インドネシアへの輸入で必要な検疫の事前通知(Prior Notice)とは?対象品目や手続きの流れを解説
- 公開
- 2026/06/11
- 更新
- 2026/06/21
- この記事は約7分25秒で読めます。
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インドネシアへ食品や原材料を輸出する場合、検疫の事前通知(Prior Notice)が必要ですか?
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検疫対象の商品の場合は原則必要です。動物、魚、植物そのものだけでなく、その派生製品、食品、飼料なども検疫対象になる可能性があります。実際の対象品目はHSコード別に整理されているため、商品ごとに確認が必要です。
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検疫の事前通知(Prior Notice)は、インドネシア側の輸入者が提出するのですか?
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原則として、原産国側の輸出者が作成、署名、提出します。日本から輸出する場合は日本側で対応が必要になるため、誰が実務を担当するのかを事前に整理しておくことが重要です。
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検疫の事前通知(Prior Notice)を提出すれば、インドネシアへ輸入できますか?
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Prior Noticeは検疫手続きの一部です。商品によっては、輸入承認(PI)、BPOM登録、ハラール対応など、別の要件も確認する必要があります。自社商品に必要な手続きを個別に整理することが重要です。
インドネシア向けの輸出では、商品そのものの規制確認に加え、出荷前の段取りが重要です。特に、検疫対象となる可能性がある商品は、証明書の取得、検疫の事前通知(Prior Notice)の入力、船積み・航空便のスケジュールを連動させて進める必要があります。
加工食品や業務用原材料のように、一見すると検疫とは無関係に思える商品でも、原材料や用途によっては確認が必要です。準備が後手に回ると、出荷直前に書類不足や入力担当者の不在が判明し、納期や物流コストに影響するおそれがあります。
本記事では、初回輸出で見落としやすい点を中心に、Prior Notice対応の基本を整理します。
インドネシアの検疫の事前通知(Prior Notice)とは
検疫手続きを円滑に進めるためのPrior Notice
Prior Noticeは、動物、魚、植物やその派生製品など、検疫対象の商品をインドネシアへ輸出する際、貨物が原産国を出発する前または出発時に提出する事前通知です。
インドネシアの検疫制度は、動物、魚、植物に関する害虫や疾病の侵入・拡散を防ぐための仕組みです。これに加え、食品・飼料の安全性や品質、遺伝子組換え製品、侵略的外来種などの監視・管理も含まれます。
Prior Noticeは、輸入時の検疫や関連手続きを円滑に進めるため、貨物到着前に必要な情報を共有する仕組みです。
Prior Noticeは輸出者が提出
輸入手続きの多くは、インドネシア側の輸入者や通関業者が中心となって申請を進めます。
しかし、Prior Noticeは、原産国側の輸出者・荷送人が主体となる手続きです。日本から輸出する場合、日本側でも対応が必要になります。
初回輸出では、自社商品が検疫対象かどうかを確認するとともに、Prior Noticeの提出を担当するのかを早い段階で整理しましょう。
【補足】
本記事では読みやすさを考慮し、Prior Noticeの手続き主体について、まとめて「輸出者」と表記します。
インドネシアでの輸入・流通には、現地の輸入業者や販売パートナーとの連携が欠かせません。弊社では、現地パートナー候補の選定や商談設定を支援しています。詳しくはこちらをご覧ください。
検疫の事前通知(Prior Notice)の対象品目
検疫・Prior Notice対象商品の代表例
Prior Noticeの要否を確認する際には、まず、自社商品が検疫対象品目に該当するかを確認します。
インドネシアの検疫対象には、生きた動物、魚、植物だけでなく、加工品、原材料、食品、飼料なども含まれる場合があります。代表例は以下の通りです。
| 分類 | 代表例 |
|---|---|
| 動物・畜産物 | 生体動物、食肉、卵、乳製品、食肉加工品、皮革、骨、羽毛、動物飼料、ペットフードなど |
| 魚・水産物 | 生きた魚、甲殻類、貝類、冷蔵・冷凍水産品、水産加工品、観賞魚、水産物由来の飼料原料など |
| 植物・農産物 | 種子、苗木、野菜、果物、切り花、穀物、豆類、茶葉、コーヒー豆、香辛料、木材など |
ただし、上記は代表例です。各分類に該当する商品がすべて一律に検疫およびPrior Noticeの対象になるわけではありません。また、一覧にない商品でも対象になる場合があります。自社工場で使用する原料、飲食店で使う食材、サンプル品や少量輸送であっても、対象外と自己判断するのは避け、個別に確認すると安全です。
- 参考:
JDIH BARANTIN「Peraturan Badan Karantina Indonesia Nomor 9 Tahun 2024 Tentang Dokumen dan Segel Karantina|Pasal 1 angka 5」
