インドネシアの商業省ポータルサイト「INATRADE」とは?日本企業が知っておくべき輸入手続きとの関係

公開
2026/05/16
更新
2026/05/16
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INATRADEとは何ですか?

INATRADEは、インドネシア商業省が提供する輸出入関連の許認可・承認を扱うオンラインシステムです。

日本の輸出者もINATRADEを知っておく必要がありますか?

必ずしも日本側がINATRADEを直接操作するわけではありません。しかし、輸出する製品がインドネシア側で規制確認の対象になる場合、現地輸入者がSINSWを通じて申請した内容は、必要に応じてINATRADEへ連携されます。そのため、日本側がこの前提を理解しておくことは、通関トラブルの予防につながります。

INATRADEは、現地法人が自社使用目的で輸入する場合も関係しますか?

関係する場合があります。インドネシアでは、販売目的の輸入と、自社使用目的の原材料・資本財・補助材などの輸入で整理が異なるため、現地法人のNIBやAPI区分、輸入品目の規制有無を事前に確認することが重要です。

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インドネシア向けに製品を輸出する際、日本企業がインドネシア側の輸入手続きを直接行うケースは多くありません。

しかし、品目によっては商業省の輸入承認や追加条件が必要となり、これらが整っていないと、貨物がインドネシア到着後に通関で止まる可能性があります。その際に関係するのが、INSWやINATRADE(イナトレード)といったシステムです。

特にINATRADEは、商業省が所管する輸出入許認可に関係するため、操作方法を覚えるよりも、自社製品が対象になる場面を理解しておくことが重要です。

本記事では、日本からインドネシアへの輸出事業でもよく目にするシステムINATRADEについて、輸入手続き全体での位置づけ、日本企業が確認すべきポイントなどを整理します。

INATRADEとは何か

INATRADEとは何か

INATRADE(イナトレード)は、インドネシア商業省が提供する輸出入関連の許認可・承認を扱うオンラインシステムです。インドネシアの輸入に関する許認可・登録先は複数の省庁・機関にまたがりますが、なかでも商業省が管轄する輸出入関連の許認可には、INATRADEが関係します。

ただし、輸入関連の許認可申請では、輸入者が必ずしもINATRADEを直接操作するわけではありません。

基本的には、輸出入手続きの電子ハブであるインドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウ(INSW)のシステムSINSWが窓口となり、INATRADEをはじめとする各機関のシステムがこれに連携される構造になっています。

日本企業にとってINATRADEが重要なのは、輸出者自身が操作するからではなく、現地輸入者がINATRADEに関係する許認可を取得しなければ輸入できない品目があるためです。

したがって、輸出側となる日本企業がINATRADEについて押さえるべきポイントは、操作手順ではなく、「自社製品が商業省の許認可対象に入るのか」「現地輸入者が必要な許認可を取得できているのか」という実務上の確認です。

【補足】
SINSWおよびINATRADEは事業基本番号(NIB)をもつ企業向けのシステムです。そのため、日本企業が現地パートナー企業に輸入業務を委託するケースでは、日本側が直接操作することはありません。

自社製品のインドネシア輸入可否や現地側との連携方法・役割分担を整理したい方は、こちらからご相談ください。

INATRADEのアカウントを日本側の輸出者が持つ必要はありますか?

通常、日本側の輸出者がINATRADEを直接操作する必要はありません。INATRADEでの申請主体は、基本的にインドネシア側の事業者です。ただし、日本側は、現地輸入者が申請や確認に使う情報を正確に提供する必要があります。

インドネシアの輸入関連システム

インドネシアの輸入関連システム

インドネシアへの輸入を理解するには、INATRADEだけでなく、OSS、INSW、税関システムとの関係を整理する必要があります。

システム主な役割日本企業が知っておくべきこと
OSS事業者登録、NIB取得現地輸入者の基本登録に関係する
INSW / SINSW輸出入手続きの国家連携基盤各省庁許認可と通関をつなぐ
INATRADE商業省の輸出入許認可規制対象品目で輸入承認(PI)などが必要になる
税関システム(CEISA)税関申告・審査最終的な通関処理に関係する

