インドネシアのHSコードの調べ方と規制・関税のポイントを解説

公開
2026/04/26
更新
2026/06/21
この記事は約6分5秒で読めます。

インドネシアへの輸出や販売を検討する際に、最初に確認すべき重要な情報の一つが「HSコード」です。

HSコードとは、製品の種類を分類する番号のことで、この番号によって関税の税率や輸入に必要な手続きが変わります。

本記事では、HSコードの基本から調べ方、そしてそれによって決まる規制や税金の仕組みまで、輸出側が把握しておきたい基本事項をわかりやすく解説します。

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インドネシアのHSコードとは

インドネシアへの輸出販売や輸入事業を検討するうえで、最初に押さえておくべき基本の一つが「HSコード」です。

HSコード(Harmonized System Code)は、貨物を分類するための国際的な品目分類番号であり、世界税関機構(WCO)が定めています。6桁までは世界共通ですが、それ以降は各国が独自に細分化しています。

インドネシアでは、このHSコードをベースに、ASEAN共通のAHTN(8桁)を採用しています。

また、運用面では、インドネシアで適用される分類体系・輸入関税率表である「BTKI(関税率表)」が用いられます。BTKIは、インドネシア税関総局のWebサイトで確認でき、関税率や税金、規制の判断基準になります。

HSコードのバージョン

なお、インドネシアの分類体系は現在、HS2022版に対応しています。一方で、日本企業が利用することの多いEPA(経済連携協定)では、HS2017版など旧バージョンが使われている場合もあります。そのため、協定ごと・制度ごとに確認が必要です。

インドネシアでは、輸入品のHSコードは何に使われますか?

HSコードは、関税率や税金、輸入規制、必要な許認可の有無を判断するために使われます。同じ商品でもHSコードが異なると、かかるコストや必要な手続きが変わるため、輸出前に確認が必要です。

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HSコードの活用場面

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HSコードで決まるもの

HSコードは単なる分類番号ではなく、インドネシア向け輸出における「すべての判断の起点」となる情報です。実務では、以下のような重要事項がHSコードによって決まります。

  • 関税率(BM)
  • 付加価値税(PPN)
  • 輸入所得税(PPh Pasal 22)
  • 輸入規制(Lartas)
  • 必要な許認可(PI、BPOM、SNIなど)
  • EPA適用可否

つまり、HSコードが確定しない限り、コストも規制も正確に把握できないという構造になっています。

製品の分類によってHSコードが決まるなら、表を確認すれば迷わず選べるのではと感じられるかもしれません。しかし実際には、製品の仕様や販売形態によって、判断が分かれるケースも少なくありません。

自社製品のHSコードや求められる可能性のある手続きについて個別に確認したい方は、こちらからお気軽にご相談ください。

PPh Pasal 22(輸入時の前払い所得税)への影響

HSコードにより決まる内容で見落とされやすいのが、輸入時の税金です。

インドネシアでは、関税や付加価値税に加え、輸入品にPPh Pasal 22(輸入時の前払い所得税)が課される場合があります。この税率は、

  • 品目区分(HSコードベース)
  • 輸入者がAPI※として有効なNIB(事業基本番号)を有しているか
  • 一部の免税・徴収除外規定

によって大きく変動します。

そのため、HSコードの違いは単なる関税率の違いにとどまらず、総コストに直接影響する要素となります。

また、EPA(経済連携協定)を利用する場合にもHSコードは不可欠です。ただし前述のとおり、EPAではHSのバージョンが異なることがあるため、輸入実務で使うコードと混同しないよう注意が必要です。

API:APIはインドネシアの輸入者番号(輸入ライセンス)です。現在APIはNIBと統合されており、輸入者は「APIとして有効なNIB」が必要です。

インドネシアに輸出する製品のHSコードは誰が決めるものですか?

HSコードは輸入者が主体となって決めるのが一般的ですが、実務では通関業者や税関の判断も関わります。日本側だけで決めるのではなく、インドネシア側の輸入者や専門家と確認しながら決定することが重要です。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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インドネシアのHSコードの決め方・調べ方

HSコードの確定やHSコードに紐づく各手続きは輸入者主体で扱われるため、日本企業単独で確定させるものではありません。日本側で想定したHSコードと、インドネシア側の輸入者や通関業者が想定する分類が一致しないこともあります。

そのため、輸入者や通関業者と連携し、現地との共通言語として早い段階で決定することが重要です。現地にパートナーがいない場合は、こちらのサービスをご活用ください。

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HSコードの判断材料

HSコードは、商品名から機械的に決まるものではありません。実際には、以下のような情報をもとに総合的に判断されます。

  • 用途(何に使うか)
  • 材質(何でできているか)
  • 構造・機能
  • 製造方法
  • 成分

特に税関との手続きの過程では、「用途を重視するか、材質を重視するか」といった分類基準の置き方によって該当HSコードが変わり、その結果として税率や規制が変わる可能性があります。

したがって、HSコードの判断は「商品理解の深さ」に大きく依存するといえます。

オンライン検索システム「INTR」

HSコードの確認には、インドネシア政府が提供する公式のオンライン検索システム「INTR(Indonesia National Trade Repository)」を利用できます。基本的な流れは以下の通りです。

  1. BTKIなどで対象商品のHSコードを特定
  2. INTRで検索
  3. 関税率や税金を確認
  4. 特恵関税(EPA)を確認
  5. 輸入規制(Lartas)を確認

以下は、「甘いビスケット」のHSコード「190531」を検索した結果です。このカテゴリーが、「カカオを含まない(19053110)」と「カカオを含む(19053120)」の2つに細分化されていることがわかります。青い「Detail」のボタンを押すと、必要な許認可などを確認できます。