DATABASE PERATURAN「Peraturan Badan Karantina Indonesia Nomor 5 Tahun 2025|LAMPIRAN」
最新のHSコード別リストを確認する
検疫対象品目は、HSコード別に整理されています。自社商品が検疫対象品目に該当する場合は、原則としてPrior Noticeへの対応も必要です。自社商品のHSコード、原材料、加工方法、用途を確認し、最新の対象品目リストと照合しましょう。
検疫対象となる商品は、「2024年インドネシア検疫庁規則第1号」で定められ、「2025年インドネシア検疫庁規則第5号」によって一部改正されました。実務では、改正後のリストを確認する必要があります。
- 参考:DATABASE PERATURAN「Peraturan Badan Karantina Indonesia Nomor 5 Tahun 2025」
規則改正によって対象品目が見直される可能性もあります。以前に輸出できた商品であっても、過去の実績だけで判断せず、インドネシア側の輸入者や通関業者を通じて、最新の対象品目リストと照合しましょう。
検疫以外の輸入規制も確認する
Prior Noticeを提出したからといって、ほかの輸入規制への対応が不要になるわけではありません。商品が検疫対象であるかどうかと、インドネシアへ輸入できるかどうかは、分けて考える必要があります。
商品によっては、輸入承認(PI)、BPOM登録、ハラール対応、商品バランス(NK)なども確認しなければなりません。
自社商品に必要な許認可が何か整理したい方は、こちらからお気軽にご相談ください。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
検疫の事前通知(Prior Notice)手続きの準備
役割分担の整理
Prior Noticeは、インドネシア側の輸入者ではなく、原産国側の輸出者が作成・署名・提出します。日本から輸出する場合、日本側で対応が必要になるため、現地の輸入者にすべて任せられる手続きではありません。
メーカー、商社、輸出者、荷送人は、必ずしも同じ会社とは限りません。また、フォワーダーなどが実務を補助するケースも考えられます。輸出案件ごとに、誰がPrior Noticeの実務を担当するのかを明確にしましょう。
事前にアカウント登録を済ませる
初めてPrior Noticeポータルを利用する際は、アカウント登録が必要です。登録フォームへ必要事項を入力してサインアップし、登録したメールアドレス宛てに届く確認リンクをクリックすると、アカウントが有効になります。
出荷直前に登録を始めるのではなく、対象商品の輸出を具体的に検討し始めた段階で、アカウントの有効化とログイン確認を済ませておくと安心です。
証明書の発給時期を確認する
対象品目によっては、Prior Noticeの提出時に、衛生証明書(Health Certificate、Sanitary Certificateなど)、植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)などの参照番号、発行地、発行日を入力します。
そのため、日本側で必要な証明書が発行される時期と、船積み・航空便のスケジュールを確認し、貨物の出発前または出発時に必要情報を送信できる体制を整えておくことが重要です。
【補足】
Prior Noticeの提出時には、輸出者・輸入者の情報、商品名、数量、HSコード、積込港・荷卸港、輸送日程なども入力します。コンテナ輸送の場合は、コンテナ番号も必要です。情報は早い段階で整理しておきましょう。
入力できる情報は事前に入力しておく
Prior Noticeポータルでは、作成中の通知を保存し、後から必要情報を追加して提出できます。
出発直前にすべての情報を一から入力するのではなく、輸出者・輸入者情報や商品情報など、早い段階で確定している項目はあらかじめ入力しておくとよいでしょう。証明書番号、輸送情報、コンテナ番号などが確定しら情報を追加し、内容を確認して送信するとスムーズです。
- 参考:INDONESIAN QUARANTINE AUTHORITY「User Manual Prior Notice Web-Application」
インドネシア進出を検討する際には、輸出・輸入手続きだけでなく、市場規模や法人設立の規制や手順なども整理する必要があります。全体像を確認できる「インドネシア進出ハンドブック」は、こちらから無料でダウンロードできます。
カジュアルにインドネシア進出を試した小売企業様の事例
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ドラッグストアやショッピングモールでの市場調査、競合商品の価格調査、現地消費者へのインタビューを実施。市場性を確認した上で、正式なインドネシア進出を決定した。(化粧品企業様)
- 営業経験のあるインドネシア人を2名チームで雇用し、スポーツジムや病院、リハビリ施設などへの営業活動を実施。販売代理店候補の開拓や市場ニーズを調査し、調査後に販売体制を構築した。(健康器具メーカー様)
- EC運営経験のあるインドネシア人チームを雇用し、現地ECモールへの出品やSNSを活用したテストマーケティングを実施。売れ筋商品やターゲット層を分析し、本格的な販売開始につなげた。(総合雑貨メーカー様)
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。小売関連のビジネスであれば、貴社でもそれが可能です。
検疫の事前通知(Prior Notice)を含む検疫手続きの流れ

