特定技能インドネシア人の採用方法と費用
- 公開
- 2024/10/21
- 更新
- 2026/06/20
- この記事は約14分16秒で読めます。
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特定技能インドネシア人を採用する方法は何がありますか?
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主な方法は、日本国内の人材紹介会社を使う方法と、インドネシア国内のP3MIと連携して採用する方法です。初めて採用する場合は、在留資格申請や入社後支援まで相談できる日本国内の紹介会社・登録支援機関を活用する方法が進めやすいです。
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特定技能インドネシア人の採用費用はいくらですか?
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日本の人材紹介会社を介した採用時の初期費用は、1名あたり30万〜60万円前後がひとつの目安です。登録支援機関に委託して入社後の支援を提供する場合、1名あたり月額1.5万〜3万円程度の支援費が必要になります。
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日本企業が特定技能インドネシア人の採用前に確認すべきことは何ですか?
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採用ルート、紹介会社やP3MIの実績、費用の内訳、登録支援の内容、候補者本人の費用負担を確認することが重要です。
インドネシア人を特定技能人材として採用する場合、その方法は大きく分けて、日本国内の人材紹介会社を使う方法と、インドネシア現地のP3MIと連携する方法があります。また、特に日本の人材紹介会社を使うケースでは、インドネシアから人材を呼び寄せるほかに、すでに日本にいる人材を採用するという選択肢もあります。
採用にかかる費用も、紹介手数料だけでなく、在留資格申請、登録支援、渡航費、住居準備費などを含めて考える必要があります。採用方法や費用負担を十分に理解しないまま進めると、想定外のコストや手続きの遅れ、入社後の定着トラブルにつながることもあります。
本記事では、特定技能インドネシア人の主な採用方法と費用相場、P3MI・LPKなど現地機関と連携する際の注意点を解説します。
特定技能インドネシア人を採用する主な方法
日本の人材紹介会社を使う
特定技能インドネシア人を採用する場合、日本国内の人材紹介会社や登録支援機関を通じて採用する方法が一般的です。
この場合、インドネシアの企業や教育機関とつながりのある日本の紹介会社に相談し、求人内容の整理、候補者の紹介、面接調整、内定後の在留資格申請、入社後支援までを進めます。初めて特定技能外国人を採用する企業にとっては、最も進めやすい採用ルートといえます。
インドネシアの送り出し機関と連携する
インドネシア国内で候補者を探し、インドネシア移民労働者配置会社(P3MI)など現地の送り出し機関と連携して採用する方法もあります。
インドネシア国内の日本語学校、職業訓練機関(LPK)、P3MIなどとつながり、現地で候補者を集める方法です。採用単価を抑えられる可能性がある一方で、現地制度、候補者管理、送り出し手続き、費用負担などについて、自社で確認する必要があります。
なお、インドネシアでは、特定技能人材の送り出しに関し、必ず通すべき送り出し機関はありません。そのため、制度上は、受け入れ企業が現地の教育機関や応募者と直接やり取りをして採用することもできますが、一般的には、政府認定のP3MIが現地側の手続きを担います。
【補足】
インドネシアからの特定技能人材の紹介に技能実習制度のような「送り出し機関」は不要ですが、本記事ではインドネシア人の送り出しを担う企業であるP3MIを、「送り出し機関」の一つとして扱います。
すでに日本にいるインドネシア人を採用する場合
特定技能人材の採用の際、必ずしも海外から人材を呼び寄せる必要はありません。
日本国内にいる留学生、技能実習修了者、他社で特定技能として働いている人材などを採用するルートもあります。この場合、自社で求人広告を出すなどして募集するか、日本に滞在し、就職・転職先を探している人材に対応できる人材紹介会社に依頼して候補者を探します。
日本国内の外国人を採用するメリットは、外国人本人が日本の生活に慣れているため、環境への適応に関して心配が少ないという点です。また、海外から呼び寄せる場合よりも入社までの手続きや費用が少なくなる傾向があります。
海外在住者を採用する場合と、日本在住者を採用する場合の違い