インドネシア政府が提供する公式のオンライン検索システム「INTR(Indonesia National Trade Repository)」

なお、INTRはあくまで簡易検索ツールであり、最新情報が完全に反映されているとは限りません。最終的には、必ず根拠法令を確認し、輸入側の関係者とすり合わせる必要があります。

話が少し細かくなりましたが、初めてインドネシア向け輸出に取り組む場合、まずは全体像を体系的に把握しておくことが重要です。

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HSコードによって変わる規制・必要手続き

HSコードが確定すると、次に重要になるのが「規制」です。インドネシアでは、輸入規制はLartas(Larangan dan Pembatasan)と総称され、輸入禁止・制限措置の対象かどうかがHSコードによって判断されます。

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2つの規制管理

規制の管理方法には以下の2種類があります。

  • ボーダー:通関時に確認される規制
  • ポストボーダー:通関後(流通段階)で確認される規制

例えば、BPOMの輸入監督規則を見ると、医薬品(HS 3004系など)はボーダーで一定の条件や手続きを満たす必要があるものとして挙げられています。一方で、香水・スキンケア・シャンプー・石けんなどの化粧品類(HS 3304・3305・3401系など)は、ポストボーダーの規制対象となっています。

このように、似たカテゴリーの製品でも、HSコードと製品区分によって管理(手続き)のタイミングが異なります。

なお、2023年から翌年にかけての商業省規則とその改正規則により、複数の製品カテゴリーについて管理区分がポストボーダーからボーダーに変更されています。

今後も制度改正がある可能性もあるため、すでに輸出・輸入の実績があっても、常に最新情報を確認することをおすすめします。

HSコードによる許認可確認

さらに、HSコードは各種許認可の入口でもあります。例として、以下の許認可の要否や手続きは、HSコードと製品定義・用途・仕様の組み合わせで判断されます。

  • 輸入承認(PI)
  • 食品・医薬品規制(BPOM)
  • 国家規格(SNI)

例えば食品は、生鮮食品と加工食品で扱いが異なります。

生鮮の果物・野菜などの園芸品は、一般的に、商業省の園芸品輸入規制の枠組みでPIの要否を確認する必要があります。一方で加工食品は、BPOM側の輸入監督・登録制度で確認する場面が多くなっています。ただし、生鮮食品と加工食品の境界があいまいな製品もあるため、HSコードの決定が非常に重要になります。

このように、HSコードの違いによって必要な許認可や手続きが大きく変わります。許認可の対応には現地のインポーターが大きく関わることもあり、インドネシアへの輸出販売ビジネスを始めるにあたっては、現地パートナー選びが非常に重要です。

インドネシアでの輸入・販売に向けたパートナー選定や商談設定については、弊社の支援サービスをご活用ください。詳しくはこちらからご覧いただけます。

罰則リスク

もう一つ重要なのが、罰則リスクです。インドネシアでは、種類・数量・価格の申告に誤りがあり不足税額が生じた場合、不足関税額の100%〜1000%の行政制裁金が課される可能性があります。

HSコードの選択や税率の解釈違いによる誤申告がすべて同じ扱いになるわけではなく、個別判断となりますが、HSコードの誤りは「税率の違い」にとどまらず、重大なペナルティリスクにつながる可能性があるという点は押さえておくべきでしょう。

インドネシアに輸出する製品のHSコードが間違っているとどうなりますか?

HSコードが誤っていると、関税や税金が正しく計算されず、後から追徴課税や行政制裁の対象になる可能性があります。また、必要な許認可を満たしていないと判断され、輸入が止まるリスクもあります。

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 HSコード事前教示制度「PKSI」

HSコードの判断に不安がある場合、PKSI(事前教示)制度を利用することで、輸入前にHSコードの分類を確定できます。

PKSI制度では、輸入者が申請主体となり、税関当局が審査のうえ分類を決定します。この決定は、正式な分類判断として輸入申告時に使用されます。

輸入者は、必要書類をメールなどで税関に提出し、PKSIを申請します。必要書類がすべてそろった状態から30営業日以内が処理期間の目安とされていることや、追加資料の提出やサンプル提出を求められる場合があることから、余裕を持ったスケジュールでの検討が必要です。

【補足】
PKSI(Penetapan Klasifikasi Sebelum Impor)は、輸入前にHSコードの分類を確定できる事前教示制度です。この制度により税関から発行される分類決定書が「PKSI」と呼ばれることもあります。

PKSIの有効期間

PKSIによる決定は3年間有効ですが、法令改正や商品の仕様変更があれば、そのまま使い続けることはできず、必要に応じて再申請が必要です。

また、決定が変更・取消しされた場合や、申請した輸入者本人以外が使用する場合には、効力を持ちません。

HSコードは規制とコストを左右する出発点

インドネシアにおけるHSコードは、単なる分類番号ではなく、関税率や税金、輸入規制、必要な許認可の有無などを決める出発点となる重要な情報です。

同じように見える商品でも、HSコードが異なれば必要な手続きやコストは大きく変わります。また、規制には通関時に確認されるものと、流通後に確認されるものがあり、どちらに該当するかもHSコードによって決まります。

正確な判断のためには、INTRなどの公式ツールを活用しつつ、最終的には法令や現地関係者との確認を経て決めることが重要です。輸出を成功させるためには、早い段階でHSコードを正しく理解し、実務に落とし込むことが不可欠です。

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