapを意識した集客
インドネシアでは、Instagram、TikTok、Google Map、デリバリーアプリ上のレビューなどが、来店前の意思決定に影響します。特に若年層や都市部の消費者は、SNS情報をきっかけに来店することがあります。
そのため、飲食店は店舗設計の段階から、写真や動画で伝わりやすい商品、内装、盛り付け、限定メニューを意識する必要があります。ただし、見た目だけに寄せすぎると継続利用につながりにくいため、味、価格、提供スピード、接客品質とのバランスが重要です。
健康志向・清潔感・安心感へのニーズ
インドネシアでは、健康志向のメニューや清潔な店舗への関心も高まっています。
サラダ、低糖質、低カロリー、プロテイン、無添加、オーガニックなどに対するニーズは、都市部を中心に確実に高まっていますが、外食全体で見ると、健康志向だけで広く集客するのは簡単ではありません。
むしろ日本食ブランドにとっては、清潔感、品質管理、食材への安心感が強みになります。健康訴求は、価格や味とのバランスを取りながら、ブランド価値を高める要素と考えるとよいでしょう。
モール出店・小型店・テスト出店の活用
インドネシア進出では、最初から大型店を出すのではなく、小型店、フードコート、ポップアップなどで市場の反応を見る方法もあります。
特に日本の飲食店は、食材調達、ハラール対応、人材教育、価格設定、メニュー開発など、現地で検証すべき項目が多くあります。初期投資を抑えた形でテストし、売れ筋メニューや客層、価格帯を確認してから拡大する方が、リスクを抑えやすくなります。
映像でみるインドネシアの外食産業
ショッピングモールの日本食フードコート

こちらは、中央ジャカルタにある老舗高級モールPlaza Senayan(プラザ・スナヤン)の日本食フードコート「Yashinoki Yokocho(ヤシの木横丁)」を紹介する動画です。
ヤシの木横丁は日本の「横丁」にインスパイアされたフードコート型日本食ダイニングエリアで、2024年末にオープンしました。一般的なフードコートとは一線を画す上品な空間で、ラーメン、おでん、たこ焼き、おにぎり、スイーツなどが楽しめます。
ラマダン明けの会食「ハラル・ビハラル」

Halal bihalal(ハラル・ビハラル)」は、ラマダン(断食月)後の断食明け大祭(レバラン)の期間やその直後に行われる、家族、同僚、地域社会の人などが集まり、親睦を深める行事です。
ハラル・ビハラルは個人宅で行われることもありますが、こちらの動画で紹介されているように、レストランに集まり会食することも一般的です。飲食店では、この時期の会食需要を見込んだ特別なセットメニューを提供したり、ビュッフェスタイルを取り入れたりします。
成長市場で成功するにはローカライズが重要
インドネシアの外食産業は、人口規模、都市化、中間所得層、モール文化、デリバリー普及を背景に拡大が続く成長市場です。ワルンや屋台のような日常的な外食から、モール内レストラン、ファストフード、日本食、高級店まで業態は幅広く、日本企業にとっても参入を検討しやすい市場です。
日本の飲食店にとっては、メニュー・価格、ハラール対応、デリバリー対応、SNS集客など、考慮すべきことは多岐にわたりますが、日本らしい品質や清潔感を活かしながら、各ポイントで「適切にローカライズすること」が成功の鍵と言えます。
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