Prior Noticeは、インドネシアへの輸出・輸入に関わる検疫手続きの一部です。
実際の手続きは商品や輸送方法によって異なりますが、基本的には次の6ステップで確認するとわかりやすいでしょう。
1. 商品の原材料、加工方法、用途、HSコードを整理する
最初に、自社商品がどのような原材料で構成され、どの程度加工され、どのような用途で輸入されるのかを整理します。商品名だけでは、検疫対象かどうかを判断できない場合があります。
2. 最新の対象品目リストと照合する
検疫対象品目のHSコードは、規則改正によって調整される場合があります。過去の輸入実績や古いリストだけに頼らず、インドネシア側の輸入者や通関業者を通じて、最新情報を確認しましょう。
3. 検疫関係書類の要否を確認する
衛生証明書(Health Certificate、Sanitary Certificateなど)、植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)など、商品に応じて必要となる書類を確認します。発行機関、申請方法、発給までに必要な期間も早めに確認しましょう。
4. 日本側の輸出者がPrior Noticeを提出する
原産国側の輸出者が、必要情報を整理し、Prior Noticeを作成・署名・提出します。
提出のタイミングは、原産国を出発する前、または出発時です。ただし、提出の時期や詳しい手順は、品目や運用によって確認が必要です。Prior Noticeポータルの最新マニュアルや、インドネシア側の輸入者・通関業者の案内も確認してください。
5. インドネシア側で検疫申請・通関手続きを進める
インドネシア側では、貨物の到着に向けて、輸入者や通関業者などが必要な検疫申請や通関手続きを進めます。Prior Noticeは、これらの手続きを円滑に進めるための事前準備の一つです。
6. 書類確認や必要な検査を受ける
商品やリスクに応じて、書類確認や必要な検査が行われます。条件を満たしていることが確認されると、必要な検疫手続きを経て、貨物を港から搬出できるようになります。
検疫の事前通知(Prior Notice)で起こりやすいトラブルと対策
自己判断で準備し、検疫対象商品への対応が遅れる
検疫対象になる可能性があるのは、生きた動物、魚、植物だけではありません。加工品、業務用原材料、食品、飼料、自社使用目的の貨物、サンプル品なども確認が必要です。
また、対象品目は規則改正によって変更される場合があります。過去の輸入実績や古いHSコード別リストだけで判断し、後から検疫対象商品だったことがわかると、追加の対応で予定外の時間やコストがかかることになります。
輸出の都度、最新の対象品目リストと照合し、判断に迷う場合は、インドネシア側の輸入者や通関業者にも確認することが重要です。
証明書や輸送情報の準備が間に合わない
Prior Noticeは、貨物がインドネシアへ出発する前、または出発時に提出します。対象商品によっては、衛生証明書(Health Certificate、Sanitary Certificateなど)や植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)の参照番号、発行地、発行日なども入力します。証明書が発行されないとPrior Noticeに進めないため、全体のスケジュール管理が重要です。
証明書の取得時期と船積み・航空便のスケジュールをあらかじめ確認し、確定した情報を速やかに共有できる体制を整えておきましょう。
入力内容と証明書・輸送書類が一致しない
Prior Noticeでは、商品名、HSコード、数量、証明書番号、コンテナ番号、積込港・荷卸港など、多くの情報を入力します。
検疫証明書、インボイス、パッキングリスト、輸送書類との記載に不一致があると、到着後の確認や修正に時間がかかる可能性があります。送信前に、入力担当者とは別の担当者も確認するなど、ダブルチェックの体制を整えましょう。
検疫以外の輸入規制を見落として通関が止まる
検疫とその事前通知であるPrior Noticeは、輸入手続き全体の一部です。商品によっては、輸入承認(PI)や施設認定が必要です。また、加工食品などでは、BPOM登録やハラール対応の要否も確認する必要があります。
検疫だけでなく、輸入から販売・自社使用までの流れをまとめて整理することが重要です。必要な手続きが完了していないと、現地到着後に通関が止まる可能性があります。
検疫対象品の輸出は準備が重要
インドネシアへ動物、魚、植物やその派生製品を輸出する場合は、検疫対象になる可能性があります。検疫対象商品は、原則として、貨物が到着した後の検疫申請だけでなく、出発前に提出するPrior Noticeが必要になります。
日本側の輸出者などの関係者は、輸出前に以下のような準備を行い、Prior Noticeを提出します。
- 自社商品が最新の検疫対象HSコードに該当するか、現地輸入者や通関業者と確認する
- Prior Noticeポータルのアカウント登録とログイン確認を済ませる
- 必要な検疫証明書を取得し、輸送情報が確定した後、貨物の出発前または出発時に必要情報を送信できるよう、社内担当者、フォワーダー、現地輸入者の役割分担を整理する
加工食品、業務用原材料、飼料、自社使用目的の貨物、サンプル品なども、検疫対象になり得ます。商品名だけで判断せず、原材料、加工方法、用途、HSコードを整理し、最新の対象品目リストと照合しましょう。
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