実際には、SINSWが手続きの入り口となります。そこに提出された書類や情報は、INATRADEやCEISAなど各機関側のシステムと共有されます。

事業許認可システム「OSS」

OSSで発行される事業基本番号(NIB)は、インドネシアで事業を行うための基本番号です。輸入事業を行う企業は、NIBがAPI(輸入業者認識番号:輸入ライセンス)として機能するように登録を行います。

輸入業者として必要な情報を整えてNIBを取得し、そのNIBが通関アクセスとして有効になっていれば、税関登録済みの事業者として扱われます。

輸出入手続きの電子ハブ「INSW / SINSW」

INSWは、輸出入に必要な通関書類、検疫書類、各省庁の許認可書類などを、オンライン上でまとめて扱うための仕組みです。輸入者が複数の窓口を個別に回るのではなく、情報を1つの窓口に集約し、関係機関が連携して確認できるようにする役割を持っています。

商業省ポータルサイト「INATRADE」

「INATRADEは、INSW / SINSWと連携して動く商業省側の輸出入許認可システムです。

そのため、商業省が関係する規制対象品目でなければ、現地輸入者はOSS、INSW、税関システムを中心に対応し、INATRADEを直接意識しない場合があります。一方、商業省の許認可が必要な品目では、SINSWを通じた申請がINATRADEへ連携され、商業省側で許認可が処理されます。

【補足】
同様に、工業省、農業省、検疫庁、国家医薬品食品監督庁(BPOM)などもINSWと連携し、それぞれが管轄する輸入品の許認可発行などを担当しています。

税関の統合サービスポータル「CEISA」

CEISA 4.0と呼ばれる税関のシステムも、SINSWと連携しています。

CEISA 4.0は通関・物品税関連の手続きを簡素化・迅速化するためのデジタルシステムで、各種サービスを1つのプラットフォームに統合し、事業者が書類管理、貨物状況の確認、通関義務への対応を効率的かつリアルタイムに行えるようにする仕組みです。

INSWを使えば、INATRADEでの手続きは不要になりますか?

不要になるわけではありません。INSW / SINSWは輸出入関連の情報や手続きをつなぐ「ハブ」ですが、商業省の輸入承認などが必要な品目では、INATRADE側の許認可が必要です。INSWは全体の連携基盤、INATRADEは商業省の許認可の処理システムという役割分担です。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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INATRADEが必要になる主な場面

輸入手続きにおいてINATRADEが関係するのは、輸入しようとする品目が商業省の輸入承認や登録の対象になる場合です。

まず、インドネシアの公式品目分類・関税基準であるBTKIや、HSコード別に関税率・輸出入規制・必要書類などを確認できるINTRを使い、品目ごとの規制情報を確認します。

その結果、輸入承認(PI)や登録輸入者(IT)、製造輸入者(IP)などが必要な品目であるとわかった場合、現地輸入者はSINSWを通じて申請を行います。その申請はINATRADEに連携され、商業省側で処理されます。

規制対象かどうかは、製品名だけで決まるわけではありません。HSコード、用途、材質、成分、完成品か部品かといった要素によって、輸入承認や追加条件の要否が変わることがあります。

特に、食品、繊維、鉄鋼、化学品、消費財、電子・テレマティクス製品などは、商業省の輸入規制に関係しやすい分野です。

輸入者区分も関係

ここまでは、主に品目別規制の観点からINATRADEが関係する場面を紹介しました。ただし実際には、輸入品の品目に加えて、輸入者区分も輸入規制に影響します。

具体的には、APIの種類です。APIには自社使用目的(API-P)と販売・譲渡目的(API-U)の2種類があり、輸入事業を行う企業はいずれかを取得します。

同じ品目でも、どちらのAPIを持つ輸入業者か(どのような目的で輸入するのか)によって、必要な許認可が分かれる場合があります。

インドネシアでの輸出販売には、現地輸入者や販売代理店との連携が欠かせません。自社の目的に合った資格と実績をもつ現地パートナー候補とのマッチング支援は、こちらからご確認ください。

自社製品をインドネシアに輸出する場合、過去に同じ製品の輸入が許可されていれば、次回も同じ手続きでよいですか?

