インドネシアの検疫対象リストの確認方法と注意点
- 公開
- 2026/06/07
- 更新
- 2026/06/21
- この記事は約8分42秒で読めます。
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インドネシアへ輸出する商品が検疫対象かどうかは、どこで確認できますか?
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インドネシアの検疫対象商品は、インドネシア検疫庁規則の品目表で確認できます。動物、魚、植物と、それらに関連する商品が対象となり、HSコードも掲載されています。
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加工食品や自社使用の商品も、検疫対象になりますか?
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加工済みの商品や、自社工場・店舗で使用する商品であっても、一律に対象外になるわけではありません。食肉加工品、水産加工品、飼料、植物由来原料を含む商品などは、検疫対象になる可能性があります。
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検疫を通過すれば、インドネシアで輸入・販売できますか?
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検疫は、輸入時に確認すべき規制の一つです。商品によっては、輸入承認(PI)、BPOM登録、ハラール対応、SNI認証、食品表示、輸入場所の指定なども確認する必要があります。複数の規制が重なることがあるため、初回輸出では商品ごとに確認しましょう。
インドネシアへの輸入にあたって、検疫は、対象品目のリストを確認すれば終わりというものではありません。
実際には、同じ水産加工品や植物由来品でも、HSコード、原材料、加工度、用途によって扱いが異なる可能性があり、なかには追加の情報や書類の提出、検査などが必要なものもあります。準備の際は、検疫対象リストを見るだけでなく、商品ごとの条件と手続きの流れまで押さえておきましょう。
また、書類をそろえるだけでなく、現物検査に備えた品質管理や社内体制の確認も欠かせません。
初めての輸入の際、検疫でつまづかないよう、本記事で対象品目や検査の流れなどの基本を押さえてください。
インドネシアへの輸入時に必要な「検疫」とは
インドネシアの検疫制度は、海外から病害虫や感染症が持ち込まれることを防ぎ、国内の動物、魚、植物などを守るための制度です。生鮮品だけでなく、食肉加工品、水産加工品、飼料、植物由来原料を含む商品なども、検疫対象になる可能性があります。
基本法は、動物・魚・植物の検疫に関する「2019年法律第21号」です。同法では、動物、魚、植物だけでなく、食品、飼料、遺伝子組換え製品、生物資源、外来種なども含む幅広い管理の枠組みが定められています。
インドネシアでは、動物、魚、植物の検疫をインドネシア検疫庁(Barantin:Badan Karantina Indonesia)が所管しています。検疫庁は大統領直属の非省庁政府機関で、動物検疫、魚類検疫、植物検疫を一体的に扱っています。
検疫の手続きは、主に輸入側が行います。輸出側は、必要に応じて商品の情報や書類を提供します。
インドネシアでの輸入・流通には、現地の輸入業者やディストリビューターとの連携が欠かせません。弊社では、候補企業とのマッチングや商談設定を支援しています。輸出販売ビジネス支援サービスの詳細は、こちらをご覧ください。
インドネシアの検疫対象リスト:代表的な商品

特定の商品が検疫対象かどうかを確認する具体的な方法の前に、インドネシアで検疫対象となる代表的な商品を紹介します。
【補足】
以下で紹介するのは、あくまでも代表例です。各分類に該当する商品が、すべて一律に検疫対象になるとは限りません。また、一覧にない商品でも検疫対象になる場合があります。
動物・畜産物に関する主な検疫対象
動物検疫では、生きた動物だけでなく、動物由来の商品も確認対象になります。
| 分類 | 代表例 |
| 生体動物 | 牛、豚、鶏、ペット、実験動物など |
| 食肉・畜産物 | 牛肉、豚肉、鶏肉、内臓、卵、乳製品など |
