インドネシアの食文化とは?主食・代表料理から飲食店のメニュー開発まで

公開
2026/07/24
更新
2026/07/25
この記事は約12分17秒で読めます。
最も多いお悩みと回答

インドネシアの食文化にはどのような特徴がありますか?

米を主食とし、肉や魚、野菜などのおかずを組み合わせて食べるのが基本です。唐辛子や香辛料、甘い醤油調味料のケチャップマニス、辛味調味料のサンバルが幅広く使われます。地域や民族によって味付けや食材が異なることも特徴です。

インドネシアの代表的な料理は何ですか?

ナシゴレン(炒飯)、ミーゴレン(焼きそば)、サテ(串焼き)が代表的です。このほか、バッソ(肉団子スープ)、アヤムゴレン(揚げ鶏)、米と複数のおかずを組み合わせたナシチャンプルなどがあります。

日系飲食店はインドネシアの食文化をメニュー開発にどう活かせますか?

米・麺・鶏肉など現地でなじみのある食材を起点に、日本らしい調理法や品質を組み合わせる方法があります。辛味を別添えにする、定食や弁当形式にする、シェアできる料理を設けるなど、現地の食べ方まで考慮することが重要です。地域や顧客層によって好みが異なるため、現地調査や試食を通じた確認も欠かせません。

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インドネシア料理というと、辛い料理やナシゴレンを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、実際の食文化は一つのイメージでは捉えきれません。島、民族、宗教、暮らし方によって、食材や味付け、食事のスタイルに違いがあります。

こうした違いを知らずに日本の商品やメニューを持ち込むと、一つひとつの料理の質や見た目は評価されても、味付けが合わない、量が物足りないなどの理由で選ばれないことがあります。

本記事では、インドネシアの食文化の基本から地域差、食事マナー、日系飲食店がメニューを考える際のヒントまで解説します。現地の食習慣を理解し、自社の強みを活かせるポイントを見つけるための参考にしてください。

目次
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  1. 多民族・多地域が生んだインドネシアの多様な食文化
  2. インドネシアの食文化を形づくる基本要素
  3. インドネシアの代表料理
  4. 地域によって異なるインドネシアの食文化
  5. インドネシアの食べ方・食事マナー・外食習慣
  6. 映像で見るインドネシアの食文化と外食風景
  7. インドネシアの食文化から考える日系飲食店のメニュー開発
  8. インドネシアの食文化を理解し、現地に合うメニューを考える

    多民族・多地域が生んだインドネシアの多様な食文化

    スンダ料理レストラン

    インドネシア料理は地域料理の集合体

    インドネシアは東西に広がる島しょ国家で、外務省の基礎データでは約1,300の民族が暮らしているとされています。このうち最大の民族集団はジャワ人で、中央統計庁(BPS)による2010年人口センサスを基に行った分析では、総人口の40.1%を占めます。

    また、インドネシアでは大きく分けてイスラム教、キリスト教(カトリック・プロテスタント)、ヒンドゥー教、仏教、儒教の6つの宗教が認められています。このうち、もっとも多いのはイスラム教徒で、総人口の87%を占めます。一方で、他の宗教の文化を反映した料理も、各地で親しまれています。

    このように、「インドネシア料理」という全国共通の料理体系があるというより、ジャワ料理(ジャワ島中部・東部など)、スンダ料理(ジャワ島西部)、パダン料理(スマトラ島西部)、バリ料理、マナド料理(スラウェシ島北部)など、多数の地域料理の総称が「インドネシア料理」であると考えるほうが、実態に近いでしょう。

    米を中心に食べることやサンバルを添えることなど、広く見られる共通点はあるものの、味の濃さや甘さ、辛さ、使われる肉や魚は地域によって異なります。

    交易と宗教の影響を受けて発展

    インドネシアは古くから海上交易の拠点となり、インド、中国、中東、ヨーロッパなどの食文化を取り込みながら、地域ごとの料理を発展させてきました。

    例えば、麺料理や炒め物には中国料理との接点が見られ、スマトラなどの濃厚な煮込み料理にはインドや中東を思わせる香辛料が使われます。ナシゴレンには甘い醤油調味料であるケチャップマニスを加えるなど、外来の調理法や食材を受け入れつつ、地域の素材や味覚に合わせて変化させてきた点が特徴です。