インドネシアにいる人材を採用する場合と、すでに日本にいる人材を採用する場合では、必要な手続きや準備が異なります。
インドネシア在住者を採用する場合は、候補者の選定後、以下のような手続きが必要になります。
- 雇用契約の締結
- 在留資格認定証明書交付申請
- ビザ取得
- 航空券の手配
- 入国時の送迎
- 住居準備・生活立ち上げ支援など
採用から入社までの期間も、日本国内在住者を採用する場合より長くなることが一般的です。
一方、日本在住者を採用する場合は、すでに日本にいるため、入国に関わる手続きは不要です。
ただし、留学生や技能実習修了者などを特定技能として雇用する場合は、在留資格変更許可申請が必要になるケースがあります。また、他社で特定技能として働いている人を採用する場合は、転職に伴う手続きや、前職との契約関係も確認する必要があります。
【補足】
特定技能1号で働くには、原則として、日本語試験と分野別の技能試験に合格している必要があります。ただし、技能実習2号を良好に修了した人が特定技能に移行する場合、条件を満たせば試験が免除されます。
採用ルートの選び方に迷う場合は、まず自社の採用人数・職種・時期を整理することが重要です。インドネシア人材の採用方法について詳しく聞きたい方は、こちらからご相談ください。
日本国内の人材紹介会社を活用して採用する方法
日本国内の人材紹介会社を使うメリット
日本企業が特定技能インドネシア人を採用する場合、最初に検討しやすいのが、日本国内の人材紹介会社を活用する方法です。
特定技能の採用では、求人票の作成、候補者の条件整理、面接調整、内定後の書類確認、在留資格申請、登録支援機関との連携など、通常の中途採用とは異なる手続きが発生します。日本国内の紹介会社を使えば、これらの採用実務を日本語で相談しながら進められる点が大きなメリットです。
また、特定技能1号では、受け入れ企業は外国人材に対して、仕事面だけでなく、日本で生活するための支援も行う必要があります。具体的には、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供、相談対応、定期面談などが含まれます。
これらの支援は自社で行うこともできますが、登録支援機関に委託することも可能です。登録支援機関に支援計画の全部を委託した場合、支援体制の基準を満たしたものとみなされます。
そのため、人材紹介を依頼する会社が、候補者の紹介だけでなく登録支援まで対応しているか、または登録支援機関と連携しているかも確認しておくとよいでしょう。
人材紹介会社に依頼する場合の基本的な流れ

日本国内の人材紹介会社を使う場合、一般的には次のような流れで採用が進みます。
①人材紹介会社との事前相談~求人内容の整理
まず、受け入れ企業側で、採用したい職種、人数、勤務地、給与、勤務時間、住居の有無、求める日本語レベルなどを整理します。そのうえで、人材紹介会社に相談し、求人内容を作成します。
②候補者の紹介・面接~内定・雇用契約
次に、人材紹介会社から候補者の紹介を受け、オンライン面接や現地面接を行います。面接後、採用したい人材が決まれば、内定を出し、雇用契約を締結します。
③在留資格申請・入社準備~渡航・入社
その後、在留資格認定証明書交付申請、ビザ取得、渡航準備、入国、入社という流れになります。日本在住者を採用する場合は、在留資格変更許可申請が必要になるケースがあります。
人材紹介会社を選ぶときに確認すべきこと
有料職業紹介事業の許可があるか
特定技能インドネシア人の採用を人材紹介会社に依頼する場合は、まず厚生労働大臣による「有料職業紹介事業の許可」を持っているかを確認します。日本で職業紹介を行うには、対象が日本人でも外国人でも、原則としてこの許可が必要です。
あわせて、登録支援機関として登録されているか、または登録支援機関と連携しているかも確認します。
インドネシア人材の紹介実績があるか
次に、インドネシア人材の紹介実績があるかを確認します。
インドネシアには、海外労働者が出発前に行うべき独自の手続きがあります。そのため、現地に連携先機関があり、インドネシア人材の紹介実績をもつ企業かどうかを確認しておくと安心です。
費用内訳は明確か
費用は総額だけではなく、内訳も重要です。紹介手数料、登録支援費、在留資格申請サポート費、返金規定などを確認しておきましょう。
また、候補者側の負担も確認することをおすすめします。候補者がインドネシア側で過大な費用を負担している場合、入社後の生活や定着に影響する可能性があります。
人材紹介会社と登録支援機関の違い
人材紹介会社と登録支援機関は、役割が異なります。
人材紹介会社は、求人企業と求職者の間に入り、雇用関係の成立をあっせんする会社です。一方、登録支援機関は、特定技能1号外国人が日本で安定して働き、生活できるように、受け入れ企業から委託を受けて支援計画を実施する機関です。