| 加工品 | 食肉加工品、動物由来原料を含む商品の一部など |
| 非食品 | 皮革、骨、角、羽毛など |
| 飼料関連 | 動物飼料、ペットフードなど |
動物検疫の対象商品のなかには、衛生証明書(Health Certificate)などの証明書に加え、輸出施設の認定や輸入承認(PI)が必要なものもあります。
食肉や動物由来原料を含む加工品については、「加工済みだから検疫対象外」と安易に判断せず、個別に確認しましょう。
魚・水産物に関する主な検疫対象
魚類検疫では、生きた魚、冷蔵・冷凍水産品、水産加工品、飼料用水産物などが対象になります。
| 分類 | 代表例 |
| 生きた水産動物 | 魚、甲殻類、貝類、観賞魚など |
| 食用水産品 | 冷蔵・冷凍の魚介類、切り身など |
| 水産加工品 | 加工済みの魚介類、藻類加工品の一部など |
| 養殖・飼料関連 | 種苗、水産物由来の飼料原料の一部など |
魚・水産物のなかにも、輸出施設の認定や輸入承認(PI)が必要なものがあります。
植物・農産物に関する主な検疫対象
植物検疫では、種子や苗、野菜、果物、穀物、茶、木材などが確認対象になります。
| 分類 | 代表例 |
| 栽培・繁殖用 | 種子、苗木、球根、挿し木など |
| 生鮮品 | 野菜、果物、切り花など |
| 農産物 | 穀物、豆類、茶葉、コーヒー豆、香辛料など |
| 木材関連 | 木材、未加工木材を使用した梱包材など |
| 植物由来品 | 植物由来の原材料を含む商品の一部など |
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
特定の商品が検疫対象か調べる方法
検疫対象となる商品の中心的なリストは、「2024年インドネシア検疫庁規則第1号」で定められ、「2025年インドネシア検疫庁規則第5号」によって一部改正されました。実務では、改正後のリストを確認する必要があります。
- 参考:DATABASE PERATURAN「Peraturan Badan Karantina Indonesia Nomor 5 Tahun 2025」
【補足】
規則は改正される可能性があります。常に最新情報を確認するようにしましょう。
1. 最初に商品情報を整理する
対象商品を調べる前に、次の情報を整理します。
| 確認項目 | 内容 |
| 商品名 | 日本語・英語・インドネシア語の商品名 |
| HSコード | 日本側とインドネシア側で使用するコード |
| 原材料 | 動物、魚、植物に由来する成分の有無 |
| 加工方法 | 加熱、乾燥、冷凍、粉砕、発酵など |
| 温度帯 | 常温、冷蔵、冷凍 |
| 用途 | 小売、飲食店向け、工場用、自社使用、サンプルなど |
| 原産国 | 原料と完成品の原産国 |
| 製造施設 | 製造、加工、と畜、保管を行う施設 |
| 輸送条件 | 輸入場所、木包装材の使用、荷姿(梱包形態)など |
同じ商品名でも、原材料や加工方法が違えば、必要な手続きが変わることがあります。現地の輸入者や通関業者に相談する際も、これらの情報が必要です。
2. HSコードから対象品目を確認する
まず、「インドネシア関税率表(BTKI)」やオンライン検索システム「INTR(Indonesia National Trade Repository)」でHSコードを特定します。
続いて、そのHSコードの商品が2025年インドネシア検疫庁規則第5号によって改正された品目表に掲載されているか確認します。
ただし、HSコードだけで判断できない場合もあります。同じHSコードの範囲に複数の商品が含まれる場合や、原材料、加工度、用途によって追加確認が必要になる場合があるためです。
検疫庁規則の品目表(例)

こちらは、2025年インドネシア検疫庁規則第5号の「輸入・輸出時に動物・魚・植物検疫の検査が義務付けられる品目」の最初のページです。動物検疫の検査対象品目一覧(輸入)の部分で、生きた馬(Kuda)やロバ(Keledai)がリストアップされています。
植物由来生鮮食品の追加確認
植物由来の商品では、病害虫だけでなく、食品安全規制も確認します。特に、植物由来生鮮食品(PSAT:Pangan Segar Asal Tumbuhan)は、残留農薬などに関する食品安全規制も確認し、必要に応じて定められた方法による検査を受けます。