    インドネシアの飲食市場を見る際は、国全体の傾向だけでなく、出店する都市や顧客層まで分けて考える必要があります。業態や候補地域が固まっていない段階でも、インドネシアでの飲食店展開についてお悩みのことがあれば、ぜひこちらからご相談ください。

    インドネシア経済の魅力について

    インドネシアの食文化を形づくる基本要素

    主食は米が中心

    インドネシアの多くの地域では、炊いた白米を中心に、肉、魚、卵、豆腐、テンペ、野菜などのおかずを組み合わせます。「ご飯を食べなければ食事をしたことにならない」という趣旨の言い回しもあるほど、米が日々の食事で重要な位置を占めています。

    料理名によく使われる「Nasi(ナシ)」は、炊いたご飯という意味です。Nasi Goreng(ナシゴレン)は炒飯、Nasi Campur(ナシチャンプル)は複数のおかずを合わせたご飯、Nasi Kuning(ナシクニン)はターメリックなどで黄色く炊いたご飯を指します。

    ただし、米だけがインドネシアの主食ではありません。麺類が広く親しまれているほか、地域によっては、キャッサバ、トウモロコシ、バナナ、サゴでんぷんなども、主食かそれに近い存在として親しまれています。

    スパイス・調味料・サンバルが味の決め手

    インドネシア料理には、唐辛子、ニンニク、赤タマネギ、ショウガ、ターメリック、レモングラス、コブミカンの葉など、多彩な香味野菜や香辛料が使われます。複数の材料をすり潰して作る合わせ調味料は、一般にBumbu(ブンブ)と呼ばれ、料理ごとの香りや味の土台になります。

    特徴的な調味料の一つが、甘く濃厚な醤油系調味料Kecap Manis(ケチャップマニス)です。ナシゴレンやミーゴレン、肉料理などに使われ、日本の照り焼きのタレにも通じる甘辛い味を作ります。

    もう一つ欠かせないのが、唐辛子を中心に作るSambal(サンバル)です。ニンニク、赤タマネギ、エビの発酵調味料、トマト、ライムなど、地域や家庭によって異なる食材を組み合わせて仕上げます。料理に混ぜるほか、食卓で少しずつ加え、自分で辛さを調整する食べ方も一般的です。

    サンバルとは?インドネシア市場で成功する飲食店が理解している食文化

    インドネシアの唐辛子ペースト「サンバル」の種類や食文化での役割、日系飲食店がメニュー開発・辛さ設計・調達に活かすポイントを解説します。

    ただし、インドネシア料理がすべて強く辛いわけではありません。料理自体は甘味、塩味、酸味、ココナッツミルクのまろやかさなどを活かして仕上げ、あとからサンバルで辛味を足す場合もあります。

    イスラム教とハラールが食生活に与える影響

    インドネシアではイスラム教徒が人口の多数を占めるため、豚肉やアルコールを避ける食習慣が広く見られます。インドネシアの多くの地域で、日常的な肉料理では鶏肉や牛肉が使われ、鶏肉の串焼き、揚げ物、スープなどが幅広い価格帯で提供されています。

    ハラールは、単に豚肉を使わなければよいという考え方ではありません。使用する肉、調味料、加工食品などの原材料に加え、調理、保管、器具の管理なども関係します。

    なお、インドネシアではハラール認証が義務化されており、ハラール対応は宗教的・文化的配慮であるとともに、国家的な制度への適合という点でも重要です。

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    インドネシアの代表料理

    インドネシアには多数の地域料理がありますが、ここではジャカルタをはじめ、多くの都市で比較的見つけやすい料理を紹介します。

    ナシゴレン:インドネシアの炒飯

    ナシゴレン

    Nasi Goreng(ナシゴレン)は、ご飯を肉、魚介、卵、野菜などと炒めた料理です。目玉焼き、キュウリ、トマト、クルプックと呼ばれる揚げせんべいなどを添えることもあります。

    炒飯に近い料理ですが、ケチャップマニスやサンバルによる甘さ、辛さ、香りがインドネシアのナシゴレンの特徴です。家庭、屋台、ワルン、レストラン、ホテルなど、幅広い場所で食べられますが、地域によってケチャップマニスやサンバル、スパイスの使い方にある程度の傾向があり、どこでも同じ味というわけではありません。

