技人国人材のインドネシアでの探し方(大学や教育機関との連携)
- 公開
- 2026/01/22
- 更新
- 2026/02/01
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技人国ビザは、学歴や専攻と業務内容の関連性が重視される在留資格であり、誰でも対象になるわけではありません。そのため、インドネシアの技人国人材探しは「制度要件を満たす人材像を明確にしたうえで、大学や教育機関とどう連携するか」を軸に考えることが近道です。
本記事では、技人国ビザの基本要件を簡潔に整理したうえで、日本の人材紹介会社などがインドネシア在住の人材を探すケースを想定し、現地大学、日本語学校、LPK、P3MIなど、どのチャネルがどのような場合に有効なのかを解説します。
インドネシア人と「技人国ビザ」
技人国ビザの基本要件
技人国ビザは、次のような専門的・知的業務に従事する外国人向けの在留資格です。
- 技術分野
:システムエンジニア、プログラマー、機械・建築系エンジニアなど - 人文知識分野
:企画、営業、人事、経理、広報担当者など - 国際業務分野
:通訳者、翻訳者、語学教師、貿易関係、デザイナーなど
一方で、飲食店のホール業務、工場のライン作業、建設現場作業といった単純労働は対象外となります。
技人国ビザ人材を採用する方法としては大きく分けて、「日本国内に既に在留する外国人(留学生や就業者)を採用する」方法と、「海外在住者を採用して日本に呼び寄せる」方法があります。
本記事では、このうち「海外在住者を採用して日本に呼び寄せる」方法に焦点を当てて解説します。
学歴要件
技人国ビザでは、学歴が重要な判断材料になります。
原則は「日本か海外の短大・大学で従事業務に関連する科目を専攻し、卒業していること」が必要です。また、海外では学校制度が異なるため、「日本の短大・大学卒に相当すると説明できる」必要もあります。
なお、日本国内の専門学校の卒業生は対象となる可能性がありますが、海外の専門学校は原則対象外です。
インドネシア人材の場合は、最終学歴がS1(学士)以上、場合によってはD3(ディプロマ:大学などが設置する3年間の職業教育課程)の人が主な対象となります。
学歴を満たさない場合
学歴要件を満たさない場合でも、実務経験による申請ルートがあります。
- 技術分野・人文知識分野:実務経験10年以上
- 国際業務分野:実務経験3年以上
例として、技術系のSMK(職業高校)の卒業生が、10年程度の実務経験を積んだ後に技人国ビザを取得するケースも、ごくまれにあります。ただし、このルートは実務経験の証明が難しく、一般的には大卒者が技人国人材のメインとなります。
インドネシア人の英語力・日本語力と適正
技人国ビザの要件として、英語・日本語能力の明確な基準は定められていません。必要な言語水準は、あくまで業務内容や企業側の要件によって決まります。
インドネシアの大学生は英語が得意な人が多く、特に理工系、国際系、都市部の難関大学ではその傾向が強いといえます。ただし、TOEICなど日本で一般的なビジネス英語能力の証明を持っているとは限らないため、面接時に確認するなどの工夫が必要です。
一方、日本語話者はまだ限られていますが、最近は特定技能制度を利用して日本での就労を目指す人が増え、日本語学校などの教育機関や、オンラインでの手軽な学習方法が広がっています。
そのため、日本語力を重視する求人であっても、探し方次第では適した人材を見つけられるでしょう。
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インドネシアの学校制度は日本と同じですか?
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インドネシアの公教育制度は、日本に近いシステムになっています。義務教育は小学校(6年)と中学校(3年)です。その後は各種高等学校(3年間)を経て、高等教育機関(大学など)に進みます。小学校の入学は7歳(一部6歳)なので、大卒者の年齢も日本とあまり違いません。
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現地大学との連携による技人国人材の探し方
現地大学との連携で狙える人材
インドネシアで技人国人材を探すうえで、最も王道かつ再現性が高いのが現地大学との連携です。大学と連携することで、新卒や卒業後1~数年程度の準新卒に直接アプローチできます。
また、ほしい人材像に合わせて特定の大学・学部を選ぶことができる点も大きなメリットです。
キャリアセンター・学内求人・合同説明会の活用
キャリアセンター・学内求人の活用
多くの大学にはキャリアセンターがあり、日本から求人を出す場合は、そこが最初の窓口になります。キャリアセンターがない場合は、学部長や国際課に直接問い合わせるケースもあります。
これらの窓口を通して、新卒・準新卒向けに求人情報を提供してもらうほか、在学生(2年生・3年生)向けに、将来の候補者を意識した説明会を企画するといった形で、中長期的な関係を築くことも可能です。
合同説明会・学内イベント
大学内で実施される合同就職説明会に参加したり、企業側で説明会を主催したりすることで、学生との接点を持つことも有効です。
日本就職という選択肢をまだ具体的に考えていない学生に対しては、早い段階で情報提供できる点が強みになります。就職活動中の新卒・準新卒が対象のイベントの場合は、その場で面接や面接の約束ができる場合もあります。
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インドネシアに新卒一括採用はありますか?
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インドネシアでは、新卒一括採用は一般的ではありません。大学生の多くが卒業後に個人で就職活動を進めるため、大学卒業から初めての就職までブランクがある人もいます。
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インドネシアから日本への送り出しビジネスについてまとめた資料はありますか?
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日本語学校との連携による技人国人材の探し方
インドネシアの日本語学校とは
インドネシアの日本語学校を含む語学学校は、公教育の代替、補完、または追加などの機能が期待される「非正規教育」に位置付けられます。
インドネシアの日本語学校の受講生には、大学の単位取得、就職、職場での評価向上、特定技能の資格取得などを目的に日本語を学ぶ人が多く、多くの場合、日本語能力試験(JLPT)のレベル別クラスが設けられています。また、近年はビジネス日本語を開講する学校も見られます。
日本語学校との連携で狙える人材
語学学校は大学ではないため、日本語学校で学んだ実績だけでは、技人国ビザの学歴要件はクリアできません。したがって、日本語学校と連携する場合の主なターゲットは、
- 大学卒(S1・D3)で学歴要件をクリアしている人か、クリアする見込みの人
- 該当分野の職業高校や専門学校を卒業し、働きながら日本語を学んでいる人
となります。
日本語学校に通って「日本語が少しできる」だけでは、技人国ビザには直結しません。あくまで重要なのは、それ以前の学歴と専攻です。
そのため、大学に直接アプローチするケースと比べると、分野のマッチング率は下がりますが、
- 日本語学習意欲が高い
- たまたま条件に合う人
- 将来的に条件を満たしそうな人
に出会える可能性がある点で、補助的なチャネルとして活用する余地があります。
日本語学校での学習経験は、「学歴要件はクリアできないが、日本語能力向上や就労意欲の判断材料にはなる」というイメージです。
LPK・P3MI・日本の人材紹介会社との連携による技人国人材の探し方
LPK(職業訓練機関)
LPK(職業訓練機関)は、日本との関係では主に技能実習生、一部は特定技能向けの教育を行う機関です。送り出し機関を兼ねているケースもあります。
高卒・就職前の層を対象とした現場作業の職業訓練が中心であるため、LPKの受講生は技人国ビザの要件をクリアしづらいのが実情です。
ただし、大卒者が日本語クラスを受講しているなど一部ケースでは、技人国人材につながる可能性もあります。
P3MI(インドネシア人移民労働者配置会社)
P3MI(インドネシア人移民労働者配置会社)は、海外で働く出稼ぎ労働者を対象とした人材紹介会社です。自社で教育は行わないものの、LPKを併設していたり、提携LPKを持っていたりするケースが多く見られます。
技能実習ではなく特定技能制度を利用して日本に人材を送りたい場合、一般的にはP3MIが仲介役となります。
登録者層がブルーカラー(現場作業従事者)寄りであることや、日本向けでは特定技能外国人の紹介を主業務とする事業者が多いことなどから、P3MIはLPKと同じく、技人国人材の確保のための主要チャネルにはしづらいといえます。
ただし、技人国人材の送り出し実績がある一部P3MIと上手に連携すれば、ピンポイントで適任者を探せる可能性があります。
日本の人材紹介会社
日本には、インドネシア人材の紹介について実績を持つ人材紹介会社があり、ビザの種類や職種・分野ごとに、それぞれ得意領域を持っています。
インドネシアの教育機関や現地人材紹介会社からの紹介に一本化するのではなく、日本側の人材紹介会社と連携することも、技人国人材確保の有力な選択肢の一つです。
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インドネシアのLPKと日本語学校の日本語教育の違いは何ですか?
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LPKは職業訓練が目的の教育機関です。そのため、LPKの日本語教育プログラムは、日本での就労という目標に合わせて作られています。日本語学校は語学学校なので、受講生のニーズも提供される講座の種類も多様です。
映像で観るインドネシアの技人国人材
インドネシア人英語教師