1社が有料職業紹介事業者と登録支援機関の両方を兼ねている場合もあります。その場合、採用から入社後の支援まで一括で相談できるため、初めて特定技能外国人を採用する企業にとっては進めやすいことがあります。
ただし、紹介手数料と支援委託費は別の費用です。人材紹介会社に依頼する際は、「紹介だけなのか」「登録支援まで含むのか」「在留資格申請のサポートは含まれるのか」を事前に確認しておきましょう。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
特定技能インドネシア人の採用にかかる費用
特定技能人材の採用費用は、採用時に発生する初期費用と、入社後に発生する継続費用に分けて考えると整理しやすくなります。紹介手数料だけでなく、在留資格申請、渡航、住居準備、登録支援機関への月額支援費なども含めて、総額を確認しておくことが重要です。
以下では、日本の人材紹介会社を介して人材を採用する場合の主な費用と相場を紹介します。
| 費用項目 | 相場・目安 | 発生タイミング | 補足 |
|---|---|---|---|
| 人材紹介会社への紹介手数料 | 1人あたり10万〜50万円程度 | 採用決定時・入社時など | 定額制の場合もあれば、年収の一定割合で設定される場合もあります。返金規定の有無も確認が必要です。 |
| 在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請のサポート費 | 10万〜20万円程度 | 採用決定後〜入社前 | 海外在住者を呼び寄せる場合は認定申請、日本在住者を特定技能へ変更する場合は変更申請が必要です。 |
| 在留期間更新許可申請のサポート費 | 3万〜8万円程度 | 在留期限前 | 継続雇用する場合や、在留期限が近い人材を採用する場合に必要です。 |
| 登録支援機関への月額支援費 | 1人あたり月額1.5万〜3万円程度 | 入社後、毎月 | 事前ガイダンス、生活オリエンテーション、定期面談、相談対応などの支援内容を確認します。 |
| 渡航費・航空券代 | 実費 | 入国前 | インドネシア在住者を採用する場合に負担することになる可能性があります。 |
| 住居準備・生活立ち上げ費 | 実費 | 入社前後 | 住居の初期費用、家具・家電・寝具、生活備品など。会社がどこまで負担・支援するかを事前に整理します。 |
| 通訳・翻訳費 | 実費 / 数千円〜数万円程度 | 必要に応じて | 面接、雇用契約、入社手続き、定期面談、行政手続きなどで発生する場合があります。 |
| 日本語学習支援・研修費 | 実費 | 入社前後・雇用中 | 登録支援費に含まれる場合もあれば、別料金・オプションになる場合もあります。 |
| ※給与・社会保険料などの人件費 | 日本人と同等以上の報酬 | 雇用開始後、毎月 | 特定技能外国人には、日本人が同じ業務に従事する場合と同等以上の報酬を支払う必要があります。 |
初期費用
初期費用としては、主に以下のようなものが想定されます。
- 人材紹介会社への紹介手数料
- 在留資格申請や書類作成に関する費用
- 渡航費
- 住居準備費・生活立ち上げ費用
- 通訳・翻訳費など
どのような人材を紹介してもらうか、渡航費を負担するかなどによって幅はありますが、特定技能人材を1名採用する場合、初期費用は合計でおおむね30万〜60万円前後を見ておくとよいでしょう。
【補足】
航空券代などの渡航費は、採用ルートやP3MIの関与の有無によって扱いが変わることがあります。インドネシア側のルールで雇用主負担とされる費用もあるため、採用前に必ず確認しておきましょう。
継続費用
継続費用としては、
- 登録支援機関に支援を委託する場合の月額支援費
- 日本語学習支援
- 定期面談・相談対応・通訳対応
などがあります。
登録支援機関への支援委託費の相場
特定技能1号では、受け入れ企業が外国人材に対して支援を行う必要があります。自社で支援体制を整えることもできますが、人材確保などの点で負担が大きいため、登録支援機関に委託するケースも多くあります。
登録支援機関に支援を委託する場合、月額の支援委託費が発生します。
前述のとおり、相場は1人あたり月額1.5万~3万円程度ですが、この金額にどのようなサービスが含まれるかは登録支援機関によって異なります。月額支援費に含まれない場合、「事前ガイダンス」「出入国時の送迎」など、支援項目ごとに費用が発生することがあります。
そのため、複数社から見積もりを取り、支援内容と費用の内訳を比較することが重要です。
給与・雇用条件に関する注意点
特定技能外国人を雇用する場合、報酬額は日本人が同じ業務に従事する場合と同等以上である必要があります。また、保証金の徴収や違約金契約は認められていません。人材紹介会社に依頼する場合でも、最終的な受け入れ責任は企業側にあるため、給与、労働時間、費用負担の内容は必ず確認しておきましょう。