    ミーゴレン:インドネシアの焼きそば

    ミーゴレン

    Mie Goreng(ミーゴレン)は、麺を様々な具材とともに炒めた「インドネシア版焼きそば」です。ナシゴレンと同様にケチャップマニスを使用することが多く、甘辛い味に仕上げます。食事だけでなく軽食として選ばれることもあり、インスタント麺も広く普及しています。

    なお、「日清焼そばU.F.O.」はインドネシアで「日本風ミーゴレン」として販売されています。

    サテ:焼き鳥などの串焼き料理

    インドネシアのサテ

    Sate(サテ)は、小さく切った肉を串に刺して焼く料理です。鶏肉のほか、牛肉やヤギ肉も使い、地域によって肉、下味、ソースが異なります。

    日本の焼き鳥と形が似ていますが、ピーナッツソースやケチャップマニスを使った甘いタレとサンバルを合わせることが多い点が特徴です。米や、Lontong(ロントン)、Ketupat(クトゥパット)といったライスケーキの一種と一緒に食べる場合もあります。

    ソトとバッソ:ご飯や麺と食べるスープ料理

    インドネシアのソト

    Soto(ソト)は、鶏肉や牛肉を使ったスープ料理の総称です。透明感のあるスープ、ターメリックを使った黄色いスープ、ココナッツミルク入りの白濁したスープなど、その種類は地域によって多様で、ご飯や麺を入れて食べたり、別の皿に盛ったご飯と一緒に食べたりします。

    Bakso(バッソ)は、牛肉や鶏肉などで作った弾力のある肉団子です。スープに麺、ビーフン、豆腐、野菜、ワンタンなどを加えて提供されます。

    アヤムゴレン:広く親しまれる鶏の揚げ物

    アヤムゴレン

    Ayam Goreng(アヤムゴレン)は、鶏肉に香辛料やニンニクなどで下味を付けて揚げた料理です。インドネシア料理のおかずの代表格と言ってよいでしょう。

    基本形は鶏肉を煮るなどして味を含ませてから揚げる素揚げに近いものですが、薄い衣を付けて揚げる唐揚げ風、厚めの衣を付けて揚げるフライドチキン風など、さまざまなバリエーションがあります。

    ナシチャンプル:米と複数のおかずを組み合わせる食事

    ナシチャンプル

    Nasi Campur(ナシチャンプル)は、ご飯に肉、魚、卵、野菜、豆腐、テンペなど、複数のおかずを組み合わせた食事です。地域や店舗によって、食材、料理、味付けが異なります。バリ料理、ジャワ料理、中華系料理など、それぞれの料理を組み合わせたナシチャンプルがあります。

    家庭料理でも、ご飯と複数のおかずやスープを1枚の皿によそって食べる方法が一般的です。

    カジュアルにインドネシア進出を試した飲食店様の事例

    インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

    • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
    • 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
    • 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。

    上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。飲食業であれば、貴社でもそれが可能です。

    地域によって異なるインドネシアの食文化

    インドネシアでは、同じ料理名でも地域によって味や材料が変わります。以下では、各地域の主な食文化の特徴を紹介します。

    地域によって異なるインドネシアの食文化

    スマトラ島:香辛料とココナッツミルクを使うパダン料理

    全国的に有名な西スマトラのパダン料理は、唐辛子やターメリック、ショウガ、ココナッツミルクなどを使った濃厚な味が特徴です。代表料理のRendang(ルンダン)は、牛肉を香辛料とココナッツミルクで長時間煮込んで作ります。

    パダン料理店では、おかずを選んで一皿に盛り付ける形式のほか、複数の小皿をテーブルに並べ、食べた分だけ精算する提供方法も見られます。

    ジャワ島:甘めのジャワ料理と野菜を活かすスンダ料理

    中部ジャワでは、ケチャップマニスやヤシ糖を使った甘めの味付けが見られます。若いジャックフルーツを甘く煮込むGudeg(グドゥッ)は、その代表例です。

    一方、西ジャワのスンダ料理では、魚や鶏肉、豆腐、テンペなどをシンプルに調理し、サンバルと組み合わせます。生野菜やゆで野菜を添えるLalapan(ララパン)も一般的です。

