インドネシア・スマラン県、85か所の「観光村」で地域おこし

公開
2025/12/22
更新
2026/06/21
この記事は約4分44秒で読めます。

中部ジャワ州のスマラン県では、地域資源を活かした「観光村(Desa Wisata)」が観光産業の新たな柱として注目されています。農業体験や伝統文化とのふれあいなど「体験型観光」に重点を置いたこの取り組みは、地域経済の活性化にも貢献しています。

はじめに

インドネシア政府は観光産業の成長を目指し、各地域における観光資源の活用を推進しています。その中でも注目されるのが「観光村」の取り組みです。観光村は、地元住民が主体となり、農業や文化体験を通じて観光客を迎えるスタイルで運営されています。

本記事では、観光村開発に力を入れる地域の代表例として、85か所の観光村を有する中部ジャワ州スマラン県に焦点を当て、観光村の魅力と役割を探っていきます。

インドネシア経済の魅力について

数字でみるスマラン県の観光村

観光村とは

インドネシアの観光村(Desa Wisata)とは、地域住民を積極的に観光の管理と開発に参加させ、観光客を誘致するプロジェクトです。

観光村開発の主な目的は、観光地開発を各地で行うインドネシア政府の政策を支援することと、地域の経済成長にあります。

また二次的な目的としては、地域住民の環境保護・文化継承などに対する意識向上、雇用拡大と福祉・生活の質の向上、都市部への人口流出の抑制などが挙げられます。

観光村の開発計画の認定にあたっては、観光資源(自然、文化、その他アトラクション)の魅力、アクセス、村の規模、各種インフラなどが考慮されます。

インドネシア政府は観光村の開発を奨励しており、2024年時点で6000以上の観光村が認定されています。

インドネシア観光省によると、観光村は開発段階に応じて、初期段階、発展段階、成熟段階、自立段階の4つに区分されています。6000以上の観光村のうち自立段階及び成熟段階に分類されるのは数百か所程度にとどまり、半数以上が初期段階、つまり、観光業としての活動を始めたばかりの村です。

参考:

85か所の観光村(Desa Wisata)を有するスマラン県

スマラン県の観光村

スマラン県には中部ジャワ州でもっとも多い、85か所の観光村があります(2024年12月時点)。開発段階別に見ると、初期段階が42か所、発展段階が34か所、成熟段階が9か所です。

以下に、スマラン県の中でも特に有名な観光村を紹介します。

Desa Wisata Lerep(ルレップ観光村)

ルレップ観光村は、2015年に観光村として認定された、スマラン県でもっとも成功している観光村で、インドネシアの観光村ベスト300に選ばれています(2024年)。ルレップ観光村では主に、住民と一緒に農作物の収穫や畜産体験、工芸体験などをしながら、村での生活を体験できるツアーパッケージを提供しています。伝統的な歓迎の踊りや、ホームステイ体験なども魅力です。

Desa Wisata Kampung Susu Sumogawe(スモガウェ・ミルク村)

スモガウェ・ミルク村は、2017年に設立されました。こちらは観光村ベスト500に選ばれています(2024年)。牛乳の加工、家畜の世話、村内の自然散策などを含むツアーパッケージを提供するほか、ヨーグルト、ゼリー、キャンディなどさまざまな牛乳加工品の開発や販売にも熱心です。

Desa Wisata Bejalen(べジャレン観光村)

景勝地として知られるラワ・プニン湖のほとりにあるべジャレン観光村は、2011年に設立されました。川下りや足漕ぎボート、魚釣り、水上レストランでの食事体験など、湖や周辺の川を利用したアクティビティが人気です。加えて、家々の壁や橋を虹色に塗った「虹の村」や、広大な棚田と村を取り囲む山々を望む景色の良さも魅力です。

スマラン県の観光産業と観光村の課題

スマラン県の主な観光資源は、森林や湖などの自然です。観光村の開発と共に、地元の料理や手工芸品も注目されています。スマラン県によると、かつては製造業と農業に次ぐ3番目の規模の産業だった同県の観光産業は、2023年までに域内総生産(PDRB)の19%を占め、農業を抜いて2番目に大きな産業に成長しました。

スマラン県が観光振興策の一つとして開発・認定を進める観光村はすでに85か所に達していますが、紹介した通り、約半数が初期段階にあります。

開発初期段階の観光村の持続可能な成長のためには、これからの取り組みが非常に重要になります。観光村支援策の一つとしてスマラン県は、2024年〜2029年の「クリエイティブ経済委員会」を発足させました。今後、この委員会が各観光村の運営者と協力し、村の発展に寄与することが期待されます。

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映像でみるスマラン県の観光村

観光村への遠足

スマラン県の観光村へ遠足

観光村の多くは、個人の観光客はもちろん、学校や企業のイベントで訪れる団体向けパッケージも提供しています。

ルレップ観光村の「おばあちゃんの家へ帰る」をテーマにしたツアーパッケージには、エコプリントや陶器の絵付け体験、水牛を使った田植え体験、農作物や魚の加工体験、伝統料理体験、プール遊び、その他さまざまなアウトドア活動が含まれます。

観光村の郷土食マーケット

観光村の郷土食マーケット

ルレップ観光村の郷土食マーケットは、ジャワ歴(ジャワ島の伝統歴)に従い、特定の日曜日に開催されます。

ここでは地域の郷土料理やスナックが、バナナの葉や竹の器など、伝統的な様式で提供されます。また、工芸品など土産物の販売や伝統舞踏のパフォーマンスも行われます。

この郷土食マーケットは、農産物の買取価格が農家の労力に見合わないことから、住民たちが始めたものです。このような活動により、ルレップ観光村ではグルメ観光も注目されるようになりました。

カジュアルにインドネシア進出を試した企業様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用してリサーチチームを作り、バンドンでのLPKの調査や大学との連携可能性を確認。事業化の見通しが立った段階で正式な進出を決定した。
  • 営業経験のあるインドネシア人を2名チームで雇用し、スポーツジムや病院、リハビリ施設などへの営業活動を実施。販売代理店候補の開拓や市場ニーズを調査し、調査後に販売体制を構築した。
  • 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。

上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。インドネシア向けのビジネスとして、貴社でもそれが可能です。

スマラン県の観光村のこれから

スマラン県の観光村は、自然環境や伝統文化を生かした独自の観光体験を提供することで、都市型観光では味わえない魅力を発信しています。85か所にのぼる観光村の多くはまだ開発の初期段階にあり、今後の発展の道のりが注目されます。

観光村の運営が軌道に乗れば、地元の雇用創出や経済発展など

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