「インドネシア進出を前向きに検討しているものの、コンサルティング費用に月額20万〜30万円をかけるのは悩ましい。」そんな企業様にも気軽にご利用いただけるよう、弊社では月額5万円のインドネシア進出支援サービスをご提供しています。
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特定技能インドネシア人の紹介会社・支援機関の例
ここでは、特定技能インドネシア人の紹介・採用支援を行っている会社を紹介します。実際に依頼する際は、対応分野、費用、返金規定、登録支援の有無、P3MIとの連携状況を個別に確認してください。
PERSOL Global Workforce
PERSOL Global Workforceは、パーソルグループ外国人材サービス会社です。同社は2021年、特定技能「介護」を中心に、ネパール、インドネシアの人材紹介を開始し、その後は対応分野を広げ、飲食料品製造業、宿泊業、外食業、自動車運送業などの人材紹介も行っています。
また、2023年にはインドネシア農業省傘下の機関と、農業分野における特定技能人材の育成・就業に向けたプロジェクトをスタートさせています。
人材紹介に加え、登録支援機関として、必要な支援サービスも提供しています。
- Webサイト:https://persol-gw.co.jp/
G.A.グループ
G.A.グループは、1995年創業の歴史ある外国人材紹介会社です。現在は登録支援機関としても活動し、特定技能人材の紹介から、入社前後の支援や手続きまでワンストップでサポートしています。
介護、ビルクリーニング、建設、工業製品製造業、自動車運送業、宿泊、農業、飲食料品製造業、外食業など、幅広い分野で人材紹介の実績があります。人材の出身国も、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなどさまざまです。
- Webサイト:https://gagr.co.jp/
株式会社UTI
株式会社UTIは、特定技能インドネシア人の紹介を専門とする人材紹介会社です。インドネシアのP3MIと連携し、介護業、外食業、製造業、建設業などの分野で人材を紹介しています。また、登録支援機関としてのサービスも提供しています。
- Webサイト:https://ssw.uti-inc.com/
MS PONO
MS PONOは、特定技能人材の登録者数や対応分野の広さを強みとする人材紹介会社・登録支援機関です。インドネシアを中心に、ベトナムやフィリピンの多数の機関と提携し、特定技能16業種すべての職種に対応しています。入社前から入社後まで受け入れ企業・外国人双方を手厚くサポートしています。
- Webサイト:https://www.mspono.com/
ALTIMA
ALTIMAは、「外国人材採用のトータルアドバイザー」として、高度人材や特定技能人材の紹介に特化した人材紹介会社です。
外国人材採用のコンサルティング、人材紹介、入社後の定着サポート、人材管理までをワンストップで提供し、2018年の創業以降、すでに1,000人以上の外国人採用支援を実施してきました。登録支援機関としての定着支援・人材管理サービスも提供しています。
- Webサイト:https://www.altima-co.com/
インドネシアの送り出し機関と連携して採用する方法
P3MIと直接連携する場合のポイント
早い段階から直接アプローチ・継続的な採用が可能
インドネシアから特定技能人材を採用する場合、日本国内の人材紹介会社を介さず、インドネシア国内のP3MIと直接提携して、特定技能人材を探す方法もあります。
P3MIは、インドネシア人を海外へ送り出す役割を担う現地側の人材会社であり、日本側の受け入れ企業と連携して、候補者の募集、選考、出国前の手続きなどを進めます。
この方法のメリットは、日本の人材紹介会社を介する場合に比べて、現地の候補者層に直接アプローチしやすい点です。日本の人材紹介会社に対する支払いも発生しません。
また、LPKや日本語学校などとつながりのあるP3MIであれば、日本語学習中の人材や、これから特定技能試験を受ける候補者にも早い段階から接触できる可能性があります。採用人数が多い場合や、継続的にインドネシア人材を採用したい場合には、現地パートナーとの関係構築が採用力につながることもあります。
採用のための時間・人員・確認コストがかかる
一方で、P3MIとの契約条件、費用負担、候補者の教育状況、出国前手続き、在留資格申請との役割分担などは、日本企業側でも確認が必要です。
現地事情に不慣れなまま進めると、手続きの遅れや費用負担の認識違いが起こる可能性もあるため、信頼できるP3MIを見極め、必要に応じて日本側の登録支援機関や専門家とも連携しながら進めることが重要です。