    カリマンタン島:多民族文化が交わる多彩な料理

    カリマンタン島には、ダヤック、マレー、バンジャル、中華系などの文化を背景とする、多様な料理があります。

    ダヤック料理では、川魚、山菜、タケノコ、キャッサバの葉など、森林や川から得られる食材が使われます。西カリマンタンでは、米粉を使った点心Choi Pan(菜粿)のような中華系料理も地域に定着しています。

    バリ島:ヒンドゥー文化を背景とする独自の食文化

    ヒンドゥー教徒が多いバリ島では、イスラム教徒が多い地域とは異なり、豚肉料理も伝統食の一部です。豚の丸焼きBabi Guling(バビグリン)や、肉、野菜、ココナッツなどを合わせるLawar(ラワール)が知られています。

    このほか、香辛料を使ったローストチキンAyam Betutu(アヤムベトゥトゥ)や、つみれ状の肉を串に巻いて焼くSate Lilit(サテリリット)なども代表的です。

    スラウェシ島・インドネシア東部:魚介、辛味、サゴを生かす料理

    スラウェシ島にも、地域によって特徴的な料理があります。なかでも北スラウェシのマナド料理は、唐辛子や香草を使った強い辛味で知られています。

    マルク諸島やパプアなどのインドネシア東部地域では、米だけでなくサゴも重要な主食です。サゴでんぷんを練ったPapeda(パペダ)を、魚のスープなどと合わせて食べる地域があります。

    地域差を知るには、資料だけでなく、候補地のレストラン、屋台、スーパーなどを実際に確認することも有効です。弊社では訪問先の選定、車両、通訳などを含むインドネシア現地視察の手配を一貫してサポートしています。詳しくはこちらから。

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    インドネシアの食べ方・食事マナー・外食習慣

    パダン料理店

    米と複数のおかずを組み合わせる

    インドネシアの食事では、ご飯を皿の中心に置き、肉、魚、野菜、卵、豆腐、テンペなどを少しずつ組み合わわることが一般的です。おかずの味を米になじませながら食べるため、単品料理だけでなく、ご飯とおかずがそろった一皿やセットが日常になじみやすい食事形式です。

    汁物をご飯にかける、複数のおかずのソースを混ぜるといった食べ方も見られます。日本のように、料理ごとに皿を分けて別々に食べるとは限らず、一皿の中で味を組み合わせることも楽しみの一つです。

    スプーンとフォーク、または右手を使って食べる

    一般的な飲食店では、左手に持ったフォークで料理を右手に持ったスプーンに寄せて食べます。左手を不浄とみなす文化的・宗教的背景もあり、右手が主役、左手がサポート役になっているのです。とはいえ食べ方の自由度は高く、フォークやスプーンの持ち方が違うと指摘されることはほぼありません。

    食材はあらかじめ食べやすい大きさに調理されることが多いため、テーブルにナイフが置かれていない店も珍しくありません。

    スンダ料理店やパダン料理店、肉や魚を大きなまま提供する店では、手で食べる人もいます。このような店では、手洗い用として、水とライムなどを入れたKobokan(コボカン)と呼ばれるフィンガーボウルが出ることもあります。

    サンバルで味を自分好みに調整する

    サンバルや調味料がテーブルに置かれ、客が自分で辛さや味の濃さを調整できるようになっている店もよく見られます。同じ料理を注文しても、サンバルをほとんど加えない人もいれば、複数の種類のサンバルやソースを組み合わせる人もいます。

    食事の合間にも軽食や甘い飲み物を楽しむ

    インドネシアでは、主な食事以外にも、Gorengan(ゴレンガン:揚げ物の総称)、パンケーキ状のMartabak Manis(マルタバ・マニス)、パン、麺、菓子などを間食として楽しみます。特に、米粉やタピオカ粉を使った菓子には、多くの種類があります。