植物関連品では、HSコードだけでなく、検疫庁の植物検疫ページで品目別・原産国別の追加条件も確認しておくと安心です。
3. 現地の輸入者や専門家に個別確認する
リストで調べた後は、現地の輸入者、通関業者、物流会社などに確認します。
特に、初めて輸出する商品、複数の原材料を含む加工品、畜産物、水産食品、生鮮農産物では、リストを見ただけでは判断が難しい場合があります。商品仕様書、成分表、製造工程表、HSコード候補を共有し、出荷前に必要書類を確定しましょう。
自社の商品が検疫対象になるのか、どの規制から確認すべきか判断が難しいケースもあります。ぜひ一度、こちらからご相談ください。
カジュアルにインドネシア進出を試した小売企業様の事例
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ドラッグストアやショッピングモールでの市場調査、競合商品の価格調査、現地消費者へのインタビューを実施。市場性を確認した上で、正式なインドネシア進出を決定した。(化粧品企業様)
- 営業経験のあるインドネシア人を2名チームで雇用し、スポーツジムや病院、リハビリ施設などへの営業活動を実施。販売代理店候補の開拓や市場ニーズを調査し、調査後に販売体制を構築した。(健康器具メーカー様)
- EC運営経験のあるインドネシア人チームを雇用し、現地ECモールへの出品やSNSを活用したテストマーケティングを実施。売れ筋商品やターゲット層を分析し、本格的な販売開始につなげた。(総合雑貨メーカー様)
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。小売関連のビジネスであれば、貴社でもそれが可能です。
検疫対象品をインドネシアへ輸入する際の流れ

ここでは、一般的な流れを説明します。必要な手続きは、商品によって異なります。
1. 商品情報と輸入条件を確認する
最初に、HSコード、原材料、加工方法、用途、原産国、製造施設、輸入場所などを整理します。
そのうえで、検疫対象リストを確認し、現地の輸入者や通関業者と必要な手続きをすり合わせます。商品によっては、輸入関連の許認可や施設認定の対応を先に行う必要があります。
2. 原産国側で必要書類を準備する
必要書類の代表例としては、次のようなものが挙げられます。
| 書類 | 主な対象例 |
| 衛生証明書 (Health Certificate) | 動物、畜産物、水産食品など |
| 植物検疫証明書 (Phytosanitary Certificate) | 植物、農産物、種子など |
| 分析証明書 (Certificate of Analysis:CoA) | PSAT対象品の残留農薬等検査など |
| インボイス・パッキングリスト | 通関時の基本書類 |
| 輸入許可関連書類 | 商品ごとに必要な場合 |
証明書によっては、日本を出発した後に追加取得することが難しいものがあります。書類の名称だけでなく、発行機関、記載事項、取得時期も確認しましょう。
3. 検疫検査申請を行う
輸入者は、INSW(インドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウ)ポータルにログインし、税関・検疫関連の申請システムであるSSmQCを通じて検疫検査を申請します。
申請時には、商品情報、輸送情報、原産国側で取得した証明書など、対象品目に応じた情報・書類を提出します。
4. 必要に応じてPrior Noticeを提出する
商品によっては、輸出国側から検疫の事前通知(Prior Notice)を提出します。Prior Noticeは、動物、魚、植物およびそれらの製品などについて、インドネシア検疫当局に対して輸出・到着情報を事前に通知する手続きです。
Prior Noticeが必要な商品の場合、輸出者または発送者が専用Webページから出発前に提出します。
5. 到着後に申告し、必要な検査を受ける
貨物が指定された港や空港に到着した後、輸入者は必要書類を提出し、検疫上の確認を受けます。
商品によっては、書類確認だけでなく、現物検査、サンプリング、検体検査、隔離、消毒などが行われます。条件を満たしていることが確認されると、証明書類が発行され、検疫上の手続きが完了します。
【補足】
検疫対象となる商品の搬入・搬出場所は、検疫庁により別途定められています。利用予定の港や空港で対象商品を取り扱えるか、事前に確認しましょう。