特定技能人材の採用を目指す日本企業がP3MIと直接連携する場合、日本の人材紹介会社に任せるケースに比べ、より積極的に働きかけを行う必要があります。場合によっては、人材募集の段階から協力することもあります。
現地のP3MI・LPK・日本語学校を確認するには、現地視察も有効です。弊社のインドネシア現地視察支援サービスについては、こちらからご覧ください。
P3MIと連携した人材募集・採用方法
以下では、P3MIがどのように人材を募集しているのかを紹介します。
グループ内外のLPKとの連携
技能実習生の教育と送り出しを目的とした職業訓練機関(LPK)や送り出し機関(SO)の資格をもつ企業が、特定技能制度に対応するため、新たにP3MIを設立するケースが多くなっています。
代表例として、2008年創業のPT. Minori(Minoriグループ)があります。同グループはLPKおよびSOとしての事業を続けてきましたが、2024年にはP3MIとしての事業登録を行い、特定技能制度のための人材教育や送り出しを始めました。
また、留学やインターンシップを支援するPT. Japan Indonesia Program Akademik(PT JIPA)は、2015年にLPK Momiji、2018年に関連会社PT Jaya Indonesia Pandu Abhipraya(JIPA P3MI)を設立しています。
このように多くのP3MIがグループ会社・関連会社にLPK、SO、日本語学校などを持っており、相互に連携して登録者募集を行っています。
特定技能人材として日本での就業を目指す人はまず、特定技能の資格を得るための試験に合格する必要があります。そのため、知識がゼロの状態の人がP3MIの門を叩くことはあまりありません。
希望者はまず、日本語学校やLPKで日本での就業や特定技能に関する情報を集め、必要に応じて訓練を受けます。その後、所属する日本語学校やLPKの紹介でP3MIに登録するというステップを踏むルートが多くなっています。
会社のWebサイト・SNS

前述のとおり、特定技能制度で日本での就労を目指すインドネシア人の多くは、P3MIに登録します。一般的に、Webサイトから問合わせや申込みが可能でが、グループ内の日本語学校やLPKから登録者を募っているP3MIが多いことから、WebサイトやSNSの機能は必要最小限に留まっている場合もあります。
一方で、登録者をWebサイトに集め、オンラインでのサービスに力を入れているP3MIもあります。
例えば、ジャカルタと長野に拠点を置くKarir Jepang(カリル・ジュパン)は、登録者に対し、Web上で求人情報の提供を行っています。また同社は、特定技能に関する情報や日本での仕事、生活に関する情報、日本語の知識などを発信し、Instagramにフォロワー約3万人を有します(2026年5月時点)。
セミナーなどイベントの開催
セミナーなどの公開イベントを開催することで、登録者を増やそうとするP3MIもあります。例えばJIPA P3MIは、特定技能の各分野に関するウェビナーを、定期的に開催しています。
職業高校・大学との連携
多くのP3MIが、職業高校(SMK)や大学、専門学校などと連携しています。特に、SMKで特定の産業分野の知識を身につけた生徒が、初級の日本語を学び、特定技能制度で日本へ渡るための窓口として、P3MIは重要です。
例えば、東ジャワ州マランを拠点にP3MIとして活動し、LPKとSOの資格ももつPT. Mitra Sinergi Sukses(ミトラ・シネルギ・スクセス)は、出張授業を行うなど、地域のSMKと連携しています。
特定技能インドネシア人を送り出す「P3MI」とLPK・SOの違い
P3MIの役割
P3MIは、Perusahaan Penempatan Pekerja Migran Indonesia(インドネシア移民労働者配置会社)の略称です。インドネシア政府から認可を受け、海外就労者の配置・送り出しを担う事業を行う企業で、日本との間では、インドネシア在住者を特定技能人材として採用する場合に関与することがあります。
具体的には、
- インドネシア国内で候補者を募集する
- LPK・日本語学校・職業訓練校などと連携する
- 候補者の書類確認や出国前手続きを支援する
- 日本側の受け入れ企業や登録支援機関と連携する
このようにして、インドネシアの海外での就労を希望する人と、募集する日本企業を結ぶ役割を担います。
日本企業がP3MIと直接連携する場合は、P3MIとしての許可の有無、過去の送り出し実績、特定技能人材の対応実績、費用負担の説明内容を確認することが重要です。
P3MIとLPKの違い
| 機関名 | 主な役割 |
|---|---|
| 移民労働者配置会社(P3MI) | 海外就労に向けた労働者の配置・送り出し ※日本向けには特定技能などを想定 |