    飲み物では、砂糖を入れた紅茶、コーヒー、ジュース、シロップ入り飲料などが身近です。かき氷やかち割氷とゼリーや果物を合わせたスイーツも、各地で親しまれています。

    屋台・ワルン・レストランを使い分ける

    Kaki Lima(カキリマ)と呼ばれる移動式・路上型の屋台では、ナシゴレン、ミーアヤム(汁麺)、バッソ、サテ、揚げ物などが販売されています。庶民的な食事スポットとしては、Warung(ワルン)と呼ばれる小規模な商店や食堂も多く見られます。家庭的な料理を並べる店、麺やスープの専門店、簡単な飲料や軽食を売る店など、形態はさまざまです。

    一方、ショッピングモールには、ローカルチェーン、ファストフード店、日本食店、カフェなどが入っています。「屋台を使う層」「モールに行く層」がはっきり分かれているわけではなく、目的や予算に応じて使い分けられています

    また、料理を店内で食べるだけでなく、テイクアウトする、おかずだけを買って自宅のご飯と合わせる、デリバリーで注文するといった利用方法も一般的です。

    会食を大切にする

    インドネシア人には、家族や親戚、友人などと集まり、自宅やレストランなどで食事をする機会を大切にする文化があります。

    例えば、イスラム教徒はラマダン中の断食明けの食事や、その後の断食明け大祭(レバラン)の時期、中華系インドネシア人は春節の時期、このほか、誕生日や冠婚葬祭などさまざまな場面で大勢が集まって食事をします。

    そのため、店内飲食でも、テイクアウトやデリバリーでも、会食向けのメニューには一定の需要があります

    映像で見るインドネシアの食文化と外食風景

    ご飯とおかず混ぜて食べる文化

    ご飯とおかず混ぜて食べる文化

    こちらの動画は、ジャカルタにあるパダン料理店を紹介したものです。

    インドネシアでは、白いご飯に肉や魚、野菜などのおかずを組み合わせた一皿が、日常的な食事として親しまれています。

    こうした食事は広くナシチャンプルと呼ばれるほか、ジャワなどでは、動画で紹介されているようにNasi Rames(ナシ・ラメス)と呼ばれることもあります。

    動画の店舗では、ご飯を盛った皿に、注文に応じて店員がおかずを盛り付けています。このように、ショーケースやカウンターに並ぶ料理から好きなものを選び、一皿に組み合わせてもらうスタイルも、インドネシアの食堂ではよく見られます。

    また、動画には紹介者が右手で料理を食べる様子も映っています。

    「パダン料理は手で食べるもの」とこだわる人もいますが、多くの店舗ではスプーンやフォークも用意されており、食べやすい方法を選べます。

    皆で料理と食卓をシェアする「リウェタン」

    皆で料理と食卓をシェアする「リウェタン」

    Liwetan(リウェタン)は、長く敷いたバナナの葉の上にご飯やおかずを盛り付け、複数人で囲んで食事を楽しむスタイルです。

    ジャワ島を中心に親しまれており、Nasi Liwet(ナシ・リウェット)と呼ばれる、ココナッツミルクや香辛料などで風味を付けたご飯が中心になります。現在では、ジャカルタやその周辺のレストランでも、グループ客向けのメニューとしてリウェタン形式の食事を提供する店があります。

    動画で紹介されているのはスンダ料理店です。バナナの葉の上には、テンペや豆腐の揚げ物、鶏肉や牛肉の料理などが並び、複数種類のサンバルも用意されています。リウェタンは、大勢での会食や料理をシェアすることを大切にするインドネシアの食文化をよく表しています。

    インドネシアの食文化から考える日系飲食店のメニュー開発

    インドネシアのラーメン

    インドネシアには日本食と見た目が似た料理や、共通して使われる食材があります。ただし、共通点があることと、同じ商品がそのまま売れることは別です。食文化との接点を入口にしながら、対象地域や価格帯に合わせて調整する必要があります。

    米・麺・鶏肉など、現地でなじみのある食材から考える

    米、麺、鶏肉、魚、卵、豆腐、大豆食品などは、インドネシアでも日常的に食べられています。これらを中心にした日本料理は、初めて見る人にも説明しやすく、受け入れられやすいでしょう。また、食材を現地調達しやすいという点で、飲食店側にもメリットがあると言えます。

    例えば、丼、カレー、定食、弁当は米を中心とする食文化と接点があります。ラーメン、うどん、焼きそばは、麺料理に親しんでいる人に料理の形を理解してもらいやすい分野です。