インドネシアへの輸入に関しては、輸入者が大きな役割を担います。輸出・輸入を自社で完結させるため、現地拠点を設立したい方は、まず、インドネシア進出の基本事項をまとめた「インドネシア進出ハンドブック」をこちらからダウンロードしてみてください。
インドネシアへの検疫対象品の輸入でよくある注意点
加工品・サンプル品・自社使用品も、安易に対象外と判断しない
加工済みの商品、少量のサンプル、自社工場で使う原材料であっても、一律に検疫対象外になるとは限りません。
特に、食肉加工品、水産加工品、ペットフードなどは、商品名だけでは判断できない場合があります。展示会用のサンプル、試作品、郵送品、手荷物として持ち込む商品であっても、検疫やその他の輸入規制について、出荷前に確認しましょう。
木製パレットや木箱に注意する
機械、金属製品、日用品など、商品自体が検疫対象でないものでも、梱包材の確認は必要です。
未加工の木材を使ったパレット、木箱、貨物固定用の木材などは、植物病害虫を運ぶ可能性があります。木包装材を使用する場合は、国際基準ISPM 15に沿った処理が行われ、IPPCマークが付されたものを選びます。
一方、合板など、病害虫リスクを除去する方法で加工された木材は対象外です。
商品だけでなく、製造・加工・保管施設も確認する
牛肉、水産食品などでは、商品そのものの検査だけでなく、製造、加工、と畜、保管を行う施設の認定が必要になる場合があります。
未認定の施設で製造・加工した商品は、必要な証明書を取得できない可能性があります。原材料の調達先や加工委託先を決める段階から、条件を確認しましょう。
植物由来生鮮食品は、病害虫と食品安全の両方を確認する
前述のとおり、野菜、果物、穀物、茶などの植物由来生鮮食品では、病害虫の有無に加え、残留農薬などに関する食品安全規制も確認します。対象品目によっては、ロットごとの検査、検疫の事前通知(Prior Notice)、分析証明書などが必要です。
検疫以外の規制と輸入場所も、出荷前に確認する
検疫は、輸入手続きの一部です。
食品や畜産物では、商品に応じて、BPOM登録、ハラール対応、食品表示なども確認します。輸入承認(PI)、SNI認証、商品バランス(Neraca Komoditas)、輸入場所の指定などが関係する商品もあります。
輸出者、輸入者、通関業者、物流会社の役割分担を整理し、必要書類とスケジュールを出荷前に確定しましょう。
映像でみるインドネシアの検疫
検疫対象商品の現物検査

この動画は、中部ジャワ州スマランのTanjung Emas(タンジュン・エマス)港に到着した商品の現物検査の様子です。冒頭に登場する運送会社の職員と検疫所の職員が、貨物を確認しています。
現地では運送会社が事前に提出した書類と商品が一致しているかどうかが確認され、コンテナに「インドネシア検疫当局により検査済み」のシールが貼られました。
線虫検出で輸入タマネギ86.4トンを廃棄

インドネシア検疫庁は、2025年2月、オランダから輸入されたタマネギ86.4トンを高温焼却により廃棄しました。検査の結果、検疫対象植物病害虫(OPTK)にあたる有害な線虫が検出されたためです。
検疫庁は、この線虫が国内に広がった場合、インドネシアの農業に最大約731億ルピア(約6.6億円)の損失をもたらす可能性があると説明しています。
このように、検疫対象の輸入品は、書類や許認可が整っていても、実際の検査で病害虫が確認されれば廃棄などの措置を受ける可能性があります。
【補足】
円表記は、2026年6月1日のレート(1ルピア=0.0090円)で換算したものです。
検疫・輸入規制は商品ごとの条件を確認
インドネシアでは、動物、魚、植物と、それらに関連する商品が検疫対象の候補になります。自社使用品やサンプル品であっても、一律に対象外とは限りません。
検疫対象になる可能性がある商品については、HSコードと原材料、加工方法、原産国、用途、などを整理し、検疫対象リストを確認します。牛肉や水産食品の施設認定、植物由来生鮮食品(PSAT)の残留農薬検査など、品目固有の条件もあります。
特に初回輸出では、現地の輸入者や通関業者と検疫やその他の許認可の要否を早い段階で確認することが、成功の鍵となります。
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