必ずしもそうとは限りません。インドネシアでは輸入規制や対象品目が改正されることがあり、以前は不要だった承認や確認が必要になる場合があります。過去実績だけに頼らず、最新のHSコード、規制、許認可が必要かどうかを確認することが重要です。

日本企業が押さえるべき確認ポイント

日本企業、特に輸出者側がINATRADEについて押さえるべきことは、システム操作ではありません。重要なのは、現地輸入者が必要な許認可を取得できるように、事前に確認すべき情報を整理することです。

輸出者側が最低限確認したいのは、以下のような内容です。

  • 自社製品のHSコードは何か
  • 当該HSコードが商業省の規制対象か
    ※輸入承認(PI)や登録輸入者(IT)などの要件があるかなど
  • 船積み前に現地側の承認が取れているか

日本企業は主に輸出側となり、インドネシアでの輸入業務については現地パートナーに任せる場合でも、日本側がこれらについてある程度把握しておくことは、後々のトラブル防止になります。

特に、使用するHSコードについては、日本側とインドネシア側で不一致が起きないようにすることが重要です。最終的な申告HSコードは現地輸入者・通関業者側で確認することになりますが、日本側も理解しておくと安心です。

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INSW / INATRADE関連のよくあるトラブル

必要な輸入承認・許認可が揃っていない

INATRADEに関係するトラブルとして典型的なのは、通関前に必要な商業省の許認可や登録が揃っていないケースです。

規制品目では、輸入申告時に輸入承認(PI)などの提示が必要になる場合があり、必要な許認可がないまま貨物が到着すると、通関で止まったり、再輸出などの対象になったりする可能性があります。

日本側から見ると、インボイスやパッキングリストなどの輸出書類は整っていても、現地側では「INATRADEに関係する輸入承認が足りない」という状態です。特に規制対象品目では、船積み前に現地輸入者が必要な承認を取得済みか確認しておくことが重要です。

HSコードや申告内容の認識違い

次に起きやすいのが、HSコードや規制対象品目の認識違いです。日本側が想定しているHSコードと、インドネシア側で申告されるHSコードが異なる場合、輸入規制の要否や必要な許認可が変わることがあります。

また、同じような製品でも、用途、材質、仕様、成分、完成品か部品かによって分類や規制の見方が変わる場合があります。HSコードのすり合わせは、INATRADE関連のトラブル防止に欠かせません。

規制変更や現地側の状況を把握できていない

インドネシアでは、輸入規制や対象品目が変更されることがあります。2025年には輸入規則の再編が行われ、その後も一部規則の改正が続いています。

そのため、古い社内メモや過去案件のテンプレートを使い続けていると、規制対象品目、承認の要否、必要書類の理解が現行制度とずれる可能性があります。その結果、SINSWから申請した情報についてINATRADE側で不備が問題になり、手続きが遅れるなど、トラブルにつながる可能性があります。

現地輸入者や販売代理店に任せる場合でも、「承認取得済みですか」だけでなく、「最新規制に基づく確認ですか」などと確認・念押ししておくことが有効です。

輸入業者の過去の報告が未了

現地輸入者側が対応すべき中心業務は、OSSでのNIB整備、必要な通関アクセスの確保、SINSW / INATRADEでの輸入許認可申請、輸入実績・流通実績の報告です。

この報告が未了の輸入者は、新たな輸入承認を申請できない場合があります。つまり、今回の輸出案件の書類が正しくても、現地輸入者側が輸入実績報告義務を履行していない場合、輸入承認の再申請ができない可能性があることに注意が必要です。

そのため、現地の輸入パートナーと協業する場合は、事業者の規模の大小や得意な分野だけでなく、「自社が今送りたい製品について確実に輸入業務を行えるか」を細かに確認することが重要です。

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INATRADEは「操作」より「理解」が重要

INATRADEは、インドネシア商業省の輸出入許認可を扱う重要なシステムですが、単体で輸入手続きが完結するものではありません。輸出入手続きのハブであるINSW / SINSW、事業者登録を担うOSS、税関申告に関係する税関システムとあわせて理解する必要があります。

日本企業が直接INATRADEを操作しない場合でも、自社製品が規制対象品目か、現地輸入者が必要な許認可を取得しているか、HSコードや数量、承認期限にずれがないかを確認することが欠かせません。

INATRADEは「使い方」よりも「どの場面で関係するか」を理解することで、輸入遅延や通関トラブルの予防につながります。

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