    一方で、豚肉を前提とするラーメンやカレー、みりんや酒を使用するタレなどは、ハラール対応のため、原材料や調理方法の見直しが必要になる場合があります。また、ターゲット層によっては、日本の料理をそのまま再現するのではなく、現地で親しまれている調理方法や味付けを採用し、ある程度ローカライズしたほうが受け入れられやすいケースもあるでしょう。

    日本食と現地料理の接点を生かす

    ナシゴレンと炒飯、ミーゴレンと焼きそば、サテと焼き鳥、アヤムゴレンと唐揚げなど、現地料理と形が近い日本食は、商品を説明する際の接点になります。

    ローカライズは重要な検討事項ですが、現地料理に寄せすぎると、日本食としての特徴がわかりにくくなります。サンバル味の唐揚げやルンダン風カレーなどのローカル寄りのメニューを設ける場合でも、だし、焼き方、衣、盛り付け、食材品質など、店舗の核となる日本らしさを残すことが重要です。

    辛さ・量を選べるようにする

    「インドネシアでは辛い料理が好まれる」と考え、すべての料理を強く辛くするのは適切ではありません。辛さを抑えた料理を好む人もおり、地域によっては甘い味付けも親しまれています。そのため、飲食店側は、幅広い客層に受け入れられるような工夫をする必要があります。

    とはいえ、辛いものが好きな人が多いのは事実で、「辛さが足りない(サンバルやソースが少ない)」という不満は、飲食店によくあるクレームの一つです。辛さの段階を選べるようにしたり、アヤムゴレンなどシンプルな料理に別添えでおかわり自由のサンバルを用意したりすると、満足してもらいやすくなるでしょう。

    また、「コスパ」を重視する層に向けては、料理、特にご飯の量も重要です。価格とのバランスを見つつ、一人ひとりに合わせられるよう、小・中・大・特大など選べるようにする、おかわりを安く、または無料で提供するなど、工夫の余地があります。付け合わせの野菜やスープがおかわり自由の店もあります。

    試食調査を行う場合は、「おいしいか」「好きか嫌いか」だけでなく、甘さ、辛さ、塩味、香り、ご飯の量、価格、見た目、再購入意向などを分けて確認すると、よい検討材料になります。

    提供方法も現地化する

    オンラインフードデリバリーが普及しているインドネシアでは、テイクアウトやデリバリー向けのメニュー開発も重要なポイントです。店内提供用メニューを容器だけ変えて対応する、デリバリー専用のメニューやセットを作るなど、さまざまな戦略・対応方法があります。

    また、ある程度規模のある飲食店では、会食を大切にする現地の文化に合わせ、シェア用のメニューや、「5人前」「10人前」などのセットメニューを用意することも一般的です。このような店舗では、長時間利用のニーズを考慮したドリンクやデザートメニューの設計も必要になります。

    インドネシアでは、対象とする都市、所得層、年齢、利用シーンによって適切なメニューや提供方法、価格帯が変わります。

    具体的なメニュー案がある場合は、インドネシア人への試食やアンケートを実施し、仮説を確認することが有効です。弊社のインドネシア人を対象としたアンケート調査サービスも、ぜひご利用ください。

    インドネシアの食文化を理解し、現地に合うメニューを考える

    インドネシアの食文化は、米を中心とする食事や豊富な香辛料・調味料を土台としながら、地域や民族ごとに多様に発展してきました。ナシゴレン、ミーゴレン、サテなど、日本の料理と形や調理方法が似たメニューもありますが、味付け、食べ方、使用する食材には違いがあります。

    日系飲食店がメニューを考える際は、米、麺、鶏肉、魚、大豆食品など、両国で親しまれている食材を入口にしつつ、辛さや甘さ、量、セット内容、提供方法を現地の食習慣に合わせることが重要です。

    日本食に似た料理がすでに存在することは、料理の内容を理解してもらいやすいという利点がある一方、現地料理や既存店との競合につながります。また、見た目が似ていても、食べ慣れた味との違いが違和感を生む可能性もあります。

    「似た料理があるから受け入れられる」と判断するのではなく、出店地域や顧客層を明確にしたうえで、現地の反応を確認しながら商品を調整していくことが大切です。

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