こちらの女性は、日本の学校でALTの英語教師として活躍しています。ヒジャブを被った先生が受け入れられるかと最初は不安だったそうですが、フレンドリーで好奇心旺盛な子どもたちと充実した日々を送っているようです。
この女性の夫はインドネシア人エンジニアで、ふたりは「技人国人材カップル」です。妻が国内トップクラスの国立大学であるインドネシア大学、夫は理工系の最高峰として名高いバンドン工科大学出身ですから、エリートカップルともいえます。
LPKのエンジニア向け日本語クラス

LPK Nipponmaruは、特定技能の希望者に加え、技人国ビザ取得を目指すエンジニアを対象とした日本語クラスを開講しています。
エンジニア向けにこのLPKが提供するのは日本語レッスンのみで、受講希望者は、工学部(S1またはD3)の卒業証書とJLPT N4(5段階中下から2番目のレベル)程度の日本語能力証明を持っている必要があります。年齢は、25~50歳が対象ということです。
なお、LPK Nipponmaruは、P3MIの事業(海外向け人材紹介)も行っています。
取得予定のビザについて、以下から詳しい情報を検索できます。



インドネシアの技人国人材探しで遠回りしないために
インドネシアで技人国人材を探す際に最も重要なのは、「技人国ビザの要件に合う人材は誰か」を最初に定義することです。
大学卒(S1・一部D3)で、専攻と業務内容の関連性を説明できる人材が中心となる以上、主軸となるチャネルは現地大学との連携になります。日本語学校やLPK、P3MIは、日本就労意欲の高い人材と出会える可能性はあるものの、あくまで補助的な位置づけです。
必要に応じて適切な機関と適切な方法で連携できれば、優秀な人材を安定的に確保できるようになるでしょう。