| 送り出し機関(SO) | 技能実習生候補者の送り出し |
| 職業訓練機関(LPK) | 言語教育、技能訓練、試験対策、候補者育成 ※SOの資格を持てば送り出し可能 |
インドネシアからの人材募集に関連し、LPKという名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
職業訓練機関(LPK:Lembaga Pelatihan Kerja)は、インドネシア人登録者が国内外で働くための教育を行う機関です。教育内容は主に職業訓練ですが、海外就労を目指す人に向けては、言語教育や試験対策を行うケースも多くなっています。日本語教育や技能実習制度に特化した教育を得意とするLPKもあります。
LPKの役割は教育・訓練であり、海外への配置・送り出しは別の機関が担います。
LPKと提携して送り出しを行う機関としては、送り出し機関(SO:Sending Organization)があります。SOは技能実習生を日本へ送り出す機関です。SOの資格を有し、教育から送り出しまで行うLPKも多くなっています。
一方、P3MIはインドネシア人労働者を海外に配置する事業者であり、技能実習、特定技能など特定の制度に特化しているわけではありません。P3MIによってさまざまな国にインドネシア人を紹介しており、日本はその目的地の一つです。
【補足】
LPK単独では労働者の送り出しはできませんが、LPKがSOを兼ねていたり、グループ会社・関連会社にP3MIがあったりするため、日本企業から見ると同じ機関が育成から送り出しまでを担っているように見えることもあります。
特定技能インドネシア人を採用する日本企業のチェックポイント
日本との関係においては、特に特定技能人材の派遣という面で大きな役割を担うP3MIですが、課題もあります。現地側の制度や運用が変わることもあり、P3MIやLPKとの役割分担、費用負担、候補者管理について、事前にしっかりと確認することが重要です。
P3MIや仲介業者を名乗る不正業者に注意
P3MIは、インドネシア政府の許可を受けて海外就労者の配置・送り出しを行う事業者ですが、P3MIや仲介業者を名乗る不正業者には注意が必要です。実際に、候補者から保証金や手数料名目で高額な金銭を集めた詐欺事例や、海外就労に必要な書類を偽装した事例が報告されています。
例えば、2022年には、台湾向けの移民労働候補者の書類を偽装した疑いで、複数のP3MIが問題となりました。また、2023年には西ヌサトゥンガラ州で、P3MIが132人の候補者から保証金をだまし取ったとされる事件が報じられました。
日本企業がP3MIや現地パートナーと連携する場合は、P3MIとしての許可の有無、過去の送り出し実績、候補者本人に請求される費用の内訳を確認しておくことが重要です。候補者が不透明な費用を負担している場合、来日後の生活や定着にも影響する可能性があります。
- 参考:
ANTARA NTB「Kerugian korban penipuan P3MI di Mataram capai Pr 1,9 miliar」
BP2MI「Serius Perangi Kejahatan Terhadap PMI, BP2MI Usulkan Cabut Izin P3MI Yang Diduga Palsukan Dokumen CPMI Taiwan」
規則の頻繁な変更
インドネシアから特定技能人材を採用する場合、日本側の制度だけでなく、インドネシア側の制度変更にも注意が必要です。
特に2025年以降は、労働省から独立した「移民労働者保護省(BP2MI)」が、本格的に独自の省令を発行し始めています。例えば2025年には、移民労働者の配置費用に関する省令や、P3MIの許認可に関係する省令を発行しており、従来の労働省令からの置き換えが進んでいます。
そのため、P3MIと連携する場合は、過去の運用や古い資料だけで判断せず、最新の規則、必要書類、手続き期間、費用負担を都度確認することが重要です。
採用計画を整理し、自社に合うルートで採用を
特定技能インドネシア人の採用には、主に、日本国内の人材紹介会社を活用する方法、インドネシア国内のP3MIと連携して候補者を探す方法があります。
また、インドネシア在住者だけでなく、すでに日本にいるインドネシア人も選択肢になります。どのルートを選ぶかによって、採用までの流れ、必要な手続き、費用負担、入社までの期間が変わります。
特に、初めて採用する場合は、紹介手数料だけでなく、費用の総額と内訳を確認することが重要です。また、インドネシアで候補者を探す場合は、P3MI、LPK、SOの役割の違いを理解し、誰が候補者募集・教育・送り出し手続きを担うのかを確認しておく必要があります。
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